管理栄養士Atsukoの日々

 コーチングを用いた栄養・食事相談が得意です。
 専門:透析を含む腎疾患・糖尿病・生活習慣病・栄養教育

医療の現状

2007-12-11 22:19:45 | 仕事
病院は、さまざまな専門職を持った人の集まりですので、
私の目から見た他種職の仕事内容、現状について
機会があるごとに書いていこうかな、
書くとしたら、まずはドクターかしらと思いながら
今日は帰ってきました。

ブログを書く前に、yahooの最新記事のトッピックスに「医療崩壊」という文字が…。

記事を読んで、本当にそうだなと…。

医師の過剰な勤務状況は当院でも例外ではありません。

看護師は、夜勤をして次の日の朝9~10時頃に退勤になり、
さらにその次の日も休みとなります。

でも、医師はそうではありません。
当直明けでも通常と同じように勤務をしています。
勤務も日勤であれば、17時か17時半終わりですが、
その後も、残って仕事をしていることが多いですし、
私達以上に、勉強会などにも出席をしています。
勉強会はたいてい19時から21時か22時くらいまであります。
また、役職がある医師(医局長、院長など)になれば、
院内の委員会(17時30分~開始)にも多数出席しなければいけません。

医師の勤務内容を見ていると、
頭脳明晰であるのは必須事項ですが、
知力に加え、体力、精神力が必要だなと思います。

もし、私に医師になれるくらいの知力があったとしても、
体力、精神力の面でなれないし、
なったとしても続かないだろうなと思います。

また、病院の財政難。
これもあるだろうなと思います。
診療報酬の引き下げが原因です。

他の部門の収支はよく分からないのですが、
病院の入院食がまさしくよい例かと思います。
厚生労働省は、病院は入院食で儲けているからという理由で、
去年4月より入院食の診療報酬を下げましたが、
当院においては、まったくそのようなことはありませんでした。

去年の3月まででも、やや赤字経営でやってきたのに、
診療報酬の引き下げにより、食事の面ではかなりの赤字経営です。

それに加え、
管理栄養士の主な収入源である個人の栄養指導点数は1回130点(金額で1300円)で、
入院中は2回まで、外来では初月のみ2回、次月からは1回しか取れません。

また本人にのみ指導した場合のみ点数が発生し、
家族やヘルパーなどの介護者に指導した場合は、点数はつきません。

ちょっとお金の話になり、いやらしいのですが、
例えば、糖尿病の教育入院では、2週間の入院中に、
管理栄養士は30~40分/日×6日間、患者様に食事の説明を行います。
入院前の他種職とのミーティング、
指導1回ごとの指導内容記録、
入院前・外泊時の食事記録の栄養価計算などを含めると、
1人の教育入院患者さまにつき最低6時間は費やしています。
診療報酬は130点×2回ですから、なんと時給は430円くらいなんです。

栄養部門は、「完全に赤字やな。」とトップの方からは何度言われたことか…。

金額では表せない部分で、貢献していると自負しているのですが…。

「病院の財政難」、とても難しい問題ですが、
病院の一職員として、
一人一人が安心して医療を受けられる時代であって欲しいと願うばかりです。