without A trace

favorite stuff...
music, trip, cinema, art, and so on.

永遠のロッカーBryan Adams、7年ぶりの来日 

2011-10-23 | music : favorite


Bryan Adams(ブライアン・アダムス)が、来年2月に来日する。
今、渋谷駅の山手線外回りのホームに、その来日を告知する大きなボードが掲げられているのだが、そこには “初来日から30年、7年ぶりの来日” と書いてあった。
そっかぁ、もうそんなに経つんだ・・・。白いTシャツに洗いざらしのジーンズがトレード・マークだったブライアンも、来月で52歳。そりゃあ月日は経つはずだ。
私が初めてライヴを見たのは、1988年の武道館。その後は翌年の年末カウントダウンの東京ドーム、1992年の武道館、そして2004年にロンドンに行った時のウェンブリー・アリーナ。どのライヴもカッコ良くて、一緒に歌って楽しかった思い出ばかり。
最近では、2010年のバンクーバー冬季オリンピックの開会式で歌を披露している姿を見て、健在ぶりをこの目で確認した。
今回のライヴは、大ベストヒットのオンパレードになるらしい。もちろん行く。もう今からめちゃくちゃ楽しみだ。

ブライアン・アダムスの代表曲と言えば、「Heaven」 「Summer of '69」 「Straight from the Heart」 「Run to You」 「Somebody」 「Kids Wanna Rock」 「(Everything I do) I Do It For You」 などなど、挙げるとキリがないが、イチバン好きな曲を挙げろと言われたら、迷わずコレ、「One Night Love Affair」。
もう、このイントロのギターのカッティングがたまらない!




【公演スケジュール】
2012/2/13(月) 大阪城ホール(大阪)
2012/2/14(火) 日本ガイシホール(愛知)
2012/2/15(水)16(木) 日本武道館(東京)

Teenage Fanclub / Shadows

2010-10-17 | music : favorite


一ヶ月以上ぶりの更新。なんとか涼しくなったものの、もう10月半ばだというのに未だに25℃とかの夏日っていったい・・・。
私はまだまだ半袖の毎日だが、街にはボア付きのフーディや、同じくボア付きのブーツを履いている人をたくさん見かける。
先取りファッションなのかも知れないが、真冬には何を着るのだろう?

前置きはこのくらいにしてと・・・。
“変わらないなぁ” という気持ちで、いつも安心して聴けるのが、グラスゴー・ミュージック・シーンのリーダー的存在、みんな大好きTeenage Fanclub(ティーンエイジ・ファンクラブ)。
今年6月にリリースされた、5年ぶり通算9作目のアルバム 『Shadows』 も、やはりいい意味で “変わらない”。そしてそれが嬉しい。
彼らの “変わらない” は、決してワン・パターンではない。TFCのかもし出す音の世界観が、ずーっと変わらないのだ。ほっこりしてて、メロウで優しい。でも、ところどころに悪戯っ子のようなやんちゃな部分が顔を出す。それが、私が感じるTFCの音。

そして、気が付けばもう来週だ。昨年のサマソニに続いて、2003年以来の単独来日公演。
新作からのチョイスが中心だろうが、できることなら90年代の曲をいっぱい聞きたい。
今、オフィス・グラスゴーさんのサイトteenagefanclub+logで、来日公演に向けてのリクエスト企画をやっているのだが、リクエストしたい曲が多すぎて1曲2曲には絞れないのが正直なところ。
なので、絶対やるに違いないという曲も含めて、勝手にここで一方通行のリクエストをしてみる。

【どうしても聞きたい曲】
・Neil Jung
・Don't Look Back
・Hang On
・The Concept
・Everything Flows
・I'll Make It Clear
・Ain't That Enough
・What You Do To Me
・Free Again
・The Cabbage

【是非やってほしい曲】
・My Uptight Life
・Norman 3
・Escher
・Dumb Dumb Dumb
・Metal Baby
・Commercial Alternative
・I Don't Want Control Of You
・Planets
・Alcoholiday
・Radio

あぁぁぁ~~~、止まらないっっ!!

Manic Street Preachers (リベンジ)来日決定!

2010-08-03 | music : favorite


嫌になるくらいのこのうだる暑さの中、嬉しさのあまり鼻血が出そうになくらい興奮した。

♪Manic Street Preachers 単独来日決定! 11/26 Fri. 東京新木場STUDIO COAST & 11/27 Sat. 横浜Bay Hall

ウウォォォ~~~と叫びたいが近所迷惑になるので、心の中で叫んでガッツ・ポーズ! やっとというか、遂にというか、マニックスがやってくる。
思えば約1年前、直前も直前、わずか2日前に知らされたNANO-MUGEN FES.の出演中止。
当日会場で流れたミレニアム・イヴ・ライヴの時の映像を見て、泣けてきたあの想い。
そしてせっかく当選したアコースティック・ライヴも、当然の如く中止。それでも雨の中当日集まったたくさんの人々。
誰もが一日も早い来日を心から願っていたに違いない。
あーーー、全てリベンジだー!! Yay!
9月には新譜も出るし、楽しみは募るばかり♪ 今度こそドタキャンなきよう祈らなきゃ・・・・・頼むよ、Nicky!

詳しくはこちら

Rooney / Eureka

2010-07-12 | music : favorite

今となっては、どうしてこうなったのかが不明なのですが、実際の曲順と本文中の曲順が違っていますので、ご了承下さい。(2011年2月5日)

******************************************************************************************************

先月3年ぶりにリリースされた、カリフォルニアのポップ・ロック・バンドRooney(ルーニー)の3rdアルバム 『Eureka』。
今回彼らは自身のレーベルCalifornia Dreaming Recordsを立ち上げ、プロデュースとエンジニアリングも自分たちで行った意欲作。
実は、バンド結成当時から共にしてきたベーシストのMatthew Winter(マシュー・ウィンター)がレコーディング後にバンドを去り、現在は新しくBrandon Schwartzel(ブランドン・シュワルツェル)を迎え、USツアー中。BrandonはCastledoor(キャッスルドア)という同じカリフォルニアのバンドのメンバーでもあるので、彼がRooneyの正式メンバーになるかどうかは定かではない。
さて、肝心のアルバムの方だが、発売前に先行DLで聴けた 「I Can't Get Enough」 は、Rooneyらしい軽いポップな曲だったが、“ま、いいんじゃない?” 程度のイマイチこれと言った特別な感想もなかったのだった。
ところが、Tシャツ付プレ・オーダーのアルバムが少し遅れて届き、1曲目 「Holdin' On」 を聴くと・・・・・。
これがもう、もぉぉぉ!!! イントロから即座に虜になった。実に私が望んでいるRooney流ポップ・センスが凝縮されたかのような楽曲で、心が弾み思わずニヤリ♪
で、M-2が先の 「I Can't Get Enough」 なのだが、特徴あるキーボードの弾むような音と、単調なメロディ・ラインの繰り返しが、聴けば聴くほどやけに耳に残る。
この2曲の流れ、2ndアルバム 『Calling The World』 のM-1 「Calling The World」 とM-2 「When Did Your Heart Go Missing?」 に似てる。この時も、M-1がめちゃくちゃ好みの曲で、M-2は最初はあまり好きになれず、でもだんだん聴いて行く内にハマったというタイプの曲。
その後もE.L.O.を思わせるようなエレクトリックなキーボード・サウンドと、レイドバックした曲調や厚みのあるコーラスワークを生かしたポップな曲が続く。M-4 「Don't Look At Me」 やM-6 「I Don't Wanna Lose You」 は、特にお気に入り。
その2曲に挟まれてしっとりと歌い上げるM-5 「Into The Blue」 は、ピアノを中心としたシンプルなアレンジで、とても印象的なバラード。
わりと似たような感じのポップ路線で進んで行くが、M-7 「Stars And Stripes」 で少し雰囲気が変わる。アンニュイでお洒落サウンドという表現で、どれだけその感じが伝わるかどうか不明だが、ユニゾンでハモる女性コーラスが曲にセクシーさを与えている。
これまでのRooneyにはなかった、Steely Dan(スティーリー・ダン)を彷彿させるような、ちょっとジャジーなナンバーだ。
そしてM-8 「All Or Nothing」 で、とびっきり明るく楽しいポップなRooneyサウンドが再び登場。
M-10 「The Hunch」 では、今回初めてドラムスのNed Brower(ネッド・ブロワー)がリードVo.を取っている。曲を作ったのも彼。バンドのヴォーカリストRobert Schwartzman(ロバート・シュワルツマン)とは全く違う声質が、軽快なこの曲にとても合っている。Jellyfish(ジェリーフィッシュ)が大好きなNedらしいポップ・ソングで、全面にフィーチャーしたブラスのホーン・セクションがカッコいい。そのホーン・アレンジを担当したのは、パワー・ポップ・ファンにはお馴染みのメロディー・メイカーBleu(ブルウ)。
そして、ポップで弾むようなM-11 「Only Friend」 へと続き、王道路線のような落ち着いたメロディ・ラインのM-12 「You're What I'm Looking For」 で最後を締めくくる。

1stで感じた70年代的レトロ・ポップな雰囲気、2ndで感じたドラマティックでアグレッシヴな雰囲気は、この 『Eureka』 では少し薄れ、よりシンプルになった感じ。
とは言え、キャッチーなメロディとそれに見事に融合するコーラスワークは健在で、聴けば聴くほどその魅力が深まって行く。
Wikipediaによると、アルバム・タイトルの “Eureka”(エウレカ)とは、「見つけた」 という意味の古代ギリシア語の現在完了形らしい。さしずめ彼らは何かを見つけ、新生Rooneyとしても少しずつだが着実に前進しているのではないだろうか・・・と、私なりに解釈した。


5月20日にアルバム発売前のプロモーションとして、ニューヨークのBrooklyn Bridge Park(ブルックリン・ブリッジ公園)で、ハドソン川と摩天楼をバックに先行シングル 「I Can't Get Enough」 のアコースティック・パフォーマンスを行なった映像がこちら(↓)。
ドラムスのNedはいないが、ギターのTaylor Locke(テイラー・ロック)の超短髪姿に注目♪

★Rooney 「I Can't Get Enough」 acoustic ver.


Keane / Night Train

2010-06-09 | music : favorite


音楽ネタが少なくなっている昨今のこのブログだが、久しぶりに新譜を購入。
Keane(キーン)が昨年のツアーの合間に制作した(いつの間にって感じだ)、8曲入りのEP 『Night Train』。
このタイトル、国内盤では 『夜行列車』 というそのまんまのベタな和訳なのだが、実はKeaneは相当の鉄チャン。オフィシャル・サイトでのドラムスのRichard(リチャード)のフォト・ブログでは、以前から列車や車内のツアー写真がたくさんあったのだが、このEPはジャケットのイラストはもちろん、ブックレットの写真も電車づくし。でも、曲の内容は電車とは全く関係ない。
今回、このEPがリリースされるというニュースを、オフィで知った時に驚いたことが2点ある。ひとつはアフリカ・ソマリア出身のラッパーK'NAAN(ケイ・ナーン)とのコラボ、もうひとつはなんとYMOの名曲 『以心伝心』 のカヴァー。
K'NAANについては全く知らないので、曲を聴いてみないことにはどんな仕上がりになるのか想像もつかなかった。
『以心伝心』 は、サビの部分のみうろ覚えという程度だったので、YouTubeで聴き直した。一昨年のLive Earthなどライヴでは、英詞のコーラス部分以外はインストでプレイしているが、元々は日本語詞が入っている。果たしてその部分はどうなるのか?と思っていたら、Tigarah(ティガラ)というL.A.を拠点に活動している、日本女性ラッパーが歌うということがわかった。と言っても、そのTigarahもこの時初めて知った名前だった・・・。

オープニングは、ライヴでメンバーがステージに登場する時に流れるSEとして使用されている曲 「House Lights」。
ティンパニの音がズーンと響き、ピコピコサウンドと壮大なシンセのインストで幕が開ける。
その流れでダイナミックなイントロで始まるM-2 「Back In Time」 だが、Tomの歌に入った瞬間、優しい音になる。いつ聴いてもどの曲でも美しく透き通っているTomちんの声の後ろで、イントロと同じフレーズのシンセのアレンジが、後半になるとかなりダイナミックにとどろく。
M-2 「Stop For A Minute」 が、出来映えドキドキのラッパーK'NAANとのコラボ曲。“Oh~Oh~” とTomちんの高らかなおたけびから始まり、メロディもgood。ミドル・テンポで、ハンド・クラップが入って乗りもいい。
K'NAANのパートに入っても、最初はメロディに乗って普通に歌っているので、何ら違和感はない。サビでTomとデュエットし、2番ではTomとパートが入れ替わる。なかなかいい感じだ。そして、CメロでK'NAANのラップ登場。その後ろで、イントロのTomちんのおたけびが響く。息もピッタリで、こんなに合うとは思ってもいなかった。もう、すっかりお気に入りだ。
M-3 「Clear Skies」 は、ハンド・クラッピングとアコギのサウンドが映え、ノスタルジックなメロディ・ラインが印象的なナンバー。
さて、いよいよM-4 「Ishin Denshin (You've Got To Help Yourself)」 の始まり始まり~。アレンジは殆んど原曲どおり。この曲はサビ・メロからの始まるのだが、Keaneヴァージョンもポップで爽やかですっごくいい! 
となると、果たして日本語部分はどうか・・・。う~ん.....良くもなく悪くもなくと言った感じかな。Tigarahの声は、ちょっと舌ったらずな甘えた声で、Tomちんのパートで感じた爽やな青空が一変して、とろ~りしたシロップのようなまろやかさになるというような感覚。
YMOのように、日本語詞の部分はなしにして、インストにしても良かったかも。でも、敢えて日本語を入れるというのも、Keaneの新しいチャレンジなのかも・・・。
YMOを好きで聴いているのはキーボードのTimで、Tomは今回この曲をやるまで聴いていなかったとインタビューで言っていたが、何はともあれ、日本の曲がこんな形で発表されるというのはとても嬉しいこと。しかもUKチャート1位だし。
そのTimが、オーソドックスなエレクトロ・ロックM-6 「Your Love」 でVo.をとっている。曲を作るのはたいていTimだが、いつもコーラスばかりなので、メインVo.を聴いたのは初めて。Tomの抜けるようなVo.とはまたひと味違って、TimのVo.もなかなかいい。後半メロディ・ラインが変化して行って歌い上げるところなんて、とっても甘い声を聴かせてくれる。
初めて聴いた時はぶったまげ、やがて “おいおい” と突っ込みたくなったのが、M-7 「Looking Back」。「ロッキーのテーマ」 のほぼまんまの、あのトランペットのメロディが流れてきたのだ。まあ、最初の部分が同じなだけなのだが、インパクト強すぎ。
途中でもその 「ロッキーのテーマ」 が流れてくるので、ついついそっちに耳が行ってしまう。この曲もK'NAANとのコラボで、ラップが入っているのに流れるようなメロディで、とっても気持ちいい曲だ。
最後は、しっとりとしたナンバーM-8 「My Shadow 」 で締めくくる。この曲は、3rdアルバム 『Perfect Symmetry』 の国内盤ボートラとして収録されていた曲なので、お馴染みの人もいるだろう。これまでのKeaneにいちばん近い、ある意味最もKeaneらしいとも言えるピアノ・バラードで、「Bedshaped」 や 「A Bad Dream」 を彷彿させる。


★アルバムとはひと味違う、アコースティック・セッションの 「Stop For A Minute」 Feat. K'NAAN。



Jason Mraz / Waiting For My Rocket To Come

2010-05-20 | music : favorite


昨日今日、関東では雨が降って湿気も多いのでちょっと違うが、今のこの季節、暑くもなく寒くもない爽やかな気候になると無性に聴きたくなるのがこの人、Jason Mraz(ジェイソン・ムラーズ)。清々しい気持ちになれるのだ。
2002年の彼のデビュー作 『Waiting For My Rocket To Come』 の1曲目 「You And I Both」 は正にピッタリで、特にこの曲を聴きたくなる。その流れでこのアルバムを聴く回数が多くなる。Cメロで “you and I both loved~” と、最初よりも一段と高らかなメロディになって歌い上げるところがポイント。歌詞もとってもステキなLove Songで、爽快で優しい気持ちになる。
最初はレゲエのリズムのM-2 「I'll Do Anything」 は、途中から滑らかなメロディ・ラインになって広がって行くのが気持ちいい。
USの人気ドラマ 『The O.C.』 に起用されたことも手伝って大ヒットしたM-3 「The Remedy (I Won't Worry) 」 は、とってもキャッチーで覚え易い軽快なナンバー。ライヴではサビで手をかざしてボディ・コミュニケーションするのが定番になっているのだが、無意識に手を挙げそうになってしまうことがしばしばある。
M-5 「Curbside Prophet」 では、バンジョーを取り入れたアレンジがファンキーな、ムラーズさんお得意の早口ラップ調ナンバー。口調がとっても柔らかいので、ラップが苦手な私でもすーっと馴染める。
このアルバムの中でいちばん好きなのが、M-6 「Sleep All Day」。イントロのスキャットを聴いた瞬間、この曲の虜になったと言ってもいいくらいだ。何回聴いてもふわ~っとした何とも言えない心地良さが体に充満してくる、とってもロハスなナンバー。ムラーズさんの “気楽に行こうぜ!” というメッセージが聞こえてきそうだ。
M-8 「Absolutely Zero」 は、アルバム唯一のスロー・バラード。ムラーズさんの歌の上手さが光る。
ちょっぴりトロピカルなM-9 「No Stopping Us」 では爽やかな風と光を感じさせ、M-10 「The Boy's Gone」 では寂しげな背中を想像させる。

私は3rd 『We Sing, We Dance, We Steal Things』 から後追いでムラーズさんの音楽を遡って聴いてきたのだが、聴く度に彼のソング・ライティングの才能を改めて実感するし、柔らかでおおらかな超自然体のムラーズ・サウンドに魅了されるばかり。
ホンット、気持ちいい!

Landon Pigg / The Boy Who Never

2009-10-11 | music : favorite


あの “ぎゅっと抱きしめたくなる” ほどの愛しさが溢れるデビュー・アルバム 『LP』 から、待つこと3年。
USナッシュビルのイケメンSSW、Landon Pigg(ランドン・ピグ)が、2ndアルバム 『The Boy Who Never』 をリリースした。
9/15の発売日にタワレコに行くと、まだ入荷されていないということでヤキモキしていたら、どうやらいつの間にか発売日が2週間延びていて、その後新たな発売日に再び行くも、まだ入荷されていなかった。
既にiTunesではDLできたが、どうしてもCDで持っていたかったので、何度か入荷状況を電話で確認して数日待ち、やっと私の元にやってきた。
これまで5曲入りのEP 『Falling In Love At A Coffee Shop』 のリリースはあったものの、2作目はまだかまだかと首を長くして待っていたので、嬉しさひとしお。そして、期待を裏切らない、心地良い彼の音楽に大満足。
M-1 「This Far」 の最初の一音を聴いただけで、ほわーっと温かさが充満してくる。Landonが生み出す楽曲と彼の歌声は、そんな温かさに溢れている。
レゲエ調のリズムのM-2 「A Ghost」 はホーンを効果的に使い、ちょっとJazzyなナンバー。ブリッジに入るところのメロディ・ラインには、何とも言えない気持ち良さがある。
EPでのメインの曲だったM-4 「Falling In Love At A Coffee Shop」 は、少しアレンジを変えて低音を効かした奥深い音に仕上がっている。そして、サビのファルセットの歌声は切なく、歌詞も分かり易いので、この曲の情景が目に浮かんで来るかのようだ。
M-5 「Take A Chance」 はこのアルバム唯一の、ロック調でアップ・テンポなナンバー。とは言ってもエレキでギンギンというのではないが、力強いLandonの歌声が楽しめる。
ストリングスの音が心に響くアルバム・タイトル・チューンM-6 「The Boy Who Never」、優しいピアノの音に包み込まれて囁きかけるように歌うM-7 「Made For Glory」 と、アコースティックな柔らかい曲が続く。
そしてどこか懐かしい香りがするM-8 「Speak To The Keys」 で、ちょっと雰囲気が変わる。60'sのキャンディ・ポップをアコースティックにしたような感じで、とってもキュートなナンバーに、思わず笑みがこぼれる。
綺麗なアコギの音の後ろで響くチェロの音色がとても美しいバラードM-10 「Look So Tired」 に続いて、まるで “おやすみソング” のようなM-11 「If I'm Saying Nothing」 でしっとりと終わる。

いわゆる “キラー・チューン” たる曲はないが、温かくて優しくて心休まる曲が詰まった1枚で、正にこの季節、少し肌寒くなってきた秋の夜長に、温かいミルク・ティでも飲みながらゆっくり聴くのにもってこいのアルバムだ。
前作は “ぎゅっと抱きしめたくなる” アルバムだったが、今回のは “ぎゅっと抱きしめてくれる” アルバムだ。
ホーンやストリングスやピアノをアレンジに取り入れているが、あくまでもメインはアコースティック・ギター。とてもシンプルだがアコギの音色の美しさが際立っていて、その音色がまろやかなメロディをより一層優しく包み込んでいるかのようで、とても繊細で柔らかくて、気持ちを穏やかにさせてくれる。
ちなみにLandonは、ドリュー・バリモアの初監督作品 『Whip It!』 で俳優に初挑戦し、サントラにも 「High Times」 という曲を提供している。スピード感のあるその曲では、これまでとは違うちょっとテンションの高いLandonが聴ける。


★ライヴでは少しスローなアレンジで歌う 「A Ghost」。



the pillows & Ben Kweller / Lightning Runaway

2009-09-21 | music : favorite

タワーレコードの30周年を記念して、Ben Kweller(ベン・クウェラー)と日本のバンドthe pillows(ピロウズ)との国境を越えたコラボ・シングル 『Lightning Runaway ~NO MUSIC, NO LIFE.~』 が、タワレコ限定で発売された。
いつの間にレコーディングしたのかしら・・・と思うこのコラボレーションは、作詞がBenちゃんで、作曲はthe pillowsのVo.&Gの山中さわお氏。Vo.はBenちゃんで、the pillowsがバッキングVo.と演奏で参加。恐らくBenちゃんもギターを弾いていると思われるが、詳しいクレジットがないので詳細は不明。
曲は、とっても軽快でアップ・テンポなドライヴィング・チューン。覚え易いポップなメロディで、Vo.の掛け合いやコーラスも息がピッタリ合っていて、サウンドにフィットしている。

そんなBenちゃんは、ただ今再び日本上陸中。名古屋のライヴを終え、22日にくるり主催の “京都音楽博覧会2009 IN 梅小路公園” に出演。その後、大阪と東京でライヴを行なう。
今回は比較的長い滞在なので、納豆やおとうふ好きのBenちゃんは、日本食を堪能することだろう。
東京では、日本のバンドComeback My Daughters(カムバック・マイ・ドーターズ)のイベントに出演。今年2回もBenちゃんのハートフルなあったかワールドに触れられるなんて、嬉しい限りだ。


★大阪公演 : 9月24日(木) @Shangri-la
 ~special acoustic night~
 出演 : Ben Kweller、松本素生(from Going Under Ground)

★東京公演 : 9月26日(土) @代官山UNIT
 ~Before You Come Home~
 出演 : Comeback My Daughters、Ben Kweller

Manic Street Preachers / Journal For Plague Lovers

2009-07-02 | music : favorite


腕の方はまだ少しだるさが残るものの、昨日鍼治療をしたお陰か肘の痛みがなくなり、PC操作も苦にならないほどに回復。まあぼちぼちやって行こうと思っているが、久しぶりなので、今日はほぼ毎日聴いているこのアルバムのことをたっぷり語ろう。

Manic Street Preachers(マニック・ストリート・プリーチャーズ)の9作目 『Journal For Plague Lovers』 は、1995年に突如失踪したギターのRichey Edwards(リッチー・エドワーズ / Edwardsは本名だがRichey James(ジェームス)での表記もあり)が残していた散文を元に製作され、Richeyが表現する愛や怒りが詰まった、彼への愛とリスペクトに溢れた “4人” で作ったトリビュート・アルバムで、シングル・カットのない一枚を通してひとつのアートとして成立したコンセプト・アルバムになっている。
雑誌のインタビューでベースのNicky Wire(ニッキー・ワイアー)は、こう語っている。
“彼の歌詞に導かれるようにしてアルバムが出来上がった。彼のリリシストとしての才能を再確認すると共に、改めて彼の才能への敬意を表したいと思ったんだ。”
昨年、英国の裁判所がRicheyの死亡宣告を表明したことが、今回のアルバムのコンセプトと関係しているように表現しているメディアが多いが、Nickyはずっと前から計画していたことで、Richeyの死亡宣告とは関係ないと言っている。
そしてもうひとつ、今回のアルバムは、彼らの3rdアルバム 『The Holy Bible』 の続編と言われている。確かに、音的にポップ・センスが発揮された前作 『Send Away The Tigers』 とは違い、このアルバムはエッジの効いた尖った音でダークなイメージなので、そういうところからも 『The Holy Bible』 の続編と言われるのだろう。
しかしこのことについても、Vo.&GのJames Dean Bradfield(ジェームス・ディーン・ブラッドフィールド)はこう否定している。
“『The Holy Bible』 の歌詞も殆んどがRicheyの手によるもので、アルバムのアート・ワークもRicheyが好きだった同じジェニー・サヴィルというアーティストが手がけているし、収録曲数も同じ13曲ということで 『The Holy Bible』 を思い出させる。でもテーマが違う。『The Holy Bible』 は怒り、憎悪を取り扱っているが、このアルバムはもっとデリケートで、続編ではない。”

プロデュースは、Nirvana(ニルヴァーナ)やPixies(ピクシーズ)を手がけた、オルタナティヴ・シーンを代表する名エンジニアSteve Albini(スティーヴ・アルビニ)を起用。アナログ・テープでライヴ一発録りで完成させたとのことで、心地良い緊張感と溢れんばかりの感情がほとばしっている。
M-1 「Peeled Apples」 は、Jamesが特にインスパイアされたと言っている “The More I See The Less I Scream(私は分かれば分かるほど、より悲鳴をあげなくなる)” という詞で始まる。ズンズンとベース音が響き、ぶ厚いギターのリフがとどろく。
M-2 「Jackie Collins Existential Question Time」 では、マニックスならではのポップ・センスが光る。ギターのメロディが素晴らしい。詞の面では、サビで “Oh Mammy, What's a Sex Pistol(ねぇママ、セックス・ピストルって何?)” と繰り返され(バンドのSex Pistolsではない)、それが頭の “Tonight we beg the question(今夜我々は話をはぐらかす)” に繋がる。“beg the question” は、“論点となっていることを真実とみなして話を先へ進める” という意味だが、この曲では反社会的行為についての疑問を投げかけている。Jackie Collins(ジャッキー・コリンズ)は、現在71歳の英国の小説家/元女優の名前。
疾走感溢れるロック・チューンM-3 「Me And Stephen Hawking」 では、冒頭で “ラジオを点けてください” と日本語で二回繰り返される。これは、6thアルバム 『Know Your Enemy』 に収録されていた、“目、とっても美しいですね” という日本語が流れる 「Ocean Spray」 を思い出させる。
M-4 「This Joke Sport Severed」 ではアコギの音が切なく響き、ストリングスも入って哀愁が漂い、歌詞にも哀しみと虚しさが滲み出ている。
M-5 「Journal For Plague Lovers」 はアルバム・タイトル曲。Richeyが残した3冊のノートは、詞というよりも “Journal(日記)” のような形になっていたそうで、全てRicheyの言葉で作るということもあってこれをタイトルにしたそうだ。
M-6 「She Bathed Herself In A Bath Of Bleach」 は、ヘヴィでエッジの効いたロックで、間奏の重厚でメロディアスなギターが印象的。
アコギとハープが哀しく響くM-7 「Facing Page: Top Left」 は、とても美しい曲。
打ち込みリズムで淡々としたM-8 「Marlon J.D.」 は、前後の曲と違ってかなり異色を放っている。
M-9 「Doors Closing Slowly」 では孤独から生まれる悲痛が歌われていて、Richeyの心の叫びが聞こえてきそうだ。
続くM-10 「All Is Vanity」 でも、孤独感と虚無感がメランコリックなメロディに乗せて歌われている。
M-11 「Pretension / Repulsion」 は、マニックスらしいロックの約2分の短い曲で、Richeyの表現する怒りが、Jamesの叫ぶように歌うVo.にも表れている。
このアルバムの中でとても好きなのが、M-12 「Virginia State Epileptic Colony」。メロディはポップだが詞はかなりアイロニカルで、サビではそのメッセージが込められたタイトルの頭文字V.S.E.C.がくり返される。
ラストを飾るM-13 「William's Last Words」 は、Nickyが歌っている。“I'd love to go sleep. And wake up happy. Cos I am really tired.(眠りたい。そしてハッピーな気分で目覚めたい。とっても疲れているから)” と繰り返されるフレーズが切なすぎて胸が痛くなる。反社会的な怒りやメッセージは全くなく、バンド初のラヴ・ソングとも言えるだろう。Richey無きあと、彼に代わってマニックスの言葉の代弁者となってきたNickyが切々と静かに歌い、幕を閉じる。

Richeyを失ったことで、更に4人の絆が深まったということを示すかのようで、ずっとマニックスを聴いてきた者にとっては、ある意味パーソナルな存在のアルバムでもある。
ずば抜けて・・・というほどではないが、デビューからずっと好きで、Richeyのいる4人のライヴも体験しているが、Nickyファンの私はあまりRicheyを見ていなかったようで、Richeyのステージでの記憶が殆んどないのが残念な事実。
謎の失踪事件はかなり衝撃的だったが、メンバーもファンも、ある日ひょっこり帰ってきて、また4人のマニックスが戻ってくると、少なくとも心のどこかで思っていたに違いない。初期からのファンは、誰もRicheyのことは忘れていない。
今となっては、4人に書いてもらったサイン入りの 「You Love Us」 の12"は、何物にも替えがたい宝物だ。
そしてあれから15年近く経った今、“ALL LYRICS BY RICHARD EDWARDS” と書かれているのを見ると、何とも言えない複雑な気持ちになる。
Richeyのカリズマ的な存在と天才的な言葉のマジックは、マニックスには切っても切り離せないもの。言わずもがな、彼の才能を再確認させられる。
このアルバムに併せたツアーは2部構成で、1部はなんと新作を全曲やり(もちろん曲順もそのまま)、2部は初期作品を中心に、といった涙ものの構成。1部はRicheyに捧げ、2部はファンに捧げるライヴという感じの憎い演出だ。
NANO-MUGEN FES.では、ステージにRicheyが居るかのような錯覚に陥るかも知れない。


★歌詞の内容や和訳は独自の解釈によるものなので、本来の意味とは違う場合あり。

The Enemy / Music For The People

2009-05-14 | music : favorite


ライヴまであと一週間。ようやく聴きこなせるようになってきた、The Enemy(エナミー)の2ndアルバム 『Music For The People』。
初めて聴いた時は、なんだか少し取っつきにくかったのだが、何度か聴いている内に、だんだんしっくりしてきた。
このアルバム・タイトルは、これまで語っていた彼らのスタンスとは真逆のようだ。1st 『We'll live and die in these towns』 と比べると、サウンド面にかなりの変化があり、そこには成長している様が垣間見える。
1stにあった、非常に優れたとてもチャーミングだったメロディが、今作ではちょっとなりを潜めてしまったのが、残念なところ。
それとアルバムの構成。私は、M-1 「Elephant Song」 やM-10 「Silver Spoon」 のような、なかなか歌に入らなかったり、曲が終ってから数分のブランクが空いてからまた曲が始まるというのはあまり好きではない。
本人たちには意図するものがあるのだろうが、聴き手側にはそういうのは不要に思う場合も時にある。
「Elephant Song」 はまだ音があるので、これから始まる曲への導入と言った感じで受け入れられるが、「Silver Spoon」 の空白部分はどうしても飛ばしてしまう。
最後に流れてくる曲がなかなかいいので、ひとつの短い曲としてエンディングにしても良かったのにな・・・と思う。
1stシングルのM-2 「No Time For Tears」 の重圧な音とスケールの大きい曲構成に、最初は戸惑いを感じずにいられなかった。
M-4 「Sing When You're In Love」 で、ようやく(私の求めている)彼らが持つメロディ・ラインを感じることができた。アコースティック調で哀愁感があり、同世代の若者に向けてメッセージしている内容の歌詞にも共感。
続くM-5 「Last Goodbye」 への流れは心地良く、ストリングスを入れて情感たっぷりに歌い上げるバラードで、彼らの新しい一面が見られる。
クールなギターのストロークと弾むようなドラミングがカッコいい、M-6 「Nation Of Checkout Girls」 や、パワフルなM-7 「Be Somebody」 では、彼らが本来持っているスピード感が心地良く表れていてカッコいい。
厚みのあるグルーヴが感じられるM-8 「Don't Break The Red Tape」 や、壮大なバラードM-9 「Keep Losing」 では、確実にバンドの成長が伺える。

アレンジではピアノを前面に出し、ストリングスや女性コーラスを取り入れているところに、サウンド面の変化が感じ取れる。
巷ではThe Clash(クラッシュ)やPulp(パルプ)、The Jam(ジャム)、The Verve(ヴァーヴ)などの焼き直しなどと言われているようで、確かに彼らが影響を受けてきたであろう様々なUKバンドの音が、あちこちに顔を出している。
それはある意味仕方のないことかも知れない。でもそれが単なる真似で終らず、The Enemyとしてのバンドのサウンドとして多様化させ、向上していると感じる。
自国を思いっきり批判している歌詞は、若者たちの代弁者としてメッセージを伝えているかのようだし、ロック・バンドとしてのサウンドを確立させた、とてもスケールの大きい作品に仕上がっている。
Vo.のTom Clarke(トム・クラーク)は、元々いいメロディの曲を書く才能があるので、その素晴らしい才能を無駄にしないで、どんどん成長して行ってほしいと思う。