風のささやき 俳句のblog

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起きたなら全てが悪夢 本当の生は別にと 告げられたいな 【短歌】

2023年06月06日 | 短歌

嫌なことが続くと
これがすべて悪い夢ならいいのにと
思うこともあります

目が覚めたらもっと楽しい
本当の生があって
今の生活を、悪い夢だったと
振り返り、胸をなでおろすような

けれどそんな都合の良い話はなくて
せめて、悪夢の続きにならないように
自分で頑張らねばなと思ったりします


走り梅雨まだ荒れ果てぬ海の顔 【季語:走り梅雨】

2023年06月03日 | 俳句:夏 天文

梅雨の話題も増えて
これから雨が続くのかと思い
その前にと自転車で
近くの浜辺に出かけました

前の日まで雨が降っていた割には
海はいつもとまだ
さほど変わらない表情をしていました

雨が続くとどんな顔になるのか
もっと険しい顔をするのか
あまり想像できないでいました


思い出してくれることが 【詩】

2023年06月01日 | 

「思い出してくれることが」

あなたは思い出して
くれることがありますか
あれから何年かたった今でも
地下鉄の良く似た横顔に僕のこと

あなたは思いだして
くれることがありますか
混んだ車内に触れあった肩の感触
言葉の代わりに眼で交わした会話を

あなたと一緒に座る電車の
その行先はどこでも良かった
おり立つ先はどこでも
しっくりと思えた
あなたと一緒だから
新鮮な風が吹いた
ときどき海が車窓に見えれば
なお気分も晴れた

あなた似の後ろ姿には
そのつど胸も熱くなって
手を伸ばして届きたくなる
思い出の帰り道
何を話しても楽しくて
力いっぱいはしゃいだ

街角のどこかで 今でも
あなたに会える日を思いながらも
まだきっと上手く笑えない僕がいる
離れてしまったことの後悔を
外れくじのように引き続けている

あなたは今でも
思い出してくれることがありますか
あなたを思う胸の温かさで
闇に火を点している僕のことを