without A trace

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Cheap Trick / Rockford

2007-04-26 | music : favorite


今頃?と言う感じなのだが、往年のパワー・ポッパーCheap Trickの昨年リリースされたアルバム 『Rockford』。
途中、Tomが抜けていた頃は殆んど聴かなかったので、いったいこれは何枚目になるのかわからない。
永遠の美少年Robinももう54歳(でも今でも美しい!)。しかしこれが50歳を超えたおじさん達が放つ音楽とは、とても思えない。
パワフルでキラキラしていて、本当にCheapワールド炸裂。
Robinの声も昔とちっとも変わらず、輝きを放っている。
M-1 「Welcome To The World」 を聴いただけで、気持ちのいい新鮮な風を吹き込んでくれる。正に “Welcome To The Cheap Trick World” で、ワクワクさせられる。
全曲捨て曲なしで、ガンガン飛ばしていて本当に元気。
Rickのギターも冴え渡っているし、Bun E. Carlosのドラムもズシンと貫禄十分にビートを轟かせる。
そして時に華やかに、時に麗らかに響くTomの12弦ベース音。
こんなに素晴らしい曲を変わらずに持続し続けて生み出して行ってくれていることに、本当に感動する。
キャッチーなポップ・ナンバー、激しいロック・チューン、胸に沁みるバラード、どれを取っても聴きどころ満載。
スピード感はあるし、聴かせるところは聴かせるし、本当にここにきてこんな秀作を発表するなんて、やるね!って感じだ。
思えば当時、世のロック・キッズに “武道館” を広めたのも彼らだし、彼らに影響を受けてきたバンドは数知れず。
今でもライヴでは想像以上に飛び回り、シャウトし、爆音を放つとてもパワフルなステージを披露している彼ら。
Cheap Trickと聞いて、“懐かしい” と思っている方、いやいや “やんちゃなおじさん達” Cheap Trickはまだまだ現役、これからもずっと弾けて行くに違いない。

Locksley / Don't Make Me Wait

2007-04-21 | music : newcomer


いろいろ言いたいことはあるが、それは後にして、こういう音を出すバンドが登場するのは、単純にうれしい。
The Beatlesの影響全開のNYのバンドLocksley。
マイスペで試聴した 「All Of The Time」 に惹かれ、翌々日にCDを買って、その日の夜に来日のお知らせメール。
まあ一気にいろんなことが集中したが、昨年リリースされた彼らのデビュー・アルバム 『Don't Make Me Wait』 について。
全13曲、しかもその内3分強の曲が3曲だけで、あとは全部3分以内。
簡潔明瞭でストレートなガレージ・ロケンロール。
メロディ・ラインや音の作り方のあちこちに、マージービートの匂いがぷんぷんする。
余計なことを考えさせられることなく、シンプルなサウンドがすんなりと耳に入ってくる。
メロディもビートもギターの音も気持ちいい。
しかし、何かが足りない。夢中にさせてくれる何かがない。それは何か・・・?
音的にも十分好みなのだが、実は彼らの音楽にはこの手のサウンドには絶対必要なグルーヴ感がないのだ。
私を魅了して止まない横揺れのグルーヴ感、これがない! (そこがThe Redwallsと違うところ・・・)
“21世紀のビートルズ” なんて言われているようだが、Beatlesには誰もなれないわけであり、このままだともしかしたら、ただ単にBeatlesの焼き直しと言われてしまうかも知れない。
M-10 「Up The Stairs」 辺りでは、The Kinksの匂いもするのだが、やはりモロ・・・という感じの曲が目立つ。
もう少しオリジナリティを出して行くと、とても素晴らしいバンドになると思う。
バンドがスタートしてからは、もう既に3年以上経っているようだが、まだまだこれから。
次作が勝負と言ったところだろうか・・・。
そうは言っても、アルバムは気持ちのいい60'sR&Rの音が炸裂するので、かなりの頻度で聴いているし、ライヴも行く予定だ。
スピード感のあるノリのいいビートの、アルバム・タイトル曲M-1 「Don't Make Me Wait」、私のアンテナに引っかかったM-4 「All Of The Time」、ガレージ・パンクっぽいM-5 「She Does」、ノリのいい曲が続く中、ちょっと湿った感でアクセントになっているM-11 「It Won't Be For Long」 の4曲と、全曲触りだけマイスペで聴ける。
私の少し辛口の感想について、その耳で感じてみてもらえるとわかると思う・・・。

試聴はこちら

Fountains of Wayne / Traffic And Weather

2007-04-16 | music : favorite


悪い訳がない。3年半ぶりのFOWの4thアルバム 『Traffic And Weather』。
極上のポップ・サウンドはもちろん変わらずだが、本作ではいろんな楽器をアクセントに使い、無駄のないコンパクトで安定したポップ・チューンが並ぶ。
爽やかさや甘酸っぱさを少し押さえた感があるが、それでもやはりChrisとAdamの最強タッグは、ミラクル・ポップを惜しげもなく発揮してくれている。
ニュー・ウェーヴやオルタナっぽい曲があるかと思うと、カントリーっぽい曲があったり、極上のギター・ポップがあったりで、どれもが心地良く耳に入ってくる。
初めてM-1 「Someone To Love」 のイントロを聴いた時は、“ん??” と思ったが、歌に入った瞬間に安心。
“次はどんな曲?” という期待に胸を躍らせてくれる。
楽しくて前向きなラヴ・ソングM-2 「'92 Subaru」 は、ピアノの音弾む気持ちの良いロック・チューン。
この “Subaru” はもちろん車のスバル。女の子を誘うには車が必須だもんね。(笑) 
サイケでニュー・ウェーヴ色のM-4 「Traffic And Weather」 で異空間にトリップさせられたかと思うと、カントリーっぽいM-5 「Fire In The Canyon」 で、素朴な世界に引き戻してくれる。
こういう持って行き方が、FOWの得意なわざ。
M-6 「This Better Be Good」 のメロディ展開はもう涙もの。優しいコーラスにもジーンときてしまう。
間奏のギター・メロは、なんとなく60~70年代を思わせ、ちょっとQueenっぽい。コーラスもそんな感じだ。
そして、王道のギター・ポップ・チューンM-8 「Michael And Heather At The Baggage Claim」、ニュー・ウェーヴなキーボードと、スペース・ヴォイス加工のコーラスが魅力のM-9 「Strapped For Cash」 、温かさと優しさが溢れるノスタルジックなM-10 「I-95」、最高にポップなM-11 「Hotel Majestic」 へと続く。
M-12 「Planet Of Weed」 は、本当にたくさんのいろんな打楽器系の音が入っていてとても可愛い。
メンバーが楽しみながらレコーディングしている姿が目に浮かぶ。
キーボードが思いっきり80年代エレクトロ・ポップしてるM-13 「New Routine」。
そして最後は、ハーモニカとアコギのイントロで始まるカントリー・ワルツ 「Seatbacks And Tray Tables」 で終る。 (国内盤はボートラ2曲入)
とにかく余計な説明はいらない。ポップス・ファンにはマスト・アイテムと言っても過言ではないだろう・・・。
先日記事にしたThe Fratellisとは、また違った楽しさを味わうことができる。

The Fratellis / Costello Music

2007-04-13 | music : newcomer


いやぁ、楽しい。すっごく楽しい!!
遅ればせながら購入したGlasgowの3ピースバンド、The Fratellisのデビュー・アルバム 『Costello Music』。
ボートラや収録曲が違っていたりとかで、文字がグリーンと茶色があり、なんかいろんなヴァージョンが出ているが、私はロー・プライスだったUS盤を買った。(笑)
既にi-podのCMでお馴染みのM-2 「Flathead」 だけがひとり歩きしていないのがいい。
M-1 「Henrietta」 やM-8 「Vince The Loveable Stoner」 のノリなんか、もう最高!
体が勝手に動き出してしまうリズムとメロディ。ただ単にノリがいいだけでなく、おどけさを持っている。
曲のあちこちにファンキーな遊び心が伺えて、本当に楽しい。
なんか今までに聴いたことのない類の音楽と言っても過言でないかも・・・。
だから、彼らの音楽に似ているバンドを挙げることが難しい。
ロック、ガレージ、クラブ・ミュージック、ポップ、トラディショナル、パンクなどが上手く融合されていて、とっても気持ちのいい傑作。
バンドの音もとてもしっかりしているし、何と言ってもやはりこの抜群の音楽的センス。
誰もが楽しめる音楽をやってのけたって感じ。いやはや、脱帽。
メンバー全員Fratelli姓を名乗っているが、兄弟ではないらしく、こういう遊び心も憎い。
ノリノリの楽曲の中でも、いちばん私のツボを突いたのがM-3 「Whistle For The Choir」。
サビのメロディがどこか懐かしく、初めて聴いた気がしなく、いちばん最初に聴いた時でさえ、一緒にくちずさみたくなったほど。
間奏の口笛やマンドリンの音色がこれまたとても味があって、曲の良さを更に盛り上げ、反則だよ~と言いたくなるくらいにキュンとさせる。
M-10 「Everybody Knows You Cried Last Night」 の、想像もできないメロディやリズム展開も憎いわざ。
ライヴでは大合唱が起こりそうなサビのM-11 「Baby Fratelli」 もステキなメロディ。
私が購入したヴァージョンにはM-4に 「The Gutterati?」 が収録されていて、「Cuntry Boys & City Girls」 は入っていない。
不思議だったのが、歌詞カードや裏ジャケでは全12曲なのに、プレイヤーでは13曲の表示。
はて? と楽しみにしていたところ、M-13には 「Ole Black 'N' Blue Eyes」 が入っていた。
この曲もいたる箇所で私のツボを突きまくる、とっても可愛い曲。
とにかく難しいことは何も考えないで思いっきり楽しめるので、オススメの一枚である。
さぞかしライヴは楽しいことだろう。先日の来日公演はドラマーの急病でアコースティク・セットになったようだが、今年のサマソニに出演決定。
サマソニに行く人は、彼らのステージは必見。大合唱しながら会場全体が揺れに揺れる光景が目に浮かぶ。

Copeland / Eat, Sleep, Repeat

2007-04-08 | music : favorite


それにしても美しい・・・そして儚い。
昨年10月にリリースされたCopelandの3rd 『Eat, Sleep, Repeat』。
まるで哀しいラヴ・ストーリーの映画のサントラのよう・・・。
ジャケのデザインも凝っていて、最初どこから開封していいのか分からなかった。
綺麗なメロディはそのままだが、前2作とはガラッと雰囲気が変わって、本人たちも言っているようにアルバム全体がダークだ。
アルバム・タイトルの “眠って、食べての繰り返し” という日常の普遍的なテーマの中にある様々な形の愛を、音楽だけで描いている。
まるで小さなドラマのような情景を想像させられてしまう。
美しいピアノの音色、ストリングスの壮大なスケールのアレンジ、儚く響くホーン。
なんともドラマティックな、しかし決して派手ではない透明感溢れる珠玉の楽曲が並ぶ。
一度聴いただけではピンと来なかったが、何度も聴いている内にどんどんとその世界観に引き込まれて行ってしまった。
結構ゴツい顔をしているのに、のびのびとしたAaronの歌声は、やはり優しく切なくて胸に沁みる。
前半は少し明るめな楽曲が続き、M-4 「Careful Now」 でだんだんと闇の中に入って行く。
M-5 「Love Affair」 で更に深く閉ざされた闇に沈み、悲しげなサウンドが広がって行く。
しかし、最後には先に見える小さな光の入口を見つけたかのような展開になる。
とても親しみやすいメロディのM-7 「By My Side」 のサビは、日本のTVドラマの主題歌にでも合いそうな感じの曲。
そして、M-9 「Last Time He Saw Dorie」 でのハッとするような輝くサウンド。
淡いベールに包まれた暗い闇の中に、ひとすじの煌く光が差し込む感じの世界観が広がる。
今回のアルバムでは、少しKeaneに似た感じの世界観を感じる。
“暗い” という言葉だけで判断してしまうと間違った解釈をされそうだが、ガラス細工のような儚さの美しいメロディには尊ささえも感じてしまう。

ところで、昨年のサマソニに続き、急遽来日が決まった彼ら。
2005年にはOceanlaneとのカップリング・ツアー。できれば単独で見たいが、今回はAnberlinと一緒だ。
このアルバムの曲が、前2作の曲と交えてどんな展開のライヴになるのかがとても楽しみだ。

The Turning / Learning To Lose

2007-04-03 | music : newcomer


桜が満開だというのに、このすぐれない天気・・・。
せっかくの春の雰囲気を満喫できなくて、ちょっと不完全燃焼気味だ。
今まで何となく抽象的なタイトルを付けていたのだが、そろそろワン・パターン化してきそうなので、ここで基本的な表題にすることにした。
CDレビューはアーティスト名とアルバムタイトルで。
この場合、その人が興味ないアーティストだと本文まで読んでもらえないというマイナス面もあるのだが・・・。
さて、旅から帰ったら買ったまま溜まってしまっていたCDを聴かなくては・・・と思いつつ、ついお気に入りを何度も繰り返して聴いてしまい、まだまだ聴き込んでいないのが数枚ある。
そんな中で今回紹介するのは、ここんとこ毎日聴いているアルバム。かなりのお気に入り。
そして、何故こうも素直に耳に入ってくるんだろう・・・という疑問の答えも出たので、記事にすることにした。
昨年6月にデビュー・アルバム 『Learning To Lose』 をリリースした、USテネシー州Nashvilleをベースに活動する4ピース・バンドThe Turning。
多分、日本ではまだあまり知られていないバンドだとは思うが、とても聴き易いメロディが魅力のバンド。
ひと言で言えばストレートなポップ・ロックなのだが、パワーがあって華がある。
そして、前記した “何故こうも素直に耳に入ってくるんだろう・・・” という不思議。
それは、今でも心の中のどこかにずっしりと残っている80年代~90年代前半のアメリカン・ロックのテイストが満載だから、という結論に達した。
アルバムを聴くことから遠去かってしまったが、いつ聴いてもすんなり自分の耳に入ってくる時代の音楽。
Bon Jovi、Boston、TOTO、Mr.Big、REO Speedwagon、Starship、Heart、Damn Yankees、Van Halen.....etc.と言った辺り。
しかし、The Turningが影響を受けたバンドに、これらの名前はひとつもない。
でも彼らが奏でるサウンドに、私にとっての “あの頃” を彷彿させられてしまう。
パワフルなロック・チューン、メリハリの利いたバラードなどはもちろん、アグレッシヴなVo.、バンド・サウンド、コーラス、ドラムのビートさえもがちょっと懐かしいアメリカン・ロックを思い起こしてくれる。
M-1 「Never Again」 のサビとドラミング、M-2 「Home To You」 の間奏のギター・メロ。
M-4 「Through All The Earth」 のイントロからAメロへ入って行くところの展開。
ダイナミックなバラード M-6 「Change」 。M-7 「Lift You Down」 のサビのコーラス。
M-11 「In My Mind」 のイントロと間奏のギターの音とメロディ。
これらはもう思わず “ヒューッ” と口笛を鳴らしたくなるくらいで、ちょっとエキサイトしてしまう。
飽きのこないメロディアスなロック・チューンが全12曲。
好きなバンドのサイトからリンクしているサイトでたまたま試聴したのがきっかけだったが、大きな収穫だった。

彼らのMySpaceで4曲体験できるので、“あの頃” の音楽を通過してきた方に、是非味わってもらいたい・・・。