ビター☆チョコ

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イン・ハー・シューズ

2005-11-17 | 洋画【あ】行
ローズ(トニ・コレット)はバリバリの弁護士。仕事は順調でも,自分の容姿にコンプレックスをもっていて恋愛に積極的になれない。
マギー(キャメロン・ディアス)は無職で学歴も友達もないが,自分のゴージャスな容姿には自信を持っている。
そんな正反対の二人は姉妹。
二人に共通しているのは,子供の頃に亡くした母の思い出と,靴のサイズだけ。
妹の引き起こす騒動をいつも引き受けてきたローズだが,交際を始めたばかりの恋人をマギーに取られ,大爆発。
職なし,家なし,お金なしのマギーを追い出してしまう。
行き場を失ったマギーは,母が死んで以来交流のなかった祖母のエラ(シャーリー・マクレーン)の元に身を寄せる。
思いがけない孫娘の訪問に喜ぶエラだったが,ぶらぶら遊び暮らすマギーに,
エラの住む老人ホームで働くことを提案する。
一方,厄介な妹が消えてしまったローズはなぜか気が晴れない。
迷惑な存在だと思ってたマギーがいなくなって,初めてかけがえのない存在だったと気づくのだ。
今までの生活をリセットした二人は
遠く離れた場所で,それぞれの新しい道を摸索しはじめる。

祖母の住むフロリダに旅立つ前のマギーが,華奢なジミー・チューのハイヒールだとすれば,フロリダで生き生きと働くマギーはスニーカーだ。
どんな道でもすたすた歩ける,気取らないスニーカー。
いつも誰かに甘えたい。難読症という大きなコンプレックスから目をそらし,不安定な様子だったマギーが,自分の居場所を見つけて自信に溢れていく様子は,観ていて嬉しくなってしまう。
成功者に見えたローズも,実はコンプレックスとストレスの塊。
妹の保護者としての重荷をおろし,誰かに愛される喜びを知って輝いていく。
自分にぴったりの靴(人生)を探し出すために
人は泣いたり笑ったり傷つけあったり許したりを繰り返すのだろう。

この正反対の姉妹を暖かく見守るエラと,エラの友達(老人ホームの住人たち)がとっても素敵だった。
最近,映画を観るとなぜか主役よりも脇役の,ちょっと年配の女性に心惹かれる。
ヘレン・ハントとかスーザン・サランドンとか・・・
この映画でも,主役の二人には心から拍手を送りたいが,一番輝いてたのがおばあちゃん達。
人生80年くらい?だとすれば,もう折り返してしまった私。
10年前だったら自分探しをする姉妹に共感したのだろうが,今の私は自分探しはもうしない。
私の視線はこれからどんな自分になりたいのかに向いてしまう。
願わくば,自分の負った傷も全部受け止めて,しっかりと明るく立っている
かっこいいばあちゃんになりたいものだ。
結局,私の靴探しもまだまだ続く。