安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ヤン・ヨハンソン 8 BITAR/INNERTRIO

2016-05-11 20:37:47 | ピアノ・トリオ

5月3日に、軽井沢町の大賀ホールで行われたコンサートに出かけましたが、新幹線ではなく、「しなの鉄道」の電車で長野市から行きました。「しなの鉄道」は、新幹線の開業に伴いJRから譲渡された施設を買い取って開業した第3セクター鉄道です。食事つきのツァーに使われる新しい豪華列車の運行も行っていますが、通常はかなり古い車両による運行です。いくらか趣もあって、これはこれで悪くありません。ヴィンテージものといってもいいアルバム。

JAN JOHANSSON (ヤン・ヨハンソン)
8 BITAR/INNERTRIO (Heptagon 1961、62年録音)

   

最近、スタン・ゲッツ(ts)のスウェーデン録音を聴く機会が多く、一緒に録音した現地のミュージシャンにも関心を持ちました。ピアニストだとベンクト・ハルベルグやこのヤン・ヨハンソンです。ハルベルグは、国内盤LPも出ていたので親しみがあったのですが、ヨハンソンは名前しか知らなかったのでCD(2LPを一枚のCDにしたもの。)を購入したところ、予想外によかったので取り上げました。

メンバーは、「8 BITTAR JOHANSSON」が、ヤン・ヨハンソン(p)、Gunnar Johnson(b)、Ingvar Callmer(ds)。「INNERTRIO」が、ヤン・ヨハンソン(p)、George Riedel(b)、Egil Johansen(ds)。ヨハンソンばかりでなく、Ingvar Callmerのドラムスが小気味よく、なかなかいいトリオによる録音です。

曲目は「8 BITAR JOHANSSON」の方が、彼の自作が「Prisma」、「Skobonaka」、「Rebus」、「Bia vit」、スタンダードが「She's Funny That way」、「Night In Tunisia」(チュニジアの夜)、「Willow Weep for Me」(柳よ泣いておくれ)、多分スウェーデン民謡(ヨハンソン編曲)の「De salde sina hemman」。「INNERTRIO」は、彼の自作が「9.3,2,1 Go!」、「Innertrio」、「Premar」、スウェーデンのミュージシャンが書いたものが「Bolles vaggvisa」、「Svallvagor」、「The Chant」、「Snalltag」、スタンダードが「I Found a New Baby」と「The Thrill is Gone」で、併せて全17曲。

ヤン・ヨハンソンは、演奏や作曲に才能の豊かさがうかがわれますが、37歳という若さで亡くなってしまいました。クラシックの影響が感じられ、自作曲では若干アブストラクト気味なところもあります。中では、スウェーデンのメロディをジャズ化した「De salde sina hemman」が、哀愁が漂う佳曲で一番の聴きもの。現代音楽を少し想起させる「Premiar」などもありますが、「Night in Tunisia」や「Willow Weep for Me」などスタンダードでは、硬質な美しいタッチで演奏していて、彼の多彩な魅力に触れることができます。

【しなの鉄道、軽井沢】

   

長野駅で電車に乗り込むところです。

   

   

小諸駅で乗り換えです。

   

軽井沢駅からすぐ行けるアウトレットモールです。そちらのレストランで食事をと思ったのですが、人波を見てやめにしました。

   

大賀ホール。公園の一角にあります。池を挟んだ反対側から撮りました。