流行語は世相を映す

『2013年上半期流行語大賞』、林修氏の決め台詞「いつやるか？今でしょ！」が圧倒的人気で首位!!(オリコンのアンケートより)

「女子力」「鈍感力」「～する力」などなど出版業界ではだいぶ前からちょっとした「～力」ブームです。
功を奏しているかは別として、安倍首相も何かと日本を主語にして「力強い」という言葉を意識して使っているように思います。
林先生の「今でしょ！」も有無を言わさぬ力強さでたるみきった気分をしゃきっと立てなおしてくれる爽快さがあります。

今の時代なんとなく皆心に不安を抱えていて、引っ張ってくれそうな「力」を持っている言葉や人に惹かれているのかもしれません。

さて、ネットでは人を罵るのに「アスペ」という表現を使う人が結構います。
見当はずれのレスを「アスペルガー症候群（自閉症）」になぞらえて罵るわけですが、気持ちのいい言葉ではありません。
近頃では、単に気に入らないレスに「アスペ」とレッテルを貼る人もいて、そうなってくるともうどっちが「アスペ」だか分かりません。

しかし、この表現も若者が他の世代よりコミュニケーションに並々ならぬ関心を持っている証拠です。
子供の頃からネットや携帯電話で多くの人と触れ合う機会を持つ彼らはその辺の感性がとても繊細にできているのです。
ですから、意図を汲み取ってくれない反応に対しては敏感になるのです。

思えば2006年に流行語大賞にノミネートされかけた流行語もそうでした。
大好きなのに素直になれない乙女心を「ツンデレ」のわずか四文字で表現するとはなかなかです。
人間をよく観察し理解しないとこういう分類化ってできないと思いますから。

この言葉自体もそうですが、流行するほど受け入れられる感性を持つ人が多いことも感心します。
どんないい言葉も作品も評価する人がいなければ埋もれていくしかない運命ですから。

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