★11月5日 : フランクフルト(Frankfurt)
ウィーンから約2時間のフライトで、フランクフルト・マイン国際空港に順調に到着。3月に利用したばかりなので、勝手は知れていた。
フランクフルトの街までは、Sバーンで約12分。空港地下のSバーンの駅まで足早に歩き、フランクフルト中央駅に着いた時は、夕方5時少し前だった。コイン・ロッカーに荷物を預けて外に出ると、既に薄暗くなってきていた。
成田行きの飛行機は20:45発なので、19:30までにまた中央駅に戻ってくればいい。約2時間半の街歩きのスタート。
フランクフルトは、ドイツでも屈指の経済産業発展都市で、高層ビルが建ち並ぶ都会だが、レーマー(Römer)という旧市庁舎があるレーマー広場の一角だけは、旧市街のままの姿を残している。
駅前のトラム乗り場で、レーマー広場行きを待つこと約15分。フランクフルトのトラムはとても近代的だった。
フランクフルト中央駅
トラム
レーマー広場に着いた頃には、すっかり暗くなっていた。広場はほとんどライト・アップされていなく、少ない街灯と店の灯りでかろうじて見えるという程度だったので、あまりいい写真は撮れなかった。
広場の中心にあるユステシアの噴水に向かって歩いていると、何やらやたらと関西弁が聞こえてきた。学生服姿の男子学生のグループが、ワイワイガヤガヤと記念写真を撮っていて、シャッターを押して欲しいと頼まれた。
聞くところによると、大阪の男子高の生徒たちで、修学旅行だそうだ。ドイツに修学旅行とは、なんともうらやましい。
レーマー広場は、木組みの可愛い形をした建物で囲まれていて(タイトル写真)、旧市庁舎の前にはまだ飾りつけのない大きなクリスマス・ツリーがあった。ここは、もうすぐクリスマス・マーケットで賑わう場所なのだ。
そして、広場の一角にある、シンプルな外観のニコライ教会に入った。
レーマー(旧市庁舎)とクリスマス・ツリー
ユステシアの噴水 ニコライ教会
教会の中を見学していると、ひとりの青年から “ステキな教会ですね” と声を掛けられた。言ってみればナンパだ。(笑)
暫くフランクフルトに滞在しているというその青年は、ケルンから来たと言うので、ケルン大聖堂のことを話してみた。もう随分前になるが、ケルンに行った時、中には入らなかったが、その素晴らしく荘厳な姿に感動したものだった。
そういう話をしていると、この近くに美しい大聖堂があるので行かないかと誘われ、どっちみち行く予定のところだったし、地図を頼りにしなくてもいいと思い、連れて行ってもらった。
約2時間の乗継時間を利用して観光しているので、ゆっくりできないと言っていたので、早足で歩きながら連れて行ってくれた。
途中、北野武の映画の話になり、私が好きな 『Dolls』 が彼もいちばん好きな映画だと言ったので話は盛り上がり、「北野武はコメディアンだって知ってる?」 と聞くと、目を丸くして驚いていた。
丁度首相が麻生氏に交代したばかりの時で、そういう日本の政治情勢もちゃんと知っていた。
レーマー広場からすぐのところにあるドーム(Dom)という大聖堂は、神聖ローマ皇帝の選挙と戴冠式が行われた歴史あるバロックの聖堂で、高い塔が特徴。
昼間は塔の上に登ることができるということをその彼は知らなかったので、翌日行ってみると言っていた。そして、聖堂内の壁に飾られたレリーフの意味などを説明してくれた。
他に行きたいところはあるかと聞かれ、悪い人ではなさそうだったので、この際だからガイドしてもらおうと思い、マイン河に架かるアイゼルナー橋と詩人ゲーテの記念館 “ゲーテ・ハウス” に連れて行ってもらった。
アイゼルナー橋には、マイン河が何度か氾濫した時の水位を刻んだ碑があり、色々説明してくれて、橋から見る夜景は綺麗だった。
ゲーテ・ハウスはもう閉まっていたが、窓の隙間から中を少し見ることができた。
アイゼルナー橋からの夜景
ゲーテ・ハウスの看板
彼は、その後もまだ一緒に行動したそうだったが、ちょっとひとりになってあてもなくブラブラしたかったし、もうあまり時間もなかったので、渋る彼にお礼を言って別れた。
まあ本音を言うと、あまりタイプの男性ではなかったからなのだが、もしタイプだったら、メール・アドレス交換くらいはしていただろう・・・。(笑)
ひとりになった後、公園の立派なゲーテ像を見たり、教会に立ち寄ったりしながら街をブラブラしていた。
偶然見つけたチョコレート・ショップにアイスクリームがあったので、店内に入ってみると、なんとも美味しそうなケーキやチョコレートがずらり。
でも店内でゆっくりケーキを食べる時間はなかったので、ホワイト・チョコチップ・アイスクリームを買って、歩きながら食べた。
ふた口ほど食べたあとの写真
やがて戻らなければならない時間になったので、中央駅に地下鉄で行ってコイン・ロッカーの荷物を出し、再びSバーンで空港に行って、帰国の途についた。
機内では、当時まだ公開前だった 『X-FILES THE MOVIE』 で、懐かしのモルダー&スカリー・コンビを観て過ごした。
プラハ5泊、ウィーン4泊の旅は、天候による計画まるつぶれがあったり、列車の遅れやスーツケースの鍵の事件など、いつになく波乱の多い旅だったが、思わぬグルメな旅にもなり、とっても充実した10日間だった。
いちばん印象に残っているのは、シェーンブルン宮殿の庭園歩きで、いちばん良かったところは、オーストリアのデュルンシュタイン。
プラハは歩いているだけでいろんな発見があって、とてもステキな街だったし、ウィーンもまだまだ見足らないので、また絶対行きたい! ブダペストは、その内また行きたいと思うようになるかどうかは定かではない。
そして、帰国から約2ヶ月経った今でも、ケーキが恋しくてたまらない。(笑)
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年内に旅行記を仕上げなくては・・・と思い、滑り込みでやっと完了しました。
長々と続きましたが、読んで頂いた方々、ありがとうございました。
ここで紹介しきれなかった写真は、別館のフォト・ブログで紹介しています。
自分の記録としての旅行記ですが、これから中欧に旅行する人がこれを読んで、少しでも参考になることがあれば幸いです。
それでは、よいお年をお迎え下さい!!