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the pillows & Ben Kweller / Lightning Runaway

2009-09-21 | music : favorite

タワーレコードの30周年を記念して、Ben Kweller(ベン・クウェラー)と日本のバンドthe pillows(ピロウズ)との国境を越えたコラボ・シングル 『Lightning Runaway ~NO MUSIC, NO LIFE.~』 が、タワレコ限定で発売された。
いつの間にレコーディングしたのかしら・・・と思うこのコラボレーションは、作詞がBenちゃんで、作曲はthe pillowsのVo.&Gの山中さわお氏。Vo.はBenちゃんで、the pillowsがバッキングVo.と演奏で参加。恐らくBenちゃんもギターを弾いていると思われるが、詳しいクレジットがないので詳細は不明。
曲は、とっても軽快でアップ・テンポなドライヴィング・チューン。覚え易いポップなメロディで、Vo.の掛け合いやコーラスも息がピッタリ合っていて、サウンドにフィットしている。

そんなBenちゃんは、ただ今再び日本上陸中。名古屋のライヴを終え、22日にくるり主催の “京都音楽博覧会2009 IN 梅小路公園” に出演。その後、大阪と東京でライヴを行なう。
今回は比較的長い滞在なので、納豆やおとうふ好きのBenちゃんは、日本食を堪能することだろう。
東京では、日本のバンドComeback My Daughters(カムバック・マイ・ドーターズ)のイベントに出演。今年2回もBenちゃんのハートフルなあったかワールドに触れられるなんて、嬉しい限りだ。


★大阪公演 : 9月24日(木) @Shangri-la
 ~special acoustic night~
 出演 : Ben Kweller、松本素生(from Going Under Ground)

★東京公演 : 9月26日(土) @代官山UNIT
 ~Before You Come Home~
 出演 : Comeback My Daughters、Ben Kweller

The Wonder Stuff  @LIQUIDROOM, Tokyo 09/10/09

2009-09-13 | performance


The Wonder Stuff(ワンダー・スタッフ)の18年ぶりの来日公演から3日経ったが、まだまだ余韻が残っている。
感動と感激と興奮と、楽しさと感謝と嬉しさと、夢心地なのと終わった後のちょっとした寂しさが入り混じって、もうお腹いっぱい胸いっぱいだ。
怒涛の全25曲 !! 本当に充実した中身のこゆ~いライヴだった。
来日のニュースを知った時、そもそもThe Wonder Stuffのライヴをこの目で見て生の音を聴けるというだけで夢のようだった。その夢が現実となったのだ。
94年の無念の来日キャンセルからは15年。前日に目の前にいるMiles(マイルス)を見て実感し、ついにその日を迎えた。

この日は、通常のライヴよりも30分遅い開場・開演時間だった。これは、主催のVinyl Junkieさんの計らいで、ファン層を考えてのことだったらしい。
普段は荷物を預けたりしないのだが、この日はロッカーに預け、気合を入れて迷わず最前に行って時間が来るのを待っていた。でもなかなか人が集まらず、だんだん不安になってきた。ステージからフロアを見てガラガラだったら、メンバーがガッカリするだろうし、もう二度と来てくれないかも知れない・・・。
でも、開演時間前になると後方は空いていたものの、それなりに埋まってきたのでひと安心。
開演時間の19:30が近付くにつれ、会場のテンションもだんだん上がって行くのが感じられ、真ん中にいた人たちのコールが合図のように自然と手拍子が起き、始まる前からあんなに湧いたライヴは初めてだった。私たちみんなの待ちきれない気持ちは、きっと袖にいるメンバーにも伝わっていたことだろう。

やがて10分ほど押して客電が落ち、ステージの照明が瞬き出して、90年代の音楽がDJ風に大音量で流れてきた。
ついに、Erica(エリカ)を除くメンバー4人が登場。大歓声と拍手が沸き起こった。MilesとベースのMark(マーク)は、手に持ったワイン・ボトルを掲げて登場。この日のワインは料理ワインではなく、ちゃんとしたワインだった。そしてなんと、Milesは素足にサンダル履き! これには笑った。
彼らの1stアルバム 『The Eight Legged Groove Machine』 の1曲目でもある 「Red Berry Joy Town」 でスタート。ビートに合わせた声援が続く。“あぁ~~~、ワンダー・スタッフだぁ~~~っ!” と誰もが思ったことだろう。
本当に、自分の目の前でThe Wonder Stuffがプレイしていることが信じられなかった。その音が、夢ではないことを証明してくれた。
『The Eight Legged Groove Machine』 の曲が続く。当たり前だが、バンド・セットでもMilesの声は昔とちっとも変わっていない。
「It's Yer Money I'm After, Baby」 では、おどけた表情で歌うMilesの、両頬のエクボがとってもキュートで、足を交差させて笑顔でギターを弾く姿のMilesが、確実にそこに居た。
そして、コーラスはしないので、黙々とベースを弾いているMarkが、めちゃくちゃ華奢な体つきだったのにはちょっと驚いた。
“Give Give Give?” と言ってやったのは、もちろん 「Give, Give, Give Me More, More, More」。まだ始まったばかりだったけど、“もっともっと~!” という気持ちが高ぶるばかりだった。
「Like A Merry Go Round」 でのMalc(マルク)のコーラスも健在。“STOP!” のところで、ピタッと音が止まるのが気持ち良かった。
ここでヴァイオリンのErica嬢が登場し、一気にステージが華やいだ。黒地に赤の大きな水玉模様の、裾が広がったドレスに身を包み、泣きボクロを付けて今夜もお化粧バッチリ。ヒールのないブーツを履いているのだが、とても長身なので本当にステージ映えし、指先のない黒いレースの手袋をはめてドレスの裾を揺らしながら軽やかに、そして力強く弾くEricaに自然と目が行った。
「The Animals And Me」 の複雑なドラミングにEricaの躍動的なヴァイオリンの音色が絡み、本当にカッコ良かった。
“ちょっと静かな曲をやるよ。Malcは最年長だからね。ちょっとゆっくりしなきゃ” と言ってアコギに持ち替えて 「Some Sad Someone」 をしっとりと聴かせてくれた。
“みんな手伝ってくれる? ずっとやってると息切れして痛々しい顔になるんだ” と顔をゆがませながら言って、Dのキーで “ha,ha,ha,ha” とMilesの後に続いて触りを練習して 「Mother And I」。“ha,ha,ha,ha” のところに入る前に手で合図して、Milesの指揮に合わせながらみんなで大合唱して楽しかった。
Ericaが去って、Milesがギターを替えて “Groove Machineをやるよ” と言って 「Grin」 が始まった。この曲は、Malcのギターが特徴。力強いメロディがMilesの歌と調和して冴え渡る。そして、“So!” と叫ぶ。楽しい~! 正にGroove Machine。心地良いグルーヴ感と、音がキメのところで停止するところが何ともカッコ良かった。
“馬の歌を歌うよ” と言って歌った 「Ruby Horse」 では、ドラムのAndres(アンドレス)がカウ・ベルを叩きながら大活躍だった。最後はもちろん、 “Ha Ha Ha~” の笑い声で締めくくった。
Milesは、滴る汗を腕で何度も拭いながら(後ろに置かれたタオルは一度も使わなかった)ニコニコ顔で歌い、「Poison」 まで勢いよく突っ走った。

ここで一旦メンバーがハケた。1stから全曲やるので、2部構成になると聞いていたが、もう終わり?と思った人たちからのアンコールを求める声が続いた。
インターバルは10分くらいだっただろうか・・・。再びEricaも含めた5人が登場すると、自分も含め、みんなとっても温かい気持ちで彼らを迎えているんだという気持ちが、割れんばかりの歓声と拍手に籠められていた。
第2部一発目は、大大大好きな曲 「On The Ropes」 で幕を開けた。Ericaのイントロの力強いメロディを聴くと、鳥肌が立った。1部は比較的ゆったりとして見ていられたのだが、この曲の途中からグワ~ンと一気に盛り上がるところに突入した途端、大波が押し寄せてきた。チビの私はもみくちゃにされそうになりながら、ピョンピョン飛び跳ねて楽しんだ。だって、本当に嬉しくて、楽しかったのだから。Malcもピョンピョン跳ねているのを見て、改めて一緒の時を過ごしているんだ~という実感が沸いた。
“僕らの故郷、バーミンガムのことを歌った曲” とMilesが言うと、もう何の曲だかはみんな承知、「Caught In My Shadow」 だ。バーミンガム市庁舎前で撮影されたこの曲のPVが頭の中をよぎって行った。そして歌に入ると、もう大合唱の嵐。そして、一気に時を90年代に戻してくれた。たまらなく好きな曲を生で聴けている嬉しさに、涙が出てきた。
続いて 「Golden Green」。軽やかで爽やかなグルーヴに酔いしれながら、もちろん忘れずに “HUP!HUP!HUP・HUP・HUP・HUP!” と叫び、笑顔が耐えなかった。
そして、「Don't Let Me Down, Gently」 とキラー・チューンが続いたあと、「Song Without An End」 で終了。アグレッシヴに盛り上がったあと、Malcが去り、MarkとAndresが去って、アウトロでMilesとEricaふたりだけになり、Milesはモニターに腰掛け、何度も何度も “Thank you!” とクチパクであちこちに言いながら、ヴァイオリンの哀しげなメロディでしっとりと終わった。
鳴り止まない拍手の中、再び5人が登場。Milesが “この曲は、Malcの子供がいちばん好きな曲なんだ” と言ってやったのが 「Mission Drive」。Malcの弾くギターのイントロが流れてくると、またまた泣けてきた。
二度目の歌詞 “all the shite you say” を合図かのように、この日二回目の大波が押し寄せた。躍動的に激しく舞うように弾く、Ericaのヴァイオリンの音色が素晴らしかった。
続く 「Circlesquare」 でも、Ericaが大活躍。The Wonder Stuffの曲に、フィドルの音は欠かせない。オリジナル・メンバーのMartin Bell(マーティン・ベル)の陽気な音色とはまた違った、Ericaならではの音色で楽しませてくれた。
チューニングをするMilesに “More!” と声が飛ぶと、“そんなにせかさないでよ。僕を殺す気?” とニコニコしながらおどけるMiles。この時だったかどうかよく覚えていないが、“リクエストある?” と言うと、あちこちでいろんな曲名が乱れ飛んだ。それに大きく頷くMilesだったが、結局リクエスト曲はやらなかった。
“牛のこと歌ったの、覚えてる?” と言ってやった 「The Size Of A Cow」 もハンド・クラップ&大合唱で、バンドとオーディエンスとの一体感が素晴らしかった。
最後の曲は、ライヴ・アルバムと 『The Eight Legged Groove Machine』 の20周年記念リ・レコーディング・アルバム収録の 「Ten Trenches Deep」 で、エネルギッシュに締めくくった。
まだまだ終わらないで~と言わんばかりに、拍手が鳴り止まない。客電も点かないので、期待を胸にみんな叫びまくる中、MilesとEricaがふたりで登場。
“この曲は、今はバンドでプレイしていないんだ” と言って、バッキングVo.で共演した亡きKirsty MacColl(カースティ・マッコール)のことを含むように言ったあと、「Welcome To The Cheap Seats」 をふたりで演奏。アコースティックもいいけど、今度は是非バンド・セットでやってね、と思ったのは正直な気持ち。
“Radio Ass Kiss!” とMilesが叫び、“次は 『HUP』 でまた戻ってくるよ~” と言って、最後に 「Radio Ass Kiss」。本当の本当にこれが最後だったけど、もっともっと続けてほしい、もっともっと聴きたい曲いっぱいあるよ~と言う気持ちはみんな同じだったはず。
でも、これで最後じゃないんだし、2時間近くもやってくれたことに心から感謝。そして、The Wonder Stuffを呼んでくれたVinyl Junkieさんに本当にありがとうという気持ちでいっぱいだ。
終わった後の場内では、“楽しかったね~!” と言う声があちこちから聞こえ、みんなステキな笑顔だったのが印象的だった。そして、The Wonder Stuffを愛する多くの人たちと、一緒の時間を分かちあえたことも嬉しかった。
再始動後の2枚のアルバムからの曲はなかったので、正に “おかえりなさいライヴ” だった。次回の来日では、きっと新しい曲もやってくれることだろう。

開演前にMiles&EricaのCDを物販コーナーで買ったら、サイン会があるとのことで整理券を貰えた。
実は何だかそんな予感がしていて、もし何かあったら・・・と思い、『escape from rubbish island』 を持ってきていたのだった。このアルバムを選んだのは、ジャケットにスペースがあるのと、今いる3人が参加しているアルバムだからということもあった。
並んでいると、Malcと目が合い “Hi!” と言ってにっこりしてくれたので、緊張してきた私。
まずMarkから。タトゥーがすごい!って言うと、タトゥーにあるのと同じ絵を描いてくれて、おまけにシャツを脱いでその絵を見せてくれた。
続いてMalc。もうカンゲキで・・・来てくれて本当にありがとう、もう今の気持ちは言い表せないとか何とか言ったら、それをMilesも聞いていてくれていてニコニコしながら頷いてくれていた。
Malcの方から手を差し伸べてくれて握手したあと、Milesが突然立ち上がって、えっ!?と思っている間もなくほっぺにチュッ! うわ~ビックリした~。でもめちゃくちゃ嬉しかった。
ドキドキしながら気を取り直して、ちゃんとMilesの前に行き、もう一度来てくれたお礼とどんなに待っていたかを伝えてサインをもらい、握手しながらまた来てくれることを約束してくれた。
Ericaに、綺麗な肌を保つ秘訣は?と聞いたら、サンシャインを浴びないことよと、当たり前のような答えが返ってきたが、イギリスは曇り空が多いからいいねって言ったら、そうなのよ~とニコニコ。とっても可愛かった。
最後にAndresにもまた来てねと言って、ほくほく気分でリキッドルームを出た。
駅までの道や、家に着くまでの電車の中でも楽しくって仕方なかった。iPodで曲を聴きながら思い出してはニンマリしていたかもなので、変に思われていたかも・・・。


★Setlist★
・Red Berry Joy Town
・No, For The 13th Time
・It's Yer Money I'm After, Baby
・Give, Give, Give Me More, More, More
・Like A Merry Go Round
・The Animals and Me
・Rue The Day
・Some Sad Someone
・Mother and I
・Grin
・A Wish Away
・Ruby Horse
・Unbearable
・Poison

~interval~

・On The Ropes
・Caught In My Shadow
・Golden Green
・Don't Let Me Down, Gently
・A Song Without An End

~encore pt.1~
・Mission Drive
・Circlesquare
・The Size Of A Cow
・Ten Trenches Deep

~encore pt.2~
・Welcome To The Cheap Seats (Miles & Erica)
・Radio Ass kiss
もっと、もっと、もっと ワンダー・スタッフより )

セットリストを貰えたのだが、よく見ると①と書いてあった。そう、25曲もやってくれたセットリストは、3枚に渡っていたのだった。

Miles & Erica @Koenji High, Tokyo 09/09/09

2009-09-10 | performance


Miles & Erica(マイルス&エリカ)って?
そう、今回18年ぶりの来日が実現した、The Wonder Stuff(ワンダー・スタッフ)のMiles Hunt(マイルス・ハント)とErica Nockalls(エリカ・ノッコルス)。
The Wonder Stuffのライヴの前に、高円寺Highというライヴハウスで、今夜そのふたりのアコースティック・ライヴが行なわれた。
10歩も歩けばいちばん前まで行ける小さなクラブで、しかもチケットは2000円! こんなチャンスはもう二度とないかも知れない。


「エガワヒロシpresentsフワリカ!!PART12~WALKING A SUNNY SIDE~」 というイベントで、途中から入ったのだが、フロアにギターのMalc Treece(マルク・トゥリース)とベースのMark McCarthy(マーク・マッカーシー)が普通にいた。Markの腕一面と首筋までいっぱいのタトゥーは凄かったな~。
新井仁 with 丸山晴茂(サニーデイサービスのドラムの人)ら3組が演奏したあと、ステージに登場したMiles & Ericaに歓声が上がり、ふたりは自らセッティング。その間、MarkがDJのご機嫌な音楽が流れていた。
ちょっぴりお腹も出ておじさんになったMilesは、ワインのボトルを持って音楽に合わせて腰を振ったりして、和気藹々。
 セッティングが終わり、間もなく本番!

Miles & EricaのCDは持っていないが、曲はYouTubeで予習していた。でも3曲目にMilesが、“たぶん次の曲はみんな知ってると思うよ” と言って、イントロでEricaのヴァイオリンがお馴染みのメロディを奏でると、一斉に歓声が上がったのは、「Circlesquare」。髪も短くなって容姿は変われど、声は昔のまんまだ。
そして、オリジナルとは全く違った雰囲気のスロー・テンポで始まった 「Mission Drive」 は、途中からアップ・テンポになって大盛り上がり。アコギ一本とヴァイオリンだけなのに、全然寂しくなかった。
歌い終わると敬礼したり、口を尖らせておちゃめなポーズを取ったりして、ワインをラッパ飲みしながら結構喋るMiles。しかしあのワイン、ラベルに “Bistro” と書いてあったが、もしかして料理ワイン?
Miles & Ericaの曲 「The Cake」 はエキゾティックなサウンドで、YouTubeで聴いていちばんお気に入りだった曲。バッチリお化粧したEricaの色の白いこと! 気が強そうな感じの美人さんだが、時折歯を見せずに微笑む表情が可愛かった。
プライベートでもパートナーであるMilesとは息ピッタリで、Ericaのソロ前に “Come on, girl!” と言ったMilesに向けた笑顔がとても印象的だった。
「Welcome To The Cheap Seats」 の歌い出しを聴いた時は、嬉しくってウルッとした。
最後は 「The Size Of A Cow」。あぁぁぁ・・・もう懐かしさ満載の選曲。嬉しすぎて楽しすぎてアッという間に終わってしまったが、すぐ出てきてもう一曲。
“また東京に戻ってくるよ!” と言ってアンコールに 「Golden Green」。“1・2・1234!” と一緒にカウントし、“HUP!HUP!HUP・HUP・HUP・HUP!” と一緒に叫び、本当に楽しかった。
さて、いよいよ明日は本公演。今夜はウォーミング・アップと言った感じで軽やかに楽しんだが、明日は名曲のオンパレードでとんでもないことになりそうな予感。
めちゃくちゃ楽しみだ!

生誕125年記念 竹久夢二展 「ふたつのふるさと ふたつのコレクション」

2009-09-08 | art


竹久夢二と聞くと、“大正浪漫” という言葉が自然と浮かぶ。
明治・大正・昭和を駆け抜け、和とモダンを融合させたかのような “夢二式美人” と呼ばれる美人画を数多く世に残した画家であり、詩人でもある竹久夢二。
今年で生誕125周年ということで、それを記念した展覧会があった。
よく行く新宿高島屋の特設会場に、岡山市にある夢二郷土美術館と群馬県渋川市にある竹久夢二伊香保記念館から、選りすぐりの作品が約400点も展示された。
岡山は夢二が生まれ故郷、伊香保は夢二が46歳の時に創作活動のために滞在していたところで、両方とも夢二ゆかりの地である。

はんなりとたおやかで優しいタッチの絵を眺めていると、ふわっとした肌触りの心地良いシルクの布に、優しく包み込まれているような気分になった。
夢二の作品は、いろんなところで目にする。京都に行けば夢二の絵をモチーフにした小物を扱う専門店もあるし、岡山と伊香保以外にも東京や金沢に美術館がある。
着物姿の美しい女性だけでなく、丁度明治維新後の時代が影響し、和文化と西洋文化が見事に調和した、ステキな “夢二ワールド” を堪能することができた。
繊細なタッチのロマンティックで切ない女性の表情は、アール・ヌーヴォーの画風を思わせ、眺めているだけでうっとり・・・。
また、絵本や挿絵や本の装幀のグラフィック・デザインは、可愛くてカラフルで英語も散りばめられていて近代的だった。
様々な展示作品の中でも圧巻だったのは、スケッチブックと手帖。特に晩年に渡欧した時のスケッチブックには感動した。
そして彼もまた、世の芸術家たちの類に漏れず、多くの女性と浮名を流した人生であったことも、作品を通して知ることができた。
絵画だけでなく、雑誌の表紙画や絵本、浴衣や手ぬぐいのデザイン、人形劇の衣装のデザインなど、幅広い分野で作品を残し、大衆に支持されていた夢二だったが、もっと海外で評価されてもよさそうなのに・・・と思った。


いちばん好きな夢二の絵。
「雪の風」 『婦人グラフ』 12月号表紙(1924年木版)




『縞模様のパジャマの少年』

2009-09-07 | cinema & drama


非常に重い映画だった。悲劇なのだが、悲しい・・・というよりも、とにかく重かった。深くて考えさせられる内容だったが、とても素晴らしい作品だった。
奇しくも、先日観た 『愛を読むひと』 と同様、第二次大戦下のナチス・ドイツとホロコーストに絡む内容の英米合作の作品で、日本ではPG-12指定とされている。
公開中なのであらすじには触れないが、“縞模様のパジャマ” とは・・・、それは強制収容所にいるユダヤ人たちの服装のこと。
探検家を夢見る純真無垢な8歳の少年ブルーノにとって、ナチスの軍人である父親は偉い人で憧れだった。母もそんな夫を誇りに思い、12歳の姉も父親を尊敬していた。
父親の栄転で友達と離れ離れになり、見知らぬ田舎町でひとりぼっちだったブルーノ。退屈な日々を送りながら、窓から見えるずっと気になっていた “農場” にある日探検に出かけ、有刺鉄線が巻かれた巨大なフェンス越しに、縞模様のパジャマを着た同い年の少年シュムエルと出会う。
“農場” に近付くことは固く禁じられていたので、唯一の友達が出来たことも言えず、黙ってこっそり家を抜け出してはシュムエルに会いに行き、ふたりは友情を育んで行くのだった。
“どうしてずっとパジャマを着ているの?” “どうしてずっとその中にいるの?” と不思議に思うブルーノ。シュムエルの胸に張られた番号を見て、“数字遊びのゲームをしているんでしょ?” と屈託のない疑問を投げかける。
ブルーノの家のキッチンでいつも芋の皮をむいている下働きのパヴェルも、いつも縞模様のパジャマを着ていた。“どうして昼間もパジャマを着ているの?” とブルーノの純粋な疑問は消えない。
シュムエルは、ブルーノに自分がユダヤ人だからと言うが、ブルーノにはそれが何を意味するのかわからない。
大人や姉は皆、“ユダヤ人は有害な存在”、“我々の敵” と言うが、どうして有害なのか、何故敵なのか、8歳の少年が理解するには幼すぎた。
そして、そんなふたりの友情が、やがてブルーノの運命を変えてしまうのだった。
12歳の姉は、父親の部下に淡い恋心を抱き、何の疑問もなくナチスの精神を受け入れて変わって行く。そんな娘の様子に戸惑いを隠せない母親。
そして母親は、夫を誇りに思ってはいるが、実際に夫が何をしているのかは知らなかった。ところが、ある日夫の部下が口を滑らせてしまい、真実を知ってしまう。それ以来、夫を受け入れなくなる。私は、そんな母親に安堵を抱いた。

ホロコーストの実行者である父親も、捕らえられたユダヤ人も皆同じ人間。戦争がもたらした残酷な人間の罪を、少年たちの純粋な友情を通して描き、悲劇が二度と起きないよう戒めとする “負の遺産” を伝えようとしているのだが、その点はさほど残虐に描かれず、あくまでも抽象的に描写することで、想像させようとしていたのか・・・? その辺の意図はわからないが、人間が犯した残酷な罪を伝えるのであれば、もう少し現実的な部分があっても良かったのかも知れない。
リアルに描いていないことで、ただただ衝撃すぎる結末には重い気持ちとやるせない気持ちが一緒に押し寄せ、観終わった後は暫く席を立てなかった。
この作品も、ドイツが舞台なのに全編英語だった。なのに、「ハイル ヒトラー!」 と唱えるところだけドイツ語ってどうよ?と思う。
まあ、今作は原作もアイルランド人の作家が書いたものなので、元々が英語だったのだろうが、やはり違和感があった。
オーディションで、多数の中から抜擢されたというふたりの少年。ブルーノ役の少年は、大きくて綺麗な瞳で訴える上流家庭のお坊ちゃまを、前歯がないシュムエル役の少年は、ナチスの犠牲となっている痛々しいユダヤ人の少年を、それぞれ見事に演じていた。




★日本版公式サイトはこちら

Farrah @Thumbs Up, Yokohama 09/03/09

2009-09-05 | performance


7月のNANO-MUGEN FES.から約1ヶ月半、Farrah(ファラー)がバンド・セットでJAPAN Tourを敢行。
NANO FesでのVo.のJez(ジェズ)とベースのMichelle(ミシェル)ふたりのアコースティック・セットを見て遅ればせながら瞬時にハマり、その後CDを聴いて更に好きになった。
12日の渋谷O-Nestには行けないので、少し足を伸ばして横浜まで行ってきた。
横浜駅のすぐ近くにある相鉄ムービルというビルは、映画館を中心とした商業ビルで、以前朗読劇を観に行ったことがあったのだが、ここにライヴハウスがあったなんて知らなかった。
「Thumbs Up」 という小さなライヴハウスは、木を基調とした内装のレストラン&バーで、食事しながらライヴを楽しむというスタイルだった。
こういうスタイルでライヴを見るのは、日本では初体験。軽く食事をしながら始まりを待っている間、メンバーがちょこちょこステージにやってきてチューニングをしたりしていたので、側を通ったドラムスのDana(ダナ)と、ちょっとおしゃべりした。

ほぼ定刻どおりに、温かい拍手と共にFarrahの4人がテーブルの間を通ってステージに登場。
イントロもなく、いきなりスタートした 「Last Of The Innicents」。NANO Fesで印象に残っていた曲で、ニュー・アルバムの中の好きな曲のひとつなので、テンションが上がった。
始まる前から少し懸念していたのだが、やはり座ったまま彼らのリズミカルでキャッチーなパワー・ポップを聴くのは、むずむずした。
もちろんFarrah初心者の私には知らない曲もあったが、予習不足なんて全然へっちゃら。どの曲もポップな親しみ易いサウンドで、スーッと自然に耳に入ってきて、とっても楽しい時間が流れて行った。
JezとMichelleが向き合って微笑み合いながら弾く姿は、何だかこっちが照れくさくなるくらいだったし、ギターのAndrew(アンドリュー)はギターとコーラス以外にも、キーボードを弾いたり小さなマラカスを鳴らしたり、更に演奏の合間には横に置かれたMac PCでプログラミングをしたりと忙しそうだった。
Danaは、R.E.M.のMichael Stipe(マイケル・スタイプ)をキュートな男前にした感じで、スキンヘッドがお似合い。吹き出る汗を頭から拭いながら、正確でタイトなビートを刻み、コーラスもバッチリ。
一曲終わる毎に “ドモアリガトゴザイマスッ” と丁寧に言うJezは、“日本語を勉強してるんだけど、覚えるのが遅い。僕の頭はスローなんだ” と言っていたが、目の前のテーブルを指して “テンプラ?” と聞いたり、“美味しそう。後で食べるから残しといてね” と英語で言ったりと、カタコトの日本語とミックスして客席とコミュニケーションしながら、とてもアット・ホームな感じで温かい空気が充満していた。
ニュー・アルバムの中でいちばん好きな 「Swings And Roundabouts」 は、歌詞の内容はヘヴィなのだが、前向きなことを歌っているので曲調はとっても爽やかなポップ・チューン。ファルセットで歌うサビに3人のハーモニーが絡み、とても気持ち良かった。
途中、Jezがアコギに持ち替えて歌った 「Scarborough」 では、Andrewがピアニカで大活躍。息切れしそうなくらいの熱演で、大歓声を浴びた。
ライヴ初披露というMichelleがVo.の 「Got The Best Of Me」 は、めちゃくちゃキュート。小柄で華奢な体でベースを弾く姿はカッコ良くて、声はちょっとJuliana Hatfield(ジュリアナ・ハットフィールド)に似てる。
Jezが “スペシャルゲスト” と言って登場したのが、アジカンのゴッチさん。ステージに上がり、ギターのケーブルを繋げるも、アンプから音が出ない。
Jezたちが “New Member!” と言って茶化してみんな拍手しているのに、ゴッチさんはアンプの調整に必死でリアクションなし。(笑)
でもすぐに直ってOKが出て、「The One That Got Away」 をセッション。一緒に口ずさみながらニコニコ顔でギターを弾く彼の姿は、とても楽しそうだった。
アップ・テンポの曲ではハンド・クラッピングを煽り、コーラス・パートの上と下を半分に分けて私たちに歌わせたり・・・。そして終わると、“スッゴイ! カンペキー” と満面の笑顔で嬉しそうなJezに、見ているこっちも自然と笑顔がこぼれた。
アンコールで出てきたJezは、“もし出来れば立ってダンスして!” と言うと、待ってましたとばかりに皆立ち上がって大盛り上がり。
最後に 「No Reason Why」 で締めて、アッという間に楽しくってハッピーなひとときが終わった。

店内が明るくなると、すぐにメンバーが出てきてMeet&Greetとなり、JezのホームタウンYorkは私が世界中でいちばん好きな街なので、そのことを伝えたら目を丸くして驚くJez。そして同郷だと言うAndrewに言いに行ったので、3人で街の話をした。サインしてもらった時に、そのこともメッセージしてくれたのが嬉しかった。
笑顔でバイバイした後、店を出て電車に乗っている間もライヴの楽しさが甦ってきて、幸せな気分で家路に着いた。


★昨日大阪公演を終えたFarrahのJAPAN TOURは、まだまだ続く・・・。
9/5(土) 福岡Kieth Flack
9/6(日) 岡山Pepperland
9/8(火) 新潟Junk Box mini
9/12(土) 渋谷O-Nest ※14:00からタワレコ新宿店でアコースティックライヴ&サイン会あり。詳細はこちら


★Setlist★
・Last Of The Innocents
・Stereotypes
・This Is My Life
・Awkward Situation
・Daytime TV
・Sleep Above The Covers
・Tired Of Apologising
・Swings & Roundabouts
・Life's Too Short
・Scarborough
・Got The Best Of Me
・Missed The Boat
・The One That Got Away
・Just Driving
・Say It Again
・Tongue Tied
・Do You Ever Think Of Me

~encore~
・[unknown title]
・No Reason Why


[2009-09-14 セットリスト追記]

『愛を読むひと』

2009-09-02 | cinema & drama


もう2週間ほど経つが、『愛を読むひと』 を観に行ってきた。何とも言えない、深く沁みる切ない作品だった。
友達や同僚にその話をすると、みんな声を揃えて “まだやってたの?” と言った。そう、まだやっていたのだ。日本での公開が6月だったから、かなりのロングランだ。
原作は、ドイツの小説家ベルンハルト・シュリンク氏の 「朗読者」[原題:Der Vorleser(独)/ The Reader(英)] 、監督は 『めぐりあう時間たち』 のスティーブン・ダルドリー監督、主演は 『タイタニック』 のケイト・ウィンスレットで、この作品で第81回アカデミー賞主演女優賞を受賞した。
私は原作を読んでいない。原作があるものの映画化というのは、とかく原作ファンから批判を浴びることが多いが、この作品はほぼ原作に忠実に描かれていたらしい。

これは、原作者の少年時代を題材とした物語。15歳の少年マイケルが、21歳年上の女性ハンナと出会い、恋に落ち、いつしか男女の関係になる。やがれ、別れがきて・・・という展開なのだが、これだけだと単なるよくある切ないラヴ・ストーリー。でもこの作品は、そうではなかった。
ふたりで過ごしている時、ハンナはマイケルに本の朗読を頼み、いつしかそれが日課になって行くのだが、ハンナはある日突然マイケルの前から去って行った。
訳がわからないまま、ハンナのことを想い続けながら大学生になったマイケルは、ある日予想もしなかった場所で、ハンナの姿を見ることに・・・。
ここで背景となるのが、ホロコースト。とは言っても、それが中心の話ではないのだが、社会的な部分を丁寧に描くことで、奥深く重い内容になっている。
マイケルの元を去ったハンナは、ユダヤ人の強制収容所の看守となり、やがて裁判にかけられる。法律を勉学中のマイケルが、その裁判を見学に行ってハンナと再会(見ていただけだが・・・)するのだ。
実際にちゃんと向き合って再会する機会はあったのだが、マイケルは間際で面会をやめ、そのまままた時が流れる。
マイケルは結婚し、娘も授かるが、離婚し、娘とも疎遠になっていた。彼の心の中には常にハンナが居たのだった。
裁判でやっていない罪を認めてしまうハンナには、この物語のキーになる重大な “秘密” があり、その秘密は何かということが間接的に描かれて行くのがとても切なく、それはまたとても考えさせられる部分でもあった。
その秘密をひたすら隠し、そして深く恥じているハンナ。その秘密を知っていても、その事実を言えずに彼女を罪人にしてしまったことを、その先ずっと抱えて行くマイケル。
やがてあるきっかけで、少年の頃ハンナに読んで聞かせた話を、テープに録音して刑務所にいるハンナに送るマイケル。ハンナがチェーホフの 「犬を連れた奥さん」 を耳にした時は、涙が溢れた。
一度だけの再会。でもマイケルは、ハンナの差し出した手を握ることはなかった。誤解とすれ違いが生んだふたりの運命。
再会に喜び溢れる抱擁・・・という展開だと、この映画がとても陳腐になっていただろう。
親子の絆を取り戻そうとしているマイケルが、自分がずっと心を閉ざしてきたことを話すと言って、娘にハンナとのことを語り始めるところで終わるのだが、どうもそれがある意味 “罪の告白” のように思えて仕方なかった。娘は果たして理解してくれるだろうか・・・。

この作品はアメリカとドイツの合作で、舞台はドイツ。しかし、残念というかちょっと違うかなと思ったのが、英語製作だったこと。
特に少年時代のMichaelが、“ミヒャエル” ではなく “マイケル” だったのには、原作を知らない私でさえ、ドイツやポーランドやチェコの景色に対して違和感が少しあった。
結局ハリウッド映画なので仕方ないが、第2次世界大戦後のドイツで英語が流暢に飛び交っているというのは、やはり変な感じだった。
チェコの田舎町の風景や、昔の路面電車が行き交うヨーロッパの街並や建物はとても美しかったが、ハンナの人生を辿るかのように、マイケルが強制収用所(恐らくアウシュヴィッツ強制収容所)を訪れるシーンでは、山積みにされた靴や簡素なベッド、狭くて汚いシャワー室などがとても痛々しく描写されていた。
戦争の爪あとを目の当たりに見るマイケルの表情は、何とも言えない苦しみが溢れ、青年時代のマイケルを演じたダフィット・クロスの少しぎこちない演技は、逆に戸惑う若者の感情が出ていてとても良かった。
ケイト・ウィンスレットは、芯の強いハンナを自分のものにし、その力強い演技はアカデミー賞受賞も納得の演技だったと思う。難役を見事に演じていた。
しかし、最後の最後までマドンナとオーバーラップしていたのは、私だけだろうか・・・。

 出会いはここから・・・