Excel の数式に組み込める関数では、フォントの色を変えられるようになっていないという説明に、「そういう関数は存在しない」と見事に言い切ったのがありました。
これは、Ｗｅｂの世界の性格がよくあらわれた、面白い書き込みだと思います。
どう書いてあるかは昨日載せましたが、質問への回答者という立場で、こんなふうにズバリと言い切ると、本当にそうかと思わせる力が出るようです。
フォントの色を変える操作は、数式に組み入れる関数には採用されていないというと、面倒な説明をしなければならなくなるので、「存在しない」と言ってしまえば、後の説明はその宣言に合うよう、形だけ理屈のようなことを書き足せば、それ以上追究されることはないと見込んだか、あるいは、そんなことは全然気にしていないか、どちらかなのでしょう。
この回答を面白いと思ったのは、これが「非実用関数」といういいかげんな呼び方に、ちょうど当てはまりそうに感じたからです。
「非実用」というのは、奇妙な言葉です。法律の総元締めであるかのように思われている憲法が、うっかり手をつけられないような自縄自縛の条文を組み込んでしまったおかげで、７０年も手入れをされずに置かれているうちに、さまざまな実用解釈ができあがり、その積み重ねによって憲法自身の尊厳がずるずると目減りしていくという奇態も、非実用性のあらわれのように思えてくるのです。
