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Ruth / Second Hand Dreaming

2007-07-31 | music : newcomer


今年リリースされるアルバムの中で、楽しみにしていたひとつ。
USワシントン州出身の4ピース・バンド、Ruth(ルース)の、Tooth and Nailからリリースされたデビュー・アルバム 「Second Hand Dreaming」。
バンド名は、中心人物Vo.&GのDustin Matthew Ruthの名前から命名された。
6月26日にリリースされ、7月初旬にオーダーしていたのが届いたのだが、直後にリリースされたRooneyの2ndばかり聴いていたので後回しになってしまった。
Tooth and Nailと言えばパンク色の強いエモ系バンドが多いが、このRuthは少し系統が違い、ポップなロック・チューンが中心。
そして、アコースティックとエレクトリックの調和が、気持ちよくバランスが取れている。
そのポップなメロディがなかなか気に入っていたので、まだEPしか出していなかった頃からフルレングスを楽しみにしていた。
以前からマイスペにUPされていた、サビのコーラスのヴァースが覚えやすいM-2 「Cross The Line」 は、アルバム用にアレンジを変え、間奏にホーンが入ってより一層厚みが出た。
ポップなノリのいいM-3 「Secondhand Dreaming」 や、優しい感じのアコースティック・ナンバーM-4 「Here To New York」、ゆったりとした温かい気持ちになるM-9 「You Are」 も以前から知っていた曲だが、改めてオーディオのスピーカーで音量を上げて聴くと、サウンドの深さやギターの絡み、ドラムスのビートなどがストレートに伝わってくる。
全曲ポップすぎず、ハードすぎず、メロディアスすぎない丁度いいバランスの取れた、とても聴きやすくて親しみやすいメロディが中心の、気持ちのいいナンバーが揃い、斬新さはないがデビュー作としてはかなりの出来だ。
今後も楽しみなバンドである。

彼らのMySpaceで、上記4曲が試聴できます。

Rooney / Calling The World

2007-07-25 | music : favorite


待ちに待ったRooneyの4年ぶりの新作、『Calling The World』。
来月リリースされる国内盤には、“世界が僕らを呼んでいる” という何とも大げさな邦題が付いているらしいが、その出来はと言ったら・・・。
そのタイトルは全然大げさではない。
17日の発売日より2日遅れで入手し、以降毎日繰り返しこればかり聴いている。
4年の歳月は、彼らをより一層大きくしたようだ。
デビュー作でも十分に印象付けてくれていた、キーボードを中心としたアレンジにぶ厚いコーラスは、更に磨きがかかっている。
電話のベルが聴こえ、“ク~ッ!” と思わず声を出してしまいそうになる、泣きのギター・メロ満載のイントロで始まるオープニングのアルバム・タイトル曲 「Calling The World」 は、もうサイコー!
楽曲のメロディ・ラインがとてもエモーショナルで、手応え大有りの傑作。
Vo.のRobertは、母音の “a” と “o” の発音に特徴があり、とてもピッチが効いていて、その歌い方がこれまたこの曲のメロディにとてもマッチしている。
シングル・チューンのダンサブルなM-2 「When Did Your Heart Go Missing?」、E.L.O.辺りの80年代のエレクトロ・ポップを思い起こさせるM-3 「I Should've Been After You」。
そしてダイナミックなバラードM-4 「Tell Me Soon」 では、また泣きメロでガツンとやられる。
M-5 「Don't Come Around Again」 は、彼らの地元カリフォルニア・ビーチが似合いそうなポップ・チューンで、コーラスがとにかく光っている。
まるでBon Joviを思わせるようなキーボードの連打が続くM-6 「Are You Afraid?」 は、どこかいなたくて憎めない。
サビの “Love me, Love me, Love me or Leave me” のリピートが一度聴くと耳から離れないM-7 「Love Me Or Leave Me」 は、とってもキュートな曲。
ハード・エッジなナンバー M-8 「Paralyzed」 に続く、アコギをフィーチャーしたM-9 「What For」 は、ペダル・スティールの音も入り、何となく懐かしい感じのするアメリカン・ロック。
M-10 「All In Your Head」 はとってもRooneyらしいおちゃめな曲。それでもサビでは厚いコーラスでガッツリとハートを掴む。
王道ロックと言った感じのM-11 「Believe In Me」 でも、そのコーラスに感服してしまう。
そして最後にM-12 「Help Me Find My Way」 で、ストリングスとピアノだけでしっとりと歌い上げる。
ストリングのアレンジが壮大で、とてもドラマティックに仕上がっている。

とまあ、ザッと全曲の感想を書いてみたが、本当にどの曲も素晴らしい出来で、何度でも聴いていたくなる。
とにかくコーラスが素晴らしく、Jellyfishも顔負けなほどの部分も垣間見られる。
そして、キャッチーなメロディ・ラインとキーボード・サウンドは、やはりこのバンドの最大の魅力だ。


= note =
Vo.のRobertが、映画 『ロッキー』 のエイドリアン役のタリア・シャイアの息子というのは有名な話。
そのタリアはフランシス・F・コッポラが兄で、ソフィア・コッポラとニコラス・ケイジはRobertのいとこ。
RobertもRooney結成前は俳優としてソフィア・コッポラ監督の 『Lick The Star』、『The Virgin Suicides』 、ディズニー映画 『The Princess Diaries / プリティ・プリンセス』 などに出演し、2004年には大人気TVドラマ 『The O.C.』 にも本人役で出演している。
兄ジェイソン・シュワルツマンも俳優で、ニコール・キッドマン主演の 『奥様は魔女』 や、ソフィア・コッポラ監督の 『マリー・アントワネット』 に出演している。
Robertは、Rooneyのスタートを期に名前をRobert Schwartzmanから父親カーマイン・コッポラの名を取ってRobert Carmineと名乗っていたが、今回再び本名のRobert Schwartzmanに名前を戻した。
それにしても、凄いDNAだなぁ・・・。

『Ray』 

2007-07-13 | cinema & drama


公開時、かなりの評判だったし、予告編やスポットで見て知ってはいたが、実際に映像を見て、本当に本人ではないのか?と何度も錯覚するくらい、Jamie Foxxの演技は素晴らしかった。
まるでRay Charlesの生き写しのようで、元々クラシック音楽を学び、ミュージシャンでもある彼は、吹き替えなしで見事に “ソウルの神様” を演じた。(アカデミー賞主演男優賞受賞)
Ray Charles本人は、この映画の完成直後に永眠したので、完成作を見ることはなかったが、製作中にJamie Foxxに演技指導を行った際、彼の演技を絶賛したと言う。
そんな彼の素晴らしい演技が、この映画を単なる伝記映画ではない魅力的な作品にしたのだと思う。
Ray Charlesの音楽は知っているものの、人生背景までは殆んど知らなかったので、あんなに酷いジャンキーだったということはかなり衝撃的だった。
あの頃のミュージシャンは、少なからずとも殆んどがヤクに手を出していただろうが、あそこまでハマっていたとは知らなかった。
名曲誕生の過程を素晴らしい映像で描き、フラッシュバックで出てくる弟の死のトラウマを効果的に入れる演出もなかなかのもので、目が見えていた時は色彩豊かなのに比べ、盲目になってからはセピア色がかったくら~い感じの色調という使い分けも、この作品の持つ素晴らしい一面だと思う。
152分という長編だったが、飽きさせることなく、Ray Charlesの波乱の生涯をうまく描いていた。
彼に関わった様々なミュージシャンの中で、Quincy Jonesしか出てこなかったのはちょっと寂しい気もしないでもなかったが・・・。
黒人差別に反発したことで、18年間自分の故郷ジョージア州から永久追放され、その後 「Georgia On My Mind」 がジョージア州の州歌として認められるまでに至るくだりは感動的だった。
この映画を見て、その 「Georgia On My Mind」 や 「I Can't Stop Loving You」 はやはり不朽の名曲だなと痛感した。

LIVE EARTH

2007-07-08 | music : various


昨日、Londonの友達からのメールの、「今日は地球温暖化のコンサートやってる」 というのを読んで、“LIVE EARTH” のことをすっかり忘れていたことに気付き、慌ててネットの無料配信を見た。
しかし、タイミングが悪いのか時間が悪いのか・・・、なかなか目ぼしいアーティストに遭遇せず、ずっと見続けていることもできなかったので、深夜から明け方に放送されたフジテレビのダイジェストを見た。
幸い、翌日の今日が休みだったので最後まで見ることができた。ちなみにCSでは生で放送していたが、うちはCSが見れない。(苦笑)
日本からはLinkin Parkのライヴだけが流れ、その後はLondonとSydneyからのライヴだけだった。
まあ、フジテレビはLondon支局が以前から頑張っていて、かつて 「Beat UK」 という番組も毎週放送されていて当時のブリット・ポップが旬で見ることができた。
だからなのか、放送の殆んどはLondonからのライヴで、NYからのライヴがないのが残念だったが、The Police、スマパン、Bon Joviはちょっと見たかったかも・・・。
でもまだネット配信はやっているので、タイミングが合えば見れるかな・・・。
で、TV放送で嬉しかったのがSydneyでのCrowded Houseと、LonodonからのRazorlightとKeane。
今年再結成したCrowded Houseは名曲中の名曲、「Don't Dream It's Over」 を披露し、かなりおじさんになっていたNeil Finnのあの声は、少し高音が苦しそうだったけど、甘く切ない歌声は変わらず、サビの “へな~、へ~なぁ”(笑) は場内大合唱だった。
Razorlightは 「In The Morning」。さすが本国では絶大なる人気バンド、それはそれは堂々としたパフォーマンスだった。
実はKeaneのパフォーマンスを見るのは初めて。大好きな曲 「Somewhere Only We Know」 が流れたので、寝そべって見ていた私は思わず起き上がった。(笑)
ギターレスのサウンドで、スタジアムでの演奏をあそこまでドラマティックに持って行けることに、たった1曲だけだったが彼らの凄さを垣間見たような気がした。
その他、Duran DuranやSnow Patrol、レッチリも見ることができた。DuranのJohn Taylorは、今も変わらず美しかった!
今回のラインナップは、個人的にはLondonに軍配が上がる。やはりこういうイベンドは、Band Aidの元祖UKが強いのかな・・・。