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PWT's / Friends Don't Let Friends Dial Drunk

2008-05-29 | music : favorite


先日、PUNK SPRING 08で初来日した、Plain White T's(プレイン・ホワイト・ティーズ)。
彼らは昨年夏、Fall Out Boy(フォール・アウト・ボーイ)のツアーでサポート・アクトをしていた。
そして、ライヴで聞いた人たちからアコースティックなバラード 「Hey There Delilah」 がクチコミで話題になり、この曲があれよあれよという間にビルボード・チャートで1位になり、バンドは一気にスターダムに踊り出た。
惜しくも受賞は逃がしたがグラミー賞にもノミネートされ、この曲の主人公の女性と共にレッド・カーペットを歩くと言った経験もした彼ら。
既に今年で結成10年。もう本国やUKでのライヴは全てソールド・アウトと言った人気ぶりだ。
今回紹介する、3rdアルバム 『Every Second Counts』 に収録されている 「Friends Don't Let Friends Dial Drunk」 は、私が彼らの曲の中でも特にお気に入りで、たまらなく大好きな曲。
文字にするとダサいが、“ズズチャチャッ、ン、チャッ” のリズムが特徴で、メロディと歌詞がず~っと頭に残るほどにキャッチーな曲。
特にサビ・メロは、もう “ク~~~ッ” と唸りたくなるほどに、私のツボに入りまくる。
Vo.のTom Higgenson(トム・ヒゲンソン)が作る曲は、全て彼の恋愛や人生の実体験やそれを膨らませたもので、この曲もいつも酔っ払っている時にしか電話してこない女の子のことを歌った曲。
彼らの音楽は、ポップ・パンクとかエモ系などでくくられているが、私にとって彼らの音楽は正にパワー・ポップ!
この曲のイントロが流れてくるだけで、毎回ワクワクする。
PUNK SPRINGのラインナップでは彼らだけしか興味がなかったので、1バンドだけのために行くのは止めたのだが、この曲をプレイしたと知って、ちょっと悔しい。
でも、来年までにまた来日すると言っているので、単独ライヴを期待したい。

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Plain White T's / Friends Don't Let Friends Dial Drunk
★アルバム・ヴァージョン(静止画)



Matchbox Twenty / Exile On Mainstream

2008-05-25 | music : favorite


昨年リリースされた、Matchbox Twenty(マッチボックス・トゥエンティ)の、新曲を6曲加えたベスト・アルバム 『Exile On Mainstream』。
既にデビューから10年、これまでに3枚のアルバムをリリースし、次々とシングル・ヒットを出している。
彼らの音楽は、星条旗が目に浮かんでくるくらい、アメリカらしい骨太正統派ロック。
フロントマンのRob Thomas(ロブ・トーマス)は、声良し、ルックス良し、ファッション良しな上、ソング・ライティングの才能も秀でている。
2004年に一旦バンドとしての活動を休止し、Robがソロとして活動。Santana(サンタナ)の大ヒット曲 「Smooth」 でVo.を取り、第42回グラミー賞で3冠を達成した。
国民的アーティストとなったRobだが、その栄光に舞い上がることなく、再びバンドとして始動した。
冒頭6曲が新曲で、ギタリストのAdam Gaynor(アダム・ゲイナー)が脱退し、4人になってから初めてレコーディングされた作品で、U2でおなじみのSteve Lillywhite(スティーヴ・リリーホワイト)が、プロデュースを手がけている。
ストレートでシンプルでキャッチーなメロディは、気持ちいいくらいにすんなり耳に入ってくる。
イントロを聴くだけで、弾むような気持ちになるM-1 「How Far We've Come」、そして、M-4 「These Hard Times」 の感情がこもった切ないVo.にはゾクっとさせられる。
7曲目からは、大ヒット・チューン 「Push」 を筆頭に、トラディショナルでセンスのいい佳作が並ぶ。
M-7 「If You're Gone」 のホルンの音色を聴くと、とても温かい気持ちになる。
グルーヴ感が究極にツボに入ってくるM-8 「Mad Season」 と、バンジョーの音色がとても美しく響くM-10 「Unwell」 は、特に好きな曲。
とても贅沢なベスト盤だが、やはりここは早く新作を聴きたいものである。

The Enemy / We'll live and die in these towns

2008-05-14 | music : newcomer


初めて聴いた時にピンとくるものがなくても、しばらく経ってまた聴いてみた時、全く違うものに出会ったような “良さ” が見えてくることがある。
私にとってまさしくこのバンドがそれで、ここ最近のヘヴィ・ローテーションとなっている。
UKコヴェントリー出身の3ピース・バンド、The Enemy(エナミー)。
2006年に結成して、翌年にはアルバム・デビューを果たし、昨年はサマソニにも出演し、単独来日もした。
彼らは2007年夏のThe Rolling StonesのUKツアーでサポート・アクトを務め、それを見たLondonの友達が、なかなかロックしててよかったわよと言っていた。
その言葉が残っていて、ある日アルバム 『We'll live and die in these towns』 を購入した。
ひととおり聴いた時は、いいんじゃない?っていう程度だった。
その後、半年ほど聴かずにいたのだが、少し前にMP3のプレイ・リストを入れ替えした時に、このアルバムを入れて改めて聴いてみた。
そしてこんなに良かったっけ?と耳を疑い、最初に彼らの音楽に真剣に耳を傾けていなかったことに気付いた。
なんとも私好みのドライヴィン・ロックばかりで、心が躍った。
半年前に聴いた時に感じなかった感覚・・・。Vo.のエネルギッシュな声やしっかりした演奏、シンプルで聴きやすいメロディ、リフのカッコ良さなどが、イアフォンで聴くことによって、体の芯まで響いてきた。
M-1 「Aggro」 とM-3 「Pressure」 は典型的なオルタナ・ロックだが、あとは皆どの曲もポップでスピード感あふれるロック・ナンバーばかり。
特にM-2 「Away from Here」、M-6 「You're Not Alone」、M-7 「It's Not OK」 の疾走感は、たまらなく気持ち良い。
覚えやすくてポップなメロディのサビがとてもチャーミングなM-4 「Had Enough」 は、コーラス・ワークも絶妙だ。
アコギを中心に、ストリングスをアレンジに取り入れたアルバム・タイトル曲M-5 「We'll Live and Die in These Towns」 は、フックの効いた軽快なロック・ナンバーで、ネオ・モッズ・サウンドを彷彿させる。
デビュー・シングル曲M-9 「40 Days and 40 Nights」 は、1000枚限定で出した7"が即日完売したと言う。
サビの独特のメロディは、クセになりそうなほど頭の中でリフレインする。自分たちが抱える不満を、全身全霊で音楽に籠めている姿勢がストレートに伝わってくる。
M-10 「This Song」 で聴かせる、大空に抜けるようなサビのメロディは、とっても魅力的。
唯一のスロー・ナンバーM-11 「Happy Birthday Jane」 で終わるところが素晴らしい構成で、ハスキーな声でメランコリックに聴かせる。
それまで突っ走ってきた大音量のロックン・ロールが、この曲によってより一層引き立ち、逆に静かなこの曲も更に映え、相乗効果をもたらしている。
全11曲、正統派でストレートな、気持ちの良い若さみなぎる熱いロックを体感することができる。

Phantom Planet / Raise The Dead

2008-05-05 | music : favorite


ロサンゼルスの地元仲間で結成された、パワー・ポップ・バンドPhantom Planet(ファントム・プラネット)。
現在メンバーは4人だが、94年の結成時は5人組で、当時のドラムスのJason Schwartzman(ジェイソン・シュワルツマン)は、Rooney(ルーニー)のフロント・マンRobert Schwartzman(ロバート・シュワルツマン)の兄であり、03年まで在籍していた。 
日本でも人気のTVドラマ 『The O.C.』 の主題歌で、一度聴いただけで耳に残るほどの印象的な曲、「California」 を歌っているのが彼らである。
そんな彼らの新作 『Raise The Dead』 が、先頃リリースされた。
ひと言でパワー・ポップ・バンドと言うには勿体ないくらい、このバンドはいろんな要素の音を持っている。
特に本作は、British Invasionの香りがプンプンと漂ってきて、陽気で明るいイメージが先行するカリフォルニア・バンドとは違い、60年代風のガレージ・サウンドやエフェクターを効かせたエレクトリック・サウンドが見事に融合していて、これまでとは一味違った一面を出している。
アコギの爽やかな音に乗って、力強くポップなアルバム・タイトル曲M-1 「Raise the Dead」 で始まり、全12曲それぞれがとても凝った、バラエティに富んだポップな曲で埋め尽くされている。
M-2 「Dropped」 でQueenを少し感じ、M-4 「Do the Panic」 やM-5 「Quarantine」、M-10 「Confess」 では、The Kinksを感じる。
どこか懐かしいのだが、確実に新しい音を作り出している。
M-6 「Ship Lost at Sea」 では、エフェクターを効かせたVo.で、エレクトリック・ポップの雰囲気を上手く漂わせている。
一方、だんだんといろんな音が重なり、ダークで重厚なサウンドになって行くM-7 「Demon Daughters」 は、とても面白い仕上がりになっている。
パーカッションをふんだんに取り入れた、M-9 「Too Much Too Often」 のダンサブルで複雑なリズム・パターンと凝ったアレンジは、ライヴで映えそうな熱いナンバーでカッコいい。
これぞパワー・ポップ!と言わんばかりのドライヴィング・チューン、M-11 「Leave Yourself for Somebody Else」 のほとばしる疾走感もたまらなく気持ちいい。
コーラス・ワークとアレンジに趣向をこらしていて、くり返し聴けば聴くほど各曲のいろんな面白さを見い出すことができる。
とても楽しみながら聴ける作品である。