Glasgowの音楽仲間の輪ほど、広くて親密で温かくて、愛と友情が溢れ出ている輪はないだろう。
80年代からそのGlasgowの音楽シーンを支えているのは、PastelsのStephen PastelとBMX BanditsのDuglas T Stewartだと私は思う。
その輪を辿って掘り下げて行くのは、いくら時間があっても足りないくらいに広くて深く、そのバンドの数は数え切れないほどである。
そんな数多くあるバンドの全てを聴いて知っている訳ではないが、私がその輪の音楽が好きなのは、音はもちろん、彼らの音楽に対する姿勢がすごく好きだ。
セールスなんて全くと言っていいほど気にせずに(・・・と私は思っている)、ただ好きな音楽をのんびりと目一杯楽しみながら続けている姿。
そんな心から音楽を楽しんでいる姿が音に現れているからこそ、どのバンドの音楽を聴いても温かい気持ちにしてくれるのだと思う。
ただいま来日中で、既に関西と名古屋でライヴを終え、東京公演ももうすぐのBMX Bandits。
そのBanditsの最新アルバムに参加し、今回来日もしているマルチ・プレイヤーDavid Scott率いるバンド、The Pearlfishers。
今回のライヴでは、そのThe Pearlfishersの曲も披露してくれるみたいなので、今日はこのアルバムを聴いた。
The Pearlfishers、1999年の 「the young picknickers」。昨年ボーナス・トラックを3曲追加して再発もされている。
彼らの音楽は澄み切った美しさ溢れる音で、とても癒される。
そして彼らのアルバムやシングルは、ジャケのアート・ワークがとってもステキで、そのどれもがポスト・カードにしたいくらいだ。
中でも私はこのアルバムがいちばん好きで、静かに眠りたい時や疲れを癒したい時の魔法の薬のひとつになっている。
もうM-1 「we're gonna save the summer」 の出だしのハーモニーを聴いた途端、その美しさの虜になる。
Davidの綺麗な声と、キラキラしたハーモニーが、美しいメロディにとっても合っていて、わくわくする。
The Beach BoysやThe Byrds辺りのハーモニー・テイストや、Bacharachバリのメロディが散りばめられ、M-5 「you justify my lofe」 やM-11 「strawberries in the snow」 のような、Prefab Sproutを思わせるAORの香り漂う楽曲ありと、本当にゆったりとした気分で聴いていられる一枚。
フィドルやバンジョーと言った楽器も効果的に取り入れ、そしてそれが決してごちゃごちゃしていないシンプルなサウンドも魅力だ。
ジャケの裏に小さく “play loud!” と書かれているのだが、フル・ヴォリュームにして聴いてもとても気持ちよく、スカッとする。
さて、BanditsのDuglasとはまた違った声色で癒してくれる、Davidが歌うPearlfishersの曲を生で聴ける日が近づいて来た。楽しみだ!