Soul Asylumのニュースに歓喜の雄叫びすら上げていた私は、休みの今日一日、ひたすらSAを聴いたあと、70年代にトリップしていた。
当時、それまで洋楽と言えば、とあるUKのアイドル・グループ(タータン・チェックのあのグループ)に夢中だった私は、その頃兄のように慕っていたセンパイとその仲間たちの影響で、いろんな洋楽を聴くようになっていた。
StonesやKISS、Queenなどに夢中になる一方で、一時期ウェスト・コースト・ミュージックにハマっていた。
最初はロクに英語の歌詞もわからないまま、耳から入ってくる音に酔っていたが、その後、歌詞カード片手に曲を覚えたり、辞書を引いて意味を調べたりしたものだった。
そしてその時期に、Carole KingやJames Taylor、Nicolette Larson、Jackson Browne、J.D. Souther、Steely Dan、The Doobie Brothers、Little Feat、Russ Kunkel、Danny Kortchmar・・・と言った、歴史に残るミュージシャンをたくさん知った。
中でもいちばん好きになってハマったのが、The Eaglesだった。
でも私は、あの誰もが知っている超有名曲 「Hotel California」 は好きではない。
何故なら、もうその頃のEaglesは、自虐的で終っていたから。
だから、アルバム 『Hotel California』 が歴史的名盤なんて言われてることに納得はしていない。
いちばん好きで良く聴いていたのは、2ndの 『Desperado』 だった。(写真右)
CANDYのトピでも書いたが、80年代半ば頃までの国内盤は、本当にどうしようもなくセンスのない日本語のタイトルが付けられていた。
私が今でもほとんど輸入盤しか購入しないってのは、この頃の影響もあるのかも知れない。
例えばその 『Desperado』。いいじゃない、“Desperado” で・・・。わざわざ “ならず者” にしなくたって・・・。
でもその後、この曲をThe Carpentersがカヴァーした時の邦題は、“愛は虹の色” だった。
うーん、主旨がわからない・・・。でも、当時の映画もそうだったな、とつくづく思う。
“愛と○○の~” ってのがめちゃくちゃ多かった気がする。
“ならず者” だけじゃない。収録曲のほとんどがそんな感じ。
「Certain Kind Of Fool」 は “その種の愚か者”、いや、確かにそうだが直訳だよ・・・。
1stに収録されている 「Train Leaves Here This Morning」 ⇒ “今朝発つ列車” や、「Earlybird」 ⇒ “早起き鳥” には、もう笑うしかない。
他にも、「I Wish You Peace」 ⇒ “安らぎによせて”、「One Of These Nights」 ⇒ “呪われた夜”、「Pretty Maids All In A Row」 ⇒ “お前を夢みて”、「Try And Love Again」 ⇒ “素晴らしい愛をもう一度”、「The Greeks Don't Want No Freaks」 ⇒ “グリークスはフリークスお断り” などなど、挙げたらキリがない。
邦題で言われても、どの曲だかさっぱりわからない。
まあ、こういうダサい邦題も徐々になくなり、今ではまず見かけなくなった。
なので、Jellyfishの 『Spilt Milk』 が出た時はさすがに驚いた。
“こぼれたミルクに泣かないで” だなんて・・・。
この邦題ネタだけで、十分トピが埋まりそうなので本題に戻すことにしよう。
Eaglesの当時持っていたレコードは、全部処分してしまったので、手元にある音源はカセット・テープだけだった。
ある日突然じっくりと聴きたくなり、そんな時に役立ったのがベスト・アルバム。
Eaglesのベスト・アルバムも何種類か出ているが、どれもイマイチ選曲に納得が行かず、購入までに至らなかったのだが、2001年に出たこの 『The Very Best Of The Eagles』 の選曲は良かった。(写真左)
私の好きな2ndにはコンセプトがあり、とても重要なストーリー性があったので、全アルバムからピック・アップしたベスト盤はいかがなものかとも思ったが、これはなかなかいい選曲で、デジタル・リマスター盤だし、私の聴きたい曲をちゃんと押さえてくれていた。
Eaglesは、GのGlenn FreyとドラムスのDon HenleyがリードVo.を取る曲がほとんど。
私はDon Henley派で、彼のハスキーで哀愁に満ちた声が大好きだ。
時々リードを取るベーシスト、初期はRandy Meisner、その後はTimothy B. Schmitだが、このふたりのVo.も好きだった。
特にRandyが歌う 「Take It To The Limit」、Timothyが歌う 「I Can't Tell You Why」 は本当に切ないバラードで、しんみりする。
Glenn Freyの声はあまり好きではないので、自然と好きな曲もDon Henleyが歌う曲になってしまうが、やはりなんと言っても 「Desperado」 は最高のバラード。
ピアノの音色が、これほどまでに悲しげで切なくて綺麗なバラードは、この曲とBilly Joelの 「Honesty」 とEric Carmenの 「All By Myself」 ぐらいではないだろうか・・・。
「Desperado」 はThe Carpenters以外にも、Rinda Ronstadtもカヴァーして、今では代表的なクラシック・ロックの一曲と化しているが、今聴いても古さは全然ない。
時にはじっくりと、こういう懐かしい曲を聴くのもいいもんだ。
そして、久しく聴いていなくてもちゃんと歌詞を覚えていて一緒に歌えるということ。
かつて愛した音楽は、何年経っても色褪せない・・・。