今日もArt & Science

写真付きで日記や趣味を勝手気ままに書くつもり!
徒然草や方丈記の様に!
あるいは寺田寅彦の様に!

雪の金閣寺 3

2013-02-27 12:57:51 | アート・文化

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図1 燦々と降り注ぐ雪と金閣寺。真っ白の雪は舎利殿の金色、漆塗りの黒地と良くマッチしている。

キーワード{金閣寺}で画像を検索すると約80万件、{金閣寺、雪}での検索では72万件、なんと9割強が雪の景色である。室町時代以来、金閣寺は雪景色が素晴らしいと相場が決まっている。1950年、放火消失、後に再建された金閣でも人気は衰えず、雪が降るとマニアが集まる。金閣はなぜこのように人を魅了するのか?金色の鈍い乱反射が人々を涅槃の境地に誘うのかも知れぬ。

舎利殿「金閣」は漆地に金箔を押した三層宝形造の建物である。「金閣」として有名で、寺の通称「金閣寺」の由来となった。初層・二層・三層のそれぞれに異なる様式を採用した特異な建築である。初層は寝殿造で「法水院」(ほっすいいん)と称し、中央に宝冠釈迦如来像、向かって左に法体の足利義満坐像を安置する。二層は書院造武家造)で「潮音洞」(ちょうおんどう)と称し、岩屋観音坐像と四天王像を安置する。三層は禅宗様仏殿風で「究竟頂」(くっきょうちょう)と称し、仏舎利を安置する。屋根は(さわら)の薄い板を重ねた杮葺(こけら葺)で、頂上には金銅製の鳳凰が飾られている。なお、金箔は二層および三層に貼られている。庭園は金閣を水面に映す鏡湖池(きょうこち)を中心とする池泉回遊式で、国の特別史跡・特別名勝に指定されている。鏡湖池には葦原島、鶴島、亀島などの島々のほか、畠山石、赤松石、細川石などの奇岩名石が数多く配されている。これら全てが調和して極楽浄土を演出し、無限次元の境地を醸し出すのであろう。


雪の金閣寺2

2013-02-23 16:27:00 | アート・文化

図1に示したように、「雪の金閣寺」は素晴らしい。雪の金閣寺は洛中洛外図(上杉本、絵:狩野永徳)にも描かれている。鳳凰に着雪している様を描いているから、余程気に入っていたもようである(図2参照)。さらに、勇み足だと思うが、一階~三階の高欄を金色ではなく、朱塗りの高欄にしているのである。ほかの洛中洛外図にある金閣寺は金色高欄であるので、どうも永徳の独断のディフォルメらしい。

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図1 雪の金閣寺全景。

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図2 狩野永徳が描いた上杉本の「雪の金閣寺」!。

高欄も金色にすると、まわり全て金色の雲に囲まれているので、金閣寺の良さが目立たない。筆者も永徳のディフォルメに賛成!!発注者の織田信長はどちらの意見?ところで、雪かきをしているお坊さんが裸足なのは当時はこれで普通だったのかなあ?京都の底冷えはとびきり寒い!

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図3 雪の金閣寺を一目見ようと特等場所に押し寄せた観客(勿論、入場料支払済み?!)。

雪の金閣寺の魅力に取り付かれたオタク族はカメラを離さず寝るとか?!雪の金閣寺を眺めていると、深々と冷え込む雪の日の寒さも気にならない?!


雪の金閣寺1

2013-02-16 11:44:32 | アート・文化

今日は珍しく昼間も雪降りでリハビリにも行けない!

京都で雪が降れば「雪の金閣寺」が定番!

雪の金閣寺の写真はゴマンとある!そのうちの一枚を拝借!

これからも、気に入ったアングルの写真をスポット的に挿入する。

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図1 雪の金閣寺1。(クリックで拡大!)

 


PS2内のtyrosyl ラジカル(wikiより引用)

2013-02-15 08:58:49 | ラジカル

最近やっと、 Mnクラスター系の詳細を除いて、光化学系(PSⅡ)の全容が解明されてきた。蛋白の中でも数少ない巨大分子で、分子量は700万近い。最もよく引用されているPDBID:2AXTを以下に示す。

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図1 Photosystem2の結晶構造解析例(PDBID:2AXT)。

光化学反応

   30億年前、我々の世界環境は完全に変わった。小さな細胞が光を捕らえ、細胞内反応過程のエネルギー源として利用する方法を発見した時、全てが変わった。それまで地球上の生命は、光、温泉、その他の地球化学的な起源によって作られた有機分子のように、局所環境に存在する限られた天然資源に依存していた。しかし、これらの資源は使い果たされていた。光合成の発明によって、成長と発展に新たな可能性が広がり、地球上の生命は急速に発展した。この新たな発明により、細胞は空気中の二酸化炭素を取り込み、それを水と結合して成長に必要となる原材料とエネルギーを作り出すことができるようになった。今日、光合成は地球上の生命の基盤の役割となっていて、全ての生物を生かすための食べ物とエネルギーを供給している。
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図2 光合成系の全体像。
光化学反応は、光化学系II(PSII)、シトクロムb6f、光化学系I(PSI)の3種のタンパク質複合体で構成され、これらはすべてチラコイド膜に存在する。PSIIとシトクロムb6f の間はプラストキノン(PQ)、シトクロムb6f とPSIとの間はプラストシアニン(PC)で結ばれている(図2参照)。PSIIに光(hν)が当たることによってH2OからNADP+に電子が流れ(青矢印)、プロトンがチラコイドルーメンに取り込まれる(赤矢印)。また、酸素発生複合体(OEC)によって水が分解されて酸素が発生するときもプロトンがチラコイドルーメンに生成する。チラコイドルーメンとストロマの間にできたプロトンの濃度勾配の浸透圧エネルギーによってATP合成酵素がATPを合成する。ATP合成酵素は1秒間に17回転し、その摩擦熱でADPからATPを合成しているのである。
光化学反応の収支式は以下の通りである。
  • 12 H2O + 12 NADP+ → 6 O2 + 12 NADPH + 12 H+(in)
  • 72 H+(in) + 24 ADP + 24 Pi (リン酸) → 72 H+(out) + 24 ATP

Z機構

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図3 電子伝達系での電子のエネルギー勾配を示すZ機構。

植物の光化学反応は葉緑体のチラコイド膜で起こり、光エネルギーを使ってATPとNADPHを合成する。狭議の光化学反応は、非循環的電子伝達系と循環的電子伝達系の2つの過程に分けられる。非循環的電子伝達系ではプロトンは光化学系II内のアンテナ複合体に光が捕獲されることによって獲得される。光化学系IIの光化学系反応中心(RC)にあるクロロフィル分子がアンテナ色素から十分な励起エネルギーを得たとき、電子は電子受容体分子(フェオフィチン)に運ばれる。この電子の動きを光誘起電荷分離と呼ぶ。この電子は電子伝達系を移動するが、これをエネルギー勾配で表したのがZ機構(Z-scheme)である。ATP合成酵素はエネルギー勾配を使って光リン酸化によってATPを合成するが、NADPHはZ機構の酸化還元反応によって合成される。電子が光化学系Iに入ると再び光によって励起される。そして再びエネルギーを落しながら電子受容体に伝えられる。電子受容体によって作られたエネルギーはチラコイドルーメンにプロトンを輸送するのに使われている。電子はカルビン回路で使われるNADPを還元するのに使われる。循環的電子伝達系は非循環的電子伝達系に類似しているが、これはATPの生成のみを行いNADPを還元しないという点が違う。電子は光化学系Iで光励起され電子受容体に移されると再び光化学系Iに戻ってくる。ゆえに循環的電子伝達系と呼ばれるのである。

PSⅡ

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 図4 PS2内のtyrosyl ラジカル。

植物細胞は光化学系蛋白質を使って光を捕らえる。これら光化学系は光を捕らえるのに緑色のクロロフィルを利用する。クロロフィルはマグネシウムイオンを取り囲む平らな有機分子と、炭素間二重結合の長い鎖を持つ橙色のカロテノイドとで構成されている。これらの分子は光を吸収し、それを電子の励起に使う。高エネルギー状態となった電子は細胞のエネルギー供給に利用される。光化学系IIは光合成系において最初の入口となる部分である(図4参照)。光化学系IIは光子を捕らえ、そのエネルギーを水分子から電子を取り出すのに使う。これら電子はいくつかの方法で使われる。まず、電子が取り除かれると水分子は分解され、泡となって出て行く酸素ガスとATP合成のエネルギー源として使われる水素イオンとに分解される。光化学系IIの要は反応中心で、ここでは光エネルギーが励起された電子の運動に変換される。中心には重要なクロロフィル分子がある。クロロフィルが光を吸収すると、クロロフィルが持つ電子のうちの1つが高エネルギー状態へ移る。この励起された電子は下に移動し、いくつかの色素分子を通って、プラストキノンA、そして最終的にはプラストキノンBのところに来る。この小さなキノンは十分な電子を得ると光化学系から離れ、電子を次の過程である電子伝達系へと運ぶ。もちろんこれによって電子が抜けた状態のクロロフィルからも離れる。反応中心の上半分はこの運び出された電子を水から得られた低エネルギーの電子と置き換える仕事をしている。酸素発生中心は水から電子をひきはがし、それをチロシンに渡す。これが更にクロロフィルへと運ばれ、別の光子を吸収する準備ができる。光によって励起された電子エネルギーは共鳴エネルギー移動の反応過程によって簡単に移動する。分子間の距離が十分近いと、エネルギーは分子から分子へと飛び移ることができる。光化学系はこれを利用するために、光を捕らえてそのエネルギーを反応中心に移す光吸収分子を利用した大きなアンテナを持っている。また植物は、光化学系に隣接し光集めを助ける特別な集光性蛋白質(light harvesting protein)も作っている。反応中心の中央にあるクロロフィル分子である。なお下半分にもう1つの反応中心がある。光化学系IIは2つの同じ部分が集まって構成されている。図4の光化学系IIの酸素発生中心はマンガンイオン(赤紫)、カルシウムイオン(青緑)、そして酸素原子(赤)でできた複雑な集合体(クラスター)である。これは2分子の水分子を捕獲して4つの電子を除去し、酸素ガスと4つの水素イオンを作る。2つの水分子が実際に結合する場所は詳しくは分かっていないが、PDBID:1s5lの構造では炭酸水素イオンが酸素発生中心に結合しており、これが活性部位の位置を示す手がかりとなっている。図にはこの炭酸水素イオンの中にある2つの酸素原子(青)が示されている。そして一方はマンガンイオンと、もう一方はカルシウムイオンと結合している。酸素発生中心がヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸によって囲まれている。中央のチロシンはラジカル状態を経由して、水と光を捕らえるクロロフィルとの間に、完全な橋渡しを形成している。

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RNR内のチロシルラジカル(SESTNo.20原稿)

2013-02-03 14:57:16 | ラジカル

リボヌクレオチド還元酵素(RNR)は全ての生物に必須の酵素で、DNAの合成および修復に中心的役割を果たす。1969年、スエーデンのBrown1)は大腸菌のRNR酵素の吸収スペクトルを測定している時に、RNR蛋白B2の精製段階

 

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図1 Ehrenbergが発表した、RNR内に生成するtyrosyl radicalESRスペクトル2)g=2.0047a(4-)=1.9 mT a(2,6-)=0.7 mT4-位のβプロトン1個のhfccが意外に大きい。

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で、(a) 410 nm の鋭いピークの強度は精製と共に増強する、(b) 410360 nm のピークは鉄元素除去により消失し、鉄原子の再活性化により再現される、(c)蛋白B2を特異的に壊すhydroxyureahydroxylamine410 nmピークも消去する、ことを見出した。Brownの依頼でEhrenberg2) ESRを測定した所、図1tyrosyl radical (Tyr)ESRを得た。tyrosine RNR蛋白を構成する必須アミノ酸の一つで、生成したTyrが鉄の二核錯体と相互作用して安定化しており、室温でも観測できる。当該ラジカル生成は非常に一般的で、光化学系Ⅱ、大腸菌以外のRNR系、チトクロムC酸化酵素系、ヘムを含む酸化酵素系および過酸化酵素系、脂肪酸酸化酵素系、等の酵素系でも生成していることが明らかになってきた3)その後の研究4)で、RNRのサブユニットβ2B2)が安定なtyrosyl(Y122)Fe2クラスターを有しており、このY122?35以上離れたα2 の活性部位中のシステイン残基(C439-α2)を可逆的に酸化し、生じたthiyl radicalを用いてRNR還元反応を触媒する。このような長距離のラジカル移動は極めて稀で、芳香族性アミノ酸残基を用いるプロトン共役電子移動 (PCET)機構 が提唱されている4)。このPCET α2 に基質が結合することで引き起こされる蛋白質の構造変化で制御されている。Y122?の還元は一連の反応の第一段階であり、酵素がY122-β2Fe()2 クラスター間のプロトンと電子移動を通じて、全体の反応を制御していると考られている。フレンチパラドックスでお馴染みのレスベラトロールはRNR酵素の機能を阻害する。レスベラトロールの抗酸化作用の本体である4’位の水酸基がRNRTyrを還元し、酵素阻害が起きてDNA複製が阻害され、遺伝毒性を引き起こすのである。ここにきて、Tyrの同定に端を発したESR測定がENDOR、高周波/マルチESR、およびパルスESR測定へと波及効果が急激に広がりつつある4-5)。金属錯体酵素系でのラジカルの役割がますます重要になってきた。

参考文献1) N. C. Brown, et al, Eur. J. Biochem. 1969, 9, 4069. 2) A.. Ehrenberg, et al, J.Biol. Chem., 1972, 247, 3485 1978, 253, 6863. 3) A. Mukherjee, et al, J. Am. Chem. Soc.., 2011, 133, 227、及び引用文献参照。 4) K. Yokoyama, et al, J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 18420.. 5) T. Argirević, et al, . J. Am. Chem. Soc.., 2012, 134, 17661

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