「広島に「ベーシストがやっているお店」がある」
という、知人の紹介で初めて訪ねた。
広島中区の本通商店街の東、えびす通りにある
ジャズ・バー『Jazz In Mingus』。
日本を代表するビッグバンド【原信夫とシャープスアンドフラッツ】のベーシストだった、井上博義さんのお店。
入った途端に素晴らしい音でジャズが耳に飛び込んで来た。
ターンテーブルにLPレコードが回り、マッキントッシュの真空管アンプが光り、
JBLのヴィンテージ・スピーカーが鳴る。
デジタルでは絶対に聴けない、アナログの深み・艶・張り。
1937年生まれの井上さんは今年で76歳。
今も現役バリバリのベーシストである。
魂のこもった、骨太で、実に男らしいベースを弾かれる。
音と同じに、骨太で真っ直ぐなお人柄。
すぐにベース談義で意気投合。
そしてライブタイムに、その素晴らしい演奏に聞き惚れた。
もう、井上さんと、このお店の魅力にはまってしまった。
二回目に訪ねた時
なんと、井上さんは愛用のベースを私に弾かせて下さり、
コントラバスの弾き方、魅力を教えて下さった。
井上さんのベースは弦が太く、とても弦高が高い。
深く指を差し込み、手首全体で弾く。
それが、芯の強い深みのある音を出すのだ。
エレクトリック・ベース専門の私がいきなり弾いたところで、
到底、井上さんの様な大きな深い音が出るわけもなかった(笑)
しかし
とても気持ち良かった。
その難しさ、奥深さが堪らない魅力だと分かった。
間違いなく数年後、
私はコントラバスを弾いているだろう。
井上さん、ありがとうございます。
今度また、コンバスを教えて下さい。
必ずまた来ます。