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大迫力の中国映画、『新少林寺』!

先日、米国出張の際の機内で中国映画『新少林寺』を鑑賞した。日本ではまだ未公開の映画である。タイトルからして、あの1982年に大ヒットし、一世を風靡したリー・リンチェイ(ジェット・リー)主演の『少林寺』の続編かと思いきや、少林寺を舞台にはしているものの、続編という位置付けではなく、中国の内戦に迄Mされながらも、万人に対して差別無く慈悲を与えるという少林寺の教えを貫く少林寺の僧侶たちの物語。また、カンフーは確かにあるが、どちらかというと、カンフー映画では無く、時代劇アクション映画というべき作品で、かなりの重厚感のある大作である。



香港では旧正月前の今年1月末から公開され、大ヒットしたらしい。
制作費27億円をかけて、実際の少林寺にそっくりな実物大のセットを作り上げ、ラストシーンでの大量の爆発シーンなどは圧巻。また、豪華な主演陣も魅力だ。主演はあのアンディー・ラウ。極悪非道なハウ将軍を演じるのだが、その将軍がどのように改心していく、“成長物語”が見所の映画となっている。50歳になり、すっかりベテランの域に達しているアンディーだが、相変わらず渋くてカッコいい。




他には僕の気に入っている美人女優のファン・ビンビン。以前紹介したチャン・ツィイーと共演の『ソフィーの復讐』でも美しかったが、今回のような時代劇でもやっぱり美しい。今回はアンディ・ラウ演じるハウ将軍の妻役を演じる。彼女はサントリーウーロン茶のCMにも主演していることでも知られている。





ハウ将軍の部下で、悪役将軍に転じる姿を演じるのが、イケメン俳優のニコラス・ツェーが好演。そして何と言ってもあのジャッキー・チェンが少林寺のコック役で得意のコミカルな役を演じている。



さて、注目のストーリーだが、舞台は内戦が絶えない中国。極悪非道で無慈悲な将軍ハオは、敵の将軍が逃げ込んだ少林寺にやってくるが、神聖なる場所にも容赦なく土足で踏み込み、僧侶や逃げ込んだ敵の将軍を殺す。そして、少林寺の看板にも落書きをして去って行く。その後、中国を統一したいハオ将軍は、兄のように付き合ってきた年長の将軍の暗殺を企てるが、ハオ将軍に一番近い部下に裏切られ、失敗に終わる。そしてこの混乱を境にハオ将軍は首を狙われる立場となって国を負われてしまい、壮絶なチェイスのあと娘と共に少林寺に辿り着くが、娘は死んでしまう。この悲惨な事件を機に、ハオ将軍は少林寺に身を隠すこととなるが、僧侶たちと接し、修行をして行く中で次第に改心し、自分が如何に愚か者であったかを悟るようになる。しかし、その後時代は、ハオ将軍と同じように極悪非道の将軍と化してしまった部下の統治下。ハオ将軍が生きている限り心は休まらない為、ハオ将軍が少林寺にいることを突き止めると、軍による一斉攻撃が始まる。平穏な少林寺も時代の大きな戦に巻き込まれてしまうが、ハオ将軍は部下の悪行は自分がそもそも招いた種であり、彼を改心させる為自らを犠牲にして示していく。



このように、映画はカンフー映画では無く、重厚な歴史絵巻として描かれており、とても深いドラマに仕上がっている。また、馬車によりチェイスシーンがあるのだが、崖から落ちそうになる場面の連続で、ベンハーさながらの緊迫したアクションシーンは必見。

ジャッキー・チェンは今回主役ではないものの、出演シーンも多く、緊迫した映画にユーモラスなコックを演じることで癒しをもたらしており、とても重要な役割である。ジャッキー・チェンも既に57歳。昨年の『ベストキッド』がまだ記憶に新しいが、すっかり全盛期のアクションからは程遠くなってきたものの、今でも現役で活躍しているのはやっぱり素晴らしい。ジャッキー・チェンがもしも亡くなってしまったら、その時はブルース・リーを失って以来の大きな損失となるだろう。



80年代、90年代のカンフー映画ブーム以来、最近はどうも日本で公開すらされないカンフー映画の名作が多い。以前紹介した『イップマン』もその一つだが、確かにこの作品は相当の反日映画にて、日本での公開も難しいかもしれないが、この『新少林寺』はぜひ公開されるべき映画である。

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