ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家

2013-03-16 | アート・文化

先週のラファエロ、グレコ展に続き横浜美術館へ。
キャパの展覧会は何度か観てきたが人気は衰えない。
スクープ写真の謎の解明などの要因が大きいのだろう。
これまで「ゲルダの作品」が展示された事はない(たぶん)。
キャパとは二人で一人だったというのが真相だろうと思うのだが、

ゲルダの死により一人になってしまい、有名になりすぎた戦場カメラマンは引っ込みがつかなかったということだろうか。
一人になってからのキャパや「失業中」の写真や『ちょっとピンボケ』から受ける印象は二人の時代とは温度差があった。
戦場カメラマンというより子供写真家といったところだろうか。

朱色の壁に展示されたゲルダの写真のうちスペイン内戦時の写真は正方形の写真が並ぶ。
これはゲルダの使用カメラが二眼レフだったことによるらしいのだが正方形の写真が妙に新鮮。
ブローニーは仕事で使ったことがあるが、6x4.5、6x7、6x9だけだ。
ローライを手に入れるか。でも銀塩に戻るのか?フレーミングできるか?

ゲルダの展示そのものは興味深いものであったが、会場で販売されていた図録が図録というには物足りない。

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2日目

2011-11-02 | アート・文化

2日目は、初日よりちょっとだけいい席。

視覚に頼る分野が多いジャンルだけに、

素人はセンターが望ましいのだろう。

この日は、全席種(Zを含む)当日券有り。

宣伝不足なのか、空席が目立つのは悲しい。

5日目も鑑賞予定。


新国:パゴダの王子

2011-10-30 | アート・文化

ブリテン唯一(?)のバレエ音楽「パゴダの王子」。
異国情緒に富むが、底抜けに明るいバレエでも陰惨なバレエでもない。
録音に聴くこの作品にはこの作曲家の多くの作品に通奏低音のように感じられる「闇」のような世界が希薄さを感じていた。
皇帝、王子といったブリテン好みの影のありそうなキャラクターが存在するもにかかわらずだ。
今回の上演により「闇」の部分を確認できるのではないかと思っていたが西洋人の見た日本テイストを基調としたような初日の舞台を見る限り「闇」の部分に踏み込んだものではなさそうだ。
オペラに比べると舞台上表現手段が限られ、保守的な傾向のある形式にブリテンの「闇」はこの作品になかったかのように。

音楽だけでストーリーを追う個人的には無謀とも思われる行為から開放された喜びは大きい。

次シーズン、「ピーター・グライムズ」で幕を開けるのは朗報。
(指揮者に現芸術監督の名がクレジットされていないが、スーザン・グリットンが出るし、演出はデッカー!)


犬塚勉展

2011-09-19 | アート・文化

日本橋高島屋へ

ディスプレイでみると詳細に書き込んでいる風だが、実際に近くで見ると大きさもあるため印象はやや異なる。それでも驚嘆に値するとは思うが。。。

フレーミングについては、素人撮影の風景写真とさして変わりないようにも思えるが、なかなか意図的に切り取れるものではないだろうなあ。


展覧会2題

2011-06-28 | アート・文化

気がつけば、ほぼ、同時代の展覧会。方向性は随分とことなりますが。

まず、蕗谷虹児展
夢二はちょっとだが、蕗谷はよいなあ…くらいの認識で出かける。
その点数600。比較的最近(1979年)まで存命だったこともあるので出展数は多い。
これだけまとめて見るとさすがに、食傷気味といったところもなくはないが惹かれるものも。
挿絵、作詞などは知っていたが、絵本やアニメーションまで手がけていたとは。
ストコの「アルルの女」のレコード・ジャケットは、クライバーの「椿姫」と同じ構図。
モデルが佐々木希風なのは好みが分かれるか?
古道具屋で埃を被っていたらつれて帰ってあげましょう。

視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション
写真、フィルムが中心の展示。
作品そのものは必ずしも一流の作品とは思えないが妙に楽しい。
新聞が配達されると、卵・パンが焼け、コーヒーが沸いて起床させられるマシンのような「ライト・スペース・モジュレータ」。
1時間に2回実際に照明を当てられ動きだす。どうしても動きに注目してしまうが、影を見るものらしく、隣の展示室では当時の映画を上映。
写真をかじったことのあるひとなら誰でも、印画紙に物を置いて露光したことがあると思うが、我々のはただペタンと置いただけの平面的なものとは異なり、計算され立体的な仕上がりとなっている。
フィルムは会場内で数本上映されていたが、数分のものから30分ほどのものまであったが展覧会場ですべてを観るのはしんどい。ほとんどがショップ購入できるようだが手が出ない。
オペラの衣装・演出もしていたようで、「ホフマン」と「バタフライ」の舞台写真が展示されていた。
「バタフライ」の舞台セットは日本人が見ても違和感のないもののように思われた。
30年代にハンガリー人が、舞台側から障子に照明をあて、格子模様を客席に見せていたのは「ライフ・スペース・モジュレータ」の作者であれば当然かもしれないが驚きであった。

最近、展覧会から遠ざかっていたがどちらも見応えあり。