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『Kommissar REX』

2008-08-26 | cinema & drama


ずっと地上波オンリーだったうちのTV環境も、地デジ対策でケーブルTVを導入し、CSやBSの様々な番組を楽しんでいる。
特にCSでは、懐かしの 『ナイトライダー』 や 『特攻野郎Aチーム』 などから、最近話題の 『HEROES』 まで、大好きな海外ドラマがたくさん放送されているのが嬉しい。
そんな中、今いちばんハマっているのが、ミステリチャンネルの 『REX~ウィーン警察シェパード犬刑事~』(原題:Kommissar REX)。
ウィーンを舞台にしたオーストリア制作のドラマで、1994年から2004年にかけて10年間オーストリアを中心にヨーロッパ各地で放送され、現在は舞台をローマに移し、オーストリアとイタリアの合同制作で、キャストを変えて放送中の人気ドラマである。
今までイギリスのドラマは少し見たことはあるが、ほとんどアメリカのドラマばかりだったので、ヨーロッパのドラマを連続して見るのはこれが初めて。
そして、何と言ってもこのドラマに夢中になっているいちばんの要因は、主役のシェパード犬REXの可愛さ&賢さで、毎回愛くるしい表情と素晴らしい演技で楽しませてくれている。
犬好きの私にはたまらない作品で、これまでも 『名犬ラッシー』 や 『ベンジー』、『南極物語』 など、犬を主役にした映画やドラマは数多くあり、どの作品も感動を呼び、その素晴らしい人間顔負けの演技に感心させられてきた。ちょっと主旨は違うが、最近ではソフトバンクのお父さん犬も人気を博している。
ストーリーは、元々警察犬だったこのドラマの主役REXが、主人が殉職し、食事も摂らず意気消沈しているところを、モーザー警部に引き取られ、新しい主人と共に数々の難事件を一緒に解決して行くという物語。

 REXとモーザー警部
 甘えん坊な一面も♪

また、ウィーンが舞台ということともあり、タイトルバックにはウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂やプラーター遊園地の観覧車、セセッシオン(分離派会館)などが映り、いろんなウィーンの名所が出てくる。第7話では、かのマリアテレジアン・イエローに輝くシェーンブルン宮殿が舞台となった。
例えトレーナーが居るとは言え、REXの演技は本当に素晴らしく、特にボールを口にくわえて “遊んで!” と言わんばかりに首をコクンとかしげて見つめる表情は、たまらなく可愛い。
REXが大好きなソーセージ・パンを、モーザー警部の部下シュトッキー警部補と取り合いっこしたり、彼が犬嫌いということを知っているREXが、靴を隠したりして彼をいじったりするシーンは笑えるし、事件解決につながる鋭い判断力と行動力には、賢すぎて感心させられっぱなしだ。
US産とは違い、派手な演出や効果音・CGもなく、登場人物も少なくてとっても地味だが、人間味溢れる素朴な作品に親しみを感じる、一話完結のシンプルな刑事ドラマだ。
1997年には、このREXがまだ子犬だった頃のエピソードを綴った、当時から刑事犬としての素質を見せるシーンが満載の単発ドラマ、『小さな刑事 ベビー・レックス』(原題:Baby Rex Der Kleine Kommissar)が制作され、同チャンネルでも今年放送された。

Jason Mraz / We Sing, We Dance, We Steal Things

2008-08-21 | music : favorite


最近、毎朝聴いているのが、Jason Mraz(ジェイソン・ムラーズ)の 『We Sing, We Dance, We Steal Things』。
とっても優しい歌声と、自然体のオーガニックな音楽で、安らかに癒してくれ、朝からすがすがしい気持ちにしてくれる。
2002年にアルバム・デビューし、現在USサンディエゴを拠点に活動するSSWのムラーズさん(・・・と私は呼んでいる)は、これまで2枚のアルバムをリリースしている。
本作は、サンディエゴの燦々と輝く太陽と、心地良い爽やかな風を運んでくれるかのようなメロディで、一聴するとサラッと流してしまいそうだが、実はいろいろな要素が盛り込まれた個性溢れるポップ・ソングが詰まっている。
心地良いリズムで始まるM-1 「Make It Mine」 は、弾むようなホーン・セクションのアレンジが気持ちいい。
レゲエ調のM-2 「I'm Yours」 は、日本のFMラジオでもヘヴィ・ローテーションで流れていた先行シングル。木陰で感じる爽やかな南の風が、直接肌に触れているような気分になる。
Colbie Caillat(コルビー・キャレイ)という女性Vo.とのデュエット曲M-3 「Lucky」 は、サビのハモりの部分が切なく心にしみる。
ボサノヴァ・テイストのM-5 「Live High」 は、ペダル・スティールの音色がとても綺麗で、アコースティックで軽快に流れ、最後にダイナミックなゴスペル風コーラスで盛り上がる。
M-6 「Love For A Child」 は、このアルバムの中でいちばん好きな曲。これ以上に優しい曲は今まで聴いたことがない、と言ってもいいくらい。今にも壊れそうな繊細で傷ついた心を、あったかい愛に溢れたマシュマロのような柔らかさで、優しく包みこんでくれるような感じ。
それは、“I'd love to believe it's all about love for a child.” という最後の歌詞に、全てが凝縮されている。
M-7 「Details in the Fabric」 は、UKのSSW、James Morrison(ジェイムス・モリソン) とのデュエット曲。James Morrisonのハスキー・ヴォイスがムラーズさんの甘い声ととてもマッチしている。
M-10 「The Dynamo Of Volition」 の早口なヴォーカルは、ムラーズさんの得意とするところだそうで、ラップとフォークを融合させたかのような、独特な世界観を作り出している。
軽快なピアノの和音の連打に乗って歌うM-11 「If It Kills Me」 での、ストリングスの伸びやかなメロディが展開するサビは、奥行きがあってムラーズさんの音楽センスが光る。
最後の曲M-12 「A Beautiful Mess」、これまたステキなバラードで、ファルセットが混じるVo.が美しく響く。

私は、このアルバムがムラーズさん初体験なのだが、とにかくベタ褒めのアルバムで、これを聴く機会を与えてくれた同僚に深く感謝。
過去作も聴いてみたくなり、早速前作 『Mr. A-Z』 も購入。また別の機会にコラムにしてみようと思っているが、このアルバムも心地良いポップ・ソングが満載で、本作よりも早口ソングが多い。
今年のフジ・ロックに出演したムラーズさん。自然の中で聴く彼の歌声は、さぞかし気持ち良かったことだろう。
単独ライヴに行きたい!と思ったが、時既に遅し、Sold Outだった・・・。

The Fratellis @O-East, Shibuya 08/12/08

2008-08-13 | performance


この前The Fratellis(フラテリス)のニュー・アルバム 『Here We Stand』 のコラムを書いた時よりも、聴けば聴くほどより一層このアルバムが好きになっていて、今日のライヴはとても楽しみだった。
去年に引き続き、サマソニ後の東京のみの単独ライヴ。去年はもみくちゃになるのを恐れてSHIBUYA-AXの2階席でゆったりと鑑賞したが、今回は整理番号が良かったので、頑張って最前列で観てきた。
実は今回のライヴはなんと、私にとって今年最初のライヴ。これまでいくつか行きたいな~と思うものはあったものの、イマイチ気が乗らず、weezerが今年初になりそうだった時に、The Fratellisの単独が決まったのだった。

ステージのセットを見ると、マイクが3本立っていて、The Fratellisのドラムセットの前にもうひとつセッティングされていた。
場内アナウンスでゲスト・アクトがあることを知り、The Trobadours(トルバドゥール)というサマソニにも出た新人バンドが登場した。
9月24日に日本でデビュー・アルバムが出ると言っていたが、後でクリエイティブマンのサイトを見ると、どうやらそのアルバムはあのJohn Leckie(ジョン・レッキー)がプロデュースしているらしい。
アコギを中心としたシンプルでポップなサウンドが中心の、ノリのいいなかなかステキな音を奏でるバンドだった。
Vo.はあまりオーラのない普通の青年と言った感じで、一所懸命に歌う姿が印象的だった。
ベースがカッコ良く、みんなの目を惹いていて、ドラムスは客をあおるのがとても上手く、いいタイミングで手拍子を要求したりして盛り上げていた。
約30分、初めてでも何の違和感もなく、耳に心地良いポップな音楽で楽しませてくれた。

セット・チェンジの時、ドラムのサウンド・チェックをクルーの人の子供が代わりにやって、会場から大拍手。彼も成りきって両手を挙げて歓声に応える、という可愛い一幕があった。
インターバルを経て、ウォーという歓声があがり、The Fratellisの3人が登場。
悪戯っぽく 「ノルウェーの森」 のメロディを爪弾いた後、『Here We Stand』 からの1stシングル 「Mistress Mabel」 で、一気にヒート・アップした。
今回のアルバムはピアノをフィーチャーした曲が多く、ピアノ無くしては曲は生きないと思っていたので、ライヴではピアノを入れるのかな・・・と心配していたが、ちゃんとキーボーディストを加えていた。
続く 「Henrietta」 でノリノリ、当然の如くモッシュの嵐。いきなりドーンと圧迫されて、柵がまともに体に当たり、肋骨が折れるんじゃないか・・・と冷や汗もの。でもライヴを楽しまなきゃと思い、何とか立ち位置を工夫して逃げ通した。
曲順はすっかり忘れてしまったので順不動だが、「Ole Black 'N' Blu Eyes」 の横揺れは、私にはキラー・チューン。左右に体が揺れ、自然と顔がほころんだ。
Jonが、“ここ東京で初めてプレイするんだ・・・確か初めて・・・?” と言ってドラムスのMinceに目をやり、「Acid Jazz Singer」 のイントロが流れた。
Aメロはギターを弾かずに(キーボードの人が弾いていた)、ポケットに手を入れて歌うJon。哀愁漂うのびやかなメロディが、とても気持ちよく心に響いた。
「Everyboby Knows You Cried Last Night」 では、ポイントとなるドラミングと一緒にハンド・クラッピング。
大好きな曲 「Whistle For The Choir」 では、ちょっとセンチメンタルな気分にしてくれて、おおらかなリズムに心地良く酔いしれることができた。この曲はやはり名曲だ。
「Chelsea Dagger」 のタテノリは凄かったが、“オッオッオッオッ” という軍隊の掛け声のようなのは戴けない。そういうリズムだからわからなくはないが、耳障りなだけの掛け声だった。
去年のライヴでは、新曲と言って紹介した 「Tell Me A Lie」。最初のコーラスの掛け合いを、Johnと一緒になって皆大合唱。ギターのメロディはちょっとサイケで、Minceのヘヴィなドラミングがズンッとお腹に響いてきた。
「My Friend John」 の駆け抜けるロケンロール的なスピード感は、ライヴで聴くと益々気持ちが高揚。
躍動感溢れるピアノがアクセントになっている 「A Heady Tale」 は、The Fratellisのメランコリックな世界観とハッピーなパーティー・チューンがクロス・オーバーしていて、曲の抑揚を肌で感じることができた。
本編最後は、「Milk And Money」 でしっとり→盛り上がり→しっとりをくり返し、ピアノだけが残って終わった。
アンコールは 「Flathead」 と 確か 「Look Out Sunshine!」。
最後の曲すら記憶が定かではないほど夢中になっていて、アッという間に楽しい時間が過ぎてしまった。
でも、「Shameless」 や 「Babydoll」、そして新作でいちばん好きな 「Lupe Brown」 など、もっともっと2ndからの曲をやって欲しかった。
去年、小刻みにステップを踏むJonの左足に釘付けになったが、今回もその左足は健在。そして今回は表情がよく見え、ハニカんだ笑顔がキュートなのを発見。やっぱりマーク・ボランにそっくりだ。
プレイ中もMinceはとってもお茶目で、Barryはあったかい(かどうか知らないが)人柄がにじみ出ていた。
客層はかなり若く、前方は女性が多かったような気がする。それにしても、意味もなく手を振り上げたり、ただ暴れているだけの人も多く、個人的な見解だが、もっとライヴを “聴いて” 楽しめばいいのに・・・、エモ系バンドじゃないんだから・・・と思った。
そして、私はかなりThe Fratellisが好きなんだってことを再確認した一夜だった。

"The Redwalls news flash" pt.13

2008-08-08 | music : special


The Redwalls(レッドウォールズ)が、この度フランスのレーベルFargo Recordsと契約をした。
そして本日8月8日、2003年リリースのデビュー・アルバム 『Universal Blues』 が、オリジナルとは異なるジャケットでCDとアナログの2ヴァージョンが発売される。
しかし、まずリリースされるのが、何故新作ではなく敢えてデビュー作なのかということは疑問だが、今回の契約に伴い、今秋ヨーロッパ・ツアーが敢行される。
『Universal Blues』 は、昨年夏、6曲のレア・トラックを加えて再発され、彼らにとってはとても大切な作品であることには違いない。

 2003年発売のオリジナル・ヴァージョン
 2007年に再発されたニュー・ヴァージョン

★『Universal Blues』 のコラムはこちら

★アルバム・タイトル曲 「Universal Blues」 @Otto's in Chicago 03/10/2007
  途中でアングルを変えて縦撮りしてしまったので、顔を横に向けてご覧ください。



※gooブログに貼ったYouTubeは、何故か “no longer available” になって、見れない場合があるので、
  その時はこちらで

The Greenberry Woods / Rapple Dapple

2008-08-03 | music : special


このバンドは、往年のパワーポップ・ファンなら、恐らく誰もが知っていて、そして誰もが声を揃えて “好き” と言うに決まってると勝手に思っている。
私のAll time favoriteで大切なバンドのひとつ、The Greenberry Woods(グリーンベリー・ウッズ)。1994年と95年に2枚のアルバムを出した後解散し、現在はメンバーを入れ替えてSplitsville(スピリッツヴィル)として活動中である。
以前、The Greenberry Woods(以下GBW)についてコラムにしたことがあるが(こちら)、今回は彼らのデビュー・アルバム 『Rapple Dapple』 について、もう少し詳しく紹介してみようと思う。
前回のコラムのタイトルにあるように、GBWの音楽は正に “キラキラ☆ポップ” という表現がピッタリの、キュートでとっても輝いていて、爽やかで心躍るポップ・チューンばかり。
M-1 「Trampoline」 は、これもきっとパワーポップ・ファンなら、恐らく誰もがくちずさめると豪語しちゃう。厚みのあるギターに、キラキラするリードGのアルペジオが重なるイントロ。そして、歌に入ると抜けるような爽やかなメロディが広がり、サビのコーラスや間奏のメロディ・ラインはもう琴線触れまくり。この一曲だけで、GBWワールドに連れ去られてしまう。
M-2 「#37 (Feels So Strange)」 のメロディ・ラインもたまらない。特に最後の掛け合いでハモるヴァースが、とってもキュート。
M-5 「Oh Christien」 やM-6 「I Knew You Would」 に見え隠れするちょっとメランコリックな感じは彼らの特徴で、キラキラ・サウンドにちょっぴりダークな隠し味をうまく織り込んでいる。
ミディアム~アップ・テンポのピュアなポップ・サウンドが続いた後、ゆったりとしたM-10 「Adieu」 の切ないメロディは、このアルバムのアクセントにもなっている。
極めつけが最後のM-14 「Hold On」 で、私にはもう涙ものの曲。イントロのギターのメロディだけで、やられてしまう。言い表せないくらいに切なくてキュンとなるバラードで、特に最後の “Hold On~” が繰り返されるヴァースのコーラス部分は感動的。ハンド・クラッピングが絶妙に絡み、最後の最後に鳴り響くオルガンの音が、気持ちをMaxにしてくれる。
・・・と言うように、どの曲も全部ステキな曲ばかり。そして、もう14年も前の曲なのに、どれひとつ古くさい感じがしなくて、今でも十分受け入れられるサウンドというのが、いつ聴いても感じること。

いつものことながら、かなりご贔屓のコラムになってしまっているが、それだけ素晴らしいアルバムだということが少しでも伝われば幸いである。
ところで、「Trampoline」 と 「Adieu」 のビデオがあるのだが、YouTubeではUPされていなく、いろいろ検索してみたが、残念ながらエリア外で日本では見れないものしかなかった。
しかし、iTunes Storeで 「Trampoline」 のビデオが購入でき、一部試聴もできるので、GBWを知らないけどコレを読んで興味を持って下さった方や、懐かしい~と思った方は、ぜひアクセスして楽しんでほしい。ちょっとイナタい映像に、クスッと笑ってしまうかも知れないが・・・。(検索窓に “The Greenberry Woods” と入れるとヒットする)
14年も経つと、さすがにおじさんになってしまった彼らだが、Splitsvilleではちょっとロック色が濃くなったものの、今でも変わらずにきらめくポップ・ワールドを継続している。
そろそろ、新譜を出してもいいんじゃない?

★Splitsvilleのコラムはこちら