図1 ちょっといっぷく3 の絵に加筆して、顔を中心にコントラストを強くしたもの(クリックで拡大)。
イワナの虫食い模様はことのほか時間がかかるがこの重量感が堪らない。深緑と焦げ茶と金泥!端的にいえば迷彩色である。この3色を組み合わせて虫食い模様を作り上げていくと図1のようになる。この模様は満天の星空にも見えて三次元空間を連想する。イワナの神秘性はここから来るかもしれない。
イワナの背中が迷彩色になったのは何億年もの自然淘汰の結果であろう。深緑と焦げ茶と金泥!始めは大まかに魚体を素描し、虫食い模様を背中の首筋に沿って描き始める。模様の大きさは大きすぎても、また小さすぎてもだめ!描き始めてしばらくすると違いに気付き、極細消しゴムで修正を加える。この時三次元空間の位置も加味して修正しているようである。他人事のように表現したのは意識に従って表現している部分と、無意識にセレクトして描いている部分があるようだ。でも、DNAの情報に従って作り上げていく模様がなんと不思議な世界なのか?!
科学的に解き明かされようとしているこの模様のメカニズムは西陣織の機織りに似てミクロの細胞の中でいとも容易く作られている。