今日もArt & Science

写真付きで日記や趣味を勝手気ままに書くつもり!
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ならの小川(御手洗川)は社家では明神川(+追加+斉王代御禊の儀)

2014-04-26 11:10:00 | まち歩き

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図1 上賀茂神社の東側を流れるならの小川の傍に歌碑。

上賀茂神社の東側を流れる小川の傍に歌碑がある。百人一首にも選ばれている藤原家隆の和歌「風そよぐならの小川の夕暮れは禊ぞ夏のしるしなりける」と歌われた。ここで、「なら」とは奈良ではなくて、樹木の楢を意味する。

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図2 ならの小川(御手洗川)の清冽な流れ。 加茂川の上流、柊の別れにある取水口から加茂川の水を取り入れ、神社の東側を南進した後、社家の領域で明神川と名を変えて上賀茂の農家を潤す。

 春爛漫の桜狂想曲が終わったと思ったらもう葵祭りの季節!流鏑馬(やぶさめ)、禊(みそぎ)の儀、競馬(くらべうま)・・・と祭り行事が続く。賀茂街道や堀川通りの並木道の緑が滴るようである。これらの緑のトンネルの中を雅な王朝行列が通るさまは最も京都に似つかわしい。葵祭りは上賀茂、下賀茂両神社のお祭り!斎王代は葵祭りの主役で、毎年、5月4日に両神社のどちらかで禊の儀を執り行う。今年は上賀茂神社の予定!斎王代と女人列に参加する四十人の女性が御手洗川に手を浸して身を清める。下鴨神社と上賀茂神社両社で毎年交替で行われる。ならの小川(御手洗川)は 加茂川の上流、柊の別れにある取水口から加茂川の水を取り入れ、神社の東側を流れた後、社家の領域で明神川と名を変えて、上賀茂一帯の農家を潤す。賀茂一族が京都に移り住んで以来の水行政であろう。禊の儀は綺麗な水を大事にする行事とも取れる!

斉王代御禊の儀:08上賀茂神社:

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図3 上賀茂神社ならの小川での禊の儀2008

http://sango-kc.blog.eonet.jp/eo/2008/05/08-fca9.html


今年の斎王代は神戸大の太田梨紗子さん(This year Saio-dai, Ota Risako)

2014-04-20 10:31:16 | まち歩き

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図1 今年の斎王代は神戸大文学部2年の太田梨紗子さん。振袖姿が素晴らしい!!鈍く光る高価な西陣織に負けない雰囲気が漂う。

Figure 1. This year Saio-dai, Ota Risako, 2nd years of Kobe University, Faculty of Literature, was elected. Long-sleeved kimono figure is great ! ! Her atmosphere does not lose an expensive Nishijin shining.

京都三大祭のトップを飾る葵祭(5月15日)のヒロイン、第59代斎王代に14日、京菓子製造の老舗「老松」の当主、太田達(とおる)さん(57)の長女で神戸大文学部2年の太田梨紗子さん(20)が選ばれた。市内で記者会見に臨んだ梨紗子さんは、薄紫に雪輪模様の振り袖姿。緊張した表情ながらも「あこがれだった斎王代に選ばれ、夢が現実になった」と喜び、「厳粛な気持ちで、身を引き締めて神事をおつとめしたい」と決意を語った。梨紗子さんは美術史学専攻で研究者を志望。演劇研究会に所属し、今様をたしなむ。兄の侑馬(ゆうま)さん(25)は平成11年の祇園祭で長刀鉾の稚児を務めた。斎王代はかつて神社に仕えた未婚の内親王「斎王」の代理。京都ゆかりの一般の未婚女性から毎年推薦で選ばれ、行列では十二単姿で輿に乗る。

The 14th of this month, eldest daughter of the family head, Ota Toru(57), long-established Kyoto confectionery production, " Oimatsu " , was elected to heroine ( May 15 )  of the 59th Saioh-dai of Aoi Festival, topping three great festivals of Kyoto. Ota Risako is 2nd years Kobe U., Faculty of Literature (20). Risako who face the press conference in the city , long-sleeved kimono appearance of snowflake pattern in pale purple(Fig. 1). She was willing, " to be chosen Saio-dai, longing dream, and has become reality ," and despite a strained look, told her decision " in a solemn feeling I want to strive my ritual by tightening the body " she said. Risako is aspiring researcher in art history major. She belongs to a theater study group, and trying to do "Imayou".  Her brother (Yuma)( we could say Jack Robinson ) ( 25) served as a bronc of Naginata-boko in the Gion Festival of 1999. Saio-dai surrogate princess unmarried and served to the shrine once. It is chosen each year by recommendation from unmarried women related generally to Kyoto. On festival she will be riding a sedan chair in ceremonial dress figure(twelve weared kimono) in the sedan chair.


complex 1 におけるFeS クラスター(ver2)

2014-04-20 08:38:42 | ESR

complex 1 における8種または9種 FeS クラスター(Ver 2)

Photo(クリックで拡大)。

図1 呼吸鎖全体図

下記URLをクリックすると個々の構造図が詳細に見える。

http://www.dbp.akita-pu.ac.jp/~esuzuki/pbc/Folder7/ET/chain.html)。

最近の呼吸鎖系の研究成果は素晴らしい。図1に示したように、ようやく呼吸鎖の全体像が見えるようになり、呼吸鎖を構成するタンパク質や補酵素群のほとんどは内膜に埋め込まれて存在することがわかるようになった。シトクロムcは膜表面に結合している。結晶構造解析の結果は複合体ごとに図1に示す。H+として運ばれた水素は複合体 I から膜間スペースへ移動し、同時にユビキノン(補酵素Q)へ2個の電子が渡される。一方、FADHとして運ばれた電子も複合体 II からユビキノン(補酵素Q)へ渡される。還元型ユビキノンの水素は複合体IIIとの連鎖で2H+として外れて膜間スペースへ移動する。同時に、電子は複合体IIIに渡される。複合体IIIに渡された電子はミトコンドリア膜表在性のシトクロムを経て複合体IVに送られる。複合体IVは、還元型シトクロムを酸化し、生じた電子が酸素分子に渡される。1/2分子のOがマトリックス内の2個のH+と結合すると1分子の水がつくられる(実際は4電子で水2分子が生成する)。複合体Ⅰ、Ⅲ、Ⅳで合計10個のH+が複合体の隙間を通って膜間スペースへ運ばれる。これによって生じるH+の濃度勾配が内膜をはさんでの膜電位を生み出す。

ここで、注目すべきは6~9個のFeSクラスターが並ぶ複合体Ⅰのサブユニットである(図2)。複合体IはNADHの2つの水素と電子をFMN(又はCoQ)に渡す。

NADH + H+ + FMN(CoQ)→ NAD+ + FMNH2(CoQH2) DGo' = -71 kJ/mol。

複合体Iを電子が通過すると,4つのH+が膜間腔へ運ばれる。複合体Iは42のサブユニットから成る複雑な構成のため研究の進歩は遅い。複合体1はフラビン(FMN)酵素や少なくとも6つのFe-Sを含む。CoQは膜内を自由に動き回れる。複合体Ⅰを電子が通過すると,4つのH+が膜間スペースへ運ばれる。複合体Iはロテノンやアミタールで阻害される。

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図2 T. thermophilus の呼吸鎖複合系Ⅰ親水部分の構造 (PDBID: 3I9V):FeSクラスターの配列の様子と電子の流れ(上から下へ)。

http://www.thayashi.com/Publications/Hayashi.Stuchebrukhov.2010.PNAS.pdf

ミトコンドリア複合体Ⅰや バクテリアNDH-1では非共有結合性FMNおよび8-9個のFe-Sクラスターを含んでいる。N1aとN1bは2核クラスター、 N3, N4, N5, and N6 は4核クラスターで、ESRを与える。 ある種のバクテリアでは、さらに2種の4核クラスター (N7とN6 )を含む。N1a、N1b はサブユニットNqo2/NuoE/ FP24k aおよびNqo3/NuoG/IP75kに位置する。 N3 はNqo1/NuoF/FP51kに位置する。.  クラスター N4, N5,  N7 は サブユニット Nqo3/NuoG/IP75kにある。クラスター N6 (2[4Fe-4S]) はサブユニット Nqo9/NuoI/TYKYと結合している。 N2 は多分、サブユニットPSST/Nqo6/NuoBに包含されている模様。

表1 シム解析で決定された複合体1内のFeSクラスターのESR信号のg値

ESR信号         gx       gy       gz
N1a            1.922     1.953     2.000
N1b            1.934     1.942     2.027
N2             1.903     1.903     2.050
N3             1.885     1.939     2.027
N4             1.894     1.940     2.088
N6a            1.895     1.935     2.093
N6b            1.939     1.939     2.048
N7             1.900     1.941     2.049

(参考)呼吸鎖複合体Iの電子トンネル移動: http://www.thayashi.com/research/et_complexI-j.html


ちょっといっぷく56 京都あれこれ 京都御所春の一般公開!その他

2014-04-14 10:50:38 | まち歩き

春爛漫の京都御所(京都市上京区)で9日、恒例の春の一般公開が始まり、観光客らが御所内を散策し、宮廷の風情を楽しんでいた。13日まで。公開は午前9時~午後3時半。入場無料。

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図1 開門された建礼門。 陛下や国賓しか通ることのできない建礼門も特別に開門された(通行は不可)。

今回の一般公開では、平安時代から重要な宮中行事に使用されてきた「大宋屏風(たいそうのびょうぶ)」が初めて展示されるほか、天皇陛下が昨年80歳となり傘寿(さんじゅ)を迎えられたことを祝って、陛下や国賓しか通ることのできない建礼門も特別に開門された(通行は不可)。12日は雅楽、13日は蹴鞠(けまり)が披露される予定。

もう一つの話題! 京の水はこんなに甘かった…歌道名門・冷泉家「松の井」復活で見直される「地下水」への回帰:

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140328/wlf14032814140012-n3.htm

 

 


ユビセミキノンの機能(2) Complex 3中のUQ

2014-04-05 14:23:24 | ラジカル

 

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図1 複合体IIIの模式図

 

複合体IIIはシトクロム b を起源に Fe-S タンパク質およびシトクロム c が付加されてできたとされている。ユビセミキノンは、呼吸鎖複合体(シトクロムbc1複合体)III内のプロトンキノンサイクル機構(スカラー反応)に関与している。

複合体IIIはユビキノールからシトクロム cに電子伝達を行い、「ユビキノール:シトクロムc 酸化還元酵素」とも呼ばれる。好気呼吸を行う真核生物はすべてミトコンドリア内膜に複合体 III を所持している。現在、ウシシトクロム bc1 複合体の立体構造が明らかになっている。複合体 III の構成は:

1)シトクロム b(ユビキノールの酸化を行う)

2)リスケ鉄硫黄タンパク質

3)シトクロム c1(シトクロム c に電子伝達を行う)

電子伝達は以下の手順で行われる。

4)ユビキノール → リスケ Fe-S タンパク質 → シトクロム cFe2+

ただし、シトクロム b でのスカラー反応により、以下の電子伝達も行われる。

5)ユビキノール → ヘム bL → ヘム bH → リスケ Fe-S タンパク質 → シトクロム cFe2+

複合体IIIにおいては、複合体Iや複合体IVとは異なる機構でプロトンが膜外に輸送される。複合体I、IVにおいてはプロトンポンプ機構と言う、輸送を受けるプロトンが膜内から膜外に輸送されるのみである。しかしながら複合体IIIにおいては『プロトンキノンサイクル機構』という独自の輸送機構を用いている。プロトンキノンサイクル機構とは、膜内部においてプロトンが消費され、その還元力を使用して膜外側でのプロトンの放出が見られる現象である(この反応をスカラー反応と言う)。実際輸送を受けるプロトンは膜内から放出されるわけではなく、見かけ上そのように見えるだけなのでプロトンポンプ機構とはことなる機構であることが理解できる。その素反応の詳細は、以下の反応ステップからなる。

1)複合体IIIのシトクロムbの膜外側に存在するユビキノール酸化部位 (QP部位あるいはQO)でユビキノールが酸化される。

 2)具体的には、ユビキノールから2電子が抜き取られ、同時に膜外側へプロトンが2分子放出される3)その2電子は異なる方向にそれぞれ伝達される。その内約は以下の通りである。1個目の電子は、可動性リスケ鉄硫黄タンパク質を経て、シトクロムc1、シトクロムcの順番に電子伝達される。 2個目の電子は、シトクロムbに存在する2つのヘム(ヘムbL, bH)を経て膜内側に存在するユビキノン還元部位(QN部位あるいはQI部位)に電子伝達される。つぎに、QN部位に電子が二電子伝達されることにより、ユビキノンは二電子還元を受けてユビキノールとなり、再びプロトンキノンサイクル機構に組み込まれる。

以上が、プロトンキノンサイクル機構の反応であるが、この中でも特に優れた機構は可動性リスケ鉄硫黄タンパク質の関与する、電子伝達の方向性を変化させる過程である。