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駆け抜ける、痛快R&R

2007-02-22 | music : newcomer


ここにまたひとつ、お気に入りのUKのガレージ系若者R&Rバンドを見つけた。
去年既にBRITISH ANTHEMSで初来日も果たしているので、遅いっちゃあ遅いのだが、ひょんなことから聴くきっかけがあり、“おっ!? なかなかいいじゃん” と思ったこのバンド。
UKと言っても彼らはScotlandの北部Dundee出身。
平均年齢18歳の同じ高校出身の4人組The Viewの、今年1月にリリースされたデビュー・アルバム 『Hats off to the Busker』。
いやいや、かなりいい感じで痛快なロケン・ロールをやってのけている。
確かにまだまだ荒削りだが、キャッチーなメロディ・ラインにすごく親しみが感じられ、今UKでも注目度No.1の彼ら。
初のUKツアーのチケは、なんと1時間で完売したらしい。
デビュー・アルバムによく感じられる最もフレッシュな輝きを放ち、のびのびと演奏している。
とにかく軽快で、自然とステップを踏みたくなるような弾むビートの曲が多くて、聴いていて楽しくなる。
BabyshamblesのPete Dohertyに渡したデモが気に入られたとか、“ポスト・リバティーンズ” “ポスト・アークティック・モンキーズ” なんて言われなくても、もう彼らはこのデビュー・アルバムで十分ひとり立ちしている。
M-2 「Superstar Tradesman」 の駆け抜けるようなギター・ロックはとても気持ちがいい。
M-3 「Same Jeans」 やM-6 「Don」 のトラディッショナルな雰囲気は、Scotlandならではのケルティックっぽさがミックスされているからであろう。
ワン・パターンにならず、ケルティック・フォークやスカやガレージ・ロックの香りの、いろんなスパイスを効かせた元気なナンバーが続く。
そして、Drs.の上手さにあるな~と感じさせずにはいられない躍動感あふれるビートは、あなどれない。
シンプルなメロディで、遊び心もたっぷり取り入れているので飽きない。
M-8 「Wasted Little DJ's」 のサビのメロディなんか、思わず心くすぐられてしまう。
ギターのカッティングがカッコいいM-10 「Dance Into The Night」 は、正にタイトル通りにダンスしたくなってくる。
どの曲もどこかに必ずツボにハマる部分があり、次は何?とワクワクさせられてしまう。
oasisやThe Verveのアルバムを手がけたOwen Morrisプロデュースで、oasisに似ているとも言われているみたいだが、個人的にはそうは感じない。
oasisやThe Verveよりもウンと明るいし、疾走感があふれていて元気がある。そしてやはり何度も言うが、聴いていて楽しくなる。
5月には単独来日が決まり、これから益々盛り上がって行くに違いないだろう。(ライヴが楽しみだ♪)
余談だが、Vo.以外の3人がイケメンというのが(決してVo.のルックスが悪いわけはない!)、ちょっとおかしかったりする。

いろんな魅力がいっぱいの愛聴盤

2007-02-11 | music : special


まだまだLeelandマジックから抜け出せず、彼らのCDばかり聴いている毎日で、新しく買ったCDも全然聴いていない。
でもその昔あまりにも聴き過ぎて、逆に飽きてしまったということを何回か経験しているので、ちょっとこの辺でひと息入れようと思い、やっといろいろ聴き始めたところ。
新しく購入したものは、サラッと一度通して聴いたくらいでまだ記事にできるほどではないので、今日はこのアルバムを紹介。
このブログでは既におなじみのSplitsville。『The Complete Pet Soul』のトピではみなさんから様々な熱いコメントを頂き、彼らの魅力を知って頂いた。
そんな彼らが2001年に日本でのみ発表したベスト・アルバム、『Bulk Rate : Splitsville 1997-2000』。
2nd 『Ultrasound』 と3rd 『Repeater』 からの楽曲を中心とした構成に、ライヴ音源を数曲プラスされた、とても充実した内容のベスト盤だ。
『The Complete Pet Soul』 だけのイメージで聴くと、ちょっと驚くかも知れないが、“これがSplitsvilleなんだよ!” と声を大にして言いたくなる、そんな彼らの魅力がギッシリ詰まっている。
胸が詰まるくらいに切ないメロディで、今でもいちばん好きな曲と言える 「Yearbook」 で始まり、力強くキャッチーでポップなナンバーが目白押し。
いや、彼らの音楽は、ただ単なるドリーミー・ポップではない。敬愛する多くのミュージシャンの要素を吸収し、それを自分たちのものにして “Splitsvilleの音” を極めているのだ。
ポップなメロディに絡んでくるヘヴィなギター・リフ、時にはパンキッシュなVo.、素晴らしいコーラス、耳に残る忘れられないメロディ。
パンチの効いた激しいメロディのあとに、突然抜けるような青空の如く澄み切ったヴァースに入るところなんかは、もう彼らの最大の魅力。
一曲The Whoのカヴァー 「Our Love Was」 が収録されていて、これはThe Whoのトリビュート・アルバムにも収録されているのだが、Splitsvilleが料理した 「Our Love Was」 は、彼らの幅広い音楽性を感じることができる。
歌い出しのコーラスと、“Love, Love, Love.....” のコーラスは涙もの。
そしてライヴ音源では、更にパワー・アップした熱い音を聴かせてくれる。
彼らのライヴ未体験の私には大興奮の音源で、しかもSplitsvilleの前身バンドThe Greenberry Woodsの曲 「Adieu」 が収録されている。
この曲は、Splitsvilleのステージでもよくプレイしているとのこと。GBWの原曲とはまた違った 「Adieu」 が聴ける。
「Manna」 はスタジオ・ヴァージョンも収録されているので、ライヴとの違いがハッキリ楽しめる。
この数曲のライヴ音源だけでも、彼らのライヴがいかに熱くて楽しいかも手に取るようにわかる。
タイトルの “Bulk Rate” とは、USの大型小包のディスカウント料金のこと。
そのタイトルさながら、この一枚だけでもいろんな魅力がギッシリ詰まっていて、とっても楽しめる。
最後にHuseman兄弟の会話がシークレット・トラックとして収録されているのだが、この会話がサイコーにお茶目。
“終わっちゃったね~、もう一曲やる?” “うーん、でももうアンコールでやる曲ないしな・・・” “じゃ、もう一回聴いてもらおうぜ” “それはいいアイデアだ!” と言って “3・2・・・” とカウントされ、プレーヤーをリピート機能にしておくと、また 「Yearbook」 が流れてくるという憎いアイデア。
地元Baltimoreのクラブで地道にライヴ活動を続けている彼らだが、さて、5thアルバム 『Incoporataed』 からもう3年以上経ったことだし、そろそろニュー・アルバムを聴きたいところだ。


The Greenberry Woodsのトピはこちら
5thアルバム 『Incoporataed』 のトピはこちら

Leeland @Harajuku Astro Hall, Tokyo 02/06/07

2007-02-06 | performance


初めてCDを聴いた瞬間、即座にどっぷりハマり、大好きになったLeeland。
国内盤のリリースが3月21日に決まったのを期に、プロモーション来日とライヴ。来日が発表になってから、それはそれは楽しみにしていたその日が遂にやってきた。
原宿アストロ・ホールでの “ニュー・ブラッド vol.39”。客の入りはイマイチだったが、心温まるとてもまとまったライヴだった。

10分押して客電が落ち、両手を広げたイエス・キリストのポーズでメンバーが登場。
CDデビュー直後にバンドを離れたリード・ギターのJeremish Woodの代わりにサポート・メンバーを加え、アグレッシヴなナンバー 「Can't Stop」 でスタート。
Leeland(バンド名と混乱するので、以下は彼の愛称Leeで・・・)のVo.は、私が心底惚れた大好きな歌声。
ライヴでもその歌声は変わらず、澄みきったハイ・トーンながらも力強く、とても安定していた。
横でキーボードを弾くLeeの兄Jackは、陶酔しながら鍵盤に指を滑らせ、コーラス以外にも時折 “Ah~!” と感極まったような声を上げていて、それがまた曲にすごくハマっていた。
それにしても、「Soud of Melodies」 「Yes You Have」 「Tears of the Saints」 の3連発は圧巻だった。
「Soud of Melodies」 を生で聞くと、初めて彼らの音楽に感動した時が蘇ってきて、感無量。
Leeがアコギに持ち替えて歌い出した私のいちばん好きな曲 「Yes You Have」 は、CDとは少しアレンジを変え、サビの部分をアコギとキーボードだけのバラード調で歌い、そしてドラムが入ってイントロへと繋がり、アコースティックなヴァースからぐいぐい引っ張ってエモーショナルなサビへと展開。
ぐわ~んと盛り上がったあとは、「Tears of the Saints」 でしっとり。
その後、ステージにはLeeだけが残って、「Carried to the Table」 のピアノ弾き語り。
USでのワーシップ・ライヴでは、かなり定評のあるこの曲。美しいメロディと神聖な歌詞がとても感動的で酔いしれた。
再びバンド・スタイルになって、「How Wonderful」 を情感たっぷりに歌いあげ、次の曲の前に “東京がとっても気に入ったし、この服も今日買ったんだよ” とすごく嬉しそうに言って、ハンド・クラッピングを誘導し、「Lift Your Eyes」 へと進む。
そのあと、国内盤に入るエキストラ・トラック 「Peotry in Motion」 で本編終了。
アンコールはすぐに戻ってきて、メランコリックな気持ちを歌った 「Too Much」 に続いて、みんなで盛り上がれる楽しいナンバー 「Hey」。
“Hey” と掛け合いで叫んだあと、ハンド・クラッピングで楽しく盛りあがった。

弱冠18歳とはとても思えないくらいの、安定した歌を披露してくれたLee。
でも一曲終わる毎に恥ずかしそうにお辞儀する彼は、やっぱり18歳というあどけなさの残る青年だった。
Leelandの煌く透明な音楽に欠かせない、ピアノの音色を聴かせてくれた兄Jack。
Jackの後ろでニコニコしながら、控えめにベース音を響かせていたLee & Jack兄弟の従兄弟Jake。
そして、とても23歳とは思えないくらいの貫禄で、バンドの要を支えていたドラムスMike。
まだまだこれから、という部分はあるけど、完成度の高いCDにも劣らぬ楽曲の素晴らしさはライヴでも十分に伝わったし、何よりも “聴かせる” ライヴだった。
今後の更なる成長に、注目し続けてサポートして行きたいと思う。