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music, trip, cinema, art, and so on.

限りなく澄みきった心の持ち主

2006-11-30 | music : newcomer


特にコレを買おうという目的のものもなかったのだが、今タワーレコードがWスタンプ・キャンペーン中(12/3まで)ということで、久しぶりに行ってきた。
そして、とびっきりのアルバムを見つけてきた。1曲目と2曲目の触りだけ聴いて即買い。
バンド名はLeeland、テキサス州Baytown出身の5人組。
なんと、またまた私には縁がありすぎるくらいの兄弟バンド。
今年8月にリリースされた、彼らのデビュー・アルバム 『Sound of Melodies』。
とにかく煌めくような美しいメロディと、輝きを放つVo.の声に参ってしまった。
若かりし頃のRideのMark Gardener似のそのVo.&GのLeeland Mooringは、なんとまだ若干18歳。(日本のメディアでは17歳となっていたが、本当は18歳)
恐るべし! ティーンエイジャーだ。
しかも自分の名前をバンド名にしているだなんて、Bon Joviみたい。(笑)
それもファースト・ネームの方(Bon Joviはラスト・ネーム)。Key.の兄もいるというのに・・・。
自分=バンドの顔、余程の自信がないとできないであろう・・・。
やはり、恐るべし! ティーンエイジャー。(笑)
もちろん、ソング・ライティングも彼の手による。
彼らのオフィシャル・サイトのバイオによると、彼は相当熱心なクリスチャンのようで、“神が自分たちに与えたメロディが、天国から降りてくる” と表現している。
その歌詞には必ず “God” が出てきて、他にも “saints(聖者)” “praise(賞賛) ” “liberty(自由) ” “salvation(救済)” と言った言葉がたくさん出てくる。
“音楽をプレイしているときはいつでも、メイン・ゴールは自分たちの世代の司祭(神のしもべ)になること” とまで言っている。
なんせ、最も影響を受けたのが “究極のミュージシャン、Jesus” で、読む本は聖書なのだから・・・。
キリストとあまり縁のない私たち日本人には、そういう感覚はなかなかわからないし、ちょっと怖いくらいに不思議な感じがするが、きっと彼の心はとてもとても澄んでいるんだと思う。
その澄みきった心が、この叙情的で美しく透明な音楽に直接表れているのだと思う。
アルバム・タイトル曲のM-1 「Sound of Melodies」 で即ハマったのは、何を隠そう私のイチバン弱いツボ、3連のリズム。
このリズムに乗ってこんなステキなメロディが流れてきたら、もうハマらずにいられない。(笑)
M-3 「Yes You Have」 のAメロのアコースティックなヴァースからぐいぐい引っ張って行くブリッジの展開は、とてもエモーショナルで素晴らしい。
M-6 「Can't Stop」 では、エッジの効いたカッコいいロック・サウンドを聴かせてくれて、アルバムの真ん中で盛り上がりを見せる。
M-8 「Hey」 のピアノとハンド・クラッピングだけの間奏は、とっても楽しくって踊り出したくなる。
美しいメロディと言っても、実はしっとりとしたバラードは最後の曲 「Carried to the Table」 だけ。
この 「Carried to the Table」 の壮大なコーラスがこれまた凄い。
どれもキャッチーで洗練されたメロディの、全11曲、全くの捨て曲なしの完成度の高いデビュー作だ。
情感たっぷりと歌い上げるVo.、そこはかとなく奏でられるピアノ、控えめながらも正確なビートが響くドラム、爽やかな色付けをするアコギetc...。
最初に “熱心なキリスト教信者” をイメージしてしまうことばかり書いてしまったが、人間性に対する偏見や先入観は捨てて是非音楽を聴いてみてほしい。
すごく心が洗われる音楽だし、何と言っても18歳の若者が作り出す楽曲の素晴らしさに脱帽する。
それにしても、私はこういう声が本当に好きだ・・・。

 まずはMySpaceで試聴!

『フレディ・マーキュリー 人生と歌を愛した男』

2006-11-23 | cinema & drama


もう日付が変わったので、正確には明日、11月24日はFreddie Mercuryの命日。
彼がこの世を去ってから、もう15年も経つ。生きていれば60歳。
『ダリ回顧展』 の後、美容院に行く予定だったが、自分の担当者がお休みだったので予定変更となり、水曜日だということに気づいたので、何か映画を観に行こうと思って携帯で検索。
でも目ぼしい作品がなく、タワレコにでも寄って帰ろうかな~と思っていた時、ひとつのタイトルが目に飛び込んだ。
『フレディ・マーキュリー 人生と歌を愛した男』(原題:FREDDIE MERCURY Untold Story)
日本での公開が世界初の、今年制作された映画。
Stonesなんかは、MickとKeithの生い立ちやふたりの出会い、Stonesの歩んできた道などを本を読んだりして知ったが、Queenは曲が好きで昔から聴いてきただけで、メンバーの人物背景とかには特に興味を持っていなかったので、この映画のことをすっかり忘れていた。
映画館はレディースデーということもあって、観客の殆んどは女性だったが、若い子から腰の曲がったおばあちゃんまで、様々な年齢層の観客で8割近く埋まっていた。

2本予告編が流れたあとに始まったのだが、Freddieの歌声が流れ、右腕を高々と上げた彼のシルエットがスクリーンいっぱいに映し出された途端、訳もなく涙腺が緩んだ。
Freddieがアフリカ生まれだってこと、アートにも卓越した才能があったことなど、この映画で初めて知った。
Queenのライヴ映像はかいつまんで流れるが、フルで流れるわけでもなく、Queenの曲が流れるわけでもない。
「Love Of My Life」 や 「Bohemian Rhapsody」 のピアノのインストがバックに流れるだけ。
幼少の頃の映像にFreddie役を演じている男の子がいるが(セリフは一切なし)、それ以外に役者の起用はない。
全てFreddieの母親、妹、寄宿学校時代の同級生、最初で最後の異性の恋人メアリー、Brian May、Roger Taylor、コスチューム・デザイナー、共演したオペラ歌手カバリエ、最後の恋人ジム、Mott The HoopleのIan Hunter、プロデューサーetc...と言ったFreddieと長い間深く親しい信頼関係のあった人たちの話だけで綴られている。
制作は、10年以上QueenやFreddieと共に仕事してきたDoRoフィルム・メイキング・チームによるもの。
デザイン学校時代のデッサン画も、本作で初公開された。
その才能たるものは、素人の私が見ても素晴らしかった。
母親と妹の話はもちろんのこと、6年間同棲した最初で最後の異性の恋人メアリー・オースティンの話は、感動的で衝撃的で愛情に満ち溢れていた。
Freddieは最初からゲイであったのではなく、彼女との暮らしの中でいつしかそうなって行ったと言う。
でも、Freddieの告白を受け入れ、理解し、別れたあとも生涯親友として彼を支え続けた彼女は、女性として、いや、人として素晴らしい。
「彼が彼自身であろうとする権利をどうして私が否定できるでしょう? それを受け入れ、理解することができたのは、愛があったから。人間として成長してほしい・・・」
こんな素晴らしい気持ちになれることが、果たして自分はできるだろうか・・・いや、できない、きっと・・・。もう涙が止まらなかった。
ステージ・パフォーマンスのあの派手さとは間逆で、とてもシャイだったというFreddie。
病気の告白によって更に絆が強くなったと語るRoger。
オペラ歌手カバリエが語るFreddieとの硬い友情。
そのカバリエと共演した 「バルセロナ」 の映像は、本当に素晴らしかった。鳥肌が立ち、涙が溢れた。
Freddieの最期を語るシーンも、涙なしでは観ていられなかった。
こんなに感動したドキュメンタリー映画は、この作品が初めて。
今年のベスト・ムービーとも言えるくらい、素晴らしい作品だった。
Queenが今でも英国民に、そして世界中の音楽ファンに愛されているのも、Freddie Mercuryという天才がいたからこそなのだろう・・・。
改めて彼の存在の大きさを実感し、これからQueenの曲を聴く時の気持ちが少し変わるような気がする。
全てのQueenファン、音楽(ロック)ファンは必見!

 DVD 『Lover Of Life, Singer Of Songs』
この映画に、25分のボーナス映像とビデオクリップ集にボーナス・ビデオ3曲が追加されたもの。
ボーナス映像には、Queenのメンバーを始め、Mick JaggerやElton Johnらのインタビューも! このDVDも気になるところ。

『ダリ回顧展』

2006-11-22 | art


生誕100年を記念して開催されている、『ダリ回顧展』 に行ってきた。
とりわけ絵画や美術に精通しているわけでもないが、海外では時間のある限り美術館に行く。
とっても落ち着く、美術館の空間が好き。
でも日本で美術館に足を運ぶのは、よっぽど興味のある作品の展覧会がある時だけ。
何故なら・・・ま、その理由は最後に書くことにして、本題ダリ展のこと。
好きなアーティストは何人かいるが、Salvador Daliはその何人かには入っていない。
でも、彼の作品には何か惹きつけられるものがあった。
今回間近で作品を見たことによって、その何かが少しだけわかったような気がする。
Daliと言えば、溶けてゆがんだ時計に代表される、シュールレアリスム。
“シュールレアリスム” について、辞書では 「20世紀を代表する芸術思潮のひとつ。ダダイスムの思想を受け継ぎつつフロイトの深層心理学の影響を受け、理性の支配をしりぞけ、夢や幻想など非合理な潜在意識の世界を表現することによって、人間の全的解放をめざす芸術運動。」 とあるが、なるほど~と思ってもピンと来ない・・・。
Daliの作品からは、現実世界の中に見る幻視、意識と無意識、夢と現実、生と死、存在と虚無・・・そんなものを感じる。
きっとそれがシュールレアリスム?
あのピンと左右に跳ねたヒゲとギョロっとした目の外見からは想像できないくらいに、Daliという人は儚いくらいに繊細でモロい人なんだな~ってことが、作品を通じて感じられた。
そのひとつひとつに描かれた非現実な世界、見つめれば見つめるほど様々なものが見えてきて、中には鳥肌が立つものもあった。
そして、じっくりと注意深く見なければ見落としてしまうような、隅っこや背景の奥の方にも、細か~い描写がされていて、それに目が釘付けになった。

 ①『Daddy Longlegs of the Evening - Hope!』 1940
 ②『Old Age, Adolescence, Infancy (The Three Ages)』 1940
 ③『Nature Morte Vivante (Still Life - Fast Moving)』 1956

特にビビッと感じ、惹かれた作品がこの3点。
①邦題は、「夜のメクラグモ・・・・・希望!」。
メクラグモは、ヨーロッパでは “見つけると幸福になる” という言い伝えがあり、そのメクラグモが女性の顔を這っている。
Daliの作品の中にたくさん見られる、蟻や松葉杖も描かれている。
戦争を描いたこの作品には、希望と絶望が同居している。
ぐにゃっととろけたチェロを弾く女性を見つめていると、ゾクっとした。
②邦題は、「三世代 老年、青年、幼年」。
まるで騙し絵のようなこの作品。Daliが絵の中に上手く仕組んだ目の錯覚を起こすトリック。
間近で見たあとに離れて見て、再び近づいてみると、その面白さと素晴らしさが更に深まった。
③邦題は、「生きている静物(静物-速い動き)」
正にタイトルどおりの作品で、水差しや林檎やトレイが本当に生きているようだった。
躍動感とスピードが絵の中に滲み出ていて、今にも動き出しそうだった。

音楽もそうだが、絵画の鑑賞で感じるもの、見方(聞き方)は人それぞれ。決まった定義などない。
今回、Daliの作品約60点を通して感じた繊細さ、不思議さ、幻想感は、間違いなく私の心と頭の中を刺激してくれた。

さて、私が日本であまり美術館に行かない理由・・・。
具体的にこれこれだからというのはないのだが、強いて言えば鑑賞のスタイルが好きではない。
何故もっと自由に見ることができないのだろう・・・。
それと、やたらと照明を暗くするところも好きではない。
今日は平日ということもあって、ちっとも混んでいなかった。
2~30分並んで入ったニューヨークのMOMAでは、あんなに混んでいたのに、何のストレスもなく自由にいろんな角度から鑑賞できて、気に入った作品は時間をかけて見ることができた。
でも、さほど混んではいなかった上野の森美術館には、私の好きな落ち着く空間がなかった。

生誕100年記念 『ダリ回顧展』
東京上野の森美術館
2007年1月4日(木)まで開催
午前10時 ~午後6時(会期中無休)

Nice Man @Mona Records, Shimokitazawa 11/18/06

2006-11-19 | performance


GlasgowからMr. Nice Manこと、Francis Macdonaldがやってきた。
Francisと言えば、今はTeenage Fanclubのドラムス、そしてかつてはBMX Banditsにも参加と、Glasgowの音楽シーンには欠かせない人。
そんな彼が、今回彼のソロ・プロジェクトNice Manとして来日。
またまたOffice-Glasgowさんの、ステキな企画。
今日は2回公演のひとつ、アコースティック・ライヴに行ってきた。
場所は、東京下北沢にあるMona RecordsというCD販売もしている小さなライヴ・カフェ。
お店に行く前に下北の町をブラブラしていたら、なんとFrancisにバッタリ。
声をかけると、イアホンを外して気さくに応えてくれて、12年前、94年のBMX Bandits来日の懐かしい話題で少し立ち話。
そしてFrancisはひとり、土曜の夜の下北の人ごみの中へと消えて行った。

開演時間15前頃に行くと、こじんまりとした店内は、既にたくさんの人が集まっていた。
前の方は靴を脱いで床に座り、椅子席が数列、その周囲を囲むような感じで立ち見のスペースがあった。
まずは、2月のBMX Banditsのライヴでもサポート・アクトを務めた、Plectrumのステージ。
この前は4人だったが、今回はギター2人&ドラムスの3人だった。
彼らの曲を聴いていると、本当にGlasgow一派に影響を受けてるな~ってのがわかる。
The Beatlesに憧れて、バンドと恋愛も真似してきたっていう感じの内容の曲がすごく良かった。
前回もそうだったが、サウスポーのギターの人の声はかなり私好み。
あとドラムスのバッキング・コーラスがとても綺麗だった。

インターバルを空けて、Francisがステージに登場。
ステージは土足禁止スペースなので、靴を脱いでマイクの前に立ったFrancisは、ブルーのワイシャツに紺のベスト、グレーのスラックスといった、まるで銀行マンか育ちの良いお坊ちゃまのようだった。
靴下を見せて、“新しい靴下に変えたんだ。ジャパーニーズ・スタイルだよ” とはにかむ。



ギター1本で、優しい曲を次々に演奏していく。
そして全て歌う前に、英語でもわかるようにととてもゆっくり話しながら、ゼスチャーを混ぜてその曲の説明をしてくれた。
BanditsのDuglasもそうだったが、歌いながら歌詞に合わせてゼスチャーを織り交ぜる。
その一曲一曲が、Nice Manとガールフレンドの出会いから別れまでのストーリーを歌ったもので、時に笑いを誘いながら、始終ほんわかムードのステキな歌声を聴かせてくれた。
フィンガー・スナップを一緒にやったり、口笛のメロディを練習してFrancisの歌に合わせて私たちが口笛を吹くといった一幕も。
FrancisもDuglas同様ビデオ・カメラ持参で、客席に向けて “Normanにメッセージはない?” と問いかけたり(それに応えた人が僅かだったので、Francisはカメラを自分に向けて “Norman、2人しかいないよ・・・” と言っていた)、最後にはそのカメラをひとりずつ後ろまで回すことになり、黒澤映画さながらの映像になる、なんて言っていた。(笑)
Louis Armstrongの 「What A Wonderful World」 を歌ったのだが、これがすごくあったかくって良かった。
最後にはPlectrumの3人を呼んで、去年リリースされた2ndアルバム 『The Art Of Hanging Out』 から1曲。
その曲は、大阪で会った “サヨ” という可愛い女性のために書いた曲で、でも曲が出来た後にその女性からメールで、“会ったのは名古屋で、名前はサヨじゃなくカヨだよ” と言われたというエピソードを、Plectrumの人が面白おかしく和訳して紹介して、「Cayo」 を一緒にプレイ。
アンコールに応えて再びステージに登場したFrancis。
やってくれた曲は、BMX Banditsの 「Do You Really Love Me?」。
“Wow!” とみんなで一緒に歌い、とっても楽しく盛り上がった。
まるでFrancisのホームパーティに呼ばれて、ライヴを楽しんだっていうような感じの、とっても温かくて、とってもアット・ホームなライヴだった。
いつも思うことだが、彼らGlasgowファミリーの音楽は、本当に温かくて優しくて、ホクホクにしてくれる。
それはやはりみんな共通の、あの人柄がにじみ出ているからだと実感する。
丁度寒くなってきた夜に、その温かさに触れ、心の芯まで癒された。
 Nice Man 『The Art Of Hanging Out』

最後にひとりごと・・・ 「Francis、次は是非TFCで来日してよね!」

Noel G. & Gem Unplugged in Tokyo 11/15/06

2006-11-15 | performance


MySpaceの日本語ヴァージョン正式始動にあたり、その記念イベントの一環として、oasisのNoelとGemによるアコースティック・ライヴが完全招待制のシークレット・ギグとして行われた。
応募はMySpaceに登録済みか新規登録し、“『Don't Believe The Truth』 はオリコンで初登場何位だったか?” という簡単なクイズに答えるだけだった。
お兄ちゃん好きだし丁度仕事が早く終わる日だったので、どうせ当たるわけなどない・・・と思いながら応募したら、それが何と当選したのであった。
久しく何かに当選するということがなかったので、ビックリと嬉しい気持ちとが同時だった。
で、今日、恵比寿リキッド・ルームでそのライヴが行われた。
300番に近い200番台の整理番号だったが、まだ前方のフロア半分しか埋まってなかった。
私はPA卓スペースの近くのカウンターに座った。アコースティック・ライヴなんだし、落ち着いて見たかったというのもある。
15分ほど押してNoelとパーカッションの人(Noelが後にTerryと紹介)が登場し、歓声に応えてピース・サインをして座る。
Noelは俯き加減に、目線は常に下で淡々と歌う。
あんなに間近でNoelを見たのは、初来日と二度目の来日以来だ。
2曲目の 「Talk Tonight」 でGemが登場。Eギターとキーボードを交互にこなしていた。
「Fade Away」 「Cast No Shadow」 「Wonderwall」 「Slide Away」 と言ったお馴染みのナンバーに加え、「Listen Up」 「Half The World Away」 と言ったシングルのカップリング曲も披露。
LiamのVo.で聴くのとはまた違い、Noelのかもし出す味はなかなか渋い。
Liamがステージを放棄した時なんかに歌っているし、まあ自分が作った曲だからモノにしているのは当たり前だろうが、私には何の違和感もなかった。
賛否両論もあるだろうし、oasisのVo.はLiamでなきゃって言う人も多いと思うが、私にはお兄ちゃんのVo.はかなり良かった。
オーディエンスからの掛け声にも適度に反応し、「アニキ!」 と叫ばれた時に、“Big Brotherのことなんだよ” とTerryに教える一面も・・・。
嬉しかったのが、 「Whatever」 が聴けたこと。
アレンジを変え、CDでのあの壮大なストリングス・アレンジとはまた違った 「Whatever」 で、アップ・テンポの軽快なリズムに乗って歌われた。
オリジナルはもちろんめちゃくちゃ良いけど、こういう軽快でノリノリになった 「Whatever」 もまた違った世界感で良かった。
Noelがギターを替えて、“シーッ” と言ったあとに始まった曲は、The Beatlesの 「Strawberry Fields Forever」。
Noelが敬愛し、多大な影響を受けてきたBeatlesのナンバーだけあって、とても丁寧にプレイし、Noelなりの感情が込めてられていた。
「Don't Look Back In Anger」 のサビでは、お決まりの客電点灯。
しかし、フロア後方がスカスカだったためか、2コーラス目では点かなかった。
この曲では、Noelはほとんど客に歌わせるということが多いが、今日は全部ちゃんと歌った。
バンド・スタイルでぐわ~んと盛り上がるのもいいけど、アコースティックで静かに盛り上がるのもグッとくるものがあった。
最後は 「Married With Children」 で締めくくり、アンコールはなく、1時間のステージが終わった。

Unpluggedと言っても、GemのEギターとキーボードでかなり音に厚みがあり、短くも楽しめたステージだった。
600名招待と噂されていたが、フロア後方の空き具合からすると、やはりそのくらいだったのかも知れない。
普段の押せ押せのライヴとは違い、フロアの人たちもゆったりと楽しむことができたのではないだろうか・・・。
帰りに今回のライヴのポスターとMySpaceのステッカーが配られたが、そのポスターはナンバリングされていて、****/1200となっていたので、チケットは1200名分用意されていたのかも知れない。
余談だが、関係者席最前列に一際オーラを放つ綺麗な女性がいて、ずっと横を向いて隣の人とお喋りしていたのだが、ふっとこっちを見た時、その女性は夏木マリさんだった。
カッコよくって憧れの女性でもあるので、暫く見つめてしまった・・・。(笑)


★setlist★ (少しあやふや・・・)

(It's Good) To Be Free
Talk Tonight
Fade Away
Cast No Shadow
The Importance Of Being Idol
Listen Up
Half The World Away
Wonderwall
Whatever
Slide Away
Strawberry Fields Forever - The Beatles cover
Don't Look Back In Anger
Married With Children

最近のちょっとしたお気に入り

2006-11-13 | music : newcomer


やはり、私は兄弟バンドと相当縁があるようだ。
好きになるバンド、気に入るバンドには兄弟バンドがとても多い。
The Redwallsのトピにも書いたことがあるが、兄弟バンドが私を呼んでるのかしら?・・・と思ってしまうくらい。
MySpaceにフレンド・リクエストしてくれたこのバンドも、またまた兄弟バンド。
USカリフォルニア州北部のModesto(モデスト)という、San Fraciscoから約2時間くらいのところにある街で活動する、リードVo.とギター&ピアノのClarkと、バッキングVo.とベースのDevinのBeggs兄弟が中心の4ピースバンド、The Evening News。
初めて聴いた時は、“きれいな曲だな~” と思っただけで、しばらく聴いていなかったのだが、この度5曲入りのEP 『Beauty Prevails』 がリリースされて、前に聴いた曲のニュー・ヴァージョンがサイトにUPされたので久しぶりに聴いてみたら、これがなかなか良くってここ最近のお気に入りのひとつだ。
フル・アルバムのリリースもまだで、レーベルとの契約もないほやほやの新人バンドだが、楽曲の完成度は高い。
彼らが影響を受けているアーティストは、Ben Folds、Keane、The Beatles、Death Cab for Cutie、Jack Johnsonとのこと。
Ben Folds、Keaneと言ったところが、ピアノのアレンジを大切にしているところに影響が伺える。
まだEPを入手してないので、5曲中3曲しか聴いていないのだが、メインの曲 「A Walk Outside」 を始め、とっても綺麗で繊細な曲ばかり。
「A Walk Outside」 と 「North」 は、控えめなピアノのメロディがとても切なくて、落ち着いて気負いなく聴ける。
す~っと音が耳に入ってきて心地良い。
「I Found You」 はピアノの音は一切入れず、ドラムのビートを効かせた軽めのギター・ポップ。
決して上手いという感じではないのだが、語りかけるように歌うClarkのVo.は、しんみりとした気持ちにさせてくれる。
もっともっと彼らの曲を聴きたいので、是非どこかのレーベルと契約をしてもらって、早くアルバムをリリースして欲しいと願っている。

「A Walk Outside」 「North」 の試聴はこちら
「I Found You」 の試聴はこちら

ちょっとだけ表舞台にお目見え?

2006-11-10 | music : newcomer


このバンドのことは、彼らから私のMySpaceにフレンド・リクエストがあって知ったのだが、そのメンバーの名前を見た時、私は少なからずとも声を上げてしまった。
2002年にメジャー・デビューしたBostonのSSW、Bleuのサイド・プロジェクトL.E.O.。
そのメンバーとは・・・CDに貼られていたステッカーをそのまま引用すると・・・
“new power-pop featuring Bleu and member of Jellyfish, sELF, Hanson, The Candy Butchers and more...”
そう、JellyfishのVo.だったAndy Sturmerがそのプロジェクト・メンバーの一員なのである。
Glen PhillipsのアルバムやThe Black Crowesの先日リリースされた 『Lost Crowes』 でバッキング・ヴォーカルに参加していたものの、主に裏方業に専念していた彼が、ついに表舞台に出てきた。
とは言ってもメインはBleuなので、Andyの歌声が聴ける訳ではないが、曲作りにも参加している。
まあ彼はこれからもこう言った形で、完全に表舞台に出ることはないと思うので、ポップ・ミュージックを作り続けているということを知るだけで満足なのだが・・・。
さて、その他の参加メンバーもとても豪華である。
The Candy ButchersのMike Viola、「きらめき☆ンー・バップ」 という邦題のデビュー・シングルで97年にデビューし、大ブレイクした当時はまだまだ幼かったHanson兄弟、CrowesのドラマーSteve Gorman、ChicagoのベーシストJason Scheff、女性インディー・ ポップ・シンガーPaula Kelleyなどなど。
総勢10人を超える大所帯バンドで、CDリリースに伴ってプロモーション・ライヴなども予定されているが、いったいその内の何人がライヴ・パフォーマンスに参加するのだろうか?
そんなL.E.O.のアルバム 『Alpacas Orgling』 には、ちょっと懐かしい80年代辺りのポップスを思い起こさせる、ステキな曲が詰まっている。
バンド名は何の略だかわからないし、E.L.O.と勘違いしそうだが、音はもろE.L.O.だったりする。
他にはJeff LynneとThe Traveling Wilburysに影響を受けているとのことだが、もうこれはE.L.O.のオマージュと言ってもいいだろう。
さすがにこれだけたくさんの才能あるミュージシャンが集まっているだけあって、ハーモニーはとても素晴らしい。
ちょっとチープなシンセの音と軽快なビートのM-3 「Ya Had Me Goin」 なんて、本当に懐かしい音で、思わず笑みがこぼれてしまう。
M-4 「Distracted」 のオペラ調の壮大なコーラスは鳥肌もの。
Bleuのアルバムを聴いたことはないが、ロックオペラにも参加していたことがあるというだけあって、とても豊かな歌いっぷりだ。
M-8 「Don't Let It Go」 のいかにもというような宇宙空間的イントロから始まり、Queenばりのコーラスの展開なんか聴いていると、楽しくなってきて仕方がない。
10曲目が終わった後、なんと40分33秒後に、E.L.O.の 「Don't Let Me Down」 のカヴァーが隠されている。
これがまた傑作である。

 左から4つ目の人形は、まさしくAndy!
L.E.O.のMySpaceで、4曲フル・コーラス聴けます。

ロックン・ロールとキュートなアニメのコラボ

2006-11-06 | music : favorite



12月公開の、ソニー・ピクチャーズのフルCGアニメーション映画 『オープン・シーズン』。
“友情と愛情の感動の物語”
ペットとして愛され、飼われていたクマのブーグが、ある日鹿のエリオットと出会ったことがきっかけで、森へ連れて行かれた。
野生で育ったことのないブーグは、飼い主が恋しくなり、エリオットと組んで帰ろうとする。
狩猟シーズンを迎えた森で、次第に他の動物たちと友情が深まって行く中、愛する飼い主が連れ戻しにくるのだが、果たしてブーグは友情と愛情のどちらを選ぶのか・・・。
というのが、公式サイトから抜粋したストーリーの概要だが、この映画のサントラを、元The ReplacementsのPaul Westerbergが担当。
サントラと言っても、12曲中8曲がPaulの曲なので、Paulのニュー・アルバムと言ってもいいくらいだ。
あとの4曲は、Pete YornとDeathrayがPaulの曲を演奏しているのが2曲、そしてDeathrayのオリジナルとTalking Headsが1曲ずつ。
M-1 「Meet Me In The Meadow」 から、もうPaul節炸裂。カッコいい! 
そしてメロディがもう、Matsを彷彿させずにいられない。
ピアノをバックに切なく歌うM-3 「I Belong」 を、最後にPete Yornが 「I Belong (Reprise)」 として歌っている。
これがまた凄く良い。彼のことは全く知らないのだが、サントラから人気が出たシンガーだそうで、『ふたりの男とひとりの男』 という映画のサントラに曲を提供して話題になったらしい。
同じ曲でも、Pete Yornはより一層しっとりと切なく歌い上げ、アルバムの最後を飾っている。
M-2 「Love You In The Fall」 とM-7 「Right To Arm Bears」 では、ベースで同じく元The ReplacementsのTommy Stinsonも参加。
DeathrayのオリジナルM-4 「I Wanna Lose Control (Uh Oh)」 も、Talking HeadsのM-6 「Wild Wild Life」 もアルバムの流れに全く違和感がない。
それにしてもTalking Heads、懐かしすぎ。でも全く古さを感じさせないのが凄い。
DeathrayがプレイするPaulの曲M-10 「Wild As I Wanna Be」 は、Paulの味を残しつつ、オリジナリティ豊かに仕上がっている。
子供向けのアニメーションのために書き下ろしたとはとても思えないくらいに、全曲カッコいいタイトなロックン・ロールがぎっしり。
アメリカン・ルーツ・ミュージックを究めてきた御大Paulの、キャリアが伺える。
痛快なロックン・ロールあり、ミディアム・ロックあり、しっとり系バラードありで、映画のどんなシーンで流れるのかを想像しながら聴くのも楽しい。

RogerJ.ManningJr. @Club Quattro, Osaka 11/01/06

2006-11-04 | performance


東京公演から一日おいて、大阪でのRogerのライヴ。
大阪心斎橋クアトロに行くのは、何年ぶりだったのか・・・ちょっと振り返ってみたら、95年のTeenage Fanclub以来だった。
行くまでは、中の作りとかの記憶が定かでなかったが、入ってみてすぐに思い出した。
東京のクアトロより、こっちのクアトロの方が雰囲気が好き。
というのも、東京は改装されたというのもある。
大阪は東京に比べると、フロアもそうだがステージが横に広い。そして、ステージが低いのも特徴。
最初は大阪に行くことを考えていなかったが、かつてJellyfishを全公演行った私は、のちにやっぱり我慢ができなくなったので、チケはSMASHフレンズではなく一般で買っていた。
でも開場時にさほど並んでいなかったので、余裕で前方に行けたのが嬉しかった。
心配していたお客さんの入りも、開演時間が近づくにつれ、だんだんと埋まってきて、いい感じの状態になった。
客層は東京と同じでいろんな世代の人が集まっていたが、大阪の方が男性が断然多かった気がする。

まず、オープニング・アクトのLinus of Hollywood。
この日も曲間にBon JoviなどのHR/HM系のイントロを弾き、悪ノリしてついにリクエストまでしていたLinus。(笑)
それ系の音楽を聴いて育ったそうで、だいたいの曲はわかるそうだ。
2ndアルバム 『Let Yourself Be Happy』 からの 「A Whole New Country」 では、Linusの曲を良く知る男性から声が掛かり、手拍子のテンポをキープしてね、なんて言う一幕もあり、始終アット・ホームな暖かいステージだった。
Linusの曲は、コーラスもThe Beach Boysばりでとてもキレイなので、次は是非バンド・スタイルで聴いてみたいものだ。 
本当に綺麗なメロディの曲ばかりで、高音ヴォイスとファルセットが曲に合っていて心地良かった。

30分のLinusのステージが終わり、いよいよRogerのステージ。
この日のRogerのお召しものは、別珍のパッチ・ワーク・ジャケットに、水玉模様の白いシャツ。もちろんレディース。
セット・リストは、東京とほぼ同じだった。
やはり男性の歓声がとても多く、JellyfishのTシャツを着た男性に “Nice Shirt!” と声かけたりして、Rogerもニコニコでご機嫌な様子。
「Pray For The Many」 にまたまた感動でジーンと浸り、続く 「Wish It Would Rain」 も大好きな3連の曲なので、この2曲の流れは、今回のステージでいちばん好きな瞬間だった。
東京よりもステージが低い分、この日は鍵盤を滑るRogerの手元もよく見え、速弾きするところとかは見入ってしまった。
メロディがとっても可愛い 「What You Don't Know About The Girl」 を歌う前にTV番組の話をし、Rogerがいちばん好きなのはロボコンだそうだ。
「Love Lies Bleeding」 では、目をつぶって陶酔しきって弾くRoger。
息の合ったバンド・メンバーとの厚みのあるコーラスも、キラキラ煌くキーボードの音も、何もかもときめかせてくれた。
アンコールでは、例の鋲付きジャケットに着替えて登場。
“1993年にこの同じステージに立っていた” と言った瞬間、大歓声が湧き、この日もアンコールでやった 「The King Is Half Undressed」 では、やはりすごい盛り上がりだった。
東京公演を見てやることを知っていても、やっぱりイントロの、あのドラムのリズムが流れてくるだけで震えた。
この曲で最後を飾り、“近い内にまた来るからね” と言って、Rogerはステージから去って行った。

東京の時もちょっとノドの調子が悪く、高音はアレンジした歌い方だったが、この日もイマイチ本調子ではなかった様子だった。
でも、Rogerの奏でるポップ・ミュージックの魔法は、またもや間違いなく夢の世界に連れて行ってくれた。
この日もゆったりと楽しめて、出口でエレベーターを待つみんなの顔が笑顔に溢れていたのが印象的だった。
恐らく来年の春頃に、また来れそうとのこと。次はどんな魔法をかけてくれるかな・・・。



★Setlist in Osaka★

・Fat Bottomed Girls -Queen cover
・Too Late For Us Now
・The Land Of Pure Imagination
・Pray For The Many
・Wish It Would Rain
・The Loser
・You Were Right
・Europe And The Pirate Twins -Thomas Dolby cover
・What You Don't Know About The Girl
・Creeple People
・Funeral For Friending(Love Lies Bleeding) -Elton John cover

~encore~
・Sandman
・The King Is Half Undressed -Jellyfish

RogerJ.ManningJr. @Club Quattro, Shibuya 10/30/06

2006-11-03 | performance


感動のライヴからもう3日も経ってしまったが、大阪のライヴも終わったところで、振り返りながらのレポ。
東京公演は、まずフジファブリックという日本のバンドのサポート・アクトから始まった。
いつも大抵知らないバンドのサポート・アクトの時は何だか退屈で、早く終らないかな~と思うのだが、このフジファブリック、なかなか良いではないか!
音も演奏もしっかりしてるし、曲はポップでVo.も良かった。
最後に本来のセット・リストより1曲追加ということで、その曲がRogerと一緒に作ったとのこと。
そこで、早くもRoger登場! 場内から歓声が上がった。
フジファブリックもKey.の人がいるので、ふたりで奏でるキーボード・セッションはかなり迫力があり、途中のソロでは弾きまくっていたRoger。
すっごく楽しそうで、フジファブリックとの息もピッタリだった。

続いて登場したのが、もうひとつのサポート・アクト。
Rogerのバンドでベースを担当している、Linus of Hollywoodのギター1本のアコースティック・ライヴ。
彼は、元Mr.BigのPaul Gilbertのアルバムでも曲を提供してベースを弾いていて、Rogerと一緒に出たInter FMの番組で、The Smashing PumpkinsのミキシングやThe CharlatansのTim Burgessのソロ・アルバムのプロデュースをしたりと、かなりいろんなミュージシャンと一緒に仕事をしていると言っていた。
前にココでも彼のアルバムを取り上げたが、意外とゴツイ身体からは想像できないような優しく透き通った声で、ポップな曲を奏でて行く。
曲間で、Bon Joviの 「Wanted Dead or Alive」 のイントロを弾いては、“おっと、違う違う・・・” とジョークを交え、The Beach Boysばりの爽やかな曲をたっぷり聴かせてくれた。
“大好きな70年代のポップ・ミュージック” と紹介して歌い出したのは、Gilbert O'Sullivanの 「Alone Again」。
“やってくれるね~” って感じだった。
覚えた日本語は “ビール、モットクレ” だそうで、笑いを誘う。
始終ほんわかとしたステキなステージだった。
30分、じっくり聞かせてくれたLinusのライヴが終わり、キーボードがセットされる。
ステージの端ギリギリまで前にセッティングされたキーボードを見て、“おぉ~近い!” と思っていたら、同じ声があちこちから聞こえた。

15分程インターバルがあり、客電が落ち、歓声が上がる。
待ちに待った、Roger Joseph Manning Jr.のポップ・ショーの始まりだ!
ステージに登場したRogerはニコニコしていて、両手を広げて “Hello! Everybody!” とごあいさつ。
いきなりアカペラのコーラスで始まった。Queenの 「Fat Bottomed Girls」 だ。
フジロックでもこの曲がオープニングだったようだが、フジで経験した人はともかく、初めて聴く私は、RogerとLinusとギターとドラムスの4人の、カッコ良くってカンペキなコーラスに鳥肌が立った。
しかし、カヴァー曲でオープニングを飾ったバンドは初めてだ。(笑)
Imperial DragのドラムスだったプレスリーにそっくりなモミアゲのEricは、ヘヴィ&タイトにリズムを刻み、そのビートで盛り上げてくれた。
続く 「The Land Of Pure Imagination」 もノリノリで、サビに行く前の “Woo!~” のかけ声も高々と響く。
Rogerの奏でる音楽は、13年前、この同じクアトロで繰り広げてくれたミラクル・ポップ・ワールドと同じだった。
Rogerも、“もう随分経ったけど、またこの同じステージに立てて、みんなの笑顔を見ることができて嬉しい” って言っていた。
“アメリカ・ヴァージョンとジャパニーズ・ヴァージョンは3曲違ってて・・・” と話始めた時、“もしや?” と思った私。
流れてきたのは 「Pray For The Many」、輸入盤に収録されている、ノスタルジック溢れるバラード。
この曲がめちゃくちゃ好きな私は、感激で思わず声を上げてしまった。
初めてCDで聴いた時と同じような、ジーンと心に沁みる感覚を生で感じることができた。
アップ・テンポの 「The Loser」 では、Rogerもフロアもノリノリ。
いちばん前に居た子に、着ていたシャツが好きって言われたRogerは、“おばあちゃんのワード・ローブの中から見つけ出したんだ” と答える。
そのシャツは、チャイニーズっぽいリボン・ボタンが付いたブルーのヘンリーネックTで、花柄の刺繍。
あんなに細くって華奢なんだから、レディースがいちばんフィットするんだろうな~。
最初着ていたジャケットも古着だろうなって思っていたらやっぱりで、レディースの古着がいちばんいいとのこと。
Thomas Dolbyのカヴァーを交え、「Creeple People」 で激しくロックン・ロール。
そのあと、The Quickのカヴァーで更に盛り上がり、“Thank You!” と投げキスをして去って行くRoger。
“えっ!? もう終わり?” と誰もが思ったに違いない。
アンコールを求める拍手がいつになく揃っていて、みんな “早く早く、もっともっと” と、気持ちがひとつになっているのがわかった。

再び登場したRogerは、素肌に布製の紺のライダース・ジャケット、鋲がいっぱいついていてキラキラしている。
フジでの衣装を写真で見たのと同じ気がしたが、皮じゃなかったんだ・・・。
こういうところが、古着の宝庫San Franciscoで育ったRogerらしい。
ギターとふたりでしっとりと流れるようなイントロで始まったのは、ちょっぴり悲しげなメロディの 「Sandman」。
LinusとモミアゲEricをを呼び、“準備はいいかい?” みたいな合図で始まったイントロ・・・。
えっ!? えーっ!! えーーーーーっっっ!!!!!
それは、Jellyfishの 「The King Is Half Undressed」 だった。
もう大興奮&大感激で、みんな大喜び、大盛り上がり。そりゃそうだ。
まさかJellyfishの曲を、RogerのVo.で聴けるだなんて予想もしていなかったので、本当にビッグなサプライズだった。
RogerはJellyfishを決して封印しているわけではないけど、でもなんか “やっちゃっていいの~?” とイントロ聴いた時は一瞬戸惑いもあったけど、ニコニコと嬉しそうにプレイするRogerの表情と、やっぱり嬉しくて仕方がないという自然とこみ上げてくる自分の感情で、胸がいっぱいだった。
瞼にJellyfishのステージがオーバーラップする。13年前が鮮明に蘇った一瞬だった。
それはそれは、本当にすごい盛り上がりだった。
Rogerがカンペキなコーラスをこなしたバンドの3人を褒めたたえたら、“LinusはJellyfishが活動していた時、15歳だったんだよ” とEricが言う。
そう、会場の客層も、Jellyfishが現役の頃はまだ小学生くらいだっただろうな~って感じの若者から、往年のJellyfishのファン、私よりも世代が上の人etc...と様々だった。
最後に、なが~いイントロで壮大なシンセの音を轟かせ、時々陶酔しながら鍵盤に指を滑らせ、Elton Jonの 「Love Lies Bleeding」 で締めくくり、あっという間のミラクル・ワールドが幕を閉じた。

本音を言うともっともっとやってほしかったけど、欲は言うまい。
なんてったって、素晴らしい夢のようなポップの世界にいざなってくれたんだから・・・。
超満員という感じではなかったので、フロアでもまったく押されることなく、自分のペースでライヴを楽しむことができ、Rogerも言ってたけど、みんながとってもいい笑顔なのを見て、“あ~、Rogerは本当に愛されてるな~” っとつくづく思った。
かく言う私も、きっと始終ニコニコ顔だったことだろう・・・。
大阪のライヴ翌日の今日は、アメリカ村を散策してたこ焼きを食べて大阪を堪能して来た。
帰りが遅くなったのでもう深夜、大阪のレポはまた明日にでも・・・。


★Setlist in Tokyo★

・Fat Bottomed Girls -Queen cover
・Too Late For Us Now
・The Land Of Pure Imagination
・Pray For The Many
・Wish It Would Rain
・The Loser
・You Were Right
・Europe And The Pirate Twins -Thomas Dolby cover
・What You Don't Know About The Girl
・Creeple People
・Pretty Please Me -The Quick cover

~encore~
・Sandman
・The King Is Half Undressed -Jellyfish
・Funeral For Friending(Love Lies Bleeding) -Elton John cover

「SMASHING MAG」 で、この日のフォト・レポートが見れます。