Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

爆心地の記憶

2015-04-13 22:00:36 | コラム

8.6秒バズーカーのはまやねん、過去に原爆ドームの前で笑顔でダブルピースの写真見つかる(ネットギークの記事より)

数日前、ご飯を食べながらふとNHKを観ていた時のことです。
広島の原爆ドームの老朽化が激しく修復が必要だと伝えていました。
街の声と紹介されていたのも「いつまでも残して欲しい」というものです。

しかし、これを聞いて少し複雑な気分でした。
まず、破されたものを、その壊れ加減を保つために修復するというのは矛盾してるようにも感じます。

もうひとつ、原爆ドームを残したいと思っている人たちの意図は何でしょうか?
それは当然、無差別殺戮兵器としての核兵器の恐ろしさを伝えるためです。

しかし、原爆ドームがモニュメントになったのは「ある程度原型を留めて残ったから」からです。
200m北の爆心地は一瞬の灼熱と爆風で人の命も建物も跡形もなく消し飛んでしまっています。

つまり、原爆の本当の恐ろしさは「何も残らなかったところ」にこそあると言えるはずです。

とはいえ、人は目に見えるものでないと伝えることは難しいです。
確かに原爆ドームのあの朽ち果てた姿はやはり痛々しく核の悲惨さを感じさせます。

偶像崇拝を禁ずる宗教のように、形にとらわれず人に伝える事こそ大事ということもできます。
一方で、お墓や仏壇があることで故人を偲ぶ機会を持てる面もあります。

しかし、上記事のように形あるものでも正しく後世に伝えるのは難しいようです。

コメント
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