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Manic Street Preachers @BayHall, Yokohama 11/27/10

2010-12-18 | performance


大いに盛り上がり、とっても楽しかったManic Street Preachers(マニック・ストリート・プリーチャーズ:以下マニックス)の新木場STUDIO COASTでのライヴ。
その日は心地良い疲れと筋肉痛を感じながら寝たが、翌日の目覚めはスッキリ。とても爽快な気分だった。
そして、翌日も引き続きマニックスのライヴ。この日の会場は横浜BAY HALL、初めて行くヴェニューだ。
横浜みなとみらい線終点の元町・中華街駅から、徒歩で15分くらい。周りにはお店など何もない湾岸の殺風景なところに外観がやけに古い建物があって、そこが横浜BAY HALLだった。
入口からすぐ階段を上るのだが、その階段には赤い絨毯が敷かれていて、ホール内にはシャンデリア。恐らくかつては、ディスコか何かのパーティ会場だったのだろう。
そして、そこは大きな欠点のあるホールだった。二本の柱がとにかく邪魔! 渋谷クアトロの柱もかなり邪魔だが、その比ではなかった。
前日は揉まれながらだったので、自分の意思とは関係なく体が動くのが必至だったが、この日は思いのまま自由に踊って動いて楽しみたかったので、横の段差で少し高くなっているところで堪能した。
既にこの日はSold Out、熱気ムンムン超満員だった。セットリストは前日とほとんど同じだったが、1曲多く、アコースティックの曲が違った。

1曲目 「You Love Us」 から、当然の如く大合唱。盛り上がりも凄かった。
「Motorcycle Emptiness」 を歌い終えたJames(ジェームス)が、あまりにもの歓声に “Wow!” と両手を広げて、驚いたようにちょっと照れていたのが印象的だった。
Nicky(ニッキー)は白いパンツに白いジャケット姿で、左目の下にはラメを散りばめて貼り付けていた。いつ見てもお洒落でアナーキーなNicky、そしてニカーッとする笑顔は、歳を重ねた今でもめちゃくちゃ可愛い。この日も、結局最後までSean(ショーン)の姿は腕以外見えなかった。
やっぱり私にとっての悩殺ソング 「Roses In The Hospital」 にときめき、「Everything Must Go」 と 「You Stole The Sun From My Heart」 の歌い上げるところのJamesの声が特に素晴らしく、何度も惚れ惚れした。
「Motorcycle Emptiness」 や 「Theme From M*A*S*H (Suicide Is Painless)」 を始め、何度も涙が込み上げてきて、ステージがぼやけてしまう。
前日とは違う曲は聴けないかな~って思っていた矢先に、『Send Away The Tigers』 の中でいちばん好きな曲 「Autumn Song」 の泣きのギター・イントロが! これにはヤラレタ、めちゃくちゃ嬉しかった。スケールの大きいドラマティックな展開の曲は、ライヴで聴くと更に感動的だった。
アコースティック・コーナーで、Jamesがアコギに持ち替えて手慣らしに弾いたコード進行が 「La Bamba」 だったのだが、それに反応した私たち観客がJamesを煽り、ワン・フレーズを歌わせることに・・・。それは、笑いと拍手でとっても和やかなひとときだった。
そんなほんわかした空気の中、歌い始めたのはまさかの 「The Everlasting」。アコギ一本で情感たっぷり歌い上げるJamesの声は、全く衰えを知らない。何度も同じ表現を繰り返しているが、本当に素晴らしかった。前日の 「Stay Beautiful」 も良かったが、それよりも 「The Everlasting」 は、曲の雰囲気もそうだがアコースティック・ナンバーとしては最高の選曲だった。
さて、再びメンバーが登場。Nickyのお色直しタイムだ。この日もひらひらのティアード・ミニ・スカート。トップスはチャイナ・シャツ、それとキャプテン・ハット。どうやらこのスカートは、ファンからのプレゼントだったと後で知ったのだが、Nickyが今も変わらずにファンからのプレゼントを大切にしていることは、彼の人柄を表している。『Everyting Live』(DVD&VHS)の映像でも、ファンからプレゼントされたTシャツを着ていたし、ベース・アンプの上のぬいぐるみもそうだ。
前日もそうだったが、JamesがNickyとSeanをミドル・ネームも入れた正式なフル・ネームで紹介し、一曲歌ってから今度はNickyがJamesを紹介したのだが、その時Nickyが “my guitar hero!” と言って紹介するところがとてもステキだった。
最後に、マニックスの友人であり、彼らのオフィシャル・フォトグラファーでもあるミッチ池田氏を始め、日本でマニックスに関わりのある人たちの名前を挙げたあと、会場の私たちみんなに向けて、二日間素晴らしいライヴができたことへの感謝の言葉があった。
いやいや、こちらこそ楽しくて素晴らしいステージをありがとう!という気持ちでいっぱいだ。
「Design For Life」 を一緒に歌いながら感じた、会場とステージとの一体感がもの凄くて、感動に震えた。そして、これでもう終わっちゃうんだ・・・と思うと言いようのない寂しさが込み上げてきた。終わってからも、ライヴの感動&楽しさとその寂しさがごちゃ混ぜになって、暫くその場を動くことができなかった。
そして、3週間経った今でもまだ、余韻が残っている。


★Setlist★
・You Love Us
・You Love Alone Is Not Enough
・Motorcycle Emptiness
・(It's Not War) Just The End Of Love
・Jackie Collins Existential Question Time
・Roses In The Hospital
・This Is Yesterday
・Everything Must Go
・Some Kind Of Nothingness
・You Stole The Sun From My Heart
・Ocean Spray
・La Tristesse Durera (Scream To A Sigh)
・Theme From M*A*S*H (Suicide Is Painless)
・Motown Junk
・Autumn Song
・If You Tolerate This Your Children Will Be Next
・The Everlasting -acoustic-
・Faster
・No Surface All Feeling
・Golden Platitudes
・Tsunami
・Design For Life

Manic Street Preachers @StudioCoast, Tokyo11/26/10

2010-12-09 | performance


昨年のNANO-MUGEN FES.の土壇場キャンセルから、約1年4ヶ月ぶりに実現したManic Street Preachers(マニック・ストリート・プリーチャーズ:以下マニックス)のライヴ。
単独ライヴとしては5年ぶりだが、サマソニに仕事で休みが取れずに行けなかった私にとっては、彼らのライヴは実に17年ぶり。
あの時は、まだRichey(リッチー)が居てマニックスは4人だった。私は特にRicheyのファンという訳ではなかったが、Richey失踪後マニックス熱はだんだん冷めて行った。
ところが、2年間の活動休止後に発表した 『Send Away The Tigers』 が素晴らしいアルバムだったので、マニックス熱再燃。その間のアルバムは後追いで聴き、改めて彼らの魅力を再認識し、現在に至る。
場所は3回目の新木場STUDIO COAST。初めて行ったのはweezer(ウィーザー)、次がKeane(キーン)、行く度に駅周辺が少しずつ拓けているのを感じる。


この日はゲスト・アクトがあった。
The Libertines(リバティーンズ)のギタリスト、Carl Barât(カール・バラー)。単独公演はSold Outになっているらしかった。
The Libertinesは、その名とVo.のPete Doherty(ピート・ドハーティ)のやんちゃっぷりしか知らない。
曲はわりと親しみやすいメロディで、初めてでも違和感なく聴くことができたが、入り込むことはできなかった。最後の曲で大盛り上がりしていたので、きっとThe Libertinesのナンバーなんだろうな・・・と思ったが(実際そうだった。「Don't Look Back Into The Sun」 という曲)、残念ながら私にはそんな程度。
マニックスの3人が袖からじーっとステージを見ていた。その姿を見て、Carl Barâtのライヴ中にマニックスへのワクワク度が増す私だった。

セット・チェンジのインターバルで、Nicky(ニッキー)のベース・アンプに掛かったウェールズの国旗と、その上に置かれたぬいぐるみ、更にNicky御用達のカラフルな羽根で覆われたマイク・スタンドが置かれると、場内は歓声の渦。
そして、新作 『Postcards From A Young Man』 のジャケと同じTim Roth(ティム・ロス)のモノクロ写真の幕がバックに掲げられ、いよいよだと思うとドキドキしてきた。
BGMには、The Black Crowesの 「Jealous Again」 やEcho & The Bunnymen(エコー&ザ・バニーメン:以下エコバニ)の曲が流れていた。
客電が落ちると、ものすごい大歓声に迎えながらメンバーがステージに登場。めちゃくちゃ押されて、柵で胃が圧迫される。
サポート・メンバーが2名参加しているが、ステージ向かって左側は今でもRichyのポジション、空けたまま。Richyは変わらずマニックスの一員だという、そういう彼らの姿勢はもう既に知っていることであってもグッとくる。
James(ジェームス)が “You Love Us!” と一曲目の曲名を叫んで音が出ると、更に圧力がかかり、内臓が口から飛び出そうだった。苦しかったけど、その苦しさやあちこちの痛みもやがて忘れて行った。当然の大合唱。
豹柄のファー・コートを羽織った期待どおりのファッションのNickyは、ピョンピョン跳ねる。中のTシャツは、ジョンとヨーコの “Two Virgins” だ。ドラムスのSean(ショーン)は奥過ぎて見えない。
続く 「You Love Alone Is Not Enough」 は 『Send Away The Tigers』 の代表曲。Jamesの声は、高らかに響いてよく伸びる。やっぱり歌うまい!
そして、3曲目で完全に魂を打ち抜かれた。だって 「Motorcycle Emptiness」。一緒に口ずさむ内に、自然と涙腺が緩んできた。どうしても思い出してしまう、Richyのこと、日本で撮影したPVのことetc.....。
新作から 「(It's Not War) Just The End Of Love」、一つ前の 『Journal For Plague Lovers』 から 「Jackie Collins Existential Question Time」 と続く。めちゃくちゃいい!楽しい! そして何と言ってもNickyのビッグ・スマイル、そのニカーッとする笑顔を見ているだけで、こっちもニコニコだ。
私がマニックスの曲の中で、不動のいちばん好きな曲 「Roses In The Hospital」 のイントロが始まった時は、発狂寸前、骨抜きにされた。
Nickyのベースがシンコペーションのリズムを刻み、Seanとの複雑なリズムのアンサンブルが絶妙だった。
NickyがRichyの名前を出した 「This Is Yesterday」。この曲はRichyに捧げた曲で、ちょっとしっとりとした曲調ということもあって、やっぱりジーンとした。日本では初披露だとJamesが言っていた。
「Everything Must Go」 のイントロで、Jamesがくるくる回っていたっけ。エコバニのIan McCulloch(イアン・マッカロク)のパートはNickyが歌った 「Some Kind Of Nothingness」 は、感情たっぷりに歌い上げるJamesの歌声に感動。「Ocean Spray」 では、トランペットの音色がとっても悲しげに響いた。
やる曲やる曲が嬉しさと興奮の連続だったが、「La Tristesse Durera (Scream To A Sigh)」 も嬉しかった。サビの “Scream to a sigh~~~” とファルセットで歌うJamesの歌声は、ハンパなく素晴らしかった。
「Theme From M*A*S*H (Suicide Is Painless)」 が聴けるとは思わなかったので、マジで泣けてきた。
Nickyが再びRichyのことを話し始め、初来日でプレイした川崎クラブ・チッタの名を挙げて、“この曲をやる度にRichyのことを思い出す・・・・・Mr. Motown Junk!” と言って 「Motown Junk」 へと突入。メンバーも私たちもテンションMAXで、フロアはぐちゃぐちゃ。
途中Jamesひとりになり、アコギ1本でやったのが 「Stay Beautiful」。例の “F**k Off” の掛け声は、アコースティックゆえ、イマイチしっくりこなかったけど、この曲をアコースティックで聴けたのは貴重だったかも。
再びステージに戻ってきたNickyは、お色直し。待ってましたのスカート姿。それもひらひら揺れるティアード・ミニ・スカート。キャプテン帽を被り、最高にアナーキー。やっぱりこの人には、とんでもないエンターテイナー気質がある。
見事に引き締まった生脚は、美しいと言うしかない。ぴょんぴょん跳ねる度に当然パンチラ。目のやり場に困った・・・というか、リズムに合わせて脚を蹴り上げたりして、わざと見せていた?? Jamesもステージを飛び回り、みんなめちゃくちゃ元気だった。 
最後はドラマティックな名曲 「Design For Life」 で大合唱。私たちにワン・フレーズ全部歌わせるシーンもあり、惜しまれながらも感動的に幕を閉じた。

私と同じようにマニックスと共に歳を重ねてきた同世代の人たちに混じって、20代と思われる若者をたくさん見かけたのは嬉しかった。
『Send Away The Tigers』 からしか知らない私の連れも、過去の曲を何曲かピック・アップして事前にCDを作って渡していたが、知らない曲でもめちゃくちゃ楽しめたと言っていたのが嬉しかった。
新作のアルバム・タイトルがツアー・タイトルだったが、蓋を開けてみると、それはもうグレイテスト・ヒッツ・ツアー。新作や前作からももっと聞きたかったけど、過去の曲をたくさんやってくれたのは、本当に嬉しくて感動ものだった。
それにしてもぶっ通しの全21曲。James以外は途中で一服しているけど、Jamesは正にノン・ストップ。でも全く衰えることなく、素晴らしい歌声を聴かせてくれた。
その風貌や発言から、ロクに曲を理解せずにちょっと偏見な眼差しで見られていた90年代前半。メイクやファッションだけで、安っぽいパンクだなんて言われたこともあった。
マニックスのファンは、いわゆるブリット・ポップ・ファンとはちょっと違っていた。
今では押しも押されぬ英国を代表する国民的バンドのマニックス。今回の来日公演を見る限り、日本でも一定の人気をキープして行けるのではないかなと思うので、コンスタントに来日してほしい。


★Setlist★
・You Love Us
・You Love Alone Is Not Enough
・Motorcycle Emptiness
・(It's Not War) Just The End Of Love
・Jackie Collins Existential Question Time
・Roses In The Hospital
・This Is Yesterday
・Everything Must Go
・Some Kind Of Nothingness
・You Stole The Sun From My Heart
・Ocean Spray
・La Tristesse Durera (Scream To A Sigh)
・Theme From M*A*S*H (Suicide Is Painless)
・Motown Junk
・If You Tolerate This Your Children Will Be Next
・Stay Beautiful -acoustic-
・Faster
・No Surface All Feeling
・Golden Platitudes
・Tsunami
・Design For Life

Fountains of Wayne @Quattro, Shibuya 01/19&20/10

2010-04-20 | performance


Tinted Windows(ティンテッド・ウィンドウズ)の後味悪いライヴ(レポはこちら)の4日後、“ACCOUSTIC ROCK TOUR” と題されたFountains of Wayne(ファウンテインズ・オブ・ウェイン、以下FOW)のアコースティック・ライヴがあった。Tintedのついでとは言え、嬉しい来日だった。
渋谷クラブ・クアトロ2daysのギグで、二日目に行く予定だったのだが、初日のSMASHの招待に軽い気持ちで応募したら当選したので、結果二日間とも見ることができた。両日共に、セットリストも内容もあまり変わらなかったので、二日間をまとめて・・・。

まず初日はゆったりと全体の雰囲気を味わおうと思い、後ろのブースで見た。そう言えばかつて改装前はPAブースだったなーなんて思いながら・・・。そして二日目は前に行ってかぶりつきで見たのだった。
初日は 「Little Red Light」、二日目は 「Please Don't Rock Me Tonight」 でスタート。
Vo.のChris(クリス)は無精ヒゲが様になった小粋なおやじ風で、ジャケット姿でお洒落にキメていた。Adam(アダム)はTintedのレポにも書いたが、ポッコリおなかでシャツはパツンパツン(笑)。
で、いつもいちばん派手なJody(ジョディ)がおとなしめのファッションだったのが意外だった。特に初日の紺色のシャツは可愛い感じで、二日目はちょっとシックな感じで白シャツに黒ベスト姿だった。う~ん、でもやっぱりJodyはカッコいい。いろんなとこで、ドラッッグやってるみたいにイっちゃってるとか、不機嫌とかヤル気ないとか、言いたい放題言われていたが、私はこのJodyのロケンロールなところが好きなのだ。
そして、決して目立ちはしないが後ろに引っ込んでいるBrian(ブライアン)も忘れちゃいけない、要な人。
ChrisとJodyのアコギが中心で、時々Adamがピアノを弾く時はJodyがベースを担当。Brianはアコースティック・ライヴらしく、ワイヤーブラシなどいろんなスティックを使ったりタンバリンやカウベルを効果的に使っていた。
Adamがピアノの前に座ると、決まってChrisが “アリシア・キーズ” とか “リュウイチ・サカモト”とか “スティーヴィ・ワンダー” と紹介し、Jodyのことはジャズの巨匠 “ロン・カーター” と言い、Brianは “シーラ・E”、自分のことは “世界のクロサワ” と言い、どんどんエスカレート。誰ももうChrisを止められない。どんだけアット・ホームなんだ、というくらいラフな雰囲気で楽しく進行して行った。
二日目なんか、新曲の紹介をする時に自分達の曲には車と女の子、それから夏と酒をテーマにしている曲が多いんだと言い、そのあと何かにつけて曲の前に “car, girls, summer, alcohol” とChrisとAdamが声を揃えて発し、笑いを誘った。
「Hey Julie」 では、Adamが “パーカッションを入れる余裕がないので手伝ってくれる?” と言って、挙手した観客の中から3人チョイスし、ステージに上げてタンバリンやマラカスを渡して参加させた。二日目の女の子ふたりが、ずーっと一緒に歌っていたのが良かった。
スローペースだけどアルバムがボチボチ仕上がると話し、新曲を2曲披露。例のキーワードを言って最初にプレイしたのは 「The Summer Place」。ちょっと感傷的なメロディだが、軽快なリズムでノリのいい曲で、「Cold Comfort Flowers」 と紹介されたもう一曲は、Adamのピアノの音色が印象的なFOWらしい爽やかな曲だった。新譜が楽しみだっ!
初日、大好きな曲 「Red Dragon Tattoo」 で、Jodyお得意の足上げが見れた。「Fire In The Canyon」 ではカントリー色を出すためにと、やたら “ヒーハー” 叫んでいたのが可笑しかった。
「I-95」 や 「Hackensack」 で緩やかにしっとりと美しく聴かせたあとは、「Bright Future In Sales」、「Radiation Vibe」 と力強いアップテンポな曲で盛り上がった。
本編最後にやったその 「Radiation Vibe」 では、遊び心満載。途中からいろんな曲に変化して行くのだが、Pink Floyd(ピンク・フロイド)の代表曲 「Another Brick in the Wall」 がいちばん印象に残っている。
セッションのような感じで、3人共とっても楽しそうだった。ん?3人?...何故3人なのかと言うと、Jodyは常にマイペースだったから。時々じーっと焦点が定まらずに客席を見つめて、指を指してキザな笑みを浮かべるJodyは、完全に自分の世界に入っていたが、それはそれでアリなのだ。Jodyらしいから・・・。
そしてBrianがカウベルだったか、変な音を叩き出すと、ChrisとAdamが瞬時に振り返って突っ込みを入れるという場面もあった。
アンコールの1曲目は 「Cemetery Guns」 で、再びAdamがピアノでJodyがベースを担当。
3曲目、ピアノのイントロで何の曲だろう・・・と思い、歌が始まるまでわからなかったのが 「Stacy's Mom」。オリジナルの軽快なアレンジとは全く違う、おだやかでしっとりとしたピアノ・ヴァージョンでステキだった。
初日は 「Denise」、二日目は 「Survival Car」 で締めくくったのだが、アンコールの前半がしっとりしていた分、とっても盛り上がった。そして、夏にフジロックで戻ってくると告知すると、更に盛り上がった。

ChrisとAdamのコーラスは言うまでもなく爽やかに美しく響き、アコギとは思えないくらいのJodyのキメキメのギターもカッコ良かった。アコギをアンプに近づけてハウらせたり、マイクスタンドにギュイーンとさせたりと、やりたい放題だったが・・・(苦笑)。
アッいう間に過ぎて行った温もりのあるステキな二夜は、とってもハッピーな気分にさせてくれた。


★setlist★

01/19                    01/20
・Little Red Light             ・Please Don't Rock Me Tonight     
・Someone To Love           ・Little Red Light 
・The Summer Place          ・Someone To Love
・Fire Island                 ・The Summer Place 
・Cold Comfort Flowers         ・It Must Be Summer 
・Hey Julie                 ・Cold Comfort Flowers 
・Barbara H.                ・Hey Julie
・A Road Song               ・A Road Song
・Red Dragon Tattoo           ・Red Dragon Tattoo 
・Valley Winter Song           ・Valley Winter Song
・I-95                    ・I-95
・Fire In The Canyon          ・Fire In The Canyon
・Hackensack               ・Leave The Biker
・Bright Future In Sales         ・Bright Future In Sales
・Radiation Vibe              ・Radiation Vibe

 ~encore~                ~encore~
・Cemetery Guns             ・Cemetery Guns
・Troubled Times             ・Denise
・Stacy's Mom               ・Stacy's Mom
・Denise                   ・Survival Car

Tinted Windows @Duo, Shibuya 01/15/10

2010-04-06 | performance


UKの旅行記が長引いたため、もうだいぶ月日が経ってしまったのだが、1月に行った今年最初のライヴのこと。
Fountains of Wayne(ファウンテインズ・オブ・ウェイン)のAdam Schlesinger(アダム・シュレシンジャー)と、ex-Smashing Pumpkins(元スマッシング・パンプキンス)のJames Iha(ジェイムズ・イハ)と、Cheap Trick(チープ・トリック)のBun E. Carlos(バン・E・カルロス)と、Hanson(ハンソン)のTaylor Hanson(テイラー・ハンソン)がタッグを組んだグループ、Tinted Windows(ティンテッド・ウィンドウズ)の来日公演。
当初はZeppで行なわれる予定だったが、ライヴが近付いてきたある日、e+経由でSMASHから会場変更の案内がきた。渋谷のDuo Music Exchangeに変更とのこと。
Zeppのキャパでは大きすぎて、捌けなかったのだろう。私には渋谷はウンと近いので、嬉しい変更だった。

Duoでライヴを見るのはニ度目。ステージに置かれた楽器やアンプを見て、Adam側に行きたかったのだが、背の高い人がいたので仕方なくIha側に行くことに・・・。しかし、その選択がサイアクの状態になるとは、その時は思いもしなかった。
真ん中は、Taylor目当てのアイドル並にイラストやメッセージ入りのボードを持った女の子たちが占領し、Iha側にはギター小僧や彼の信者のような人もいた。Duoは横長なので、Adam側の客層はわからなかったが・・・。
もう3ヶ月も経ってしまったので、少し記憶は薄れつつあるが、強烈に残っていることがひとつ。それは、私がこれまでに数え切れないほど体験したライヴの中で、史上最悪の音響だったということ。サイアクの状態というのがこのこと。本当に有り得なかった。
アルバムでの最後の曲 「Take Me Back」 からスタートしたのだが、ギュイーーーンとIhaのギターの音が鳴った瞬間、その音の異常なまでの大きさに思わず顔をしかめるほど。
それでもイントロが終わるまでの辛抱だよな~と思っていたが、結局それはライヴが終わるまで続いた。Ihaのギターの音しか聞こえなかったのである。
TaylorのVo.なんて、遠くの方でかすかに聞こえる程度。大袈裟ではなく、本当にかすかにしか聞こえなかったし、Adam側にはサポートのギタリストが居たが、もちろんその人のギターの音なんて、これっぽっちも聞こえなかった。
Adam側で見た人は、Ihaのギターの音が聞こえなかったとブログにレポしていたのを読んだので、音のバランスが悪すぎたということだろう。ということは、真ん中はVo.しか聞こえなかったということか?
でもこれはDuoだから、Duoが横長だからということではないはず。前に見たJack's Mannequin(ジャックス・マネキン)の時はもっと端で見たが、全く問題なく、気にもならなかったから。
結局Ihaの音しか聞こえないまま終わったので、キャッチーなバンド・サウンドは全然楽しめなかった。

ステージ袖にアジカンから贈られた花が置かれていて、アメリカには花なんか贈ってくるバンドなんていないよ、と言ったAdamは、お腹がポッコリ出てすっかりメタボなおじさんになっていた。(苦笑)
Taylorは、白いシャツが眩しいくらいの爽やか青年。カメラ持参で、ステージから客やメンバーの写真を撮っていた。でもそのカメラ、久しぶりに見る使い捨てカメラだったような・・・。
90年代に行ったCheap Trickのコンサート以来のBun E.は、以前よりだいぶ痩せちゃったかなという印象。でも、時々後ろからTaylorに何か叫んだりしてイタズラっぽい笑みを浮かべるお茶目なところは、昔のPVの中のおどけた彼のままだった。
でもパワフルで正確に刻まれるビートは、さすがの御大。後ろでバンドをガッチリ支えるBun E.は58歳、Taylor26歳、まるで親子みたいだった。
そして、Bun E.の横に座って微動だにせずに彼を見つめて、スティックを渡したりしていたドラム・テクの男性の、師匠を見つめるその真剣な眼差しが、とても印象的だった。

アルバムはキャッチーでポップなサウンド満載だったので、ライヴも期待していたのだが、そんなわけでライヴそのものに関しては、Ihaのギターが耳障りなほどうるさいということしか残らず。
決してIhaを責めているわけではなく、ちゃんとバランスの取れたサウンドであれば、あれだけの才能あるミュージシャンなのだからもっと楽しめただろうに、いい曲も全て台無しだった。あぁー、本当に残念だった。


★アルバムについてのトピはこちら

James Morrison @SECC, Glasgow 12/03/09

2010-01-29 | performance


今回のUK旅行の日程で、何かライヴがないかと色々調べていた時、丁度James Morrison(ジェイムス・モリソン)のUKツアーと重なっていることがわかった。
グラスゴーの 「Homecoming Live」 を見るか、James Morrisonを見るか・・・。かつての私だったら両方予定に入れただろう。
でも、行きたい街を優先したところ、11/28にグラスゴーに行くのは少し難しかった。 で、その同じグラスゴーでJamesのライヴを見る予定を立てることができたのだった。

SECCに着いて、まだだいぶ時間があったので、クライド河の方に行ってみた。
対岸にBBC Scotlandがあり、BBCの天気予報の中継で何度もTVで見たクライド・アークという弧状の橋が見えた。
         

SECCには、“The Armadillo(アルマジロ)” の愛称で呼ばれているClyde Auditorium(クライド・オーディトリアム)がある。
                  
中に入って  受付窓口でチケットを受け取り、  ここから入場。
 サポート・アクトはOneRepublic(ワンリパブリック)

いくつか大きさの違うホールがあり、Jamesのライヴはホール4で、キャパシティ約1万人。だいたい横浜アリーナと同じくらいのキャパ。
Webでチケを予約した時にブロックと席番の指定があったので、急いで入ることはないが、逆にロビーの方が混んできたので開場と同時に入った。
BBブロックはどこだろう・・・とキョロキョロしていると、案内係の人が手を差し出すのでチケを見せると席まで連れて行ってくれたのだが、実はその行為にビックリ。それは私だけではなく、ひとりひとりにまたはグループ毎に、それぞれ全部案内係が付いて席までエスコートしているではないか! すごっ!
なので、係員の人数は膨大だった。このことを後にロンドンに戻った時に友人に話すと、20年以上UKでいろんなところのライヴに行っているさすがの友人も、これには驚いていた。
 海外ライヴで椅子席というのは、逆に新鮮だった。   Tシャツ購入 
BBブロックはステージに向かって右斜め。ブロック内5列目でこの距離  よく見えそう♪

若者はもちろんだが、家族連れ、小さな子供からお年寄りまでと客層は幅広く、Jamesの音楽がいかにたくさんの人に支持されているのかがわかる。
やがてOneRepublicのステージが始まった。
OneRepublicは名前を知っている程度で、USのドラマ 『ゴシップガール』 の挿入歌がヒットしたということくらいしか知らなかったのだが・・・・・惚れた。すっごく良かった。
Vo.さんはピアノを弾いたりギターを弾いたりと大忙しで、ベースの人がチェロも弾いたりで、音に幅があってカッコいい。
メロディは美しくて、ちょっとエキゾティックでドラマティック、そしてVo.さんの声は高らかに響いてかなりの実力派。
 OneRepublic

帰国後、即CDを購入。いろいろサーチしてみたら、2008年のサマソニに出たのね。はぁぁ~、勉強不足だわ。
で、メンバーは5人みたいだが、ステージ上には6人いたので、キーボードがサポート・メンバーだろう。でもそのサポートさん、Vo.さんがキーボードを弾いている時は打楽器担当だった。キルトを着ていたので、紹介された時に前に引っ張り出され、スコットランド人の地元っ子に大好評を博していた。


40分ほどのインターヴァルを経て、いよいよJamesの登場。OneRepublicの前半辺りまではまだ空席が目立っていたが、いつの間にか超満員、そしてものすごい歓声。
2ndアルバムの1曲目 「The Only Night」 で、軽やかにスタート。おぉぉぉ~~~、いつかは聞きたいと思っていたJemesの生歌だ! カンドー!
ハスキーな声、ソウルフルなメロディ、グルーヴィなサウンド。Jamesが弾くギターはアコギのみで、バンドは基本のG.B.Dr.のほかに、キーボード2人とホーン・セクション3人と女性コーラス2人が加わってとってもゴージャス。


ホリゾント幕にサイケな映像が映り、悲しげなピアノのメロディが流れ、アコギを置いてハンドマイクのJamesは、「Fix The World Up For You」 のイントロが流れると、大きく首を振ってリズムを取っていた。歌に入ると最初しっとり、サビからまた大きく首を振りながら歌うという熱いパフォーマンスで魅了。
曲間ではあまり多くは喋らず、寡黙に曲をこなして行き、新曲 「Get To You」 も披露。
再びハンドマイクになり、大きく手を挙げて手拍子を促し、「Broken Strings」 のピアノのメロディが流れてくると、より一層の歓声。ギターを持っていないと結構熱いなー、James・・・。
Nelly Furtado(ネリー・ファータド)のパートはコーラスの黒人女性が歌い、Nellyのセクシー・ヴォイスとは違ってめちゃくちゃ迫力あった。
「If You Don't Wanna Love Me」 の熱唱に感動し、大好きな 「Save Yourself」 に酔った。いやぁ、それにしても歌が上手い!
 大熱唱!

ゴスペル・スタイルのピアノとコーラスをバックに、Jamesがソウルフルで感情たっぷりに歌い上げる・・・・・何の曲?新曲?と思っていたら、2ndでいちばん好きな曲 「Precious Love」 だった。横揺れグルーヴィな3連のリズムが、超気持ちよかった。
アダルト・コンテンポラリーっぽいアップテンポな 「Nothing Ever Hurt Like You」 から、Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)のカヴァー 「Uptight」 への流れは、高まった気持ちをぐいぐいと引っ張って行き、その後す~っとクール・ダウンするかのように、名曲 「You Give Me Something」 に突入。
あぁ、何て気持ちのよいグルーヴなんだろう! そして会場は、最初から最後まで大合唱だった。
 

アンコールの1曲目も最初から大合唱。でも私は、聞いたことあるのに何の曲だが思い出せない・・・。やがてサビで判明。聞こえてきたのは、“I'm Starting with the Man in the Mirror” ...そう、Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)の 「Man In The Mirror」 だった。
アコースティックなアレンジがステキで、間奏でムーンウォークまがいのステップを踏み、あの腰を振るマイケル特有のダンスもしてみせるJamesに歓声が沸いた。
オルタナティヴな 「Call The Police」 ではヘヴィな一面を見せ、最後は 「Wonderful World」。この曲も大合唱だった。
 踊るJames!
 総勢11名の大所帯

いやいや、もう大満足のライヴだった。外に出ると、「You Give Me Something」 を弾き語りしている男性を囲んで大合唱になっていて、ほのぼのとしたステキな光景だった。
いつまでも余韻が残り、足取りも軽く、あの長~いチューブ状の遊歩道もアッという間で駅に着いた。
来日したら、もっと小さな会場で見れるはず。早く来日してほいしいな~。

※タイトル写真は、スクリーンに映るJamesを撮ったもの。


★Setlist★
・The Only Night
・Fix The World Up For You
・Please Don't Stop The Rain
・This Boy
・Get To You
・Love Is Hard
・You Make It Real
・Broken Strings
・If You Don't Wanna Love Me
・Save Yourself
・Under The Influence
・Precious Love
・Nothing Ever Hurt Like You
・Uptight -Stevie Wonder cover-
・You Give Me Something

~encore~
・Man In The Millor -Michael Jackson cover-
・Call The Police
・Wonderful World


★James Morrison 「Precious Love」


★James Morrison 「You Give Me Something」


Levellers @Shepherds Bush Empire, London 11/27/09

2009-12-15 | performance


そんなわけで、ロンドンに到着した日の夜、Levellers(レヴェラーズ)のライヴを見にロンドンの西側Shepherd's Bush(シェファーズ・ブッシュ)にあるヴェニュー、Shepherd's Bush Empire(シェファーズ・ブッシュ・エインパイア)に行った。
Tubeの駅から歩いて10分くらいで、建物の周りにはまだ中に入らずにたむろしている人たちがたくさんいた。


Box Officeでチケットを引き換えて、セイキュリティ・チェックを受けたあと中に入った。チケットは、ブッキング代を含めて£25.69(約4.000円)、安い!
ここは1903年にオープンした劇場で、The Rolling StonesやThe Who、David Bowieを始め、Elton JohnやBon Jovi、oasisなどなど、英米を代表する多くのロック・ミュージシャンがプレイしている場所。
3階席まであり、バルコニー席のような造りはレトロな雰囲気で、天井が高かった。1階のスタンディング・フロアは、SHIBUYA-AXくらいの広さだろうか・・・。
 1階の奥に見えるのはバー・カウンター

まだサポート・アクトも始まっていなく、みんなまったりとしていた。
ひととおり会場内を見て周ったあと、クロークにコートを預けてどこで見ようかウロウロ。最初は後ろの階段の上でいいかなと思ったが、せっかくだし前に行けそうだったので、床に座り込んでいる人たちをすり抜けて行くと、最前の端が空いていたのでそこで待機。
間もなくサポート・バンドが登場した。Sonic Boom Six(ソニック・ブーム・シックス)という、去年来日もしているマンチェスターのパンク・バンド。
でも私は名前さえ知らず、渡英直前にこのバンドがサポートを務めることがわかり、来日していたこともその時知った。
とっても元気なVo.の女の子は、キュートな声だったがちょっとキンキンしていた。ベースがトロンボーンを吹いたりして、レゲエあり、スカあり、ヒップホップありのミクスチャー系のサウンドで、演奏もわりとしっかりしていてなかなか面白かった。
真ん中ではこれぞ本場のモッシュだ~と言わんばかりに、若者が暴れていた。
 Sonic Boom Six

Sonic Boom Sixは30分ほどで終わり、サクサクッとセット・チェンジが行なわれている間、だんだんとフロアが詰まってきた。
やがてゆっくりとLevellersのメンバーが登場。1曲目は最新アルバムからのシングル曲 「A Life Less Ordinary」。うへぇ~、めちゃカッコいいではないか!
Levellersのアルバムは、この前記事にした去年リリースされたアルバム以外は91年の2ndしか持っていない。で、たまたま友人が以前中古屋のワゴン・セールで買ったという1stを持っていることを知り、渡英わずか5日前に借りて詰め込んだ。しかし、彼らのキャリアは長い。知らない曲ばかりだろうな~と思っていた。
ところが、次から次へと知っている曲が続く。思わずおおーっと唸る。
リードVo.のMarkは、お腹がポコッと出て頭も寂しくなってすっかりおじさんになってしまったが、時々狂ったように飛び跳ねて動き回ったのにはビックリ。元気いっぱいだ。いや、彼よりもっと元気だったのは、ベースのJeremy。この人は昔っからドレッド・ヘアを振り乱してプレイする姿が印象的だったが、変わっていなかった。ジャンプの高さもハンパなく、曲によっては最初っから最後までぴょんぴょん飛び跳ねっぱなしの曲もあった。それにしてもものすごい体力だわ、この人・・・。
ギターの他にマンドリンなども弾くもうひとりのVo.のSimonはあまり動かず、フィドルのJonは、ステージの端から端まで弾きながら歩き回っていた。動かない(動けない)のは、座ってプレイしているドラムスのCharlieとキーボードのMattだけ。その分彼等のところへは、MarkやJeremyやJonが絡みに行っていた。
私の目の前に居たMattは、東洋人が珍しかったのか、みんなの中で浮いていたのか、やたらこっちを見てニコニコしては手を振ったりして、愛想が良かった。
 飛び跳ねるJeremy
 Jon&Matt

Simonのマンドリンが切なく響き、哀愁漂うナンバー 「The Road」 では、サビで大合唱となり、気持ち良かった。
幻想的な照明になり、怪しげなイントロが流れ、蛍光色のメイクをした怪しげな男性が、キルト姿でディジュリドゥを持って登場。ディジュリドゥとは、オーストラリア大陸の先住民アボリジニの木管楽器のこと。
あぁ、これがライヴ映像でよく見る彼だ!と思っていると 「Three Friends」 が始まり、自然とその怪しげな彼に目が行ったのだが、ずっと見ていると彼の動きがとってもチャーミングで、最後まで彼に釘付けだった。


Markがその彼を “Stevenに拍手!” と紹介し、一旦引っ込んでいたが再び登場。そしてすぐさま 「One Way」 に突入。
のっけからもう大大大合唱。途中の “Hey!” の掛け声のところでは、ステージとフロアが一体となってヴォルテージはMaxとなり、最高にノリノリだった。
そして、この曲はやはり名曲。18年という歳月が経っても、愛され続けている曲なんだな~と実感した。
往年のファンという感じの彼等と同年代の人が多かったが、若い子たちもたくさんいて、真ん中にモッシュ・ピットを作って暴れていた。
Simonが歌うと、何故かカントリーっぽく聞こえてしまうのは、どことなくルックスがWillie Nelson(ウィリー・ネルソン)に似ているからだろうか・・・なんて。
 Simon   Jeremy   Mark     

その後も1st&2ndの曲が続き、それに混ざって知らない曲も少しあったが、初めて聴いた感じがしなかった。彼等の洗練されたパフォーマンスが、そう感じさせたのかも知れない。曲間も間伸びせずに、ぐいぐいとテンションを持続したまま引っ張って行く。さすが、かつて “英国No.1ライヴ・バンド” と言わせただけある。
ダイブして前までサーフさせられた人が、おじさんだったのには苦笑。しかも落とされた時にどこか打ったようで、去って行く時に脇腹辺りを痛そうに押さえていた。
最後は最新アルバムの1曲目 「The Cholera Well」。フィドルの超早弾きのイントロで始まり、スピーディに突っ走って本編終了。
間もなくアンコールで登場した時、Jeremyはドレッド・ヘアをターバンのように頭に巻きつけていた。しかし、演奏が始まるとすぐに飛び跳ねて、アッという間にバサーッと落ちて元どおりになってしまった。
アンコールは3曲、全て2ndからだった。特に 「The Riverflow」 は楽しい曲で好きな曲だったので、嬉しかった。

いやいや、満足満足。すっごく楽しくてカッコいいステージだった。
さすがのキャリアのバンドだけあって、演奏は素晴らしく、盛り上げ方もお手のものと言った感じだった。
セットリストをゲットした、私と同世代くらいのビシッとロック・ファッションで決めたレディにセットリストの写真を撮らせてもらった。
その彼女に “何てクールなTシャツ着てるの!” と言われた私。実は先日のThe Wonder Stuff(ワンダー・スタッフ)東京公演のTシャツを着ていたのだ。
そこで彼女とWonder Stuffの話題になり、12月バーミンガムのHUP!公演に行くのかと聞いたら、“クリスマス前で仕事が忙しくて行けないのよ~” “あなたは?” “その頃はもう日本に帰ってるの” と・・・。そして、お互いに残念ね~と言い合ったのだった。
帰る前にマーチャンダイズのブースを覗くと、可愛いTシャツがあったのでサイズを聞いた。丁度いいのがあったので記念に購入。£16(2.500円くらい)とは思えない、しっかりした生地で得した気分。
セットリストを確認したところ、2ndからは7曲もやっていた。やはり 『Levelling The Land』 は、彼等自身も気に入っている名盤なんだな。


★Setlist★
・A Life Less Ordinary
・Battle Of The Beanfield
・Burn America Burn
・15 Years
・Beatuful Day
・The Road
・Before The End
・Three Friends
・One Way
・Prisoner
・The Boatman
・Men-An-Tol
・Carry Me
・Barrel Or A Gun
・Come On
・Dirty Davey
・The Cholera Well

~encore~
・The Game
・The Riverflow
・Liberty Song


★Levellers 「One Way」 
~Jeremyのフットワークとディジュリドゥ奏者Stevenの動きに注目!


Ben Kweller @UNIT, Daikanyama 09/26/09

2009-10-01 | performance


先週の土曜日、今年2度目となるBen Kweller(ベン・クウェラー)のライヴに行ってきた。
今回は、“京都音楽博覧会2009 IN 梅小路公園” に出演するために再来日し、その一環で東名阪でライヴを行なった。
最後の公演地となった東京では、Comeback My Daughters(カムバック・マイ・ドーターズ)のイベントのゲスト。
代官山UNITは初めて行ったのだが、地下2階にライブ・スペースがあり、天井が高くてなかなか雰囲気のいいハコだった。
途中の物販コーナーに立ち寄ると、名古屋、京都、大阪と渡り歩いてきたBenちゃんグッズは、東京ではもう 『Changing Horses』 のCDとアナログしか残っていなかった。
でも、Benちゃんがスーツケースに詰めて持ってきたんだってことを思うと、軽くしてあげなきゃという親心から、アナログを購入。(笑)
ステージには、センターにスタンドマイク、向かって左側にRolandのキーボード、右側に椅子とマイクが置かれていた。
Benちゃんとカムバック、どっちが先なんだろう・・・と思ったが、奥に置かれたボディ・トップとピック・ガードの下辺りの木がむき出しになったギターは、どう見てもBenちゃんのギターだ。そして、スタッフがセットリストを床に置く時に一瞬見えた “DON'T” の文字。Benちゃんが先だった。
やがて10分程押して、両手を高らかに挙げながら、ニコニコ顔でBenちゃん登場。
フロントに大きな鷹の刺繍(一瞬ハーレーダビッドソンかと思った・・・)が入ったダーク・グレイのデザインシャツを着て、いつもTシャツ&ジーンズなどのラフな格好のBenちゃんだが、この日は何だかおっしゃれ~な感じ。
ギターを持ってマイクに向かって、“コンバンワ~! OKOKOK~、ドモドモドーモ!” と挨拶。
このひと言で、どんな人が出てくるんだろ?的な雰囲気だったカムバックのファンの人たちの掴みはOK! 笑いがこぼれる。
“Don't know whyってとこをコーラスしてね” と言ってBenちゃんがお手本を見せて、その後に続いて少し練習したあと、歌い始めた 「I Don't Know Why」。
サビにさしかかると、目で合図してBenちゃんの歌に続いて “Don't~ know~ why~” とコーラス。私の周りはカムバックのファンの人が多っかったようだが、みんなちゃんと歌っていて、Benちゃんも喜んでいた。
“今回は、名古屋に行って京都でくるりの素晴らしいフェスティヴァルでプレイして、大阪にも行ってきたんだ” と言ってから、“NYの友達を紹介するよ!” と言って、今回のツアーに同行しているRichey(リッチー)を紹介。彼は、Benちゃんのアルバム 『Changing Horses』 でドブロを弾いている。
Richeyが加わって 「On My Way」。優しいスライド・ギターの音が加わり、温かくてちょっとセンチメンタルな感じがより一層広がる。
細身で小柄な眼鏡青年Richeyは、椅子に座って円形の金属がボディに付いたドブロ・ギターを膝の上に置き、左の親指にお琴の爪と同じような爪を付けてスライド・バーで弾いていた。キュイ~ンとさせるところでは、Richeyの顔も同じようにキュイ~ンとなっていた。あとでRicheyのマイスペを見たら、可愛い青年という印象だったので、30歳という年齢にちょっとオドロキ。ま、Benちゃんも少年のようなので、いいコンビかも。(笑)
「Wantin' Her Again」、「Things I Like To Do」 と続き、Richeyのギターの音色がカントリーっぽさを満たし、軽快なリズムに心が弾んで笑顔が自然とこぼれた。
何かRicheyと喋っていて、そのことを日本語で言ったつもりの言葉が私たちに伝わらず、ハニカム可愛いBenちゃん。“日本語が乏しいから練習しなきゃ・・・” と言ったあと、“うめぼし” とつぶやいて笑いを誘う一面もあった。
「The Rules」 で激しくギターを掻き鳴らした後、キーボードに移ってまず 「Sawdust Man」。
ブーツの踵とソールでリズムを取りながら歌うBenちゃん。その音はまるで楽器のようで、エレピとRicheyのギターだけなのに、すごく音に厚みがある。
続いて 「Living Life」。この曲は、2nd 『On My Way』 でいちばん好きな曲なので、しっとりとした優しいBenちゃんの声に聴き惚れた。
イントロが流れてきただけで歓声が沸いたのは、Benちゃんファンには必須の 「Falling」。4月のライヴの時のように “ba ba ba ba ba” の大合唱はなかったけど、やっぱりこの曲は感動しないわけがない。すっごく良かった。
再びギターを持って、「Sundress」 を歌ったあと、“ニュー・アルバムは、CDとLPがセットになっているんだよ。物販で売ってるから、後で会おうね! じゃあ、そのニュー・アルバムから” と言って、「Fight」 を元気良くスタート。所狭しと動き回って、大きなアクションでギターをジャンジャカ掻き鳴らすBenちゃんに負けじと、自然とハンド・クラップが起こり、大盛り上がり。楽しすぎ!
そのままのテンションで 「Walk on Me」 に突入。いつものように、バック・コーラスの部分もBenちゃんのひとり二役で、お茶目な一面を見せてくれた。
「Penny on the Train Track」 では、ディストーションを効かせてまるでエレキ・ギターのように深い音を出し、ノリノリのアッパーなサウンドは、カムバックのファンの人たちも完全に取り込んでいたに違いない。
エンディングで、“ありがとう! おやすみ~!” と言うので、“えっ?!もう終わり?” と思ったら、やはりそのままBenちゃんは去って行った。
アンコールすれば、絶対にもう一度出てきてくれると思っていたのに、そんな隙も与えずにBGMが流れ、即座にスタッフが出てきてセット替えを始めたので、結局それっきりだった。全12曲約50分のステージ。もっと聴きたかったというのが正直な気持ちだが、あくまでもゲストとしての出演だったから仕方ないだろう。
でも、ぎゅぎゅーっと凝縮された密度の濃い素晴らしいステージだったので、満足満足。いつもながらハート・ウォーミングなBenちゃんのライヴは、終わったあとの心地良さが何とも言えないほっこりした気分にさせてくれる。
今回は冷房が効いていたからか、Benちゃんのほっぺはあんまりピンク色に上気していなかったな~。

Benちゃんは3列目辺りで見ていたが、カムバックは後ろの隅に下がって見た。
カムバックはアンコールがあり、もうBenちゃんは出てこないかな~ってホンの少し期待していたのだが、カムバックが 「Nothing Happening」 を歌い出したので、その期待は高鳴り、そして途中でメンバーのひとりが “レディース&ジェントルマン!” と言ったあと、Benちゃんが出てきた。
続きをセッションしたあと、The Chordettes(コーデッツ)の 「Lollipop」 をセッション。“ロリポップ、ロリポップ、オーローリロリロリ、ロリポップ” と、楽しいナンバーで大盛り上がり。“ポンッ” と音を出すところなんか可愛すぎ!
Benちゃんもカムバックもオーディエンスもみんなニコニコ顔で、とってもハッピーな気分にしてくれた。

終演後、お約束どおりに物販コーナーにやって来たBenちゃんだったが、そこはロッカーもあってトイレもある場所なので、人でごった返していたのだった。
そんな中、テーブルの内側にBenちゃんの居場所を作ろうとしているスタッフに、“僕がこっちに立ってここでサインして、こうやれば写真も撮れるよ” と仕切っていたBenちゃん。
最初は並んでいた人たちも、スタッフの指示なんかなかったので、途中からはBenちゃんを囲むような感じになり、和気藹々なムード。これもBenちゃんの人柄だろうな・・・。
買ったアナログは、ビニル・パックをそこで破るのは嫌だったので、持ってきていた3rdのジャケにサインをもらおうと思いながら声を掛けるタイミングを待っていたが、Benちゃんと目が合い、“Hey!” と声を掛けてくれたので、近寄って行って少しお話した。
“また会えてうれしい” とまず言ったあと、“今夜は短かったのでちょっと残念だったけど、ステキなステージをありがとう” というようなことを言うと、“だよねー、ごめんね。でも次ね!” と言ってガシッとHug。
日本食の話やBenちゃんの息子のことなんかを話したあと写真を撮って、握手しながらまたちょっと話した。手フェチの私が大絶賛のBenちゃんの手をぎゅっと握り、最後にもう一度Hugしてバイバイした。
ほっこり気分が帰りの足取りを軽くしてくれたのは、言うまでもない。次こそは、バンド・セットで聴きたいな~。


★Setlist★
・I Don't Know Why
・On My Way
・Wantin' Her Again
・Things I Like To Do
・The Rules
・Sawdust Man
・Living Life
・Falling
・Sundress
・Fight
・Walk On Me
・Penny On The Train Track

The Wonder Stuff  @LIQUIDROOM, Tokyo 09/10/09

2009-09-13 | performance


The Wonder Stuff(ワンダー・スタッフ)の18年ぶりの来日公演から3日経ったが、まだまだ余韻が残っている。
感動と感激と興奮と、楽しさと感謝と嬉しさと、夢心地なのと終わった後のちょっとした寂しさが入り混じって、もうお腹いっぱい胸いっぱいだ。
怒涛の全25曲 !! 本当に充実した中身のこゆ~いライヴだった。
来日のニュースを知った時、そもそもThe Wonder Stuffのライヴをこの目で見て生の音を聴けるというだけで夢のようだった。その夢が現実となったのだ。
94年の無念の来日キャンセルからは15年。前日に目の前にいるMiles(マイルス)を見て実感し、ついにその日を迎えた。

この日は、通常のライヴよりも30分遅い開場・開演時間だった。これは、主催のVinyl Junkieさんの計らいで、ファン層を考えてのことだったらしい。
普段は荷物を預けたりしないのだが、この日はロッカーに預け、気合を入れて迷わず最前に行って時間が来るのを待っていた。でもなかなか人が集まらず、だんだん不安になってきた。ステージからフロアを見てガラガラだったら、メンバーがガッカリするだろうし、もう二度と来てくれないかも知れない・・・。
でも、開演時間前になると後方は空いていたものの、それなりに埋まってきたのでひと安心。
開演時間の19:30が近付くにつれ、会場のテンションもだんだん上がって行くのが感じられ、真ん中にいた人たちのコールが合図のように自然と手拍子が起き、始まる前からあんなに湧いたライヴは初めてだった。私たちみんなの待ちきれない気持ちは、きっと袖にいるメンバーにも伝わっていたことだろう。

やがて10分ほど押して客電が落ち、ステージの照明が瞬き出して、90年代の音楽がDJ風に大音量で流れてきた。
ついに、Erica(エリカ)を除くメンバー4人が登場。大歓声と拍手が沸き起こった。MilesとベースのMark(マーク)は、手に持ったワイン・ボトルを掲げて登場。この日のワインは料理ワインではなく、ちゃんとしたワインだった。そしてなんと、Milesは素足にサンダル履き! これには笑った。
彼らの1stアルバム 『The Eight Legged Groove Machine』 の1曲目でもある 「Red Berry Joy Town」 でスタート。ビートに合わせた声援が続く。“あぁ~~~、ワンダー・スタッフだぁ~~~っ!” と誰もが思ったことだろう。
本当に、自分の目の前でThe Wonder Stuffがプレイしていることが信じられなかった。その音が、夢ではないことを証明してくれた。
『The Eight Legged Groove Machine』 の曲が続く。当たり前だが、バンド・セットでもMilesの声は昔とちっとも変わっていない。
「It's Yer Money I'm After, Baby」 では、おどけた表情で歌うMilesの、両頬のエクボがとってもキュートで、足を交差させて笑顔でギターを弾く姿のMilesが、確実にそこに居た。
そして、コーラスはしないので、黙々とベースを弾いているMarkが、めちゃくちゃ華奢な体つきだったのにはちょっと驚いた。
“Give Give Give?” と言ってやったのは、もちろん 「Give, Give, Give Me More, More, More」。まだ始まったばかりだったけど、“もっともっと~!” という気持ちが高ぶるばかりだった。
「Like A Merry Go Round」 でのMalc(マルク)のコーラスも健在。“STOP!” のところで、ピタッと音が止まるのが気持ち良かった。
ここでヴァイオリンのErica嬢が登場し、一気にステージが華やいだ。黒地に赤の大きな水玉模様の、裾が広がったドレスに身を包み、泣きボクロを付けて今夜もお化粧バッチリ。ヒールのないブーツを履いているのだが、とても長身なので本当にステージ映えし、指先のない黒いレースの手袋をはめてドレスの裾を揺らしながら軽やかに、そして力強く弾くEricaに自然と目が行った。
「The Animals And Me」 の複雑なドラミングにEricaの躍動的なヴァイオリンの音色が絡み、本当にカッコ良かった。
“ちょっと静かな曲をやるよ。Malcは最年長だからね。ちょっとゆっくりしなきゃ” と言ってアコギに持ち替えて 「Some Sad Someone」 をしっとりと聴かせてくれた。
“みんな手伝ってくれる? ずっとやってると息切れして痛々しい顔になるんだ” と顔をゆがませながら言って、Dのキーで “ha,ha,ha,ha” とMilesの後に続いて触りを練習して 「Mother And I」。“ha,ha,ha,ha” のところに入る前に手で合図して、Milesの指揮に合わせながらみんなで大合唱して楽しかった。
Ericaが去って、Milesがギターを替えて “Groove Machineをやるよ” と言って 「Grin」 が始まった。この曲は、Malcのギターが特徴。力強いメロディがMilesの歌と調和して冴え渡る。そして、“So!” と叫ぶ。楽しい~! 正にGroove Machine。心地良いグルーヴ感と、音がキメのところで停止するところが何ともカッコ良かった。
“馬の歌を歌うよ” と言って歌った 「Ruby Horse」 では、ドラムのAndres(アンドレス)がカウ・ベルを叩きながら大活躍だった。最後はもちろん、 “Ha Ha Ha~” の笑い声で締めくくった。
Milesは、滴る汗を腕で何度も拭いながら(後ろに置かれたタオルは一度も使わなかった)ニコニコ顔で歌い、「Poison」 まで勢いよく突っ走った。

ここで一旦メンバーがハケた。1stから全曲やるので、2部構成になると聞いていたが、もう終わり?と思った人たちからのアンコールを求める声が続いた。
インターバルは10分くらいだっただろうか・・・。再びEricaも含めた5人が登場すると、自分も含め、みんなとっても温かい気持ちで彼らを迎えているんだという気持ちが、割れんばかりの歓声と拍手に籠められていた。
第2部一発目は、大大大好きな曲 「On The Ropes」 で幕を開けた。Ericaのイントロの力強いメロディを聴くと、鳥肌が立った。1部は比較的ゆったりとして見ていられたのだが、この曲の途中からグワ~ンと一気に盛り上がるところに突入した途端、大波が押し寄せてきた。チビの私はもみくちゃにされそうになりながら、ピョンピョン飛び跳ねて楽しんだ。だって、本当に嬉しくて、楽しかったのだから。Malcもピョンピョン跳ねているのを見て、改めて一緒の時を過ごしているんだ~という実感が沸いた。
“僕らの故郷、バーミンガムのことを歌った曲” とMilesが言うと、もう何の曲だかはみんな承知、「Caught In My Shadow」 だ。バーミンガム市庁舎前で撮影されたこの曲のPVが頭の中をよぎって行った。そして歌に入ると、もう大合唱の嵐。そして、一気に時を90年代に戻してくれた。たまらなく好きな曲を生で聴けている嬉しさに、涙が出てきた。
続いて 「Golden Green」。軽やかで爽やかなグルーヴに酔いしれながら、もちろん忘れずに “HUP!HUP!HUP・HUP・HUP・HUP!” と叫び、笑顔が耐えなかった。
そして、「Don't Let Me Down, Gently」 とキラー・チューンが続いたあと、「Song Without An End」 で終了。アグレッシヴに盛り上がったあと、Malcが去り、MarkとAndresが去って、アウトロでMilesとEricaふたりだけになり、Milesはモニターに腰掛け、何度も何度も “Thank you!” とクチパクであちこちに言いながら、ヴァイオリンの哀しげなメロディでしっとりと終わった。
鳴り止まない拍手の中、再び5人が登場。Milesが “この曲は、Malcの子供がいちばん好きな曲なんだ” と言ってやったのが 「Mission Drive」。Malcの弾くギターのイントロが流れてくると、またまた泣けてきた。
二度目の歌詞 “all the shite you say” を合図かのように、この日二回目の大波が押し寄せた。躍動的に激しく舞うように弾く、Ericaのヴァイオリンの音色が素晴らしかった。
続く 「Circlesquare」 でも、Ericaが大活躍。The Wonder Stuffの曲に、フィドルの音は欠かせない。オリジナル・メンバーのMartin Bell(マーティン・ベル)の陽気な音色とはまた違った、Ericaならではの音色で楽しませてくれた。
チューニングをするMilesに “More!” と声が飛ぶと、“そんなにせかさないでよ。僕を殺す気?” とニコニコしながらおどけるMiles。この時だったかどうかよく覚えていないが、“リクエストある?” と言うと、あちこちでいろんな曲名が乱れ飛んだ。それに大きく頷くMilesだったが、結局リクエスト曲はやらなかった。
“牛のこと歌ったの、覚えてる?” と言ってやった 「The Size Of A Cow」 もハンド・クラップ&大合唱で、バンドとオーディエンスとの一体感が素晴らしかった。
最後の曲は、ライヴ・アルバムと 『The Eight Legged Groove Machine』 の20周年記念リ・レコーディング・アルバム収録の 「Ten Trenches Deep」 で、エネルギッシュに締めくくった。
まだまだ終わらないで~と言わんばかりに、拍手が鳴り止まない。客電も点かないので、期待を胸にみんな叫びまくる中、MilesとEricaがふたりで登場。
“この曲は、今はバンドでプレイしていないんだ” と言って、バッキングVo.で共演した亡きKirsty MacColl(カースティ・マッコール)のことを含むように言ったあと、「Welcome To The Cheap Seats」 をふたりで演奏。アコースティックもいいけど、今度は是非バンド・セットでやってね、と思ったのは正直な気持ち。
“Radio Ass Kiss!” とMilesが叫び、“次は 『HUP』 でまた戻ってくるよ~” と言って、最後に 「Radio Ass Kiss」。本当の本当にこれが最後だったけど、もっともっと続けてほしい、もっともっと聴きたい曲いっぱいあるよ~と言う気持ちはみんな同じだったはず。
でも、これで最後じゃないんだし、2時間近くもやってくれたことに心から感謝。そして、The Wonder Stuffを呼んでくれたVinyl Junkieさんに本当にありがとうという気持ちでいっぱいだ。
終わった後の場内では、“楽しかったね~!” と言う声があちこちから聞こえ、みんなステキな笑顔だったのが印象的だった。そして、The Wonder Stuffを愛する多くの人たちと、一緒の時間を分かちあえたことも嬉しかった。
再始動後の2枚のアルバムからの曲はなかったので、正に “おかえりなさいライヴ” だった。次回の来日では、きっと新しい曲もやってくれることだろう。

開演前にMiles&EricaのCDを物販コーナーで買ったら、サイン会があるとのことで整理券を貰えた。
実は何だかそんな予感がしていて、もし何かあったら・・・と思い、『escape from rubbish island』 を持ってきていたのだった。このアルバムを選んだのは、ジャケットにスペースがあるのと、今いる3人が参加しているアルバムだからということもあった。
並んでいると、Malcと目が合い “Hi!” と言ってにっこりしてくれたので、緊張してきた私。
まずMarkから。タトゥーがすごい!って言うと、タトゥーにあるのと同じ絵を描いてくれて、おまけにシャツを脱いでその絵を見せてくれた。
続いてMalc。もうカンゲキで・・・来てくれて本当にありがとう、もう今の気持ちは言い表せないとか何とか言ったら、それをMilesも聞いていてくれていてニコニコしながら頷いてくれていた。
Malcの方から手を差し伸べてくれて握手したあと、Milesが突然立ち上がって、えっ!?と思っている間もなくほっぺにチュッ! うわ~ビックリした~。でもめちゃくちゃ嬉しかった。
ドキドキしながら気を取り直して、ちゃんとMilesの前に行き、もう一度来てくれたお礼とどんなに待っていたかを伝えてサインをもらい、握手しながらまた来てくれることを約束してくれた。
Ericaに、綺麗な肌を保つ秘訣は?と聞いたら、サンシャインを浴びないことよと、当たり前のような答えが返ってきたが、イギリスは曇り空が多いからいいねって言ったら、そうなのよ~とニコニコ。とっても可愛かった。
最後にAndresにもまた来てねと言って、ほくほく気分でリキッドルームを出た。
駅までの道や、家に着くまでの電車の中でも楽しくって仕方なかった。iPodで曲を聴きながら思い出してはニンマリしていたかもなので、変に思われていたかも・・・。


★Setlist★
・Red Berry Joy Town
・No, For The 13th Time
・It's Yer Money I'm After, Baby
・Give, Give, Give Me More, More, More
・Like A Merry Go Round
・The Animals and Me
・Rue The Day
・Some Sad Someone
・Mother and I
・Grin
・A Wish Away
・Ruby Horse
・Unbearable
・Poison

~interval~

・On The Ropes
・Caught In My Shadow
・Golden Green
・Don't Let Me Down, Gently
・A Song Without An End

~encore pt.1~
・Mission Drive
・Circlesquare
・The Size Of A Cow
・Ten Trenches Deep

~encore pt.2~
・Welcome To The Cheap Seats (Miles & Erica)
・Radio Ass kiss
もっと、もっと、もっと ワンダー・スタッフより )

セットリストを貰えたのだが、よく見ると①と書いてあった。そう、25曲もやってくれたセットリストは、3枚に渡っていたのだった。

Miles & Erica @Koenji High, Tokyo 09/09/09

2009-09-10 | performance


Miles & Erica(マイルス&エリカ)って?
そう、今回18年ぶりの来日が実現した、The Wonder Stuff(ワンダー・スタッフ)のMiles Hunt(マイルス・ハント)とErica Nockalls(エリカ・ノッコルス)。
The Wonder Stuffのライヴの前に、高円寺Highというライヴハウスで、今夜そのふたりのアコースティック・ライヴが行なわれた。
10歩も歩けばいちばん前まで行ける小さなクラブで、しかもチケットは2000円! こんなチャンスはもう二度とないかも知れない。


「エガワヒロシpresentsフワリカ!!PART12~WALKING A SUNNY SIDE~」 というイベントで、途中から入ったのだが、フロアにギターのMalc Treece(マルク・トゥリース)とベースのMark McCarthy(マーク・マッカーシー)が普通にいた。Markの腕一面と首筋までいっぱいのタトゥーは凄かったな~。
新井仁 with 丸山晴茂(サニーデイサービスのドラムの人)ら3組が演奏したあと、ステージに登場したMiles & Ericaに歓声が上がり、ふたりは自らセッティング。その間、MarkがDJのご機嫌な音楽が流れていた。
ちょっぴりお腹も出ておじさんになったMilesは、ワインのボトルを持って音楽に合わせて腰を振ったりして、和気藹々。
 セッティングが終わり、間もなく本番!

Miles & EricaのCDは持っていないが、曲はYouTubeで予習していた。でも3曲目にMilesが、“たぶん次の曲はみんな知ってると思うよ” と言って、イントロでEricaのヴァイオリンがお馴染みのメロディを奏でると、一斉に歓声が上がったのは、「Circlesquare」。髪も短くなって容姿は変われど、声は昔のまんまだ。
そして、オリジナルとは全く違った雰囲気のスロー・テンポで始まった 「Mission Drive」 は、途中からアップ・テンポになって大盛り上がり。アコギ一本とヴァイオリンだけなのに、全然寂しくなかった。
歌い終わると敬礼したり、口を尖らせておちゃめなポーズを取ったりして、ワインをラッパ飲みしながら結構喋るMiles。しかしあのワイン、ラベルに “Bistro” と書いてあったが、もしかして料理ワイン?
Miles & Ericaの曲 「The Cake」 はエキゾティックなサウンドで、YouTubeで聴いていちばんお気に入りだった曲。バッチリお化粧したEricaの色の白いこと! 気が強そうな感じの美人さんだが、時折歯を見せずに微笑む表情が可愛かった。
プライベートでもパートナーであるMilesとは息ピッタリで、Ericaのソロ前に “Come on, girl!” と言ったMilesに向けた笑顔がとても印象的だった。
「Welcome To The Cheap Seats」 の歌い出しを聴いた時は、嬉しくってウルッとした。
最後は 「The Size Of A Cow」。あぁぁぁ・・・もう懐かしさ満載の選曲。嬉しすぎて楽しすぎてアッという間に終わってしまったが、すぐ出てきてもう一曲。
“また東京に戻ってくるよ!” と言ってアンコールに 「Golden Green」。“1・2・1234!” と一緒にカウントし、“HUP!HUP!HUP・HUP・HUP・HUP!” と一緒に叫び、本当に楽しかった。
さて、いよいよ明日は本公演。今夜はウォーミング・アップと言った感じで軽やかに楽しんだが、明日は名曲のオンパレードでとんでもないことになりそうな予感。
めちゃくちゃ楽しみだ!

Farrah @Thumbs Up, Yokohama 09/03/09

2009-09-05 | performance


7月のNANO-MUGEN FES.から約1ヶ月半、Farrah(ファラー)がバンド・セットでJAPAN Tourを敢行。
NANO FesでのVo.のJez(ジェズ)とベースのMichelle(ミシェル)ふたりのアコースティック・セットを見て遅ればせながら瞬時にハマり、その後CDを聴いて更に好きになった。
12日の渋谷O-Nestには行けないので、少し足を伸ばして横浜まで行ってきた。
横浜駅のすぐ近くにある相鉄ムービルというビルは、映画館を中心とした商業ビルで、以前朗読劇を観に行ったことがあったのだが、ここにライヴハウスがあったなんて知らなかった。
「Thumbs Up」 という小さなライヴハウスは、木を基調とした内装のレストラン&バーで、食事しながらライヴを楽しむというスタイルだった。
こういうスタイルでライヴを見るのは、日本では初体験。軽く食事をしながら始まりを待っている間、メンバーがちょこちょこステージにやってきてチューニングをしたりしていたので、側を通ったドラムスのDana(ダナ)と、ちょっとおしゃべりした。

ほぼ定刻どおりに、温かい拍手と共にFarrahの4人がテーブルの間を通ってステージに登場。
イントロもなく、いきなりスタートした 「Last Of The Innicents」。NANO Fesで印象に残っていた曲で、ニュー・アルバムの中の好きな曲のひとつなので、テンションが上がった。
始まる前から少し懸念していたのだが、やはり座ったまま彼らのリズミカルでキャッチーなパワー・ポップを聴くのは、むずむずした。
もちろんFarrah初心者の私には知らない曲もあったが、予習不足なんて全然へっちゃら。どの曲もポップな親しみ易いサウンドで、スーッと自然に耳に入ってきて、とっても楽しい時間が流れて行った。
JezとMichelleが向き合って微笑み合いながら弾く姿は、何だかこっちが照れくさくなるくらいだったし、ギターのAndrew(アンドリュー)はギターとコーラス以外にも、キーボードを弾いたり小さなマラカスを鳴らしたり、更に演奏の合間には横に置かれたMac PCでプログラミングをしたりと忙しそうだった。
Danaは、R.E.M.のMichael Stipe(マイケル・スタイプ)をキュートな男前にした感じで、スキンヘッドがお似合い。吹き出る汗を頭から拭いながら、正確でタイトなビートを刻み、コーラスもバッチリ。
一曲終わる毎に “ドモアリガトゴザイマスッ” と丁寧に言うJezは、“日本語を勉強してるんだけど、覚えるのが遅い。僕の頭はスローなんだ” と言っていたが、目の前のテーブルを指して “テンプラ?” と聞いたり、“美味しそう。後で食べるから残しといてね” と英語で言ったりと、カタコトの日本語とミックスして客席とコミュニケーションしながら、とてもアット・ホームな感じで温かい空気が充満していた。
ニュー・アルバムの中でいちばん好きな 「Swings And Roundabouts」 は、歌詞の内容はヘヴィなのだが、前向きなことを歌っているので曲調はとっても爽やかなポップ・チューン。ファルセットで歌うサビに3人のハーモニーが絡み、とても気持ち良かった。
途中、Jezがアコギに持ち替えて歌った 「Scarborough」 では、Andrewがピアニカで大活躍。息切れしそうなくらいの熱演で、大歓声を浴びた。
ライヴ初披露というMichelleがVo.の 「Got The Best Of Me」 は、めちゃくちゃキュート。小柄で華奢な体でベースを弾く姿はカッコ良くて、声はちょっとJuliana Hatfield(ジュリアナ・ハットフィールド)に似てる。
Jezが “スペシャルゲスト” と言って登場したのが、アジカンのゴッチさん。ステージに上がり、ギターのケーブルを繋げるも、アンプから音が出ない。
Jezたちが “New Member!” と言って茶化してみんな拍手しているのに、ゴッチさんはアンプの調整に必死でリアクションなし。(笑)
でもすぐに直ってOKが出て、「The One That Got Away」 をセッション。一緒に口ずさみながらニコニコ顔でギターを弾く彼の姿は、とても楽しそうだった。
アップ・テンポの曲ではハンド・クラッピングを煽り、コーラス・パートの上と下を半分に分けて私たちに歌わせたり・・・。そして終わると、“スッゴイ! カンペキー” と満面の笑顔で嬉しそうなJezに、見ているこっちも自然と笑顔がこぼれた。
アンコールで出てきたJezは、“もし出来れば立ってダンスして!” と言うと、待ってましたとばかりに皆立ち上がって大盛り上がり。
最後に 「No Reason Why」 で締めて、アッという間に楽しくってハッピーなひとときが終わった。

店内が明るくなると、すぐにメンバーが出てきてMeet&Greetとなり、JezのホームタウンYorkは私が世界中でいちばん好きな街なので、そのことを伝えたら目を丸くして驚くJez。そして同郷だと言うAndrewに言いに行ったので、3人で街の話をした。サインしてもらった時に、そのこともメッセージしてくれたのが嬉しかった。
笑顔でバイバイした後、店を出て電車に乗っている間もライヴの楽しさが甦ってきて、幸せな気分で家路に着いた。


★昨日大阪公演を終えたFarrahのJAPAN TOURは、まだまだ続く・・・。
9/5(土) 福岡Kieth Flack
9/6(日) 岡山Pepperland
9/8(火) 新潟Junk Box mini
9/12(土) 渋谷O-Nest ※14:00からタワレコ新宿店でアコースティックライヴ&サイン会あり。詳細はこちら


★Setlist★
・Last Of The Innocents
・Stereotypes
・This Is My Life
・Awkward Situation
・Daytime TV
・Sleep Above The Covers
・Tired Of Apologising
・Swings & Roundabouts
・Life's Too Short
・Scarborough
・Got The Best Of Me
・Missed The Boat
・The One That Got Away
・Just Driving
・Say It Again
・Tongue Tied
・Do You Ever Think Of Me

~encore~
・[unknown title]
・No Reason Why


[2009-09-14 セットリスト追記]