Soul Asylumのニュー・アルバムがリリースされた5日後の7月17日、ミネアポリスが誇る最強タッグ・バンド、Golden Smogの通算4枚目(EP含む)のアルバム 『Another Fine Day』 が、Ryan Adamsでお馴染みのレーベルLOST HIGHWAYよりリリースされた。
こちらも実に8年ぶりのアルバムである。
バンド結成当時は覆面バンドとして、各々のメンバーの名前も伏せていたが、今ではその名も明かし、今年はツアーも行なっているれっきとしたバンド。
初期は元ReplacementsのChris Marsが居て、Big StarのJody StephensやHoneydogsのNoah Levyが参加したりして、始めた当初は気の合う仲間が集まってセッションし、遊び心満載の楽しんで作っちゃいました~的な部分があったが、どんどん知名度もバンドそのものも大きくなって行った。
今回のレコーディング・メンバーは、オリジナル・メンバーGary Louris、Marc Perlman(共に元The Jayhawks)、Dan Murphy(Soul Asylum)、Kraig Jarret Johnson(元Run Westy Run)と、途中参加のJeff Tweedy(Wilco)。
もうこのメンツを見るだけで、どれだけの実力派が揃っているか一目でわかる。
いやぁ、もうその完成度と言ったら脱帽もの。一曲目から唸らせる。
デビュー・アルバムのEPはオール・カヴァー・ソングだったが(レビューはこちら)、その後の2枚はネオ・カントリー寄りだったのに比べ、今回のアルバムはいろいろなテイストが散りばめられたアルバムになっている。
Marc Perlman以外全員がそれぞれリードVo.を取り、オルタナ・ロックあり、ポップな曲あり、Gram Parsonsを彷彿させるようなカントリー・ロックあり、The Jayhawksを思い出させるような切ない曲ありと、とても楽しめる。
私はKraigの温かい歌声が大好きなのだが、そのKraigがVo.のちょっダークなナンバーM-1 「You Make It Easy」 で始まる。
響き渡るギターの音色がアクセントの、勢いがあって軽快なラヴ・ソングだ。
GaryがVo.のアルバム・タイトル・チューン、M-2 「Another Fine Day」 では、ガラッと雰囲気が変わり、アコギとウーリッツァとピアノとディストーションの効かせたギターが絶妙に絡む。
M-3 「5-22-02」 は女性のバック・コーラスも入ったとっても可愛いらしい曲で、ほんわかしてくる。
彼らがハイ・スクール時代にガレージでセッションをしていた頃の感情が、溢れんばかりに湧き出てくると言うM-5 「Corvette」 は、とってもポップで疾走感のあるナンバー。
これまでに亡くした多くの友のことを歌ったもの哀しいM-7 「Listen Joe」 は、GaryとJeffのツインVo.が切なくハモる。
Soul Asylumでは殆んどコーラスに徹しているDanがVo.の M-9 「Hurricane」 や、KraigがVo.のM-11 「Frying Pan Eyes」 は力強いロック・ナンバーで、Marcのベースが軽快にズンズンと奥まで響く。
ハーモニカが印象的なGaryがVo.の M-12 「Gone」 は、愛と死を歌った切ないナンバー。
M-14 「I Can」 のハーモニーは絶妙。優しく響くスライド・ギターとキーボードの音色が心地良い。
全15曲、とても聴き応えのある楽曲ばかり。
JayhawksもRun Westy Runも解散してしまったので、是非このバンドでライヴを堪能してみたいものだ!