jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

DON CHERRY / COMPLETE COMMUNION & SYMPHONY FOR IMPROVISERS

2019-08-11 | ジャズ・tp

 

夏はボサノバと思っていたけれど、意外にニュー・ジャズとの相性が良い。

そこで、D・チェリーの作品を二枚。

一枚はBN第一作目、チェリー、バルビエリ、グライムス、ブラックエルのカルテットによる”COMPLETE COMMUNION”(1965.12.24)

この手の演奏に抱く先入観、つまりラディカルさは全くと言っていいほど無く、グライムスの強靭なベース・ワーク、煽るような独特なブラックエルのドラミングをバックに、チェリーは後に「吟遊詩人」と形容される奔放なコルネットを既に垣間見せ、バルビエリも、後に人気を博した「フォークロア・フュージョン」とは異なり、適度に塩辛さを振りまくビターなtsを聴かせます。

片面それぞれ途切れのない四部構成の1曲(全てチェリーのオリジナル)ずつで、知らぬ間にサラッと聴き通してしまいます。

タイトル通り四人の「完全な交流」がものの見事に反映されているからでしょう。

 

もう一枚は第二作目の”SYMPHONY FOR IMPROVISERS”(1966.9.19)

こちらは、フリージャズの特徴でもあるコレクティヴ・インプロヴィゼーションを機軸にメンバー全員がソロを通じ次々に有機的に絡んでくる展開が完璧に浮き彫りされている。こちらもA面、B面、それぞれ4つの曲で構成され、継ぎ目なく連続演奏されていますが、一時の破綻もなく繰り広げられていく様は驚異としか言いようが有りません。本作も、一部のフリージャズ作品にありがちな騒音化した世界は無く サンダースののた打ち回るtsさえも納得のいくインプロヴィゼーションとして完全にチェリーの世界に同化されている。それもこれも、演奏者を強烈にプッシュするブラックウエルのパワフルなドラミングとグライムスの躍動感溢れるbに負う所が多い。

タイトル曲を含んだA面よりもマイナー調のメロディの”Manhattan Cry”から始まるB面の方が、どちらかと言えば好きです。一瞬、B・リトルを思わせるチェリーの哀感を漂わせたcorの後、C・テイラーを彷彿させる見事なベルガーのP、この後暫くして‘いかさま師’へ華麗に変身していくバルビエリの思わせたっぷりの‘ガトー劇場(激情)’からスタートするこのB面はトータルで20分間、‘フリージャズ’といった先入観を忘れさせるほどすばらしい出来映えです。

 

二作共、BNのレーベル・キャラクターの枠内で、「表現の自由」を高らかに謳っている。だから聴くすべての人達から共感を得られるのだろう。

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿