※ ネタばれ注意! 年末、ラトビアに住むロシア人女性とチャットをしていて、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』について感想を聞かれ、とっさには答えられませんでした。 それで、正月休みに帰省した際、家にあった単行本を持ち帰り、あらためて読み直しました。 私がこの本を買ったのは、初版が発売された直後、2013年4月で、おそらくその年のゴールデンウィーク前後に読了したと思われます。なぜ . . . 本文を読む
上下二巻の『パチンコ』は、上巻の終わりのあたりから、戦後の日本が舞台になります。 下巻の冒頭に、力道山が登場します。 モーザス(イサクとソンジャの息子)は、お気に入りの漫画や古銭、父の眼鏡など大事な品物を納めたトランクの蓋の内側にプロレスラーの力道山の写真をテープで貼っていた。在日コリアンの力道山とは違って、モーザスは相手と密着して長時間組み合うのは好きではない。力道山は空手チョップで有名だが、 . . . 本文を読む
少し前にご紹介した小説『パチンコ』は、1910年から1989年までの朝鮮半島と日本が舞台になっています。 小説の中には、日韓間の歴史的事件がたくさん出てきます。それについて私は「重大な事実誤認は見当たらなかった」と書きました。これは裏を返せば、軽微な事実誤認はある、ということです。 以下に、私が「?」と思った点について、挙げてみたいと思います。 『パチンコ』の著者、イ・ミンジン女史は、8歳のとき . . . 本文を読む
知り合いに勧められて、『パチンコ』という小説を読みました。 ミン・ジン・リー著『パチンコ 上・下』(池田真紀子訳、2020年、文藝春秋刊) 日本統治下の朝鮮半島から日本に渡ってきた朝鮮人家族の、4代に渡る生活(1910年~89年)を描いた歴史大河小説です。 アマゾンの内容紹介を引用すると… 日本に併合された朝鮮半島、釜山沖の影島。下宿屋を営む夫婦の娘として生まれたキム・ソンジャが出 . . . 本文を読む