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あるBOX(改)

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「ゴジラ×生頼範義」回顧展に行ってきた

2016年01月17日 | アニメ・特撮
2015年10年27日に79歳で逝去された生範義さん。
ゴジラ絵師としての顔も持つ生氏の作品を中心に
ゴジラの歴史をたどる展覧会が、渋谷パルコ PART1
B1FのGALLERY Xで開催された。

期間は2015年12/30(水)~2016年01/17(日)
10:00~21:00 入場料無料

気がつけば最終日。
見過ごす訳にはいかない・・・と、渋谷に出掛けた。



書籍の表紙画から「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」』を
はじめとした数々のSF映画ポスター、各種ビジュアルを
手がけてきたイラストレーター生頼範義さん。

今回の展覧会は、そんな生頼範義氏の仕事からゴジラに
関係するものが集められていた。

「ゴジラ」映画のポスターといっても、昔は殆どが
写真だったから、
生頼範義氏の「ゴジラ画」は1984年からという事になる。

復活版ゴジラ、その巨大さを表したイラストは、
オリジナル・ゴジラの持つグロテスクさも再現されていた。

噂どおり、原画の大きさに圧倒された。
私は氏のイラストを「緻密」と表現していたが、何より
その筆致はダイナミックだった。
※印刷で縮小される事を計算しての「塗り」に感服。

「ゴジラvsキングギドラ」「ゴジラvsビオランテ」
「ゴジラvsデストロイヤ」などなど、映画ポスターの
原画が並ぶ。

イラスト横に発表年と共に表示された、故・生頼氏の
コメントも興味深く。
「ゴジラvsキングギドラは構図的に少し窮屈になって
 しまった」・・・なんていう、
これほどの絵を描く人も、ちょっとした後悔と言うか
言い訳というか、そういう事を仰るんだなぁ・・・と
少しホッとした。

原画に近付いて筆の跡を見る。
塗り重ねによる盛り上がりの迫力、これも凄い。

「ゴジラ・アニバーサリー」時期に描かれたイラストは
遡って第一作ゴジラをイメージさせ、「国会議事堂破壊」
「列車食いちぎり」といった印象的なシーンが、強烈な
色使いによって再現されていた。
※むしろ迫力が倍加していて感動でしたよ・・・。

ゴジラ単独のイラストは、まさに「ゴジラ登場!」という
シーンで。
足元の波は荒れ、雷光が空を裂く(まるで「火山雷」!)、
異様な迫力が感じられる。

そう、ゴジラ登場は自然の驚異そのものなのだ。
それを否応なしに視覚で再認識させられる、それが生頼画の
凄さなのだ。



作品は完成原画のみならず、映画の台本(表紙は生頼画)、
ラフスケッチなども展示されていた。

鉛筆で「アタリ」を取った絵は、まさにラフスケッチ。
12月に仕事場で見つかった「ゴジラVSキングギドラ」の
ラフスケッチなどは本邦初公開、貴重なモノだという。

入口左の壁面には、西川伸司、開田裕治、麻宮騎亜 各氏
後進クリエイターによる追悼イラストも公開されていた。
※当然、充分な大きさの素晴らしいカラーイラストでした。

なお、お3方は1月10日、11日、1月17日に、それぞれが
ギャラリートークとサイン会を会場で実施。

12月30日には、三池敏夫・ゴジラシリーズ特撮美術監督と
オーライタロー氏(生頼氏の御子息にして画家)のギャラリー
トークがあって

1月9日(土)には作家・木原浩勝氏がゴジラと生頼範義氏を
語るイベントもあったという。

最終日は麻宮騎亜氏の登場日だったが、時間が合わずに
見れませんでした。

ただし、モニター画面にはゴジラ映画のハイライトや生頼先生
アトリエ紹介(筆の数が圧巻!)、オーライタロー氏のコメント
などが流されていました。
※ただし、外でやってる街宣活動の音が入り込んできて・・・
 肝心のモニター音声が聞こえずに参りましたわ

入場無料ではあるが、回顧展商品の販売コーナーあり。

ポスター、Tシャツ、カレンダー、クリアファイル、ポスト
カードなどが並んでいたが、私はTシャツをGET。



当然ながらゴジラ絵師だけじゃない、生頼先生のキャリア。
1980年、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の国際版ポスターで
脚光を浴び、以降ハリウッド映画ポスターも多くを手掛け、国内の
SF小説の表紙イラストも手掛けた人ゆえ、そちらも反映させた
個展も、今後期待したいが。

やっぱり、権利関係とか難しいんでしょうね。
「ゴジラ FINAL WARS」台本(カラー表紙)の展示でさえも
「権利をクリアして」と但し書きがあるくらいだから、私などが
考える以上にシビアなんだろうな・・・。

故・生頼先生の活動拠点だった宮崎なら可能だった全キャリアを
総括した個展。
やはり宮崎県で再度催される事を期待するしかない模様。

その時こそ行きますよ、生頼先生。