鴨川の桜も懸命に生きている(鴨川真発見記第25号)。
京都土木事務所では、鴨川と西高瀬川の合流点を府民の皆さんが集える拠点として整備しています。その拠点には府民の皆様に様々な種類の桜を長い期間に渡って楽しんで頂ける様な整備を検討しています。そのため、お隣の「府立植物園」の職員さんによるフィールドワーク「桜の勉強」をお願いしました。
この時の参加者一同、「これは知らなかった」と感心したのは「桜の再生」でした。桜の幹が「ボロボロ・フワフワ」に枯れてしまいスポンジ状になった所に「幹の上部で元気な所」から「ひょろひょろ」と根が伸びてきます。この根を竹で作った筒に苔を詰めて地面へと導くと(図1左)、太く成長した根はやがて幹へと変化して命を繋いでいくそうです。根の養生を始めたばかりの木と、幹へと成長し枝が伸びるまでに育った木「ビフォーアフター」を見ると「なるほどこうなるのか」と納得しました。
<ビフォー> <アフター>
図1 京都府立植物園サクラ再生プロジェクトの「ビフォーアフター」。
この時のお話しでは、人が手入れしない場合でも自らのスポンジ状の幹の中を根が伸びて地面に達し、やがては空洞となった幹の中に新たな幹を形成する場合があるとのことでした。 お話しを聞いた時は身近にそんな桜があるとは思ってもいませんでしたが、鴨川散歩の途中で何気なく桜の木を見ると倒れそうになっている幹を杖の様な柱で支えられているのが目に入りました。鴨川側を正面と仮定して、加茂街道側の裏に回ってみると何やら幹の中に数本の幹らしき存在があります(図2)。
図2 逞しい生命力です!
「これがあの時教えてもらったあれか」と、人の手助けなしに身近に存在していたことに驚くとともに、この場所で今春に花見をしたことを思い出して、まだまだ見えていないことが多いなと思うのでした。(http://www.pref.kyoto.jp/kyotodoboku/documents/1340335924477.pdf
平成24年6月20日(京都土木事務所Y)