今日もArt & Science

写真付きで日記や趣味を勝手気ままに書くつもり!
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あるいは寺田寅彦の様に!

ちょっといっぷく52 雪の清水寺

2014-01-22 13:00:27 | ちょっといっぷく

今日も京都北山は薄化粧!カーテンを開けて御土居を見下ろすと2~3センチの積雪が見える!大寒の入りでいよいよ冬本番になってきた!昨年、「雪」と「金閣寺」でgoogle 検索をしたときは数十万のHPがヒットした!「雪」の「清水寺」はどうだろう?答えは126万件!約倍あった!さすがは清水!桁が違うな~。画像検索で好みの雪景色を選定した。図1は清水の三重塔で、日ごろ、清水の舞台に眼が移り、素通りしてしまう建物であるが、雪化粧をすると格別素晴らしい!!

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図1 雪の清水寺:三重塔。鉛色の空が背景になり、ことのほか塔の美が強調されている(photo gallery で修整)。

http://blog.goo.ne.jp/kyo-otoko/e/4255cf0c8432d75fe821e00284a392ea)。

図2は積雪により、舞台が強調されている。モノトーンの世界に、三重塔の朱色が画面を引き締めている。東山連峰の一つ、音羽山の山懐に抱かれて、御伽草子の世界に入ったような錯覚を覚える。 一寸法師がお姫様を守って、鬼を退治したのも此処である。鬼が残した「打出の小槌」が落ちていないかな~ 。

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図2 雪の清水の舞台(photo gallery で修整)。

 

 


ウシ心ミト複合体Ⅰのセミキノン信号(SEST原稿仮)

2014-01-15 15:39:10 | ラジカル

「呼吸鎖ミトコンドリア複合体Ⅰに生成消滅するユビセミキノンラジカルの機構(仮)」

ubiquinone はubique (あまねく)とquinone の合成語で、ミトコンドリアに存在し、広く生物に分布する為に名付けられた。古くから還元条件で、セミキノンラジカルのESRが観測されていたが、蛋白内での生成消滅の詳細が確認されたのは最近で、結晶構造解析が発表されるまで待たねばならなかった。2010年、Sazanov、等1)によって呼吸鎖ミトコンドリア複合体Ⅰの構造解析結果がNatureに発表され、再び、ラジカルの役割が華やかに議論され出した。複合体Ⅰは呼吸鎖の入り口に位置し、45のサブユニット(1メガダルトン)にも及ぶ巨大な蛋白質である(図1)。複合体IはNADHの2つの水素と2つの電子をubiquinoneに渡す役割を果たす。しかし、詳細な機構は不明であった。QバンドESR2)解析等により、その反応機構解明は大きく進歩した。

1) R.G.Efremov, R.Baradaran, L.A.Sazanov, Nature, 465, Issue 7297, 27 May 2010, Pages 441-445. "The architecture of respiratory complex", 

2) T Ohnishi, S.T Ohnishi, K. Shinzawa-Itoh, S. Yoshikawa, R.T. Weber, Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Bioenergetics, Vol. 1817, Issue 10, October 2012, pp 1803?1809."EPR detection of two protein-associated ubiquinone components (SQNf and SQNs) in the membrane in situ and in proteoliposomes of isolated bovine heart complex I",

 

 

Photo(クリックで拡大)

 

図1 複合体Ⅰの結晶構造図。45のサブユニットからなる巨大蛋白質で、分子量は1メガダルトン。

複合体Iを電子が通過すると,4つのH+が膜間腔へ運ばれる。ウシ心筋の複合体Iは45のサブユニットから成る複雑な構成で、フラビン(FMN)や、少なくとも6~8個のFe-Sクラスターを含む。最近、ペンシルバニア大の大西グループが図1の構造を元に、ユビキノン(Q)研究の詳細な機構を発表した。機構を纏めると、Qは膜内を自由に動き回れるが二つのサイト(QNf  及び QNs)にそれぞれ緩く結合している。提案されている電子・プロトン移動モデルを図2に示す。図2(a?c) には 直接的ポンプ機構(2H+/2e)を示している。具体的には、(a) QNf は1個の電子を近くのFeSクラスター(N2)より受け入れてQNfradical dot<noscript>radical dot</noscript>-が生成する。常磁性のN2の近傍のために緩和時間の速い。(b) 負電荷のためにプロトンを引き付けてセミキノン(SQ)型<noscript>radical dot 

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(d) QNs は元来、酸化型で存在しており、 (e) 電子を受けとるとSQ型に還元され、キノンポケットに強く結合している。 (f) 2個目の取り込みにより、N-sideより2個目のプロトン受け取りが結果としてキノール(QNsH2)を生成することになる。 還元Qがポケットから開放されるとポケットには大きな構造変化がおきる。この構造変化は長いα‐へリックスを通して起こる(Sazanov’s group は“piston” と呼んでいる)。結果として、α‐へリックスはチャンネル蛋白の再配向を引き起こし、P-side (intermembrane space)にプロトンを開放する。

Ongoing EPR studies of the protein-associated SQNf and SQNs

 

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Fig. 8   ウシ心複合系に現れるラジカル:SQNf および SQNs のQバンドESRスペクトル。SQNfg 値 (gzz, gyy, gxx)  は(2.0045, 2.0036, 2.0005)、Line width (Lz,y,x) は 6.0 gauss: SQNs のg値は (2.0049, 2.0018, 1.9990). Line width (Lz,y,x)3.5 gauss。Measuring Condition 150 K, 0.2 mW microwave power, modulation amplitude 4 gauss, accumulation time 2 hours each。

 Currently, we are working to obtain our own experimental data that support the presence of two distinct protein-associated QNf?- and QNs?- species in ND1 and ND2 subunits, respectively.we have conducted the high frequency (33.9 GHz) well-resolved Q-band EPR recording of individual QNf?- and QNs?- molecules. We utilized tightly coupled reconstituted bovine heart complex I proteoliposomes, which shows the respiratory control ratio > 5. We have obtained preliminary data of significantly different g values (gzz, gyy, gxx) and line widths (Lz, y, x) for SQNf and SQNs molecules. The principal g values (gzz, gyy, gxx) of SQNf are (2.0045, 2.0036, 2.0005), and the counter part of SQNs are (2.0049, 2.0018, 1.9990). Line width (Lz,y,x) is 6.0 gauss for SQNf and 3.5 gauss for SQNs.

 

JBC 258, No. 1, January IO. pp. 352-358. I983.
"Evidence of an Ubisemiquinone Radical(s) from the NADH-Ubiquinone
Reductase of the Mitochondrial Respiratory Chain",
Hiroshi Suzuki and Tsoo E. King.

NADH-ubiquinone (Q) reductase isolated from beef heart mitochondria exhibited, upon reduction by NADH, a prominent EPR signal at room temperature attributable to stable ubisemiquinone radical(s). The
concentration of the ubisemiquinone radical reached as high as 40% of the total Q content in trheed uctase.The radical was virtuallya bolished by adding rotenone, whereas rotenone had no effect on the reduction of FMN by NADH. The radical showed an EPR signal of g= 2.0042 at -9.5 GHz with no resolved hyperfine structureand had a line width of 6.8 Gauss at 23 “C. The Q-band EPR spectra at 35 GHz showed well resolved g-anisotropy
and had a field separation between derivative extrema of 24 Gauss. These results substantiate the fact that this radical was bound to a protein; we call it ubiquinone protein-N (QP-N). The pH dependence of the EPR signals demonstrated that the species of the ubisemiquinone radical(s) consisted of not only an anionic form but also a neutral form. Only about half of the QP-N radical formed by NADH reduction was abolished by p-chloromercuric sulfonate. The microwave power saturation curveo f the radical was biphasic; the first phase leveled off at about 5milliwatts and then at about 20 milliwatts. These results suggested that the ubisemiquinone radical from QP-N was heterogenous, consisting of at least twop opulations of stable ubisemiquinone radical(s). It is suggested that two kinds of QP-N exist in NADH-Q reductase.

 


桜の再生(鴨川真発見記より抜粋)

2014-01-14 15:52:34 | まち歩き

鴨川の桜も懸命に生きている(鴨川真発見記第25号)。
  京都土木事務所では、鴨川と西高瀬川の合流点を府民の皆さんが集える拠点として整備しています。その拠点には府民の皆様に様々な種類の桜を長い期間に渡って楽しんで頂ける様な整備を検討しています。そのため、お隣の「府立植物園」の職員さんによるフィールドワーク「桜の勉強」をお願いしました。
この時の参加者一同、「これは知らなかった」と感心したのは「桜の再生」でした。桜の幹が「ボロボロ・フワフワ」に枯れてしまいスポンジ状になった所に「幹の上部で元気な所」から「ひょろひょろ」と根が伸びてきます。この根を竹で作った筒に苔を詰めて地面へと導くと(図1左)、太く成長した根はやがて幹へと変化して命を繋いでいくそうです
根の養生を始めたばかりの木と、幹へと成長し枝が伸びるまでに育った木「ビフォーアフター」を見ると「なるほどこうなるのか」と納得しました。

<ビフォー>                 <アフター>

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図1 京都府立植物園サクラ再生プロジェクトの「ビフォーアフター」。

  この時のお話しでは、人が手入れしない場合でも自らのスポンジ状の幹の中を根が伸びて地面に達し、やがては空洞となった幹の中に新たな幹を形成する場合があるとのことでした。 お話しを聞いた時は身近にそんな桜があるとは思ってもいませんでしたが、鴨川散歩の途中で何気なく桜の木を見ると倒れそうになっている幹を杖の様な柱で支えられているのが目に入りました。鴨川側を正面と仮定して、加茂街道側の裏に回ってみると何やら幹の中に数本の幹らしき存在があります(図2)。

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図2 逞しい生命力です!

  「これがあの時教えてもらったあれか」と、人の手助けなしに身近に存在していたことに驚くとともに、この場所で今春に花見をしたことを思い出して、まだまだ見えていないことが多いなと思うのでした。(
http://www.pref.kyoto.jp/kyotodoboku/documents/1340335924477.pdf

平成24年6月20日(京都土木事務所Y)