新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「凶犯」を紹介します

2007-04-26 18:59:16 | 読書
昨日はIPが過去最高を記録いたしました。有難うございます。「ピノコ」ファンの方々かそれとも懸賞マニアの方々か。その辺は分りません。なぜならアドバンスコースにまだ登録しておりませんので。これからもよろしくお願いいたします。

さて、本日紹介いたしますのは、「凶犯」張平著 荒岡啓子訳 新風舎文庫です。

表4の紹介文の一部を書きます。
「実際に起きた事件をモチーフに現代中国の社会問題を描き、その背後にひそむ人間精神の深淵をえぐる筆致は、目を見張るほどリアルで鮮烈だ。興奮と感動のるつぼに叩き込まれる現代中国の衝撃作!」とあります。
TVニュースなどでみる、内陸部での貧しい農民と役所の対立、先日の放映にある上海バスターミナルの信じられないほどの帰省する人たちをめぐる大混乱など、漠然とした社会主義市場経済の混沌は感じておりました。
その今の中国で、現実の政治・社会問題を題材に小説を書こうという作者の気持ちを呼んでみたいと購入しました。

一寸だけあらすじを。「中国内陸部の国有林に派遣されたベトナム帰りの傷痍軍人・李狗子。国有林監視の仕事をまっとうしようとしていた彼を待っていたのは、金力にひれ伏す腐敗した役人と状況に流され見てみぬフリをする庶民だけでした。対立は深まり衝撃的な大事件へと発展します。」
外の別の社会を知らなければ、今日を生きるためうそもつき、へつらい、食べるものを手に入れるため口をつぐむしかない貧しい人たち。そんな社会の構造をこれでもかと描いてあるミステリーです。読後ほのぼのとした気にはとてもなりませんが、骨太の濃厚なスープを飲んだような、胃にもたれる様なミステリーです。
たまにはこんな本もどうぞ。

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