5月18日に長野市芸術館で行われた、「チック・コリア&小曽根 真 ピアノ・デュオ プレイズ・アコースティック」コンサートに行ってきました。前夜は、小曽根真のワークショップがありましたが、チック・コリアを聴きに来た人が多いのか、前夜に比べて多くの聴衆が集まっていました。
演奏されたのは次の10曲です。
1.Improvisation
2.Improvisation → Bud Powell (by Chick Corea)
3.Someone to watch over me (by Gershwin)
4.Spanish Song (Chick Corea)
5.Children Song N.20 (Chick Corea)
休憩
6.Mozart : Piano double Concerto
7.Mirror Mirror(Chick Corea)
8.Snapshot (Makoto Ozone)
9.Fantasy for 2 Pianos (Chick Corea)
Encore:
Blue Hawk (Thelonious Monk)
演奏内容ですが、一言でいうと、インプロヴィゼーションミュージックで、ジャズの要素はあまり感じられませんでした。アンコールにやった「Blue Hawk」がブルーズなので、これがジャズらしいものでしたが、あとは現代ミュージックといった趣が強いものです。唯一のスタンダードである「Someone to Watch Over Me」(やさしき伴侶を)もメロディは何回か登場しますが、複雑な展開のソロが続き、内容的にはチック・コリアの曲になっていました。
チック・コリアのピアノ演奏は、素晴らしいの一言で感心しました。どうしたらあんな音になるのかわからないキラキラしたサウンド、次々と繰り出される自在なフレーズ、リズム、タイミング、和音と、次元が違うといった感想をもちました。小曽根真は、前夜のほうがはるかに出来がよく、当夜はのびのびしていないようでした。
一番よかったのは、モーツァルトの「2台のピアノのための協奏曲(第1楽章)」です。きっちりとしたモーツァルトの譜面で演奏があり、後半ではカデンツァ風にインプロヴィゼーションを繰り広げていました。僕には、ついていけない曲もあり、例えば「Children Song No.20」は、ECMからLP「Children Song」が発売された当時、購入して何度か聴いたのですが、ついぞ親しめなかった記憶があり、その印象は当夜も変わりませんでした。
観客は、チック・コリアや小曽根真のファンばかりでなく、ピアノを教えている人や習っている人なども聴きに来ていたようです。多くのお客様は拍手して歓声を挙げており、ピアノの演奏会としては面白いものでした。