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荒川三歩

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「桜井の史跡と伝説」-11/蛇越しの池(蛇池・医王池)女龍の伝説

2017年07月25日 | 散文


11.蛇越しの池(蛇池・医王池)女龍の伝説

孫兵ヱ作の医王池(蛇池)に昔一匹の女龍が棲んでいて、時々竜宮の乙姫を思わせるような美しい女性に化けて姿を現し村人たちを喜ばせていたといわれ、どんな日でりの年でもこの池ばかりは水に不自由をすることがありませんでした。


ところが或る年、数十日間干天が続き、田畑の作物は枯死状態になってしまいました。


それでも里人達はこの池に棲む龍のため少しばかり池の水を残してあったが、せめてあの残りの水でも抜けば作物が助かるが、でも女龍の棲家がなくなる。

そう言って里人達は深いため息をつくばかりでありました。

それからも、まだまだ日でりは続き、里人達は池の堤に残った水をながめながら、池の主女龍様には申し訳ないが、村の人々の幸せの為だ、この水を頂だいしようと話し合いました。


そうしたささやきを聞いていた女龍は「そうだ村人達の幸せの為だ、この池を出て海に行くことにしよう。」と里人の前に姿を現し、幾度も、幾度も頭を下げて名残を惜しみながら、池の東北の隅から堤に出て、山越しに桜井浜に出た。


この時、女龍が悲しみの余り涙を流しながら山を越えたことから、その後この池を「蛇越しの池」と呼ぶようになったといわれています。


又、不思議にも龍が涙を流したその道は、雨が降れば白く乾き、天気の日には反対に黒く濡れると云われています。


それ以来桜井の人には、この女龍に感謝して、毎年夏になると海上に多くの船をこぎ出して賑やかに龍神様の祭りをするようになったとのことです。

<筆者>
現在、夏に船を出す祭りは「宮島さん」しか行われていません。
これは男児の健やかな成長を祈念する祭りなので、本件とは関係ないと思います。
娯楽の少ない子供時代ですので、実施していたお祭りなら覚えています。
ずっと前に廃れてしまった祭りでしょうか?
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