チケットを買っていたものの、仕事のスケジュールで行けないことがわかり、諦めていたライヴ。
ところが一週間前を切ってから、急遽シフト交代が発生した為、行けることになった。こういう時って、いつも以上に嬉しいものである。
そこで、暫く聴いていなかったCDを聴き込んで、ライヴに向けて予習予習。
いったい誰のライヴなのかと言うと、それはMark Gardener。シューゲイザー・シーンの中心的バンド、元RideのVo.Markである。
今回、FUJI RockでrinoceroseのゲストVo.として出演することになっているMarkが、FUJIの後2度ライヴを行なう。
先にライヴ盤が出ていたが、2005年にリリースされたこのアルバム 『These Beautiful Ghosts』 は、全編アコースティック・ギターを基調とした美しいメロディが並ぶ。
私のいちばん好きなRideのアルバム、『Carnival Of Light』 の頃を思わせる。
The Animalhouseでやっていた打ち込みサウンドも取り入れ、コーラスの多重録音やファズを使ったサイケな音を出したりと、シンプルながらも様々な試みをしている。
Goldrushという地元Oxfordのバンドと作ったこのアルバムは、苦難を乗り越え、時を経て肩の力が抜け、優しさを帯びたMarkのVo.が伸び伸びと広がる。
久しぶりに聴いてみて、改めてそれを感じる。
派手な曲はないが、一曲一曲を丁寧に作り上げているという印象が強く、ノスタルジックなしっとりとした曲が多い。
軽快だが厚みがあって、美しく切ないメロディのM-1 「Snow In Mexico」。
天使が舞い下りてきたかのような、ふわふわしたM-3 「To Get Me Through」。
M-4 「Magdalen Sky」 は、Ride時代の 「Twisterella」 や 「1000 Miles」 とかに通じる煌びやかさがあり、Mark自身はこう言われることを嫌うかも知れないが、やはりRideを思い出さずにいられない曲も何曲かある。
特にインストのM-8 「Flaws Of Perception」 は、ノイジーな轟音ギターが炸裂し、懐かしささえ感じる。
アコースティックながらも壮大なスケールをかもし出す、M-6 「Summer Turns To Fall」。
タイトル・チューンのM-7 「Beautiful Ghosts」 や、ヴァイオリンの綺麗な音色が冴え渡るM-11 「Water And Wine」 は本当に美しいメロディで、彼の優しい歌声が沁みる。
ライヴは日本のバンドとの共演スタイルだが、恐らくMarkは弾き語りであろう。
たっぷりと優しい歌声に触れることができそうで、楽しみだ。
もし、「Twisterella」 とか 「Chelsea Girl」、「OX4」 なんか演ってくれたら、悲鳴を上げそうだ。(笑)