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『ランナウェイズ』

2011-05-05 | cinema & drama

またまた放ったらかしにしてしまって、一ヶ月以上のご無沙汰っぷりだ(苦笑)。
先日、『ランナウェイズ』 を観て来た。洋楽好き&ロック好きならたいていの人が知っている、70年代に一世を風靡したガールズ・ロック・バンドThe Runaways(ザ・ランナウェイズ)の伝記的映画。
ポスターを見た時、Joan Jett(ジョーン・ジェット)はアイ・メイクで似せているけどどうだろう・・・と思って実際に観てみると、顔もそうだがちょっと猫背になるところとかの雰囲気がめちゃくちゃ似ていて、ギターを弾く姿もカッコよかった。
原作はThe RunawaysのVo.だったCherie Currie(シェリー・カーリー)の伝記本で、製作総指揮にJoan Jettが参加している。
監督は、ミュージック・ビデオの監督として、Björk(ビョーク)やThe White Stripes(ホワイト・ストライプス)やMarilyn Manson(マリリン・マンソン)なんかを手がけていて、今回が初の長編なのだそう。
Joan Jett本人が監修しているので、まあ嘘偽りはないんだろう。ただ、あくまでもB級映画だった。良かったんだけど・・・。
それを徹底的にしたのが、結構長い尺を使っていたJAPAN TOURのシーン。
とは言っても日本ロケをしているのではないので、撮影はセットと日系人のエキストラ。そして、案の定よくある外国人がイメージする “日本” が描かれていたのだった。
確かに彼女らの初来日の熱狂ぶりは凄かったらしいが、楽屋に押しかけたファンの圧力でガラスが割れて、そのままメンバーに突進して行ったのは本当なのだろうか・・・。ホテルの度を越えた和風テイストの内装や、接待する業界人にも苦笑。
他のシーンでは、70年代のファッションが忠実に再現されてたけど、70年時代に白いカーデに赤いリボン、チェックのミニスカートに紺のハイソックスという日本の女子高生の制服には、不自然さを感じた。
とは言え、Joan JettがプロデューサーのKim Fowley(キム・フォウリー)に見出され、Cherieと出会い、「Cherry Bomb」 でスターダムに押しあがって行くストーリーにはぞくっと来るものがあり、少なからずとも心を動かされた。
バンドの全盛期が1年ちょっとだった故に、伝説の・・・という表現をよくされてきたThe Runawaysだが、そのあまりにも短いバンド生命は、若さゆえという理由だけでは片付けられないんだなということを、この作品を通して少し感じ取ることもできた。
Kim Fowley役の俳優さんも本人にそっくりだったけど、意外と似ていたLita Ford(リタ・フォード)にほとんどスポットが当たらなかったのは、ちょっと残念だったかな。
物語は、Joan Jettがソロになってから 「I Love Rock 'n' Roll」 をヒットさせるところまでを描いている。
私にとってJoan Jettは、The Pretenders(プリテンダーズ)のChrissie Hynde(クリッシー・ハインド)と並んでロック界の姐御なのだが、最後まで姐御のイメージを裏切らず、ラジオ局でのシーンでのあの終わり方も満足だった。