Kの祝祭日

映画、読書などのメモ

シリアの花嫁

2020-07-14 | chinema(アジア系映画)

 


「境界」という人間が作ったものに翻弄されながらも、
強い意志で、一歩前に踏み出そうとする人間たちの姿に勇気づけられた。

イスラエルの占領地、
ゴラン高原から境界を越えてシリアに嫁いでいこうとするが、
その境界で足止めされ、
どうしてもその境界を越えられない。
境界はイスラエルから見れば国境だし、
シリアから見れば国内移動にすぎない。
そこで花嫁のパスポートに押された判でもめる。
当然のことながら、両者は敵同士だから直接会って問題の解決をはかろうとはしない。
その境界地帯を国連アンタックの女性職員は行ったり来たり。
花嫁は境界で足止め、向こうに渡れない。

しかし、映画は、このとても悲劇的な状況を前にして、
ある種の楽観主義で、あきらめず明るく問題解決に立ち向かう。 
いちど境界を越えたら二つの国は国交がないから二度と故郷へは戻れない。
それでも未来に向かって道を切り開く。


人間が作った問題はいつか必ず解決できる。
未来に立ち向かう強い意志と希望を持っていつか必ず。
後味爽やかな力強いメッセージだった。

 

HPより 監督 エラン・リクリス Eran Riklis の言葉

私の映画は、ペシミスティック(悲劇的)な世界を前にして、私たちみんなが持たねばならないある種のオプティミズム(楽観主義)を巡るものです。

これははるか遠い場所にいるある家族の物語であるばかりでなく、私たちみんなの物語なのです。東京からテルアヴィヴ、大阪からニューヨークに至るまで、私たちはみな共通の目的を持っています。それは、人間的であり続けること、人間的な細部に注意を払うこと、そしてとりわけ、仲間の声に耳を傾け、違った物の見方、考え方を理解しようと常に努めることなのです。 

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