without A trace

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Glen Phillips @La Cana, Shimokitazawa 04/29/06

2006-04-30 | performance


昨日、Glen Phillipsのアコースティック・ソロ・ライヴに行ってきた。
今回の来日公演は、東京・下北沢での2ステージと、鎌倉でのライヴのみ。
会場となったところは、アット・ホームな感じのこじんまりとした小さなお店。
ステージはホンの3~4メートル四方のスペースで、ステージ横にも椅子が並べられ、隙間がないくらいだった。
そんな中、辛うじて人がひとり通れるくらいのスペースを通ってGlenが登場。
めちゃくちゃ背が高い人と想像していたが、実際の彼は意外と小柄だった。それにしても顔がちっちゃい・・・。
ソロになってからの曲を中心に、もうすぐリリースされるニュー・アルバム 『Mr Lemons』 からの曲も交え、淡々と進んで行った。
彼のVo.とギターは強弱のメリハリが見事なまでに利いていて、感情豊かに歌い上げるVo.が素晴らしかった。
シーンと静まり返った店内に、素敵な歌声が響き渡る。
“歌、うまいな~” とつくづく思ったし、聴き入っていたみんなもきっとそう思っていたに違いないだろう。
静かなしっとりとしたナンバーから激しいナンバーまで、全部アコギ一本の見事なアレンジで披露してくれた。
とってもシャイな彼はあまり喋らず、でも時々オチャメな素振りをしたり、冗談をつぶやいたりして、クスッと笑わせてくれる一面もあった。
もうすぐToad The Wet Sprocketが再結成し、本国ではツアーもスタートするが、そのToad時代の曲も何曲かプレイした。
中でもアコースティックで聴く 「Walk On The Ocean」 はとても雰囲気があったし、アンコールの最後にリクエストに応えてプレイしてくれた 「Fly from Heaven」 は、とても懐かしい気分にさせてくれて感動だった。
ライヴのあとサイン会があり、彼の優しくて誠実な人柄にも触れることができた。
正式には5月2日がリリースの 『Mr Lemons』 もイチ早く購入することができ、とても穏やかな気分でお店をあとににした。

★写真は今回のライヴのものではなく、参考写真。

Night Visions

2006-04-27 | cinema & drama


今回は、海外ドラマのお話。
日テレの火曜深夜枠 “うしみつショー” で放送されている 『Night Visions』。
アメリカ版 『世にも奇妙な物語』 と言った感じの内容で、一話完結のショート・ストーリー。
本来ホラーものは大の苦手で、観ることさえできない私だが、これはホラーというよりもミステリー度が高く、かなり面白い。
そして、このドラマのストーリー・テラーがなんと、Black Flag ~ Rollins BandのHenry Rollins。
あの所狭しとタトゥーが彩るマッチョな腕をムキムキに出して、超真面目な顔でホスト役を務めている。
そう、『世にも奇妙な物語』 で言うところのタモリの役である。
歌っている時のイメージとは全く違う雰囲気で、こんなところで活躍していたとは、驚きであった。
摩訶不思議で怪しげな話が、彼の淡々とした語りによって現実に起こりそうな気持ちになることさえある。
正に適役かも知れない。怪しげで背筋がゾクッとする。
5月16日からは新番組に変わるみたいなので、あと2回で終ってしまうのが残念である。

Glasgowファミリー

2006-04-25 | music : normal


Teenage FanclubのDrs.だったPaul Quinnが結成したバンド、The Primary 5のデビュー・アルバム 『North Pole』。
ドラム・スティックからマイクに持ち替えて、PaulがVo.を取り、Key.とそしてもちろんドラムもプレイ。
そして、パートナーである地元のミュージシャンRyan Currieが、ギターとベースを担当している。
バリバリのTFC~Glasgowアノラック・ファミリー直系サウンドの、とってもポップで爽やかで、Paulの隠れた才能が伺える。
ジャケも、どんな音なのか想像できそうなくらい、とってもポップ。
アコースティックな曲、メロウな曲、ジャングリーなギター・ポップ、ギュイーンとハードなギター・メロが流れる曲etc...どれを取ってもメロディが綺麗でポップな曲ばかりだ。
本当に、このGlasgowファミリーの奏でるサウンドは、どうしてこうも温かくってほんわかしているんだろう・・・。
もちろん彼らの人柄が音に出ているというのもあるが、Orange JuiceやAztec Cameraを始め、The PastelsやVaselinsらが築いてきたミュージック・シーンというのは、非常に大きな土台となっているのだと思う。
たとえバンドが解散してしまっても、多くの人に愛され続けているGlasgowのミュージシャンたち。
ひとつのバンドに留まらずに、仲良しでファミリー的活動をしているというのも特徴だ。
それぞれのサンクス・クレジットには、必ず知った名前を見つけることができる。
このThe Primary 5のクレジットにも、TFCのメンバーはもちろん、BMX BanditsのDaglusやThe PearlfishersのDavid Scott、クリエイションのAlan McGeeらの名前がある。
それはやはり、何よりもみんなお互いを尊重し合い、信頼し合っているからこそできること。
そんなフレンドリーな彼らGlasgowファミリーの音楽は、これからもマイペースで心地良い音を届けてくれるに違いないだろう。

Dance, Dance, Dance!!

2006-04-18 | music : normal


Franz Ferdinandの大ヒット曲 「Do You Want To」 は、CMの相乗効果もあって、洋楽を聴かない人たちにも親しまれ、巷では携帯の着メロにこの曲が氾濫した時期もあったほど。
私は世の波に少し乗り遅れてこの2ndアルバム 『You Could Have It So Much Better』 を聴いたのだが、ダンサブルでカッコいい曲が詰まった楽しいアルバムだ。
同じGlasgow出身でも、Teenage Fanclubを始めとするGlasgow一派のほっこりした音楽とはまた違った路線で、UK色が華やかに出ている。
粋でお洒落でダンサブル。私には彼らの音楽は、80年代のニュー・ロマ辺りを思い起こさせる。
Duran Duranのサウンドと共通するものを感じ、どことなく懐かしささえ漂う。
クラブで大音量でかかると、すごい盛り上がりが想像できそうな曲ばかり。
バンド結成のコンセプトも、“女の子たちが楽しく踊れるような音楽を作りたい” というのがきっかけだったそうで、その言葉通り、余計なことは考えずに楽しめて、自然と踊り出したくなるナンバーばかりである。
サラエボ事件で暗殺されたオーストリア皇太子の名前を、バンド名にしたという由来も面白い。
彼ら自身、楽しんで音楽をやっているので、聴き手側にもその楽しさが伝わるのだろう。
USでも異例のヒットを獲得し、グラミーにもノミネートされ、日本でも早くも武道館公演という、短期間での成功を掴んだ彼ら。
この人気の波が、果たしていつまで続くかが注目される・・・。
こういう売れ方をするアーティストというのは、次のアルバムが勝負どころだし、一歩間違えるとワン・パターンになりかねない。
そういうことの無いように、常に新鮮な楽しい楽曲を作って行って欲しいと思う。
それにしてもこの歌詞カード、筆記体なので読みにくいったら・・・。(苦笑)

ここらでUKな気分

2006-04-13 | music : favorite


しばらく投稿するのも聴くのもUSものが続いていたが、そろそろUKな気分が訪れてきたので、今日はとっても久しぶりにoasisを聴いた。
それも、私が所有する彼らのアルバムの中でもいちばん聴いている回数が少ない、97年の 『Be Here Now』 を聴いてみた。
とってもとっても新鮮だった。確か、このアルバムは彼ら自身もメディアも駄作としているアルバム。
しかし時が経った今、改めて聴いてみると、これはこれでアリなんじゃないだろうか・・・と思う。
確かに一曲一曲が長い。無駄に長い・・・。
ギターの音が容赦なく前面に出て、これでもか・・・というくらいに弾きまくっていて、アレンジも大袈裟だ。
でも、「Stand By Me」 と 「Don't Go Away」 と 「All Around The World」 が収録されているということだけで、これからも私はこのアルバムを聴いて行くだろう。
oasisの曲の中では、誰もが好きであろう 「Whatever」 や 「Don't Look Back In Anger」 のミディアム・バラードを、私はこよなく好む。
ロックン・ロール・ナンバーももちろん好きだけど、あのガツンと脳天ぶち抜かれた 『Morning Glory』 以上のロックン・ロールの魅力は、残念ながら現在もない。
Andyがメンバーに加わったことで楽曲に変化が生じたのは確かだし、それは確実にいい方向に流れていると思う。
ま、これからもこと彼らに関しては、波風立ったいろんなことが起こると思う。
昨年の 『Don't Believe The Truth』 のあとNoelは、この先5年はアルバムは作らない、と言っていたが、この兄貴がoasisを引っ張っている限り、良くも悪くも私達を期待と興奮に導いてくれるに違いないだろう。

パワー・ポップのバイブル

2006-04-11 | music : various


多くの良質ポップ・バンドを世に送り出した、USのインディーズ・レーベルBIG DEALからリリースされた 『Yellow Pills』 シリーズ。
新旧関係なく、パワー・ポップの様々なアーティストの曲を集めた、究極のコンピである。
このシリーズを通じて知ったバンドも少なくはなく、私にとって正にバイブル的存在の大切なCDだ。
パワー・ポップのコンピは他にもたくさん出ているが、これほどまでに量・質共に優れていて、ベテラン、新人問わずに選りすぐりの曲を集めているコンピは、このシリーズを置いて他にはないと思う。
これまでにVol.1から4まで出ているのだが、今回は特に回数多く聴いているVol.2を取り上げてみる。
まず一曲目を飾るのは、Shoes。彼らは、続く20/20と共に80年代を代表するパワー・ポップ・バンド。
このVol.2からVol.4まで毎回登場のMaterial Issueの曲は、彼らお得意の女性の名前入りのタイトルで、これぞパワー・ポップという弾けるナンバー。
クラシック・ポップな香り漂うThe Sighsの曲も魅力的。
いつものノイジーさを抑えた優しいポップを聴かせてくれるのは、The Posies。
イントロを聴くだけでもうCANDYを思い出さずにはいられない、Kyle VincentのThe Raspberriesを思わせるナンバー。
Brian WillsonフォロワーのWondermintsは、ノリのいい弾けるポップ。
バブルガム・ポップと言えば彼ら、Redd Krossの曲は、グラム・ロックを思わせるアルバム未収録曲。
Vol.1で初めて彼の曲を聴いてすぐに気に入り、アルバムを購入したのがChris Von Sneidern。
ここでも、極上のポップスを聴かせてくれる。
Matthew Sweetの曲は、モッズを彷彿させるような、ブリティッシュ・インヴェンションを意識したかのような曲。
80年代に活動していたLane Steinbergの軽やかな曲は、コーラスがとても美しい。
そして最後を締めくくるのは、The Raspberriesと並んで70~80年代を代表するパワー・ポップ・グループのThe Rubinoos。
ひと言でパワー・ポップと言っても、いろんなサウンドがあることがわかり、どの曲を聴いても素晴らしい楽曲ばかりで、それぞれのアーティストが持つ個性豊かなカラーが瞬いている。
そんな素晴らしい選曲で魅了してくれたこのシリーズも、レーベルの倒産によって止まってしまったことが残念でならない。

01. Shoes 「A Thing Of The Past」
02. 20/20 「Nothing At All」
03. Material Issue 「Something's Happened To Catherine」
04. Bazooka Joe 「Parthenon Huxley」
05. Brian Stevens And The Flip 「A Little Bird Told Me So」
06. The Sighs 「Situations」
07. Jim Basnight 「Tonight」
08. Randell Kirsch 「Just Kidding」
09. The Posies 「Saying Sorry To Myself」
10. The Nicoteens 「You're Gonna Save Me」
11. Kyle Vincent 「Just A Matter Of Time」
12. Gladhands 「Sisters」
13. Wondermints 「Carnival Of Souls」
14. Redd Kross 「Switchblade Sister」
15. Bill Lloyd 「There's A Lot Of Love In This Room」
16. Chris Von Sneidern 「Call Out My Name」
17. Matthew Sweet 「Bovine Connection」
18. Lane Steinberg 「Empty Boy」
19. The Underground Cartoons 「Head First」
20. 20/20 「Watching The Headlights Burn」
21. The Rubinoos 「Stop Before We Start」

全てがエレガント!

2006-04-09 | music : favorite


先日取り上げたToad The Wet Sprocket。
そのToadフロント・マンGlen Phillips。
Toadの頃から彼はとても紳士的で、知的な人というのが私のイメージで、ソロになってからは益々エレガントになり、そのルックスは、USのPaul Wellerと言った感じの、粋でカッコいいハンサムなミュージシャンだと勝手に思っている。(笑)
これは、昨年リリースされた彼のソロ作第2弾 『winter pays for summer』(ライヴ・アルバムを入れると3作目)。
もちろんルックスだけでなく、彼の作り出す音楽、歌詞、そして歌声は、とてもエレガントで優しくて温かい。
そう、もう、何もかも全てがエレガントなのである。
ソロになった直後は、アコースティック・サウンドのイメージが強かったが、このアルバムではToad時代にも通じるバンド・サウンドに目を向け、とても聴き易いハートフルな作品に仕上がっている。
そして、ゲスト・ミュージシャンの顔ぶれが豪華。
バッキング・ヴォーカルでJellyfishのAndy Sturmerが3曲、Ben Foldsが1曲、ギターでJon Brion(元JellyfishのJason FalknerのバンドThe Graysのメンバーで、Aimee MannやFiona Appleのプロデューサー)が2曲参加している。
他にもSemisonicのDan Wilsonや、Elvis Costello & The AttractionsのDrs.であるPete Thomasなんかも参加している。
決して派手ではないが、落ち着いた中に華やかさが際立つ、聴かせるサウンドで魅了してくれる。
そして、Toad時代よりもさらに磨きがかかった彼の独特の声に、ぐぐ~っと惹き付けられる。
ポップなM-1 「duck and cover」 やM-10 「finally fading」 は、単にポップというだけでは終らない、深みと華やかさがある素敵なナンバー。
M-2 「thankful」、M-6 「falling」 は、Andyのコーラスがハッキリとわかり、軽やかで思わず手拍子したくなり、聴いていて楽しくなる。
しっとりと聴かせるナンバー M-3 「courage」 やM-8 「true」 の叙情的なメロディ・ラインは、泣きそうになるくらい心にぐっとくる。
M-5 「cleareyed」、M-9 「easier」、M-12 「gather」 なんかは、Toadを彷彿させるようなサウンドで、聴き応え十分である。
ラストを飾るM-13 「don't need anything」 は、生ピアノをバックに歌い上げるとても美しいバラードで、ノスタルジックでどこか懐かしい気分にさせてくれる。

そんなGlenの歌声を、もうすぐ生で聴くことができる。
ソロ・アコースティック・ライヴが今月末にあるのだが、こじんまりとしたライヴ・ハウスでのライヴなので、エレガントな彼のステージを存分に堪能できるであろう。
アコースティックが似合う曲が多いし、新曲も聴けそうなので、とても楽しみだ。

 男も惚れる(?) handsome guy

若さみなぎるインディーズ時代

2006-04-06 | music : special


一昨日、ニュー・アルバムに先がけてRykodiscよりリリースされた、Soul Asylumのインディーズ時代のベスト・アルバム 『Closer to the Stars : Best of the Twin Tone Years』。
Husker Duを始め、The Replacementsら地元Minneapolisのバンドの殆んどと言ってもいいくらいのバンドが、このTwin Toneレーベルからアルバムをリリースしている。
84年から88年までの3枚のアルバムと1枚のEPからセレクトされた14曲と、CD未収録曲2曲の全16曲。
私は86年の3rd 『While You Were Out』 から入り、A&Mからリリースされた88年の 『Hung Time』 でハマったので、Twin Tone時代の1stと2ndは後追いだ。
もちろん今では全作CD化されているが、私は全部アナログ所有なので、このベスト盤のリリースは嬉しい。
A&Mを経てSony-Columbiaに移籍し、「Runaway Train」 が大ブレイクした92年のアルバム 『Grave Dancer's Union』 以降の彼らの曲を聴いている人は、インディーズ時代を聴くと、少なからずとも驚きと戸惑いを感じるだろう。
Ramonesと一緒にライヴをしていた頃のSoul Asylumの前身、Loud Fast Rules(この時のDaveはDrs.)から、当初彼らはガレージ・パンク・バンドだった。

 Loud Fast Rules(1983)

タイトルとなったのは、今でもステージでプレイしている 『While You Were Out』 収録の 「Closer To The Stars」。
オリジナルはとてもテンポが速く、パンク特有の3分弱の疾走するナンバーだが、ステージではゆったりとしたスロー・バラードにアレンジされ、しっとりと聴かせる。
こういう、オリジナルとは全く違ったアレンジで楽しませてくれるところも、私が彼らを好きな一面でもある。
1st 『Say What You Will』 に収録されているM-4 「Stranger」 は、90年代のツアーでもプレイしていた人気曲で、Daveが吹くSaxの音色が何とも言えないくらいにセンチメンタルで、切ないメロディを奏でる。
当たり前だけど、エネルギッシュで若い!
CDを聴いているだけなのに、ステージに飛び散る汗を感じる。
シャウトしてスピーディで突っ走る、エキセントリックなパワーがそこら中にみなぎっている。
DaveとDanのハーモニーも、ピッタリと息が合っている。
The Replacementsの初期もそうだが、80年代のUSガレージ・パンクはこうだった、と感じさせてくれる一枚だ。
CD未収録曲のひとつ、M-9 「Move Over」 は、ご存知Janis Joplinのカヴァー。
本家Janisもシャウトし、ソウルフルでアグレッシヴに歌い上げているが、疾走感みなぎるハスキーなDaveのVo.も、Janisに負けじとパワフルにシャウトしている。
確かに荒削りではあるし、勢いで終ってしまっている曲もあるが、先に挙げた 「Closer To The Stars」 や 「Stranger」 を始め、M-2 「Can't Go Back」、M-10 「Never Really Been」、M-15 「Crashing Down」 など、後のメロディを重視したロックへと移り行く原点が垣間見られる曲がセレクトされている。
Daveのルーツであるソウル、Danのルーツであるカントリー・ロックが所々に感じられ、ふたりのソングライティングの才能の予兆が見え隠れしていることが、改めて実感できる。

夜に聴くアメリカの音

2006-04-03 | music : normal


今年2月にグレイテスト・ヒッツをリリースし、6月には新作をリリースするCracker。
これは93年にリリースされた2ndアルバム 『Kerosene Hat』 で、100万枚以上のセールスを上げた作品。
彼らの最高傑作と言われている、98年リリースの 『Gentlemans Blues』 よりも、私はこのアルバムの方を好んで聴く。
80年代のカレッジ・ロック・シーンを代表するバンド、Camper Van BeethovenのDavid Lowery率いる、ルーツ・ロックをベースとしたアメリカン・ロック・バンド。
Camper Van Beethovenはミュージシャンズ・ミュージシャンとしてもカリズマ性があり、Crackerを先に聴いていた私がCVBを聴いたきっかけも、Teenage FanclubのNormanを通してだった。
CVBとしては2004年に15年ぶりにアルバムを発表したが、私の音の好みとしてはCrackerの方が好きだ。
私の好みを知っている人は、“だろうな・・・” と思うだろう。
ルーツ・ロックと言ってもサザン・ロックほど土臭くなく、シンプル且つダイナミックなバンド・アンサンブルと、親しみやすいメロディックなサウンドが魅力である。
そしてジャケットも、どれもみな正に “これぞアメリカ!” という感じのアート・ワークでシャレている。
しゃがれ声のDavid LoweryのVo.はとても渋く、力強くはないのだが味がある。
シングル・ヒットしたM-1 「Low」 は、広大な大陸をイメージしそうなアグレッシヴなナンバー。
M-3 「Get Off This」 のリズムのノリは最高。アメリカン・ロックならではのリズムとメロディだ。
スロー・ナンバーのアルバム・タイトル曲M-4 「Kerosene Hat」 では渋~いブルーズ・ロックを聴かせ、M-5 「Take Me Down To The Infirmary」 やM-9 「I Want Everything」 ではカントリー・ブルーズの香りを漂わせる。
R.E.M.辺りが好きな人なら共感するに違いない、アコースティック・ナンバーM-8 「Sick Of Goodbyes」。
M-10 「Lonesome Johnny Blues」 のご機嫌なカントリー・ロックも外せない。
夜に聴くと浸ってしまうような、味わい深くて粋な楽曲が揃っている。
また、このアルバムは構成が面白い。全トラック数が99曲なのである。
M-13とM-14は音が入っていなくて、M-15で 「Hi-Desert Biker Meth Lab」 というタイトルは付いているものの、40秒のドラムやパーカッションの音だけのトラック。
その後、M-16からM-68まで延々と3秒ずつの無音が続き、M-69で 「Euro Trash Girl」 という曲が入る。
この曲は、後の2000年リリースの 『Garage D'or』 に収録されている8分以上もあるネオ・カントリー・ロック。
そしてまたM-70からM-87まで無音が続き、M-89で 「I Ride My Bike」 というパンクっぽい曲が入る。
で、またまたM-90からM-98まで無音で、最後M-99はメンバーの笑い声も入っている 「Kerosene Hat」 のデモで、この曲が完成する前の貴重なトラックで終る。
クレジットにはM-15までしかないので、初めて聴いた時、カウンターがやけに進むのが気になって早送りをしてこの3曲を発見した。
何を意味するのか定かではないが、何かの意図があるのだろうか・・・?
今は女性メンバーも加わったみたいで、最近の音は聴いていないが、私はこの頃の音が好きだな・・・。

a man among men

2006-04-01 | music : favorite


男の中の男。こう呼ぶに相応しい男、Paul Westerberg。
“Mr. ロックンロール・ダンディ” ・・・私は勝手に彼をこう呼んでいる。
The Replacements解散後、Seattleを舞台にグランジ・ミュージシャンを中心に描いた、キャメロン・クロウ監督の映画 『Singles』 の音楽を担当し、サントラにも2曲提供した。
そして、93年に発表された初のソロ・アルバムがこれ、『14 Songs』。
シンプルすぎるくらいシンプルで、何のてらいもないストレートなガレージ・ロック。
ほとんどの曲がギター・ベース・ドラムのみで、Saxやピアノを加えた曲が2~3曲あるだけ。
ハッキリ言って、ヒット・チャートを賑わすような曲はないし、これほどまでシンプルかつストレートなのは、時として何か物足りない感じがしたりする。
しかしこのアルバムには、エッジの効いた突き抜けるロックンロール、どことなく懐かしい気分にさせてくれる古き良き4ビート・ロックンロール、セピア色の記憶が甦るような淡いバラードなど、とても味のある曲が詰まっている。
夜な夜な酔っ払い、手当たり次第にそこら中のモノを壊し、その破天荒な行動で全米のクラブから閉め出しを喰らっていたThe Mats(The Replacements)の若かりし頃。
そんな時代を思わせるようなパンキッシュな曲もあって、ロックンロールに理屈は要らないってことが伝わってくる。
ちょっぴりダミ声の渇いた彼の声は、独特の雰囲気をかもし出し、そのフックの利いたロックはいつ聴いてもホッとさせてくれる。
また、抜群のロックンロール・テイストを放っている、ポップでご機嫌なナンバーのM-1 「Knockin' On Mine」、M-3 「World Class Fad」、M-11 「Things」、M-13 「Mannequin Shop」なんかを聴くと、テンションが上がる。
NirvanaのKurt Cobainらにも多大な影響を与え、Bob Mouldと並んでMinneapolisのロック・シーンには欠かせない、師匠的存在のミュージシャンズ・ミュージシャンである。


★今月のプロフィールの画像は、4月が誕生月のSoul AsylumのDave Pirner。
  これは彼の最新の写真。息子ももうすぐ3歳、そして彼は42歳になる。