東京の桜が開花したこの週末、花見とは無縁で土曜日に仕事をし、帰りに韓国バーに寄りました。
土曜日の7時過ぎとて、客はなし。アガシも早番の一人だけでした。
「寒いね」
「そうですね」
「こういう寒さ、なんていうか知ってる?」
「さあ」
「花冷えだよ」
「はなびえ? 初めて聞きました」
「韓国語にも似た言葉があるでしょう」
「えっ? 何だろう」
「コッセムチュイ」
「コッセムチュイ? 聞いたことないですけど」
「そんなはずないよ」
鞄から電子辞書を取り出して調べると、ちゃんと載っている。
「ほんとだ」
そういえばこのアガシ、朝鮮族だった。
「延辺では使わないのかな」
アガシは奥にいた男性のマスターのところに聞きに行きました。意味はわかったようだけれども、やはり中国東北地方では使わない言葉のようです。
「延辺は4月に入ってもすごく寒いですよ。雪もよく降ります」
「じゃあ花冷えなんて言葉使わないね」
「でも覚えました。別のお客さんに使ってみます」
「小春日和って言葉もあるよ。これは秋に使うんだけど」
「じゃ、秋になったらまた教えてください」
彼女の母語は朝鮮語。学校では中国語(マンダリン)を習うので、朝鮮語と中国語のバイリンガル。この店にいる中国人、マレー人とは中国語で会話しています。
日本に来て1年で、日本語もほぼマスターしている。日本の大学を卒業したら、アメリカに留学して英語も身につけ、いずれは中国で観光の会社を自分でやるのが夢とのこと。
頑張って勉強して、夢を実現してほしいものです。
〈参考〉
コッセムチュイ
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次のディープ探検には必ず誘います。