荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

背面(うしろむき)地蔵

2014年07月05日 | 散文

日比谷線三ノ輪駅近くの国道4号線(日光街道)沿いに金太郎飴本店がある。




更に進むと随分賑わっているスーパーマーケットがある。
歩道橋の脇にあるので、通行人と買い物客が合流して尚更に通りにくい。




そのスーパーマーケットの隣の家の壁に「薬王寺 背面地蔵尊 参道入口」の看板がある。
えー!参道?




覗き込んでみると、確かに道があって、「南無延命地蔵菩薩」の幟が見える。
興味津々迷わず入ってみる。




なるほど、地蔵堂がある。
実は、御堂の右側の狭い道を通って、広くなっているこの場に出て来たのである。
日本一狭い参道じゃないか?




逆光で眩しくてお顔がよく見えない!
写真もうまく撮れない!

由緒書きによると、元々はこの地蔵の正面が旧日光街道であったが、新道が後ろ側(現在の場所)に出来たそうである。
お地蔵様を新道に向けたところ、住職の夢にお地蔵様が表れて「何故東に向けるのか。そもそも寺の西は古陸奥への駅道なり。我は西に向かって立つ」と言う。近所の石工を呼んでその夢の話をした所、石工も同じ夢を見たとのこと。
その夜のうちに西に向け直したら、翌朝の参拝者が「昨日は東を向いていたのに、今日は西を向いている」と驚いた。
この話が近隣に伝わり、道路仏でもあり、延命子育て地蔵として、毎月の縁日が賑わい栄えたとのことである。
めでたし、めでたし。




お寺の境内の隅でグミの実が熟れていた。
子供の頃、麦わらで編んだ籠にこの実をいっぱい取って食べたことを思い出した。
一粒摘んでみたら、子供の頃と同じ、食べた後微かな渋みが舌の上に残る味である(熟れていない実は渋い)。
懐かしい!
私の田舎ではこの実を「ごよぶ」と呼んでいた。
この植物を見るのが懐かしい、名前を思い出して懐かしい、ふる里が懐かしい。




・・・門のところに夏祭りの提灯が掛けられていた。
お寺でも神社の祭りをお祝いするんだねえ。




コメント
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