今日もArt & Science

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五重のdogma!赤トンボの羽根のblack silicon状突起が物理的抗菌作用!

2013-11-29 11:14:27 | ニュース

【AFP=時事】細菌が存在しない病室、ドアノブ、台所の調理台などを想像してほしい──しかも細菌を殺すのに熱湯やマイクロ波の放射、殺菌剤の1滴も必要ないとしたら・・・。オーストラリアの科学者らによる驚くべき発見をもたらした背景には、このような発想があった。豪スウィンバーン工科大学(Swinburne University of Technology)のエレーナ・イワノワ(Elena  Ivanova)氏率いる研究チームは26日、昆虫の赤トンボからヒントを得て、細菌を物理的に殺すナノテクノロジー表面構造の発見Black silicon(図1参照)状突起に至ったとの研究論文を英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature  Communications:http://www.nature.com/ncomms/2013/131126/ncomms3838/full/ncomms3838.html)に発表した。ところで、

1)black silicon とは一体全体何のこと?不勉強の祟りが始まったのか?

2)赤トンボの羽根にblack silicon状突起が形成されているとは!?材質は主に脂質!(表1参照。)

3)赤トンボのblack silicon状突起と合成black siliconとは同じ構造?! 但し、black silicon は勿論、シリコンで出来ている(表1参照。)

4)black silicon状突起は非常に強力な抗菌作用とは?!

5)機構は全く不明!謎だらけ・・・。

これは筆者にとって五重の驚きである!!  

Ncomms3838f1
図1 Scanning electron micrographs of the upper surface of (a) bSi and (b) dragonfly forewings at × 35,000 magnification demonstrate the surface patterns of the two samples. Scale bars, 200?nm. Micrographs tilted at an angle of 53° (inset) show sharper nanopillars of black silicon distinct from one another and approximately twice the height of those of the dragonfly wing. Optical profilometry shows the nanoprotrusions of (c) bSi and (d) dragonfly forewings. Scale bars, 50?μm; inset, 2?μm. Three-dimensional reconstructions based on a displacement map technique further highlight the differences and similarities of (e) bSi and (f) dragonfly forewings.

Dragonfly
図2 日本でもお馴染みの赤トンボ。これの前羽にblack silicon と同じナノ突起がある(挿入図)。これが殺菌効果を示した!(Sci-News.comより引用)

Nature Communications:DOI: 10.1038/ncomms3838
Received 7 Jun 2013 | Accepted 25 Oct 2013 | Published 26 Nov 2013
Bactericidal activity of black silicon
Elena P. Ivanova1, Jafar Hasan1, Hayden K. Webb1, Gediminas Gervinskas2,3, Saulius Juodkazis2,3,
Vi Khanh Truong1, Alex H.F. Wu4, Robert N. Lamb4, Vladimir A. Baulin5, Gregory S. Watson6,
Jolanta A. Watson6, David E. Mainwaring1 & Russell J. Crawford1
Black silicon is a synthetic nanomaterial that contains high aspect ratio nanoprotrusions on its surface, produced through a simple reactive-ion etching technique for use in photovoltaic applications. Surfaces with high aspect-ratio nanofeatures are also common in the natural world, for example, the wings of the dragonfly Diplacodes bipunctata. Here we show that the nanoprotrusions on the surfaces of both black silicon and D. bipunctata wings form hierarchical structures through the formation of clusters of adjacent nanoprotrusions. These structures generate a mechanical bactericidal effect, independent of chemical composition. Both surfaces are highly bactericidal against all tested Gram-negative and Gram-positive bacteria, and endospores, and exhibit estimated average killing rates of up to B450,000 cells min1 cm2. This represents the first reported physical bactericidal activity of black silicon or indeed for any hydrophilic surface. This biomimetic analogue represents an excellent prospect for the development of a new generation of mechano-responsive, antibacterial nanomaterials.
DOI: 10.1038/ncomms3838 OPEN

ブラック シリコンは合成ナノマテリアルで、表面に無数のナノ突起を有する。太陽光発電アプリケーション使用する単純な反応性イオン エッチング技術により生産する一般的な自然世界ではたとえば、赤トンボ 翼の表面を形成しているここでは合成ブラック シリコン赤トンボの羽根表面のそれとを比較する。隣接するクラスター形成を介して、これら構造力学的殺菌効果があり化学成分とは無関係である両方表面グラム陰性菌およびグラム陽性細菌に対して高い殺菌効果:B450, 000 セル min(-1) cm(-2) まで平均殺害示した。これは初めて報告された物理的な殺菌ブラック シリコン表面実際を表しており、生物模倣型例は機械応答性、抗菌性ナノ材料世代開発ため明るい展望を示している


清水寺ライトアップ(追加! 今年の漢字2013)

2013-11-17 14:11:03 | まち歩き

京都市東山区の清水寺で14日夜、恒例の秋の夜間特別拝観に向けたライトアップの試験点灯が行われた。国宝の本堂「清水の舞台」が幽玄の光に浮かび上がった。

Photo(クリックで拡大)
図1 清水寺のライトアップ試験。まさに幽玄の世界!京都市東山区(恵守乾撮影)。

 大小約500基の照明が色づきはじめたモミジ約千本や伽藍(がらん)を照らし、観音菩薩の慈悲を表す青いサーチライト(図1参照)が、市街地の上空に一筋の光線を描いている。清水寺によると、紅葉の見頃は今月下旬で、例年よりやや早めだという天気予報。夜間特別拝観は11月15日~12月8日の午後6時半~9時半。

今年も漢字能力検定協会(HP:http://www.kanken.or.jp/)が「今年の漢字」を全国より募集(11月1日~12月5日)しており、12月12日には清水寺貫主(森清範)がこの「清水の舞台」で、直筆の揮毫(きごう)を行い(*)、発表の予定!一年を締めくくる適切な漢字が優勝してほしい。いずれにせよ貫主の揮毫は素晴らしい!!当日まで秘密で封をした封筒を開けて、特別の筆で揮毫する!

*注) 毎年、森貫主が練習無しのぶっつけ本番で「今年の漢字」を書く。その日の朝に漢検の理事長が茶色の封筒に糊を貼って森貫主のところに持って来る。封筒には親展と書いてある。しかも、中に二重位に紙がしてあって、外からは見えないようにしてある。筆は穂があまり長いと墨が垂れるので書けない。また、短いと墨持ちが悪いので、墨持ちをさせるために一番真ん中には牛耳毛が入っている。熊野筆で、羊毛を巻いて硬い毛も巻いてある。「今年の漢字」を書く貫主の書(直筆書)は、「京都八福庵」という公許取扱処により管理されている。

今年、2013年の漢字は「輸」(五輪の輪)に決定しました!!

だそうで、筆者としては富士山の「冨」か天災の「天」が優勝して欲しかった!だって、ほかの字は人間の欲が絡んで良い気がしない!

しかし、「輪」も適切な一字ですね!しかも揮毫が素晴らしい!

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図2 今年の漢字2013は「5輪」の「輪」と決まった!今年も、清水の舞台で森貫主が素晴らしい書を披露した(図2)!ところで、西山連山の山際がいいね!のーのーと寝たる姿や西の山。


シーボルト著「日本動物誌」(ファウナヤポニカ)と川原慶賀

2013-11-09 15:02:10 | うんちく・小ネタ

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図1 ファウナヤポニカの閲覧風景。慶賀筆のエビとオオサンショウウオの図が開けられているのが垣間見える(田隅本生:「静郁」Vol 37(2001), No.4、 1頁 :シーボルトと「ファウナヤポニカ」より抜粋)。http://www3.kulib.kyoto-u.ac.jp/bull/jpn/pdf/374.pdf)。

ファウナヤポニカの原著は縦37cm×横30cmの大判図鑑4冊であるため、机に広げると圧巻である(図1)。最近、京大附属図書館の電子図書館システムに西洋の古典『ファウナ・ヤポニカ』、いわゆる「日本動物誌」が収録された:(http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/b02/pisces.html)。「日本植物誌」(フローラヤポニカhttp://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/b01/b01cont.html:)とあわせて、自由に何処からでも閲覧できる。同システムとその利用者のためにまず祝意を表したい。京大所蔵の4巻本セットは無脊椎動物の1巻「甲殻類」と、脊椎動物の3巻「哺乳類・爬虫類」「鳥類」「魚類」から成っている。ここでいう“爬虫類”は旧式の分類方式によるもので、現今の“両生類”の全てを含んでいる。当時はダーウィン流進化論が確立するより30年以上も前であり、生物の分類は系統関係を問題にせずに形式的な類別や命名を事とするものだった。甲殻類と魚類は特に優れた絵師(川原慶賀)による作品が集中しているので、見飽きることはない。

元来、3Dを表現する方法として、1遠近法、2フォッグ(ぼかし)法、3陰影法、4点描法、5グラデーション、6ステレオビュー、・・・、がある。どれを使っているかは検討課題としておくが、現代にも十分通用する技法にまで到達していた事が明らかに判る。以下に、筆者が特に「ウッ」と唸った図を以下に示す。興味ある方はぜひ上記URLを参照されたい。

図2は日本の河川でお馴染みのモクズカニである。手足に成長したモクズを一本一本丁寧に描き、その手法の中に慶賀特有の3D技法が秘められている。

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図2 モクズガニ。モクズの1本1本まで丁寧に描かれ、未知のモノクローム3D画法が取り入れられている。

図3は通常の魚の側面を描く図鑑の方法を採らず、俯瞰法を採り、しかも、尻尾を直角に折り曲げて、一図で原寸に近い大きさを描画できる方法を策している。何ともはや、斬新な技法をとっているではないか!拡大すると良く判るが、俯瞰図であるが立体的で、水槽の魚を上から俯瞰している感じがする。これはまさに「灰色の濃淡」(墨の濃淡)のマジックである。

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図3 シロザメ。 3D表現を駆使しているので、いかにも水槽を上から俯瞰している感じがする。

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図4 モンガラカワハギ。グレーの点描の妙である。 拡大すると判るが、グレーの点描が魚体全体に描かれており、その粗密でうろこの模様や陰、立体を描いている。

図4のモンガラカワハギの図を拡大すると判るが、立体感を出す為にグレーの点描とグラデーションが散りばめられている。また、口元と鰭のオレンジ、目の下辺りと尻尾のレモン色の模様が肌の黒地とのコントラストを為して、如何にもモダンな感じがする。川原慶賀でなければこのような巧妙な作画は出来ないと予想しているが、図鑑全体を連続して眺めてみると明らかに区別できる。

北斎の浮世絵が一世を風靡した頃に長崎では、ヨーロッパの3Dが取り入れられ、既に、新しい画法が次々誕生していた!シーボルトの江戸行きの際、北斎父子と川原慶賀が逢っていた形跡がある。父子による浮世絵の遠近法や陰影法採用はどうも慶賀の影響によるものと思われる。

 

 

 

 

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