今回の朝ドラは、個人的に『ひよっこ』以来、一番ハマった朝ドラであった。毎日が楽しみで仕方がない状況が、全放送を通して継続。そして、ハマっていたのは僕だけではなく、ネットでは多くの視聴者が毎日一喜一憂しながら、色々なコメントをして大いに盛り上がったのがとても印象的であった。
親子3代、100年に渡る物語で、主演を3人がリレー形式で演じたというのも初めての試みであった。演じたのは、上白石萌音(安子)、深津絵里(るい)、川栄李奈(ひなた)の3名。みんな実力派の人気女優であり、何とも豪華なリレーであるが、この中でも久々の登板となった深津絵里には感動した。今も変わらぬ美しさは中盤のカムカム大阪編を大いに盛り上げてくれた。
この3人の女優が演じた時代を、仮に安子編、るい編、ひなた編と呼ぶが、安子編は、第二次世界大戦の岡山が舞台なので、どうしても戦争に巻き込まれてしまい、物語全体としては暗い。しかし、そんな状況の中でも、その後の物語においてベースとなる様々なエピソードをしっかりと描き切ったし、上白石萌音も安定感抜群の演技であった。そして夫の稔さん役にSixTONESの松村北斗を起用したのはとても新鮮だったし、彼も爽やかな演技でかなりの好印象を残したのは大きかった。しかし、安子編の最後は、安子が娘のるいを日本において、アメリカに旅立ってしまうことで、るいの額と心に大きな傷を残してしまうところで、るい編に移っていく。
るい編は“ジャズ編”とも言えるが、岡山から大阪に引っ越し、一人で生きて行くことを決意したるいが、ひょんなことでクリーニング屋に住み込みで働くことになる。しかし、このクリーニング屋の夫婦(演じるのは村田雄治、濱田マリ)が、るいを我が娘のように可愛がってくれて、カムカムの中でも実にいい味を出してくれた。この2人のおかげもあって、るい編は安子編から一転してとても明るい展開となり、ジャズをテーマに何とも楽しげな時代が描かれた。そしてるいは、トランペッターのジョーこと大月錠一郎と出会うことになり、最終的には夫婦になるが、るい編の終盤は、デビューを約束されていたジョーが突然トランペットを吹けない病気にかかってしまい、とても切ない展開となったことで、視聴者をハラハラさせたが、総じて明るく、高度成長期の楽しい時代の物語であった。
そして最後がひなた編。ひなたはるいの時代から登場しオーバーラップしていくが、子役時代のひなたを演じた新津ちせ(新海誠の娘)もとても可愛かったので好きだったが、その後のひなたを演じた川栄李奈は、さすがの見事な演技力であった。そして、川栄がとてもキュートであることを改めて認識してしまったのは大きな収穫だった。ひなた編は、“時代劇編”とも言える展開に。るい編の終盤、ジョーの影響もあり、子供の頃からひなたは時代劇にどっぷりハマってしまう。そして時代劇好きが高じて条映(東映へのオマージュ)映画村に就職する。ここからは松重豊演じる伴虚無蔵というキャラクターや、ひなたの恋人となる大部屋若手俳優の五十嵐文四郎(本郷奏多)や、ももけんこと桃山剣之介(尾上菊之助)、美咲すみれ(安達祐実)など、個性豊かな俳優陣が多く登場し、華やかで楽しい時代となった。
それにしても、ひなた編の最終週が、怒濤の伏線回収が繰り広げられ、ファンを熱狂させた。安子とるいの感動的な再会と和解、そして安子、るい、ひなたの3ショットなど、視聴者を飽きさせない見事な展開であった。脚本の素晴らしさを実感した。
カムカムが終わってしまい、僕と同じように“カムカムロス”になっている視聴者も多いのではないだろうか。まずは後半の総集編が早く放送されることを楽しみにしたいし、次の朝ドラ『ちむどんどん』もどんな展開になるのかを楽しみにしたいと思うが、カムカムは本当に楽しませて貰ったし、思い出深い朝ドラとなった。
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