今日もArt & Science

写真付きで日記や趣味を勝手気ままに書くつもり!
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 ちょっといっぷく51 川原慶賀が見た日本「魚類」

2013-12-18 09:57:35 | ちょっといっぷく

シーボルトのお抱え絵師川原慶賀の作品はオランダにあるものを含めると2~3千にも及ぶ。その中には現代でも十分通用する作品が多い。図1~3は筆者の独断で選んだ。洋画と日本画の良いとこどりの和洋折衷画!
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図1 「日本動物誌」、「川原慶賀の見た江戸時代の日本」に掲載されたフグの図。添え書きはシーボルトが書き添えたシーボルトとオランダ語?! 作品の一つで、何ともユーモラスな「フグ」の絵があった。役人の心配(思惑)はそっちのけで、二人は動植物分類学の世界に没頭している!!後に、シーボルト事件が起こることも知らないで!

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図2 モノクロームで描かれたセミエビ。日本動物誌に掲載されている。

 

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図3 磯つりの垂涎ターゲット:イシダイ!タフな魚のイメージが画面から伝わってくる!

(当時の雰囲気を表しているので掲載)

国立国会図書館月報ー稀本あれこれ458ーより抜粋

この資料(略)は、尾張を代表する博物家で日本の理学博士第一号でもある伊藤圭介が収集した、魚類に関する研究資料の雑纂である(錦は圭介の号)。前ページの図はその中の一品で、色や姿から考えてアカヤガラ(現在の学名:Fistularia
petimba)という魚であろう。一方、鉛筆で「Fistularia tabacaria  Dr. von
Siebold」と書かれたサインは、江戸時代に来日したドイツ人医師シーボルト(Philipp Franz von Siebold)による直筆の書き入れであり、「この魚の学名はF. tabacaria であると認める」という趣旨の鑑定書きである。ここでは、この鑑定書きが生まれた背景に触れてみたい。来日後ずっと長崎の出島に滞在していたシーボルトは、文政9(1826)年春、オランダ商館長の将軍表敬(江戸参府)に際し医師として随行することになる。この旅すがら日本の自然誌や文化を調査することが、彼の大きな目的であった。というのも、当時は外国人の行動が厳しく制限されており、江戸参府は日本についての見聞を広める千載一遇の機会だったのである。彼はこの機会に最大限の研究成果をあげるべく、周到な前準備をし、数々の参考書を携えてこの旅行に臨んだ。
 参府の途上、シーボルトは宮(現在の名古屋市熱田区)で圭介らと面会する。
そこで彼らは博物談義に大いに花を咲かせ、圭介らが持参した様々な日本産動植
物の標本や画図について語り合った。シーボルトは日本の珍しい動植物を目にす
ることができたし、一方の圭介らは動植物の鑑定を依頼し、西洋の見識を得るこ
とができた。双方にとって大変意義深い交流となったのである。そして、シーボ
ルトのこの日の日記に「5フィートもあるヤガラの図が目を惹いた」旨が明記さ
れている。すなわち前ページの図はこのときに披露され、鑑定されたものと推定
できる。シーボルトは宿泊先に向かう道中も、駕籠にゆられつつ嬉々として動植
物の鑑定作業を進めた。彼は駕籠のことを”空飛ぶ小さな研究室”と表現し、「揺
れになれてしまえば、駕籠の中でも書き物ができる。硬い鉛筆ならより快適に書
くことができ、この旅における私の研究を楽にした」旨を書き残している。件の
鑑定書きは、駕籠の中または宿泊先の本陣で書かれたものであろう。
 その後、このヤガラ図は圭介から孫の篤太郎の手に渡り、昭和10年に東京科学
博物館で開催された「シーボルト資料展覧会」に出品された。現在は当館の書庫
でひっそりと眠っているが、当時の東西間学術交流を今に伝える瑞々しさはいさ
さかも失われていない。
<請求記号 寄別11―11> 21冊のうち第15冊所収 (田中 俊洋)


今年の漢字は「輪」!(「清水寺・・」より移動、書き換え!)

2013-12-13 08:30:47 | まち歩き

今年も漢字能力検定協会(HP:http://www.kanken.or.jp/)が「今年の漢字」を全国より募集(11月1日~12月5日)して、12月12日に清水寺貫主(森清範)が「清水の舞台」で、直筆の揮毫(きごう)を行った。 

毎年、森貫主が練習無しのぶっつけ本番で「今年の漢字」を書く。その日の朝に漢検の理事長が茶色の封筒に糊を貼って森貫主のところに持って来る。封筒には親展と書いてある。しかも、中に二重位に紙がしてあって、外からは見えないようにしてある。筆は穂があまり長いと墨が垂れるので書けない。また、短いと墨持ちが悪いので、墨持ちをさせるために一番真ん中には牛耳毛が入っている。熊野筆で、羊毛を巻いて硬い毛も巻いてある。「今年の漢字」を書く貫主の書(直筆書)は、「京都八福庵」という公許取扱処により管理されている。

今年、2013年の漢字は「輸」(五輪の輪)に決定した!!筆者としては富士山の「冨」か天災の「天」が優勝して欲しかった!だって、ほかの字は人間の欲が絡んで良い気がしない!しかし、考えてみれば、「輪」も適切な一字で、悪くはない!いずれにせよ、貫主の揮毫が素晴らしい!特に今年の一字は出来がよろしい!

図2 今年の漢字2013は「5輪」の「輪」と決まった!今年も、清水の舞台で森貫主が素晴らしい書を披露した(図2)!

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