昔々、カヴァの雰囲気だけで手に入れたもの。オリジナルがあの「脚立」とはまだ知らなかった時期に。
A面のバランスの悪さと不純物が混ざったような「音」にだんだん不快指数が上る。3曲目の'Dark Eyes’でケリーのpの音圧がダウンする辺りで辛抱し切れず針をUPしてしまい、長い間、死蔵状態だった。
DL-102の取説を読み直していると、オッ、MonoだけでなくStereo盤(モノ出力)もOKと。ふと、この'Whisper Not’を思い出し、淡い期待が・・・・・・・
モノなので左右のアンバランスが解消され、また、厚みが増した音に「濁り」がうまくカムフラージュされ、十分聴ける音に変身し、裏技成功というワケですね。でも、'Dark Eyes’でのpの音圧ダウンは何ともならない(笑)。
ものの本によると再発ORPHEUM盤もオリジナル・スタンパーを使用しているとの事。ただ、本盤は62年にリマスターとクレジットされているのでちょっと違うかもしれないし、この時に疑似ステレオ化された可能性が高い。オリジナルの「脚立」にはステレオ盤はなかったと思うけれど・・・・・
実は、この「音」に違和感を持ち、70年代初めマイルストーン・レーベルで再発されたMono国内盤を聴いたけれど、元々?やや甲高い音質を修正しようとしたせいか、逆にWet過ぎる生気のない音質に変わり果てていた。
オリジナル盤を聴かずして本作を云々するのは如何なものか、と思うけど、推測するとやや問題を含んだ「音」(A面)には違いなさそうですね。
制作者側の「売り」はA面のハズで、B面の方が好きと言うファンが多いのもここに起因しているかも。
確かに、A面とB面では音質が異なり、
B面はP.J.ジョーンズ抜きのトリオ演奏ですが、pとbのポジションが左右逆になっている。疑似ステにわざわざそんな変化球を?(笑)、それとも本当にステレオ録音で遅刻したジョーンズが加わりマイク・ポジションを変更したのだろうか?
いずれにしても、些か強めの中高音が耳にカキーンとくる部分もあるが、混濁感がなくクリーンなのでストレスを感じない。
勿論、DL-102でOKですが、シュアーのV15タイプⅤで聴くと、これが疑似ステ(?)とは思えないほどGooなんです。
名曲'Don't Explain'でのリリカルなプレイでは、ケリーのデリケートなppタッチに加え、細やかな指捌きがまるで映像のように眼の前に浮かんでくる。
素性の良さは解っていたけれど、初めてV15タイプⅤの真価を知らされた思いです。
「脚立」のカヴァ・センスはどうしても受け入れ難く、長年のモヤモヤが自分なりに決着したので、オリジナルを追う事はもうないでしょう。
それにしても、A面はDL-102(Mono)、B面はV15タイプⅤ(Stereo)と二本も使わせるとは「ふてぇ~野郎」ですね(笑)。でも、これで死蔵脱出ですから。
ま、どうでもいいような話だけど、全ては偶然見つけたY字型リード線から始まった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます