without A trace

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ライヴに向けて・・・

2006-07-30 | music : favorite


チケットを買っていたものの、仕事のスケジュールで行けないことがわかり、諦めていたライヴ。
ところが一週間前を切ってから、急遽シフト交代が発生した為、行けることになった。こういう時って、いつも以上に嬉しいものである。
そこで、暫く聴いていなかったCDを聴き込んで、ライヴに向けて予習予習。
いったい誰のライヴなのかと言うと、それはMark Gardener。シューゲイザー・シーンの中心的バンド、元RideのVo.Markである。
今回、FUJI RockでrinoceroseのゲストVo.として出演することになっているMarkが、FUJIの後2度ライヴを行なう。

先にライヴ盤が出ていたが、2005年にリリースされたこのアルバム 『These Beautiful Ghosts』 は、全編アコースティック・ギターを基調とした美しいメロディが並ぶ。
私のいちばん好きなRideのアルバム、『Carnival Of Light』 の頃を思わせる。
The Animalhouseでやっていた打ち込みサウンドも取り入れ、コーラスの多重録音やファズを使ったサイケな音を出したりと、シンプルながらも様々な試みをしている。
Goldrushという地元Oxfordのバンドと作ったこのアルバムは、苦難を乗り越え、時を経て肩の力が抜け、優しさを帯びたMarkのVo.が伸び伸びと広がる。
久しぶりに聴いてみて、改めてそれを感じる。
派手な曲はないが、一曲一曲を丁寧に作り上げているという印象が強く、ノスタルジックなしっとりとした曲が多い。
軽快だが厚みがあって、美しく切ないメロディのM-1 「Snow In Mexico」。
天使が舞い下りてきたかのような、ふわふわしたM-3 「To Get Me Through」。
M-4 「Magdalen Sky」 は、Ride時代の 「Twisterella」 や 「1000 Miles」 とかに通じる煌びやかさがあり、Mark自身はこう言われることを嫌うかも知れないが、やはりRideを思い出さずにいられない曲も何曲かある。
特にインストのM-8 「Flaws Of Perception」 は、ノイジーな轟音ギターが炸裂し、懐かしささえ感じる。
アコースティックながらも壮大なスケールをかもし出す、M-6 「Summer Turns To Fall」。
タイトル・チューンのM-7 「Beautiful Ghosts」 や、ヴァイオリンの綺麗な音色が冴え渡るM-11 「Water And Wine」 は本当に美しいメロディで、彼の優しい歌声が沁みる。

ライヴは日本のバンドとの共演スタイルだが、恐らくMarkは弾き語りであろう。
たっぷりと優しい歌声に触れることができそうで、楽しみだ。
もし、「Twisterella」 とか 「Chelsea Girl」、「OX4」 なんか演ってくれたら、悲鳴を上げそうだ。(笑)

自宅でちょっぴりライヴ気分

2006-07-29 | music : favorite


欲しい欲しいと思いながらも後回しになってしまい、やっと購入したRooneyのDVD 『SPIT & SWEAT』。
彼らのホームタウンである、ロサンゼルスのWiltern Theaterで行なわれた2004年夏のライヴより、「Simply Because」 「Blueside」 「Daisy Duke」 「Paralyzed」 「Popstars」 「If It Were Up To Me」 「I'm Shakin'」 「Sorry Sorry」 の8曲を収録。
その合間に各メンバーのインタビューや昔のスタジオでの演奏風景、ツアー中の様子などが織り込まれている。
その中には、ちょこっとだけ2003年のサマソニの映像もある。
そして嬉しいのが、ライヴ映像とは別にPVが4曲収録されている。
会場は超満員、そして女の子が多い! 
音声を消すと、まるで若い頃のDeep Purpleか何か?と錯覚してしまいそうな、70年代風ルックスの彼ら。
ステージでは、白いスーツに身を包んだVo.&GのフロントマンRobertはもちろんのこと、GのTaylorがとても華があってカッコ良く、ギュイ~ンギュイ~ンとディストーションを効かせたギターを唸らせる。
LouieのKey.は心地良くレイドバックして、NedとMatthewのリズム隊も息がピッタリ。
ツアーの最終日とあって、オーディエンスに向かって “みんなのエナジーが必要なんだ~~~っ!” と叫ぶRobertが熱い!
「Blueside」 のイントロのギターのストローク、「I'm Shakin'」 のイントロのポップなKey.の音色。
たった8曲だが、Rooneyというバンドの “音” はこうだ!と、ビシッと印象付けるライヴ。
Taylorの自宅ガレージでセッションしている、2001年の 「If It Were Up To Me」 の映像はかなり貴重。
みんなまだ幼い顔つきで髪も短く、Louieなんて確かまだ高校生。
ウケたのが、トイレでのインタビュー。何故にトイレ?
Taylor、Robert、Nedと3人並んで用を足している。一番早く済ませたTaylorがカメラに向かって話し出すのだが、あとのふたりはずっと背中を向けたまま。
時折Robertが顔だけ振り向いたりして様子を伺い、でもTaylorはずーっと喋り続ける。
その内Nedが終え、Taylorの話を聞いているが、Robertはまだ背を向けたままで、本当に長い用足しだった。(笑)
それに突っ込むこともなく、Taylorは淡々とハイスクールの頃のバンドのことなどを話す。
LouieがUSを飛び出してロードに出た時のことを語る際にサマソニのことに振れ、少しだけかいつまんだ映像が流れる。
“UKはとてもいい所だけど食事がイマイチ” と言っていたが(確かに!)、そんなUKツアーでのオフ・ステージの様子はとても楽しそうだった。
恐らくライヴの本編最後の曲だろう・・・ 「I'm Shakin'」 では、興奮した女の子が次々にステージに昇ってRobertに抱きつき、セキュリティに戻されるという一幕も・・・。
すごい盛り上がりで、映像を観ているだけでちょっとしたライヴ気分が味わえる。
PVは 「If It Were Up To Me」 「Blueside」 「I'm Shakin'」 「Popstars」 の4曲で、 「Popstars」 以外は全部プレイ・スタイル。
特に 「If It Were Up To Me」 は本当にみんなまだ若くてフレッシュだ。
「Popstars」 はこのDVDで本邦初公開のPVとのことで、貴重な映像となっている。
待ってました!の新作が、10月にはリリースされる彼ら。
先行シングルの新曲 「Tell Me」 が先頃オフィシャル・サイトMySpaceで発表されたが、これがまた素晴らしい曲で、ニュー・アルバムへの期待が膨らむ。

改めて感じるピアノの魅力

2006-07-25 | music : newcomer


最近はピアノの音色がロック・ミュージックと絶妙に絡み合って、美しいサウンドを生み出すバンドが多い。
彼らのバンド・サウンドも、ピアノをフィーチャーした綺麗なメロディを奏でていて、改めてピアノの音の魅力を実感させてくれた。
USコロラド州デンバー出身の4ピース・バンド、The Frayのデビュー・アルバム 『How To Save A Life』。
既に昨年リリースされ、地元のラジオ局では常連のバンドで、それがどんどんと全土に広がって行き、更にBen Foldsやweezerのサポートで知名度を高めた。
ようやく国内盤のリリースが決まり、もうすぐリリースされるようだが、“こころの 処方箋” という国内盤のサブ・タイトルが、なかなか的を得ている。
本当に心のもやもやを消し去ってくれるかのような、リラックスできる音を届けてくれる。
ピアノはVo.のIsaac Sladeが弾いていて、その情感溢れる歌とピアノの旋律は聴き応え十分で、とても新人とは思えぬ実力がみなぎっている。
基本的にはアメリカン・ロックで、とびきり明るい曲はなく、どちらかと言えば切ないメロディのマイナー・コードの曲が多い。
しかし決して暗くはなく、感情のこもったVo.と抑揚の効いたピアノを中心に、ココというところに入ってくるギター、密かにサウドを盛り上げているベース&Drs.がバランスの良い味を出している。
M-1 「She Is」 のイントロを聴いただけで、“期待できる!” と思った私だが、その期待は最後の12曲目まで裏切ることはなかった。
地元ラジオ局のヘビー・ローテーションだった1stシングルM-2 「Over My Head (Cable Car)」 は、やはりヒット性が兼ねそろっている。
M-4 「All At Once」 やM-6 「Heaven Forbid」 は、70~80年代のアメリカン・ロックのテイストも感じられ、哀愁あるナンバーである。
Jackson Browneの名曲、「Hold Out」 や 「Pretender」 辺りを思わせる部分なんかが見え隠れする。
M-7 「Look After You」 は本当に美しい曲。
どちらかと言うと、最近のピアノを取り入れたエモ系バンドの音よりもうんと落ち着いた感じで、Coldplayなんかが好きな人にも、はたまたCounting CrowsやWallflowers辺りの、渋めのアメリカン・ロックが好きな人にも好まれると思う。
ゆったりと、そしてちょっとノスタルジックな気分にさせてくれる。
まだまだ結成から4年しか経っていない彼らだが、とても味のある曲を生み出すバンド。今後の成長が楽しみである。

MySpaceの試聴はこちら

最強タッグ復活!

2006-07-23 | music : favorite


Soul Asylumのニュー・アルバムがリリースされた5日後の7月17日、ミネアポリスが誇る最強タッグ・バンド、Golden Smogの通算4枚目(EP含む)のアルバム 『Another Fine Day』 が、Ryan Adamsでお馴染みのレーベルLOST HIGHWAYよりリリースされた。
こちらも実に8年ぶりのアルバムである。
バンド結成当時は覆面バンドとして、各々のメンバーの名前も伏せていたが、今ではその名も明かし、今年はツアーも行なっているれっきとしたバンド。
初期は元ReplacementsのChris Marsが居て、Big StarのJody StephensやHoneydogsのNoah Levyが参加したりして、始めた当初は気の合う仲間が集まってセッションし、遊び心満載の楽しんで作っちゃいました~的な部分があったが、どんどん知名度もバンドそのものも大きくなって行った。
今回のレコーディング・メンバーは、オリジナル・メンバーGary Louris、Marc Perlman(共に元The Jayhawks)、Dan Murphy(Soul Asylum)、Kraig Jarret Johnson(元Run Westy Run)と、途中参加のJeff Tweedy(Wilco)。
もうこのメンツを見るだけで、どれだけの実力派が揃っているか一目でわかる。
いやぁ、もうその完成度と言ったら脱帽もの。一曲目から唸らせる。
デビュー・アルバムのEPはオール・カヴァー・ソングだったが(レビューはこちら)、その後の2枚はネオ・カントリー寄りだったのに比べ、今回のアルバムはいろいろなテイストが散りばめられたアルバムになっている。
Marc Perlman以外全員がそれぞれリードVo.を取り、オルタナ・ロックあり、ポップな曲あり、Gram Parsonsを彷彿させるようなカントリー・ロックあり、The Jayhawksを思い出させるような切ない曲ありと、とても楽しめる。
私はKraigの温かい歌声が大好きなのだが、そのKraigがVo.のちょっダークなナンバーM-1 「You Make It Easy」 で始まる。
響き渡るギターの音色がアクセントの、勢いがあって軽快なラヴ・ソングだ。
GaryがVo.のアルバム・タイトル・チューン、M-2 「Another Fine Day」 では、ガラッと雰囲気が変わり、アコギとウーリッツァとピアノとディストーションの効かせたギターが絶妙に絡む。
M-3 「5-22-02」 は女性のバック・コーラスも入ったとっても可愛いらしい曲で、ほんわかしてくる。
彼らがハイ・スクール時代にガレージでセッションをしていた頃の感情が、溢れんばかりに湧き出てくると言うM-5 「Corvette」 は、とってもポップで疾走感のあるナンバー。
これまでに亡くした多くの友のことを歌ったもの哀しいM-7 「Listen Joe」 は、GaryとJeffのツインVo.が切なくハモる。
Soul Asylumでは殆んどコーラスに徹しているDanがVo.の M-9 「Hurricane」 や、KraigがVo.のM-11 「Frying Pan Eyes」 は力強いロック・ナンバーで、Marcのベースが軽快にズンズンと奥まで響く。
ハーモニカが印象的なGaryがVo.の M-12 「Gone」 は、愛と死を歌った切ないナンバー。
M-14 「I Can」 のハーモニーは絶妙。優しく響くスライド・ギターとキーボードの音色が心地良い。
全15曲、とても聴き応えのある楽曲ばかり。
JayhawksもRun Westy Runも解散してしまったので、是非このバンドでライヴを堪能してみたいものだ!

カテゴリの整理

2006-07-21 | others


今年のサマソニは不参戦なので、去年サマソニ出演者に関して投稿した “SUMMER SONIC(期間限定)” というカテゴリの記事を、通常に切り替えた。
そこで、改めてこのブログのカテゴリの、私なりの分類の意味を今一度紹介しておこう。

「special」 ・・・私にとって特別な存在であり、群を抜いて好きなアーティスト。
「favorite」 ・・・その名のとおり、好きな音楽・アーティスト。お気に入りのアーティスト。
「basics」 ・・・私の基本となっている音楽・アーティスト。
「newcomer」 ・・・新人という意味ではなく、私が初めて出会った音楽・アーティスト。
「various」 ・・・V.A.ものも含むが、いろいろな音楽について。邦楽もここに入る。
「normal」 ・・・全て好きではなくても、“このアルバムは好き”というような音楽・アーティスト。
「performance」 ・・・その名のとおり、ライヴやコンサートのレポなど。
「others」 ・・・その他もろもろ。音楽以外の話題もあり。
「cinema」 ・・・映画のこと。

心のビタミン剤

2006-07-19 | music : normal


これもだいぶ前に購入していて、やっとちゃんと聴いたアルバム、David Meadの最新作 『Tangerine』。
Fountains of WayneのAdam Schlesingerがプロデュースした、2001年リリースのアルバム 『Mine & Yours』 で初めて彼の音楽を聴き、楽曲のレベルの高さに “これはイケル!” と思った。
彼のCDがうちの棚に並ぶのはこれが2枚目だが、今回のこのアルバム、かなり大人のしっとりした静かなアルバムに仕上がっている。
自ら年代別に、Gershwin → Cole Porter → Paul McCartney → Elvis Costelloがルーツだと明かす彼。
PaulとCostelloのポップ・ミュージックのカリズマ性に関しては言うまでもないが、アメリカの象徴とも言えるクラシックな曲を世に送り、アメリカの音楽界の父と称されたGershwin、ミュージカルとスタンダード・ジャズ作曲の第一人者Cole Porterからの影響。
これが、今回のアルバムに多大に出ている。スタンダード・ソングの要素をふんだんに取り入れた、とても落ち着きのあるアルバムだ。
目立つ曲や弾けた曲は一切ないが、じっくりと落ち着いて聴くのにはもってこいのアルバム。
そして繰り返し聴いていると、彼の歌声がとても魅力的なことに気付く。
“歌” というものをとても大切にしているシンガーだと感じる。
突然不意に入るのだが、不思議とわざとらしさを感じさせないファルセットも、心地良い。
今回のプロデューサーは、The Autumn Defense(レヴューはこちら)のメンバーでもあり、Swan DiveやMatthew Sweet、Marshall Crenshawを手がけた、パワー・ポップ界には欠かせない存在のBrad Jones。
彼は、本当にひとつひとつの音の隅々まで、とても丁寧、且つ繊細に表現させることがきるプロデューサーだと思う。
David Meadの作リ出す楽曲のセンスが上手く融合して、このアルバムが出来上がったんだな~と感じさせられる。
ピアノの音色、ブラシを使ったスネアの音、響き渡るストリングス、オルガンの温かさ・・・それらがとっても綺麗な音を奏で、ゆったりとした気分に陥る。
『Mine & Yours』 のほんわかとした甘いポップ・ソングとはひと味違う、David Meadの魅力が垣間見られる。
うだるような暑さから一変して、一気に涼しくなった今夜みたいな夜に雨の音を聞きながら聴くと、とっても気持ち良くって浸れる。
決して派手ではないが、“歌” を聴かせてくれる、心のビタミン剤のような、幻想的でリラックスさせてくれる一枚である。
Ron SexsmithやMichael Penn、Simply Red辺りが好きな人にもオススメ。

試聴はMySpaceで!

お洒落でクールなポップン・ロック

2006-07-17 | music : newcomer


このアルバムは2ndだが、私には初体験のバンド。
タワレコでジャケが目に留まり、1曲目だけ試聴しただけで、その夜迷わずHMVでオンライン・オーダーをした(その方が安いので・・・笑)。
Head Automaticaの 『Popaganda』。
コレ、めちゃくちゃポップでめちゃくちゃカッコいい!
パワー・ポップ・フリークには、たまらないくらいに気持ちのよい音を聴かせてくれる。
キャッチ・コピーに “early days of Elvis Costello meets weezer” とあるが、キーボード・サウンドの使い方や弾け具合は、確かにCostelloっぽい。
GlassjawのVo.であるDaryl Palumboのプロジェクトで、1stとこのアルバムとでは、サウンドが全然違うらしい。
1stはエレクトロだったらしく、そんな1stを知らない私だが、このアルバムに出会えただけで十分満足だ。
Vo.の力強さも気持ちいいし、ただ単にポップなだけではなく、ダンサブルなナンバーあり、パンクっぽい曲あり、思いっきりロックなナンバーありと、バラエティに富んだ楽曲が並ぶ。
オープニングを飾る 「Graduation Day」 は、イントロから歌へと入って行く感やサビの覚えやすいメロディが、それはそれは憎いくらいにポップ。
またまた3連好きの私を唸らせたM-5 「Scandalous」 は、80年代のUSのプロム・パーティでクライマックスにかかっていたような曲。
なんとなくノスタルジックな気持ちにさせるロッカ・バラードで、存分に酔わせてくれる。
M-6 「Curious」 の疾走感溢れるドライヴィン・ポップ、M-7 「God」 やM-9 「Million Dollar Decision」 の弾けんばかりの親しみやすいポップなメロディ、M-10 「She's Not It」 のメロディ展開とギター・ソロetc...
そのどれもが身体全体で音を感じることができ、いろんな箇所が心地良くツボに入りまくりのアルバムだ。
スリーヴのモッズ・スーツに身を包んだメンバーも、お洒落でカッコいい。

どこか懐かしい音

2006-07-15 | music : newcomer


少し前に購入していたものの、なかなかゆっくり聴く時間がなく、更にそんな間にSoul Asylumの新譜が出たりして益々聴く機会を逃がしていた何枚かの新譜。
その内の一枚を、今日はピックアップ。
急にめちゃくちゃ暑くなって熱帯夜の続く昨今だが、このバンドのキラキラしたサウンドを耳にすると、少しでも涼しげな感じになる。
UKはブライトン出身(The Kooksと同郷)の4人組ギター・ポップ・バンド、Upper Roomのデビュー・アルバム 『Other People's Problems』。
なんだか久しぶりに、ちょっとどこか懐かしい90年代辺りのUKギター・バンドを彷彿させるような音に出会った。
青空に突き抜けて行くようなキラキラしたメロディと、ちょっぴり甘く切ないメロディが琴線に触れる。
音的にはThe Smiths辺りを思わせるが、個人的主観としてはMorriseyと違って、Vo.の声が私の耳にすんなり入ってくるので、とても聴いていて心地良い。
清涼飲料水のような、爽やかさを絵に描いたような音楽である。
こういう音はUKならではの音で、特にコレと言った新しい音ではないが、正統派UKスタイル・ギター・ポップと言った感じ。
2004年にシングル・リリースされたM-1 「All Over This Town」 に始まり、この曲で感じる期待感は最後まで衰えずに、全12曲、全て4分以内の煌くポップ・サウンドを打ち出している。
ギターのキラキラ感が絶品のM-2 「Black And White」 は、サビの展開にぐっとくるし、M-3 「Leave Me Alone」 は私の最も好きな3連で、自然と身体が揺れる。
M-6 「Kill Kill Kill」 も聴き逃せないナンバー。
奇をてらったアレンジやメロディ展開はないが、一曲一曲が冴えている。
素直でシンプルでキャッチーなメロディと、ギターの渇いた音が気持ち良くって、聴いていて思わず口元がほころぶアルバムだ。

今日はコレしかない!

2006-07-12 | music : special


あぁ、またか・・・と思った方はごめんなさい。またお付き合い下さい。(笑)
私にとって、今日7月11日という日がこれほどまでに待ち遠しい日はなかった。
前からもう何度もココで告知していた、Soul Asylumの8年ぶりのオリジナル・スタジオ・レコーディング・アルバム 『The Silver Lining』 の発売日。
昨夜本国USでは、Jay Lenoがホストを務めるNBCの有名なトーク・ライヴ番組 「The Tonight Show」 に出演し(カナダの友達から “録画したよ!” というメールが来た)、発売日の今日は、Hollywoodのタワレコでインスア・アコースティック・ライヴを行い、夜は老舗のライヴ・ハウスTroubadourでライヴ。
あ~~~、本当に行きたかった・・・。昨日の出張さえなかったら、すっ飛んで行ってたことだろう・・・。
何度も何度も強行手段を考えては思案したが、やはり無謀だったので諦めざるを得なかった現実。(泣)
今日CDを買った後、スリーヴを読みたかったので、帰りのバスの中で待ちきれずに開封。
最後に記された “This album is dedicated to the life & memory of Karl Mueller 1963-2005” の文字と、若かりし頃のKarlの写真を見て目頭が熱くなった。
スリーヴの写真はDaveが撮ったもので、彼が住むハリケーン・カトリーナで打撃を受けた、New Orleansの痛ましい風景が収められている。

去年のNYでのライヴやMySpaceやEPで、殆んどの曲は聴いていたものの、やはり一枚のアルバムとして通して聴くのは何とも言えない感慨深いものがある。
帰宅が遅かったのだが、もうさっきから何回くり返し聴いていることだろう・・・。
“好きだから当たり前” と言われればそれまでだが、感情を押しこらえてもやっぱり自信を持ってオススメできる傑作だ。
プロデューサーは、BostonやStingを手がけたSteve Hodgeで、ソウルフルなアメリカン・ロック・アルバムに仕上がっている。
力強いロック・ナンバーあり、メロディが美しいミディアム・ロック・バラードあり、ソウルフルで切ないナンバーありと、いろんな曲調が折り込まれている。
1stシングルの 「Stand Up And Be Strong」 で幕開け。
この曲はもう何度も何度も聴いているが、メリハリのある曲調がアグレッシヴに盛り上がり、“They are back!!” という言葉がこれほど相応しい曲はないと言える。
M-2 「Lately」 は、ほのかにDanのルーツでもあるカントリーの香りがする軽快なロック。DaveとDanの息の合ったコーラスの掛け合いが絶妙。
ライヴで必ず “Karlに捧げる・・・” と言ってプレイする M-3 「Crazy Mixed Up World」。
甘くて美しいメロディが際立つ、ソウルフルな曲。特にイントロとサビのメロディ・ラインは泣けてくる。
そして、「Without A Trace」 を歌う時と同じように、足踏みしながらリズムを取って歌うDaveの姿が目に浮かぶ。
ひときわ聴き入ってしまい、Karlとのいろいろな思い出が走馬灯の様にに駆け巡り、涙が止まらなかった。
疾走するロック・ナンバー、M-4 「All is Well」 とM-5 「Bus Named Desire」 に続くM-6 「Whatched a Need」 のメロウでソウルフルなミディアム・ナンバーは、心安らぐ。
ハリケーンでズタズタにされた自分の住む街への復興と希望を歌ったM-7 「Standing Water」 の切なく、でも力強いメロディ。
(7月6日にミネソタ州St.Paulで行なわれたフェスティバル “Taste Of Minnesota” のステージに登場して 「Stand Up And Be Strong」 を一緒に歌い、会場を大いに沸かせたDaveの3歳になる息子Eliくんが着ていたTシャツには、“RENEW ORLEANS” という文字が書かれていた。)
特に間奏のギターのメロディが胸を打つ。こういうメロディを奏でられるのは、彼らならではだろう。
“成功というものは、決して甘いものではない” と、彼らが体験してきた現実を歌ったM-8 「Success is Not Sweet」 は、歌詞に耳を傾けるだけで切なくなる。
ライヴではもう以前からお馴染みの曲、M-10 「Oxygen」 での語りかけるような歌い出しからサビのコーラスへとドラマティックに展開していくDaveのVo.は、感情が高ぶって行き、ズンズンと響くベース音と弾けるギターの音が絡み合う力強いロック・ナンバーだ。
ラストのM-12 「Slowly Rising」 は、初期のパンキッシュな彼らを彷彿させるようなナンバー。
そして、曲が終わって暫くすると聞こえてくるアコギの音。昔のデモで、シークレット・トラックの 「Fearless Leader」 。
DaveとDanのアコギだけのしっとりとしたナンバーで締めくくる。憎い試みである。

“このアルバムを聴く度、Karlを思い出すに違いない” とDaveとDanが言うように、Karlのリハビリ中にレコーディングされ、5曲は彼のベースによるもの。
それらの曲では、特にベース音に耳を傾けてしまう。
そして、現メンバーのTommy Stinsonも何曲かプレイしている。
KarlとTommyの固い絆がなかったら、今の彼らの復帰はなかったと言ってもいいくらいなのだ。
キーボードやパーカッション以外は余計なアレンジは入れずに、実に彼ららしいストレートでシンプルなロックに仕上がっていて、満足度200%以上。
バンドが休止状態だった間、New Orleansに拠点を移し、ソロ・アルバムを出したり、地元ミュージシャンとセッションを繰り返していく内に、自分が音楽をいかに愛しているか、そしてその愛する音楽を始めた頃の原点に戻ったと言うDave。
これは、シーンに戻ってきた彼らの意気込みがひしひしと伝わってくる、ハートフルなアルバムだ。

耳触りの良い音

2006-07-09 | music : favorite


Neil Young & Crazy HorseやBruce Springsteenと言った超大物と共演しているのにも関わらず、日本では殆んど知られていないLimbeckというバンド。
私はSoul AsylumやThe Jayhawks、Golden Smog繋がりで知ったのだが、とっても素晴らしい音楽を奏でるバンドだ。
このアルバムは、昨年リリースされた3rdアルバム 『Let Me Come Home』。
プロデュースは、元The JayhawksのGary Lourisと、Polaraというバンドのフロントマンであると共に、ソングライターとして、またGolden SmogやThe Replacementsなどのプロデューサーとしても、Minneapolisでは有名なEd Ackerson。
彼らの音楽はアメリカン・クラシックなカントリー・ポップで、JayhawksやWilco、Big StarそしてTom Petty辺りを彷彿させる。
ほのぼのと優しくて柔らかく、そして力強さもあってとても耳触りの良いサウンド。
そこにキャッチーなメロディが上手くミックスされ、更にシタールやウィンド・チャイムなどの楽器が入ったアレンジによって、バンド独自の味を出している。
暑い夏の日、夜風がほんのり涼しげに感じるような心地良さを感じる。
ジャケはちょっとインパクトに欠けるが、これは外箱で、中のジャケは木漏れ日溢れる木の下にリラックスした表情のメンバーが写っている。
パワー・ポップ好きにもおすすめだし、Jayhawks好きはチェックして損はないと断言できるアルバムだ。

試聴は、彼らのMySpaceで!