犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

牛丼の吉野屋,韓国撤退の真相

2007-03-15 07:38:05 | 食べる

 吉野屋に「牛丼」が全面復活したとのこと,韓国でも報道されました。(→リンク

 でも,なんで韓国でこんなニュースが報道されるんだろう。吉野屋が韓国から撤退して久しいのに。米国とのFTA交渉で牛肉が問題になっているからかな?

 実は,吉野屋,私が韓国に赴任してまもない,たぶん97年ごろ,韓国に進出したことがあります。
 日本では,残業したときなど,夜食としてときどきお世話になり,それなりに好きだったこともあって,ある日家族全員を連れてチョンノの吉野屋に行きました。

 なんか感じが違う。こぎれいで,マクドナルドのような雰囲気。牛丼だけでなく,焼きとり丼など,見慣れないメニューもありました。

 そして何よりも違うのは,日本のシステムとは違い,ハンバーガー屋さんのようにカウンターでトレイにのった牛丼を受け取ること。調子が狂っちゃうなあ,と思いましたが,それなりに不満なく食べました。
 料金は3500~4500ウォンぐらいで,日本の価格に比べるとやや高め。

 しかし,その一年後,吉野屋は撤退します。

 IMFの影響だとか,牛丼の味付けが韓国人の口に合わなかったとか,いろいろ言われました。
 当時の新聞記事のインタビューで,現地責任者の敗戦の弁として,

「当初,食事ではなく間食の感覚で食べてもらおうと,ハンバーガー屋さん形式にした。しかし,牛丼はやっぱり食事として受け取られ,食事時間以外の時間帯は,お客さんがサッパリだった」。

 でもね,私は,そんなことよりもっと致命的な問題点があったと思います。

 それは,キムチです。

 なんと,吉野屋はキムチで金を取った!

 500ウォンも!!

 日本でも,卵,味噌汁,お新香は別料金。キムチは日本のお新香のようなものだから,500ウォンぐらいとっても構わないだろう,と考えたのでしょう。

 それは甘い。

 韓国におけるキムチとは,そんなものではありません。

 韓国で「キムチで金を取る」というのは青天霹靂,奇想天外,今時初聞(前代未聞),前無後無(空前絶後),抱腹絶倒,言語道断,厚顔無恥の暴挙です。犯罪行為と言っても過言ではありません。

 キムチで金を取られた韓国人客は,100人が100人,

「こんな店,二度と来るか!」

と憤慨するはずです。

 韓国人にとってキムチは,お新香ではない。紅生姜です。吉野屋も紅生姜で金はとらないでしょう? 寿司屋でガリの金を取るでしょうか。

 私は,吉野屋が撤退に追い込まれた唯一最大の理由が,この500ウォンキムチにあると思っています。


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4 コメント

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明洞トンカツ (犬鍋)
2007-03-16 06:05:39
のことですか。あそこもそんなことやってたんだ。

前無後無じゃなかったんですね。

この前通ったら、スタバになってました。
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使い回し (犬鍋)
2007-03-16 06:02:46
店によると思います。
最近は捨てる店が多いと思いますが。

親が技士食堂(タクシー運転手がよく行く深夜食堂)をやっている人に聞いてみたら、半分以上残されたものは使い回すと言ってました。

甘い卵焼きや伊達巻きが苦手という韓国人、多いですね。
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Unknown (某延世大留学生)
2007-03-16 00:34:53
ミョンドンの明洞衣料の隣のラーメン屋。最近行ってないので今もあるか分かりませんが、かつてはキムチ一皿ごとにお金を取ってました。あまりの評判の悪さにすぐただでくれるようになりましたが。
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Unknown (hana)
2007-03-15 13:12:46
しかし韓国の飲食店でタダで出てくるキムチって
たしか使いまわしなんですよね?
それならタダでもしょうがないと思いますけど。
吉野家のお新香は一皿ずつカウンターのケースに
入っていて一応清潔ですから。
そういえばボアも日本に来て一番驚いたのは
キムチが有料だったことだと言ってましたし
日本料理の味付けで煮物にミリンや砂糖で
甘辛くしてあるのが「ありえない」と言ってました。
吉野家の牛丼も甘いのが駄目だったりして?
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