この人懐っこい表情が目に留まり、タワレコで試聴。その時は、サラっと全曲頭出しで聴いただけだったが、どの曲も爽やかで柔らかく、とっても自然体の綺麗なメロディが印象的だった。
USフィラデルフィアを拠点に活動する弱冠22歳のSSW、Matt Duke(マット・デューク)。
7歳の時からピアノを始め、Van Morrison(ヴァン・モリスン)やThe Band(ザ・バンド)、Pearl Jam(パール・ジャム)などに影響を受けながら、お母さんのヴィンテージ・ギターを弾き始めたと言う。
高校のときから地元のコーヒー・ハウスなどでライヴ活動を行い、フィラデルフィアのドレクセル大学が設立したMAD Dragon Recordsより2006年にデビュー。(ちなみに、The Redwalls(レッドウォールズ)のセルフ・タイトル・アルバムも、MAD Dragon Recordsからのリリース。)
そしてこのアルバム 「Kingdom Underground」 は2ndで、Rykodisc配下よりリリースされた。
試聴した時、M-1 「Father, The Son and the Harlot's Ghost」 を聴いてコレはイケる!と確信した。何とも言えない爽やかなメロディがス~ッと頭に入り、私の右脳を刺激した。
通して聴いてみてもその第一印象は裏切ることなく、全10曲、オーガニックで癒し効果抜群の気持ち良い曲ばかり。
最初は手作り感丸出しの打ち込みのドラムの音が気になったM-2 「Sex and Reruns」 も、サビの軽快でポップなメロディを聴くと気にならなくなってしまい、その覚えやすいメロディはつい口ずさんでしまうほど。
ダークでドラマティックなM-4 「I've Got Atrophy on the Brain」 は、アコギとピアノでロック調に力強く歌い上げ、それまでのふわ~っとした感じを一気にくつがえす。
そしてガラっと雰囲気が変わって、アコギのとても美しいイントロで始まり、切なく歌うM-5 「Rabbit」。この曲は、場違いではあるが、USのセレブリティ・ゴシップ・ブロガーのPerez Hilton(ペレズ・ヒルトン)がブログで大プッシュしたため、一躍注目を浴びることとなった。
きっかけはどうあれ、全米の多くの人がこれで彼のことを知ることとなった。しかし、この曲は本当にステキな曲なので、いろんな人が共感するのも頷ける。
ワルツのリズムが心地良いM-7 「Happy Hooligan」 は、後半いろんなパターンのメロディが展開し、だんだんと盛り上がって行くのが気持ちいい。
この曲からM-9 「Walk It Off」 まではアップ・テンポの曲が続くが、悲しげなメロディにのって、語りかけるように歌う最後のM-10 「Spilt Milk」 で、再びしっとりと穏やかになる。
クセのない声で、時々ファルセットが入るのもとても自然で、爽やかで美しいメロディにとても合っている。
今はかなりの頻度で聴いていて、是非デビュー作もチェックしなければ・・・と思っている。
Jason Mraz(ジェイソン・ムラーズ)や、James Morison(ジェイムス・モリソン)辺りのSSWが好きな人には、きっと彼のことも気に入ると思う。
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