2日目は、朝6時に起床。ホテルで朝食を食べてから8時過ぎにチェックアウトし、姫路駅からJRで三宮へ。三宮からは阪急電鉄に乗り、西宮北口駅で阪急今津線に乗り換えて、宝塚南口駅に向った。電車で姫路から約1時間15分の旅だ。宝塚歌劇団の劇場があることでも有名な宝塚はもっと都会なのかと思っていたが、行ってみると近くには川も流れ、実に爽やかな”郊外”という雰囲気でかなり意外であった。
宝塚劇場の隣には今回訪問の目的である「手塚治虫記念館」がある。宝塚は手塚治虫の生まれ育った町だが、彼は宝塚劇場にも頻繁に足を運び、ショーを見るのが大好きだったようで、作品にも宝塚は頻繁に登場する。
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手塚治虫記念館はそう大きな建物では無いが、入り口にはハリウッドMann’s Chinese Theaterさながら、ヒゲオヤジ、お茶ノ水博士、アトム、ウランちゃんなど手塚作品でお馴染みの人気キャラクターの足型が敷き詰められていて面白い。館内に入ると天井には手塚キャラのステンドグラスが迎えてくれる。そして手塚治虫が小学生や中学生の頃に描いた昆虫の絵(これが実に精密に描かれており、中学生がペンで描いたとは思えない完成度!)、自画像など、幼い頃から非凡な才能の持ち主であったことを窺わせる展示物が並ぶ。そして、初期手塚作品として有名な漫画の原本なども多く展示されていた。また、館内の小劇場では、手塚関連短編アニメの上映会が行われていた。今回上映されていたのは、「都会のブッチー」という作品で、手塚治虫によく似ている、絵の上手な少年ブッチーと、華やかなショーの世界に生きるマーガレットとの出会いと交流をコミカルに描いたファンタジー。13分の短編ながら、まさに手塚治虫の宝塚への憧れを描いた作品あった。
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手塚治虫は鉄腕アトムや、リボンの騎士、ジャングル大帝、ブラックジャックなどのアニメ作品で特に有名だが、僕は彼の初期3部作で、漫画界の最高傑作とされている「ロストワールド」、「メトロャ潟X」、「来るべき世界」が大好きで、昔夢中になって読んだのを覚えている。この3作品の貴重な原本などが展示されていたのは実に嬉しかった。また、同じく彼の初期傑作とされる「新宝島」も多くの原画が展示されており、手塚ファンには鼻血が出るほどたまらないコレクションである。10月10日からハリウッド版の鉄腕アトムである「ATOM」(英語タイトルはASTRO BOY)がついに劇場公開されたことを受けて、この手塚治虫記念館も盛り上がりを見せていた。
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宝塚市立 手塚治虫記念館
兵庫県宝塚市武庫川町7-65
0797-81-2970
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/Tezuka/
妻と娘も手塚治虫記念館で塗り絵やプリクラ、アニメ製作体験など色々と楽しんだ後、後ろ髪を引かれつつ手塚治虫記念館を後にして、再び電車で三宮近くの南京町へと向った。南京町とは神戸の中華街。横浜の中華街に比べるとエリアとしては小さかったが、むしろ密集している分観光客で大変な賑わいを見せていた。ここでのお目当ては「空龍(コンロン)」という、ブルース・リー関連グッズを売っているお店を訪れる為だ。ブルース・リーグッズと言っても、どちらかというとマニア向けの本格的なグッズでは無く、一般観光客向けにブルース・リーをもじったお土産品など軽めのものを売っており、単純に見ていて楽しいお店だ。
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店頭には等身大のブルース・リーの像が出迎えてくれ(全く顔は似てないのだが)、店内にはヌンチャクやもうすっかり有名な「死亡遊戯」でブルース・リーが着ていた黄色いトラックスーツが子供用、大人用などたくさん取り揃えていた。映画「キルビル」や、CMなどでも頻繁に登場する為、すっかり有名になったが、これが結構売れるらしい。
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神戸南京町 空龍 (コンロン)
神戸市中央区栄町通2-9-11
TEL 078-332-5060
http://www.nankinmachi.or.jp/phpshop/shop_hp_type_a.php?no=26
南京町を後にして、ついに今回の旅最後のメインイベント、あの巨大な鉄人28号モニュメントを見る為、神戸・新長田駅に向う。長田地区は阪神大震災で最も被害を受けた場所の一つ。今は再開発が進んですっかり新しい町になったが、鉄人28号の原作者、横山光輝はここ長田の出身でも有り、阪神大震災復興のシンボルとして市民からの寄付を集めてこの巨大鉄人28号モニュメントが作られたのである。場所は、JR新長田駅から徒歩2分。大丸の隣の広場にそびえ立つ。漫画での設定通り、全長18メートルで、実際に間近で見ると度肝を抜かれる大迫力で、今にも動き出しそうである。 周りには写真を撮る多くのファンや観光客で賑わっており、鉄人28号ファンとしては感動的であった。
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それにしても、こんな巨大な鉄人28号を作ってしまうとは凄い。お台場に登場したガンダムもそうだが、着工から完成まで1年くらいかけて製作されているようだが、本当に夢のある企画であり、ファンとしては嬉しい限りだ。既に他界されている原作者の横山先生が見ることが出来なかったのは残念だが、こうして今後も鉄人28号は受け継がれていくのである。
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隣の大丸では「鉄人28号と昭和のくらし展」をちょうど開催していて、こちらにも人間と同じサイズの鉄人28号が展示され、昭和のグッズなどが多く展示販売されていた。また目玉の一つは、鉄人28号のブリキのおもちゃが多く飾られており、中には数百万もするような希少価値の高いモデルも有って、マニアにはたまらない展示である。
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そして、新長田駅の近くには、「鉄人案内所」と書かれた看板のある写真屋さんを発見。良く見ると、ここでも鉄人28号オリジナルT-シャツ(敷島重工デザインなど)や、鉄人28号グッズが少し売られており、僕も思わずTシャツを購入してしまった。
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また大丸の外の外灯は、鉄人28号の頭部の形をしたものになっており、こちらも粋な計らいである。それにしても観光地では無い、ごく普通のこの町が、町ぐるみで鉄人28号を盛り上げており、いたる所で市民の熱い思いが感じられた。
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これでめでたく今回旅の目的であった日程全てをこなし、神戸空港から東京へと帰路についた。それにしても今回の旅行は、僕の好きな「お城」、「手塚治虫」、「ブルース・リー」、「鉄人28号」全てを2日間で網羅したものとなり、本当に最高の思い出となった。このあまりにもマニアックなツアーに、快く付き合ってくれた家族に改めて感謝したい。