jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

CD盤で聴く・・・・・ TALES OF ANOTHER / GARY PEACOCK

2023-12-23 | ジャズ・p


レコードを聴いているとつい、うとうとと・・・・・精神衛生上、あまり良くないですね。やばそうな時、予防策としてアナログ・プレイヤーをオート・リフトアップ機能がついたケンウッドのKP9010にしている。ま、よく出来たプレイヤーで中古市場でも人気があり、当時の定価より高値で取引されている。今、新しく制作したら、価格は3~4倍を下らないと聞く。

CD盤なら心配なく聴けるので前から消極的に探していたところ、DU名古屋にありました(880円)。

以前にもUp(レコード)しており、再掲すると、

「初めて名を覚えたジャズ・ピアニストは、パウエル、モンク、エヴァンスではなく、いきなりキース・ジャレット。勿論、ラジオなどから流れたピーターソンとワケありのフラナガンは知っていたけれど名だけだった。ジャズ・ピアノが『こんなにカッコいい』とは・・・・・・、でも、ロイドから離れたリーダー作3枚(VORTEX)には、あの才気煥発なプレイはなく、期待が大きかっただけに、自分の視界からキースの姿は消えた、否、消してしまった、という言い方が正確だろう。暫くして、ECMから”FACING YOU”(1971年)を発表し、話題になったけれど、自分が描くキース像とはかけ離れており、その後、ソロ・アルバム等で人気を博していたが、殆ど興味は湧かなった。

後年のある日、いつものレコード店で新譜コーナーの壁に現代アートのカヴァが一枚が飾ってあり、ピーコックのリーダー作だった。試聴させて貰い、一曲目の1/3も終わらない内に決めた。”Vignette"、誰も足を踏み入れたことがない深い森、樹海に向かい何かを求めるでもなく魅入られるように奥に進むキースとピーコック、そしてディジョネット、底知れぬ世界が広がる。若さに任せた才能ではなく、セルフ・コントロールが出来るキースが鮮やかに自分の中に蘇った。あれから、もう10年が経っていた。

車で15分位の所に青猫というジャズ・カフェがある。インテリア等々、ECMの世界を表現した店造りになっていて、初めてか、二回目の時、このアルバムをリクエストし、CD中心なので『レコードのB・・・・・』と言い掛けた所で、マスターは『Trilogyですね』と、にっこり。

この作品の聴きものはやはりB面を占める”TrilogyⅠ、Ⅱ、Ⅲ”だろう。中でもⅡは、気恥ずかしいほど甘いメロディから一転し、ff(フォルティッシモ)でドラマティックに弾き切るキース、お決まりの展開と分かっていても殺られる。

本作はピーコック名義のためキースのリーダー作としてUpされず一般的に知られていないが、ピアノ・トリオの最高峰と評するファンは少なくなく、強ち荒唐無稽な話ではないと思う。自分もその一人です。6年後、このメンバーでスタンダーズ・トリオを結成する礎になるとは、当時、誰も予測していなかった。」

 

 

今回、入手したCDは西ドイツのHanoverのポリグラムで制作されている。West Germany(1949~1990年)とは歴史を感じさせますね。

「CDは人間の可聴域、20Hz~20,000Hzの音だけを記録しているに対し、レコード(アナログ)は20,000Hz以上の音も記録することが可能で、聞こえなくとも所謂、空気感として捉えられる事ができ、アコースティックな響き具合が・・・・・」なんて、さんざん使い古された理屈を振りかざすつもりはありませんが、このポリグラム版CDはその辺りが参考になる好例じゃないか、と思います。

冒頭の”Vignette”は兎も角、レコードでも垣間見えるマッスル感が隠しようないほど現れ、眠り対策に購入したはずなのに、うとうとしてる場合じゃないですよ(笑)。アコースティックなレコードかマッスルなCDか、これは好みの領域ですね。その日の気分に任せてもいいかな。

いずれにしても、キースで一枚を、と問われたら、他人名義ながら真っ先に挙げる作品です。極め過ぎるほど、フィニッシュが効果的。

なお、このセッションが終わった後、ピーコックがキースに「これから、このメンバーで活動しないか?」と提案した所、キースは軽くスルーしたそうです。でも、恐らく、手応えは十分にして充分なので、頭のどこかに収めていたのだろう。



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