軽井沢大賀ホール2016春の音楽祭のプログラムとして行われたアンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団の演奏会に5月3日に行ってきました。チケットはソールドアウトでした。
指揮:アンドレア・バッティストーニ
ピアノ:小山実稚恵
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
会場:大賀ホール(長野県北佐久郡軽井沢町)
ヴェルディ作曲 歌劇『運命の力』序曲
チャイコフスキー作曲 ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23
チャイコフスキー作曲 交響曲第4番 ヘ短調 作品36
(アンコール曲)
スクリャービン作曲 左手のための2つの小品より ノクターン 作品9-2 (小山実稚恵演奏)
ロッシーニ作曲 ウィリアム・テル序曲 (バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団)
曲目を見て、聴きに行きたくなり、軽井沢の大賀ホールに初めて出かけていきました。長野市からしなの鉄道に乗って、のんびりといったのですが、演奏は熱気がみなぎっていて、興奮して帰ってきました。
ヴェルディの『運命の力』序曲は、もともと劇的なかっこいい曲で大好きなのですが、バッティストーニの指揮は、強弱をはっきりとさせて、煽ることこの上なくてダイナミックでした。終わると同時に、会場はブラボーと拍手喝さいの嵐でした。
ピアノ(ハンブルグ・スタインウェイ、フルコンサートグランドピアノ D.274)が設置されて、チャイコフスキーのピアノコンチェルト第1番への期待が高まります。ホルンの序奏からピアノが入ってきます。結構力強いタッチで、小山さんの演奏が始まりました。この印象は最後まで変わらず、一音一音をはっきりと強く弾いていました。バッティストーニは、強弱をはっきりとさせた派手気味な伴奏をつけていましたが、曲のスケールに相応しい、小山さんとバッティストーニの演奏は、痛快さを伴っていました。
拍手の中、アンコール曲はスクリャービンの左手のためのノクターン。左手だけのトレモロがきれいに響くなど、小山さんの演奏に聞き惚れました。
休憩を挟んで、チャイコフスキーの交響曲第4番。第1楽章から激しい展開をみせる曲ですが、穏やかな第2楽章が気に入っている曲です。第4楽章へと向かい明るい開放感へもっていく演奏は、熱くてとても良かったのですが、第2楽章をもう少しゆっくりと歌ってほしかったような気もしました。
大きな拍手の中、バッティストーニが、「今日は劇的なヴェルディとメランコリックなチャイコフスキーをやったから、お休みでもあるし、ちょっと気分を変えましょう」というような意味のことを言って始まったのが、ロッシーニ作曲のウィリアム・テル序曲で、始まりと終わりに自国(イタリア)の作曲家をもってきました。まだ若い指揮者ですが、オペラを得意としているようで、僕には嬉しい選曲でした。
威勢のいい演奏が多く聴けた元気の出る演奏会でした。東京へ出かけなくても、これだけの顔ぶれで軽井沢で演奏会を開いてくれる大賀ホールに感謝しつつ軽井沢駅に向かいました。
大賀ホールの2016春の音楽祭パンフレット。各公演のパンフレットにもなっています。
予習で聴いてみた、マルタ・アルゲリッチ(p)の弾く「チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番」のCD。