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Razorlight @Apple Store, Shibuya 09/30/06

2006-09-30 | performance


月曜日のライヴの興奮がまだまだ残る中、Razorlightのインストア・アコースティック・ライヴがあった。
まさかまた彼らのライヴがこんなに早く見れるとは思いもしなかったので、この嬉しいサプライズを知った時の興奮ったら…!
場所は渋谷のApple Store。調べてみたら、結構いろんなライヴが行われている。
RoosterやOrsonもやっていた。
13時からだったが、少し早めに行くと、既に列ができていた。
並んでいる間、サウンド・チェックの音が聴こえてくる。
お店の奥にちょっとしたステージ(みたいな場所)があり、比較的前の方だったが、ステージは低い上に私の背も低いしで、辛うじてマイクが見えたくらいだった。
彼らが透明の螺旋階段から降りて来ると、店内は一瞬にして興奮のルツボと化した。
サングラスをかけたJohnnyがアコギを持つと、「In The Morning」 でスタート。
やはりJohnnyのVo.は、素敵だ。改めて歌の上手さに感動し、聴き入る。




続いて 「Golden Touch」。この曲は、特に今回のアコースティック・バージョンが映えた。
ストロークするギターの音も、鋭く響く。カッコ良すぎだ!
黒いジャケットを脱ぐと、いつもの白いVネックTのJohnny。
Andyだけはどうしても見えなかったが、CarlはJohnnyの横でニコニコしながらプレイし、後ろではBjornが黙々とギターを弾いている。
人の頭であまり見えなかったけど、撮影OKだったので、デジカメをかざして液晶越しに見ていた。
「America」でののびのびとした歌声、本当にこの曲は素晴らしい。
サビのメロディが特に好きで、今回も聴き惚れてしまった。
そして、「Back To The Start」 での突き抜けるように通る声にも、またまた魅了された。
途中でギターを置き、ハンド・マイクで歌うJohnnyが前に一歩出ると、ワーッと人が前に押し寄せて、もはやアコースティック・ライヴとはとても思えないような激しさ&盛り上がりで、熱気もマックス。
最後は 「In The City」 で大いに盛り上がった。
約30分、余韻に浸りつつ出口に向かおうとしていたら、アンコールをやってくれそうな雰囲気。
慌ててまた前方に引き返し、進行役の人の誘導で彼らを呼ぶ。
そして始まったのは、「Rip It Up」。
先日のライヴでは聴けなかった曲だったので、すごく嬉しかったし、みんなかなり盛り上がった。
そして、締めはやはりの 「Somewhere Else」。この締めはやはりサイコーだ。
本当にカッコ良くて、そして今回も全く手を抜くことなく、歌を、演奏を大事にして “聴かせる” ライヴを披露してくれた。
そして、狭い場所での熱気溢れる雰囲気は、Razorlightとオーディエンスが一体となり、ある意味Quattroよりも楽しくて、とっても良かった。



★Today's Setlist★
In The Morning
Golden Touch
Before I Fall To Pieces
America
Back To The Start
Stumble And Fall
In The City

~encore~
Rip It Up
Somewhere Else

ビーチ・ボーイズ・チルドレン

2006-09-28 | music : normal


あと1ヶ月と、待ちに待っているRoger Joseph Manning Jr.の初単独公演が迫ってきた。
そのRogerのツアー・メンバー(ベースを担当)であり、ライヴのサポート・アクトにも決まった、Linus Of Hollywood。
Linus Of Hollywoodとは、Kevin Dotsonのソロ・プロジェクトである。
LinusというのはKevinのニック・ネームで、あのSNOOPYのキラクター “ライナス” にちなんで付けられたそうだ。
既にソロで来日しているし、最近では木村カエラの 「Magic Music」 のソング・ライターとしても注目されている。
そんなLinusのアルバムは、日本のPhilter Recordsからリリースされていて、これは2000年にリリースされた1st 『Your Favorite Record』。
もうすぐ3rdアルバムが出るが、来日も近いしと思い、改めて聴き直している。
このエヴァー・グリーンな音。この上ない爽やか&柔らかさ。
メロディはもちろん、コーラスといい、アレンジといい、まさしくBrian Wilsonフォロワー、The Beach Boysチルドレン、Jellyfishブラザーと言えよう。
とっても心地良く、フワフワした泡に包まれているような優しさや、シュワーッとしたソーダ水のような爽やかさが溢れている。
60~70年代のソフト・ロックやパワー・ポップの影響がふんだんに感じられ、ポップでキュンとなる。
Spanky and Our Gangの 「Sunday Morning」 のカヴァーも収録。
生で聴くLinusサウンドが楽しみだ。

Razorlight @Club Quattro, Shibuya 09/25/06

2006-09-26 | performance


かなり楽しみにしていた、Razorlightのライヴ。
2ndアルバムで一気に惚れ、YouTubeで見たライヴ映像で、更にライヴへの期待が高まっていた。
Londonの友達が言うには、彼らは既にアリーナ・クラスでGIGをやっていて、この夏はStonesのドイツ公演のサポートも務め、QueenのRoger Taylorからは大絶賛され、本国では常にシングルが1位を獲得と、かなりBigになっているらしい。
そんな彼らのライヴをQuattroで見れたと言うのは、今後貴重なライヴのひとつになるかも知れない。
そう、かつてQuattroやLiquid Roomで見た、oasisやradioheadの初来日公演のように…。
前置きが長くなったが、素晴らしいライヴだったことを、まず最初に伝えておこう。
いや、マジでヤバいくらいに良かった。
とにかく、Johnny Borrellのヴォーカルが本当に素晴らしかった。
そして、フロントマンの彼を支える3人のプレイも、堂々たるパフォーマンスだった。

Japan Tour初日、既にSold Out。時間が経つにつれ、場内は熱気ムンムンになって行った。
10分ほど押して客電が少し暗くなって、SEのヴォリュームが大きくなり、少ししてからメンバーが順番に登場。
Andyの力強いドラムのビートに合わせ、最後に白いVネックTにホワイト・ジーンズのJohnnyが出てくると、湧き上がる歓声もマックスになった。
オープニングは 「In The Morning」。
ギター・メロがとてもクリアに切れ味良く聴こえ、PA卓の近くに居たからか、音も良かった。
主なフレーズ、いわゆるリードを弾くのは、Bjornではなく、Johnnyだ。
柱で殆んど見えなかったBjornは軽やかにリズムを刻み、AndyとぴょんぴょんジャンプしまくりのCarlのリズム隊が、ガシッと固める。
続く 「Hold On」 では、 手拍子を促すJohnnyと共にみんな縦ノリ全開。
早くも汗ビッショリでTシャツを脱いだ上半身裸のJohnnyが、ギターを置いてハンド・マイクでスタンバイ。
流れてきた曲は、待ってましたの 「Golden Touch」。
ギターのカッティングの音が、心地良い。曲の良さを、改めて実感。
ワン・コーラスと最後のサビでは、大合唱となった。
「Who Needs Love?」 では、ちゃんとピアノの音も聴こえてきた。
柱で見えなかったところに、キーボードがあるのか?とも思ったが、テープだったようだ。(定かではない・・・)
軽快なR&Rナンバー 「Stumble And Fall」 でノリノリにしてくれた後、「Los Angeles Waltz」 では、CDと同様の壮大な雰囲気を味わうことができた。
それにしても、全く衰えのないVo.。
感情がたっぷりこもった歌に魅了され、“own each other~” でのびのびと歌い上げるところでは震えがきた。
激しいイントロから歌に入ると、可愛いビートになるところが大好きな曲 「Vice」。
“L・O・V・E” の掛け合いも、とっても盛り上がって楽しかった。
「Back To The Start」 の “Oh, Oh, Oh~OhOhOh, Oh~” もとても綺麗な高音で、抜けるようなVo.を披露。
“back to the, back to the” と繰り返すところの、抑揚のあるVo.は、こっちのテンションもだんだんと上げてくれた。
「I Can't Stop This Feeling I've Got」 では、CarlのベースとJohnnyのVo.が掛け合うところがとても印象深く、その後の激しいヴァースでは、Andyの力強いドラミングが絡んで、更に広がりをかもし出した。
そして、「In The City」。 “Looking for you~” と共に歌い、だんだんテンポが早くなって行く最後は、ぐ~んと徐々に、そして最後には激しく盛り上がりを極め、本編最後を締めくくった。
アンコール1曲目は、Johnnyがギターのコードを少し奏でただけで 「America」 だとわかり、今回いちばん生で聴くのを楽しみにしていた私は、かなり酔いしれていた。
Johnnyの声が胸の奥まで浸透してきて、感情も高ぶりっ放しだった。
そして、「Somewhere Else」 で幕を閉じた。

約1時間の、欲を言えば短いライヴだったが、本当にいいライヴだった。
「Kirby's House」 が聴けなかったのは残念だったが・・・。
でも本当に、JohnnyのVo.の力強さ、タフさ、上手さがとても素晴らしいライヴだった。
今まで数々のNewcomerのライヴを観てきたが、だんだんと声が出なくなったり、メロディをアレンジして高音を避けたりするVo.もいたが、Johnnyは自分の書いた曲をそのまま伝えてくれた。
そして、彼が弾くギターを始め、全員決して手を抜くことなく、バンドの音を明確に表現していた。
いろんなところでJohnnyのBig Mouthっぷりが話題にされたりもしているが、言うだけのことをやってのけているバンドだと思った。
ライヴがカッコいいバンドと前々から耳にしていたが、ただカッコいいだけではなく、きちんと歌を、演奏を聴かせられるバンドだなと実感した。
フロアの盛り上がりには波があり、空調も効いていなくてとても暑かったが(メンバーはもっと暑かっただろう・・・)、私には大満足のライヴだった。
あ~、できることなら明日も行きたい!!


★Today's Setlist★
In The Morning
Hold On
Bright Lights
Golden Touch
Before I Fall To Pieces
Who Needs Love?
Stumble And Fall
Los Angeles waltz
Vice
Back To The Start
I Can't Stop This Feeling I've Got
In The City

~encore~
America
Somewhere Else


※pic by Sophie : rock 'n' roll photographer from France

懐かしの映像がたっぷり

2006-09-23 | music : special


1992年にリリースされたThe Black Crowesのビデオ、『Who Killed That Bird Out On Your Window Sill』 がこの度DVD化され、ビデオデッキが壊れたままだったこともあり、暫く観ていなかったので、久しぶりにDVDで初期Crowesを堪能している。
タイトルの “Who Killed That Bird ~” は、「Remedy」 の歌詞の一部。
そしてこのパッケージ、彼らのカラーがにじみ出ていて大好きだ。
2ndアルバム 『Southern Harmony & Musical Companion』 をリリースした後に編集された作品で、PV、ライヴ、スタジオ・リハ、レコーディング風景、PV撮影風景、インタビュー、オフ・ロードetc.、懐かしさが甦る。
それにしても、Robinson兄弟のなんと美しいこと!
年々ジーザス化して行った兄Chrisと、がたいがひと回りデカくなった弟Richの、まだあどけなくて純粋無垢(大袈裟?)な姿を見ると微笑ましくさえなる。
「Jealous Again」 のPVで、最後にメンバーの名前が出るのだが、このビデオが出た頃には既にバンドを脱退していたギターのJeff Ceaseの名前が、マジックで消されるという皮肉さなんか、とっても彼ららしい。
ペルシャ絨毯を敷き詰め、キャンドル・ライトとクリスマス・ライトにお香を焚いたスタジオでのリハーサル風景。
ラジオ局でのChrisのインタビュー、突然日本語が流れてきたかと思ったら、92年の初来日の時に銀座のソニー・プラザであったTBSの公録番組。
インタビュアーはちわきまゆみで、ChrisとRichとMarcが “何言ってんだろう?” とキョトンとした表情で、カメラに向かってただはにかむだけなのが笑える。
この公録はもちろん見に行ったし、終わった後 “日本のTV番組って不思議だね” とRichが言ってたなぁ・・・。あ~懐かしい!
Crowesのイメージからは想像もできない姿、サッカーに興じる姿も収められている。
みんな走る走る! この時のChrisは、ガンズのTシャツに短パン。貴重な映像だ。
中でも 「Thorn In My Pride」 と 「Remedy」 のPVは凄くステキで、特に 「Remedy」 でのRichのギターを弾く姿は、サイコーにカッコいい!!
そして、最も興味深い映像が、モスクワでのフェスティバルと地元アトランタでのフェスティバルの正反対の映像。
物々しい警戒の中、彼らが歌っている最中に、ノリノリの人たちがいるかと思えば警備員と暴動を起こして血を流している人々の映像が流れるモスクワ。
時代背景が浮き彫りになっている。
一方、アトランタの映像はのんびりほんわかで、自由気ままに楽しんでいる人々が映る。
まるで、60年代のフラワームーブメント、ウッドストックのようだ。
当時から老けていたKey.のEddieは、全然変わっていないが(笑)、まだあどけさの残るMarcのとぼけた表情や、メンバーの中で誰よりもJack Danielが似合っていた懐かしのJohnny Colt、長髪からモヒカン~短髪へと変化して行ったSteve Gormanの映像などが盛りだくさん。
そう言えばLondonの友も言っていたが、Johnnyのあの腕のCrowesのキャラクターだったカラスのタトゥーは、今彼の腕でどうなっているのだろう・・・?
子供のようにはしゃぐChrisと、普段ステージではまず笑顔を見せない寡黙なRichの笑顔もたっぷりと見ることができる。
そしてやはり何と言っても、グルーヴ全開のライヴ・パフォーマンスは圧巻だ。

 
★More Crowes News!★
以前ココでも紹介した、去年私が観に行ったSan Franciscoで行われたライヴのDVD。
その同じ日のCDが、発売された。タイトルはDVDと同じで 『Freak 'N' Roll... Into The Fog』。
彼らはその日のライヴを録音した 「Instant Live」 というCD-ROMを、ライヴ終了後に即売しているのだが、何故かその日は販売されず、その時はDVDになるからなのかな~と思っていたのだったが、ついに音源も発表された。

Primal Scream @Zepp Tokyo 09/21/06

2006-09-22 | performance


ここ一週間ほど、ずーっとPrimal浸けだった。
普段はここまで集中してライヴに備えて聴きまくることがないのだが、なんせ私が好きな彼らの音楽には偏りがあるので、ちまたに出回ったセットリストを参考に、『XTRMNTR』 辺りのアシッド~エレクトロなPrimalのCDをレンタルしてきて、頭の中に叩き込んでいた。
そしてライヴ当日のこの日を、かなりワクワクして迎えた。
22日が追加公演となったが、本来ならこの日が最終公演。チケットもSold Outで、当券もなかった。
でもZeppはweezer以来だが、その時よりも人が少ない感じがしたのは、気のせいだろうか?
開演10分前頃に着いたからってのもあったのかも知れないが、並ばずにすんなりと入れたし、ドリンク・カウンターも物販も空いていた。
モッシュやダイブに揉まれて嫌な気分になりたくないし、Zeppは広いし段差が殆んどないから、前列に行かない限り私には全くステージが見えないので、2階で踊りまくるのが定番となってしまっている。(苦笑)
先に着いていた連れは、既にフロアでスタンバッていた。
10分押しで客電が落ちた。ウォ~と歓声が上がる。
「Movin' On Up」 ~ 「Dolls」 ~ 「Jailbird」 と続けてテンションを上げてくれた。
カッコいい! この流れはぐ~んと高ぶらせてくれて、私の好きなPrimalの音だし気持ち良かった。
黒のスーツに黒シャツ・黒革靴と、全身黒でキメたひょろひょろ~とノッポのBobbyは、曲のビートなんか全く関係ないかのように、不思議なオーラを出しながらフワフワと舞っていた。
手拍子を促す仕草の時も、腕と指がめちゃくちゃ長かった。
「Dolls」の間奏でドラム・セットの台に昇り、こっちに背を向けて腰をクネクネ踊るBobbyのお尻がとってもキュートだった。
3曲ぶっ飛ばしたあと、“Hello~Tokyo~!” とちょこっと言ったかと思うと、直ぐにManiがマイクをふんだくる。
結局そんな調子で、最後までManiがMC担当だった。
「Suicide Sally & Johnny Guitar」 は、できるならアコギの音が欲しかった。
普段は苦手なデジタル音も、聴いてきたからか嫌にならなかった。
それでもやっぱ、「When The Bomb Drops」が流れてきたらホッとした。
モロStonesの 「The 99th Floor」は、Key.がハープを吹く。
BarrieとManiの、常に向かい合ったり並んでくっついている姿がなんかとっても可愛くって、時々もうひとりのギターAndrewが、“俺も仲間に入れてくれ~” って感じに下手からふたりのところに移動してきて、何やら楽しそう。
コーラスのお姉ちゃんふたりも、自分たちだけ楽しげに話しながら、勝手気ままに踊っている。
Bobbyはと言えば、ひたすら歌っている。そんなBobby、なんかひとりぼっちって感じがして仕方なかった・・・。あぁぁ、Bobby・・・。
Maniはやたらとお尻を突き出して自分でお尻を叩き、挙句の果て “ワタシハスケベジジイデス。デモシカタナイネ!” なんて言う始末。困ったおじさんだ・・・。
これにはBobyも、“彼はおかしな奴だ” と言わんばかりに、少し呆れ顔?
本編のセット・リストは他の日とほぼ同じで、ウワサには聞いていたが、やっぱり最後の 「Swastika Eyes」 「Country Girl」 「Rocks」 の3連発は、とっても気持ち良く盛り上がって、アドレナリン出まくりだった。
この3曲はリズム・パターンが似ているということもあって、テンションが持続したままマックスにしてくれた。

アンコール1曲目。大阪のライヴに行ったzumaさんのレポでは、バラードはやらなかったってことだったが、始まった曲がなんと!「Damaged」!!
もぉぉぉ~~~っ、涙ものだった。Bobbyの生バラードが聴けるとは、思ってもいなかった。
しかも、「Damaged」。最近はトンとやっていなかったのでは?
心ゆくまま酔いしれた。しっとりと聴き入った後は一変して 「Rise」 「Skull X」 と駆け抜けた。
二度目のアンコール。Bobbyがスペシャル・ゲストと紹介して現れたのは、なんとあの往年のパブ・ロック・バンド、Dr. FeelgoodのWilko Johnson!
凄い! Bobbyはアンプのうしろから歌詞カードを持ってきて、モニターに立てかける。
歌った曲は、Dr. Feelgoodの 「She Does It Right」。
ワン・フレーズ歌う度に、下の歌詞を見ながらスタンド・マイクを握りしめて歌うBobbyは、なんか子供みたいで、横ではあの変てこりんな動きと切れ味鋭いマシンガン・カッティングで、存在感大きすぎるくらいのWilko Johnson。
完全にPrimalを食っていたと言っても、過言ではないだろう。さすがだ。
続く 「Accelerator」 にも彼は参加し、バンド全体が引き締まったような感じで素晴らしかった。
そして、John Lennonの 「Gimme Some Truth」 ~ 「Sick City」 でロック・モード全開となったのに、終わるや否やAndrewがそそくさと退散して行ってしまい、Bobbyは “まだやろうよ” って感じでManiもそれに “付き合うぜ” っていう雰囲気で、コーラスのふたりも段から片足一歩下ろしたまま “どうすんの?” って感じでBobbyを見ている。
Bobbyはステージ袖をキョロキョロと見てるし、Maniは 「Neat Neat Neat」 のイントロをちょっと弾き始めたが、結局Andrewは戻って来ず、ManiとBarrieがとうとうギターを置いてしまい、なんとも中途半端な形で終ってしまった。
Bobbyの表情が一瞬強張ったが、諦めた様子で投げキスをしてステージを去って行った。
“Bobby、本当はもっとやりたかったんだよね?” 
なんか、その最後の雰囲気でそれまでの満足度が下がってしまった気がする。
いいじゃん、やってしまえばこっちのものだよ・・・と思ったのは私だけ?

全体的に、もう少しギターのメロディがハッキリ聴こえたら、もっと臨場感があったのにな~という感じ。
上からも見えたが、フロアにいた連れ曰く、めちゃくちゃ揉みくちゃにはならなかったみたいで、ダイブもさほどなかった。
Bobbyもニコニコしていてご機嫌だな~って伝わってきたし、盛り上がるところは盛り上がっていたのだが・・・。
それと、やはり物足りなさ感があるのは、最後の一幕のせいであろう。
しかし、12年ぶりに観たPrimal Screamのステージは、オーディエンスを惹き付けて止まないBobby Gillespieの存在感を痛感したし、彼らはこれからもいろんな試みをしながら前進して行くんだろうな・・・と実感した。
残念ながら終った後の気持が、100%とまでは行かなかったが、少なくとも大好きな曲では最高に楽しい思いをさせてくれた。
1時間45分の彼らのステージに満足しなかったと言えば、嘘になるし、もちろん行って良かったと思っている。
BobbyとManiのお約束(?)のチューも見れたし・・・。(笑)
欲を言えば、『Riot City Blues』 からもっとやって欲しかった。

思いのまま、自由に作られた傑作

2006-09-19 | music : favorite


ライヴやレコーディングでバッキングVo.として参加はしていても、それまでメインVo.じゃなかった人がソロ・アルバムを出したりすると、なんかワクワクして第一声を聴くまで心地良い緊張感が走ったりする。
これは、The Mats(The Replacements)のベーシストであり、Guns 'N' Rosesのツアー・メンバーであり、現在はSoul AsylumのメンバーでもあるTommy Stinsonが、2004年にリリースした初のソロ・アルバム 『Village Gorilla Head』。
このアルバムでTommyのVo.をちゃんと聴いたのだが、なかなか味があって渋くてすごく良い。そして、曲作りの才能にも改めて気付かせてくれた。
アルバム・タイトルがこれまた面白い由来で、M-7がアルバム・タイトル曲なのだが、“Village PeopleとGorillazとMotorheadを合わせた” という曲で、それがこのアルバムのコンセプト。
その曲は、“なるほどね~” と思わせるような遊び心が窺える曲で、アルバム全体はそのコンセプト通り、アメリカン・ロック、パンク、パワー・ポップ、ルーツ・ロックなどなど、幅広い音楽性を披露している。
GNRの先行きが怪しくなり、いつ新作を出してツアーをするのか見当も付かない頃、99年頃から自宅のスタジオで自分で楽しむためだけにレコーディングを続けていたが、友人であるPixiesのFrank Blackがスタジオや機材を貸してくれたということもあって、アルバム・リリースに至った。
ベース以外にギターもTommyがプレイしていて、ゲスト・プレイヤーには、Key.にGNRのDizzy Reed、Drs.にThe VandalsのJosh Freeseなどが参加している。
思いっきり好きに、自分のやりたい様に自由に作り上げた一枚だということが、聴き手側にも伝わってくる。
でも、自分が楽しむためだけに作ったとはとても思えないくらい、完成度が高い。
とってもポップなM-2 『Not A Moment Too Soon』。
中期~後期The Matsを思わせるような、M-3 『Something's Wrong』 やM-11 『Someday』。
80年代USガレージ・パンクなM-4 『Couldn't Wait』。
パワー・ポップ・チューンのM-5 『OK』 ではTommyがDrs.をプレイしているが、スリーブには “だって僕のアルバムだもん” と書かれている。(そりゃそうだ!)
リズムを刻むDrs.のビートが心地良い、ルーツ的要素を取り入れたM-6 『Bite Your Tongue』。
アコギとスライド・ギターの音が哀愁漂うバラード、M-8 『Light Of Day』 では、情感たっぷりに歌い上げるTommyのVo.がキュンとなる。
本当にバラエティに富んだ内容だが、決してごちゃごちゃしていなく、自由な雰囲気に満ち溢れていて、とてもこれがただ自分のためだけに録っていただなどとは思えないくらいの傑作である。

Tommyは今、この夏突然精力的にライヴを復活させたGNRとツアー中。
Soul Asylumもツアー中なので、GNRとバッティングしない時だけSAに戻ってプレイしているが、私個人としては、早くGNRを切り上げてSAに戻って腰を落ち着けてほしいのだが・・・。
わがまま自己中Axlくんがウンと言わないのかも・・・(苦笑)。

ロック・クラシックス その七

2006-09-17 | music : basics


誰もが経験していることだけど、頭の中をひとつのフレーズが駆け巡って、一日中離れなくなったりすることがよくある。
昨日一日、突然何の前触れもなくこの曲がずーっと私の頭の中で流れていた。
普通、TVやお店なんかのBGMで流れていたりしたのがきっかけで、頭から離れなかったりするのだが、この曲はそんなきっかけも何もなく、自分でも不思議なくらい突然流れ出した。
もうこれは、“聴け!” というお告げなのかも知れない・・・と思い、今日棚から引っ張り出してきて、本当に久しぶりに聞いた。
The J. Geils Band、81年リリースのアルバム 『Freeze Frame』。
頭の中で流れていたのは、あまりにも有名な曲、「Centerfold ~ 堕ちた天使」。
何年ぶり?というくらいずーっと聴いていなかったし、J. Geilsのアルバムはこれと72年に出たライヴ・アルバム 『Full House Live』 しか持っていないし、バンドのこともさほど詳しくはないが、当時感じたカッコ良さは色褪せていなかた。
ブルーズ、R&Bをまっすぐに歩み続けた、永遠のクラブ・バンド。
そして何と言っても、J. Geilsと言えばこの男、Vo.のPeter Wolf。
針金のような細~い足に、ピタッとした革パン or ブラック・ジーンズのダンディ・ガイ。もうこの上なくめちゃくちゃカッコいい! 
ロケンロールを地で行く男だ。武骨で不器用で硬派な男のソウルを、ハスキー・ヴォイスでクールに歌う。
「Centerfold」 は、ポップなメロディ・ラインとMTV時代という背景に見事にマッチして、彼らはこの曲で一気にスターダムへと駆け上った。
“Na~Na~Na NaNaNa~” のフレーズは、とても親しみがあって一度聴いたら忘れられないメロディ。
そのメロディと同じシンセのイントロのあとに、Peterが叫ぶ “Come on!” の一声で、もう一気にノリノリになってしまう。
そして、学校の教室でメンバーが歌って踊りまくるプロモ・ビデオも忘れられない。
もちろんこの曲だけでなく、Magic Dickのハープが唸りまくるブルーズ・ロック、胸に沁み込んでくるバラード、ポップに色付く荒削りなロックetc...たくさんの素晴らしいナンバーが収録されている。
また彼らはライヴに定評のある、真のライヴ・バンドでもある。
そして、マイク・スタンドを振り回して踊りながらシャウトするPeterは、男も惚れるほどにカッコいいのである。
そんなPeterはこのアルバムを最後に83年にバンドを離れ、その後もバンドは続いたが、あまりにもPeterが看板として大きすぎた為、やがて活動休止となった。
今でもPeterはダンディにロックし続け、来年ニュー・アルバムがリリースされる。

 クール&ダンディなPeter Wolf

まだまだ頑張っている!

2006-09-12 | music : favorite


果たして今、彼らのことを知っていて、アルバムを持っている人はどのくらいいるのかな~なんて、ふと思った。
90年代、オルタナ系が大ブレイクしていたUSバンドの中でも、初期Teenage Fanclubのフォロワー的なサウンドを奏でていた彼ら。
ノースカロライナ州Chapelhill出身の4ピース・バンド、Dillon Fence。
これは、93年にリリースされた彼らの2nd 『Outside In』。
ジャケがいまひとつパッとしないが(それでもメンバーの顔のアップが並んだ1stのジャケよりは良いのだが・・・)、ぶ厚く歪んだギターの音、4人ともがVo.を取れるという利点を生かしたコーラス、甘酸っぱくとも芯のあるメロディ。中身は良質のパワー・ポップだ。
元gigolo auntsのPhil Hurleyにすすめられたのがきっかけで聴いたのが、私と彼らの音楽との出会い。
特にブレイクした訳でもなく、日本で話題になった訳でもないが、地道に活動している彼らの音楽は、ふと気付くと私の心のどこか片隅に存在している。
M-1 『Collapsis』 のイントロのギター・メロや、M-2 『Poor Poor Lonely』 の甘くて切ないメロディ・ラインは、TFCに負けずとも劣らぬ素晴らしさだ。
スロー・ナンバーのM-7 『Any Other Way』 は、泣きまくりの切なさ炸裂のナンバー。
サビではバツグンのハモりを聴かせ、パワー・ポップ好きにはたまらないメロディ展開のM-9 『Black Eyed Susan』 やM-11 『Headache』。
全体的には地味だが、押さえるところはビシッと押さえた聴きやすい一枚。
パワー・ポップの要素の中にソウル・ミュージックのルーツ的素材を取り入れ、このアルバムでは特に後半にその影響が現れている。
彼らは今でもコンスタントにライヴ活動を続けている。これは素晴らしいことだし、嬉しいことである。
良質のポップ・サウンドは変わらず、Greg HumphreysのちょっぴりハスキーなVo.は益々味が出て、ソウルフルになっている。

あの頃の眩い彼女たち

2006-09-08 | music : various


つい先日、新しいPCを購入したので、その設定やらカスタマイズやらでなかなか更新する時間がない。
そんな今日この頃、前々から気になっているコンピを取り上げてみようと思う。
ちょっと前、再三TV-CMで流れていて、かなり気になっていたこのアルバム。
ソニーからリリースされた、80年代の女性Vo.ものを集めた 『Girls Hits 80's』。
CMではCyndi Lauperの 「Girls Just Wanna Have Fun」 や、Sheena Eastonの 「Modern Gir」 がバックで流れていたが、いやぁ~この上なく懐かしい!
そして、どんな選曲なのか調べてみたら、やっぱり全部知っている。
PVまで明瞭に覚えている曲もたくさんある。
一発屋さんだったけど、鼻にかかった独特の声が忘れられないNenaや、紅一点Vo.のPatsy Kensitがカッコ良かったEighth Wonder。
大ヒット映画 『トプ・ガン』 のテーマ曲 「愛は吐息のように」 なんかは、映画のシーンが目に浮かぶ。
Teri Desarioの 「Overnight Success」 は、ソニーのウォークマンか何かのCMソングだったっけ・・・。
The Shocking Blueの 「Venus」 をカヴァーしたBananaramaや、永遠のアイドルThe Bangles。
メイクは派手だったけど、カラフルでおしゃれでキュートな女の子デュオStrawberry Switchblade。
Aimee Mannの居た'Til Tuesdayや、透き通った声量あるVo.で歌いっぷりのいいSheena Easton。
女性Rod Stewartと呼ばれ、葛城ユキや麻倉未稀が日本語でカヴァーしてヒットしたBonnie Tylerなどなど・・・。
どの曲も皆輝いている。これはもう入手するっきゃないよな~と、曲目リストを見てつくづく思った。

『Girls Hits 80's』
01.Cyndi Lauper 「Girls Just Wanna Have Fun ~ ハイスクールはダンステリア」
02.The Nolans 「Gotta Pull Myself Together ~ 恋のハッピー・デート」
03.Nena 「99 LUFTBALLONS ~ ロックバルーンは99」
04.Eighth Wonder 「Stay With Me」
05.Miami Sound Machine 「Conga」
06.Berlin 「Take My Breath Away ~ 愛は吐息のように」
07.Teri Desario 「Overnight Success」
08.Bananarama 「Venus」
09.The Weather Girls 「It's Raining Men ~ ハレルヤ・ハリケーン」 
10.The Bangles 「Manic Monday」
11.Strawberry Switchblade 「Since Yesterday ~ ふたりのイエスタデイ」
12.'Til Tuesday 「Voices Carry ~ 愛のVoices」
13.Patty Smyth and Scandal's 「Warrior」
14.Altered Images 「Happy Birthday」
15.Sheena Easton 「Modern Girl」
16.Lisa Lisa and Cult Jam 「Head to Toe」
17.Samantha Fox 「Touch Me」
18.Bonnie Tyler 「Total Eclipse Of The Heart ~ 愛のかげり」

あともう一枚、気になっているコンピがある。
ちょいワルオヤジのイタリア人ジローラモが、Wham!の 「Wake Me Up Before You Go-Go ~ ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」 をバックに、キザ野郎を演じているCMの 『R35』。
キャッチ・コピーが “35歳以上のオトナ限定商品! モテるオトナのカッコイイ音楽” だそうだが、そんなに年齢を限定しなくても・・・と思わなくもないが、こちらは70~90年代にヒットしたポップスとロックのコンピ。2枚組で全36曲。かなり聴き応えありだ。
そして、“キャーッ” と思わず叫んでしまいたくなるアーティストも・・・。例えばG.I. Orange。(笑)
Van Halenあり、MC Hammerありと、統一性がないように見えるが(いや、実際ぐちゃぐちゃかも・・・)、こちらも知らないナンバーなし。
そのうちまた記事にしよう・・・。